Googleカレンダーの共有の手順|最初に決めておくこと
Googleカレンダーの共有でやり直しが発生するのは、操作を間違えたときではありません。共有する単位を決めないまま共有を始めたときです。とりあえず自分のカレンダーを1人に渡し、次に別の人に渡し、途中で「この予定は見せたくない」と気づく。ここまで来ると、直す作業は共有設定ではなく予定の引っ越しになります。
手順として押さえるべきことは多くありません。どのカレンダーを共有の単位にするかを先に決め、そのうえで渡す。この順番を守るだけで、後戻りの大半が消えます。以下は、その順番に沿った組み立て方です。
最初に決めるのは操作ではなく単位
共有の画面を開く前に、決めておくことが1つあります。誰に対して、何を見せるのか。この組み合わせの数だけカレンダーを用意する、という考え方です。
たとえば、チーム全員に会議の予定を見せたい。取引先には打ち合わせの枠だけ見せたい。家族には夜と週末の予定を見せたい。この3つは見せる相手も中身も違うので、同じ1本のカレンダーでは扱えません。1本で扱おうとすると、いちばん厳しい条件に全体を合わせることになり、結果として誰にとっても情報が足りない共有になります。
用意するカレンダーの数は、相手の種類の数です。人数ではありません。チームが10人いても、見せる中身が同じならカレンダーは1本で足ります。この見積もりを先にしておくと、次の手順が機械的になります。
主カレンダーは共有の単位にしない
Googleアカウントには最初から1本の主カレンダーが入っています。自分のアドレスが名前になっているものです。手近にあるので、共有の相談が出たときに反射的にこれを渡してしまいがちですが、勧められません。
理由は2つあります。1つは、主カレンダーにはそのアカウントで受け取ったすべての予定が入るためです。招待を受けた会議も、自分で入れた私用も、区別なく同じ場所に着地します。共有すれば、それが全部相手の視界に入ります。
もう1つは、主カレンダーが削除も譲渡もできないためです。用途が変わったとき、追加したカレンダーなら渡してしまうことも消してしまうこともできますが、主カレンダーはアカウントに固定されていて、できるのは共有を外すことだけです。
そのため、共有を前提にするなら、まず新しいカレンダーを作るところから始めます。作成はカレンダーの設定から行い、名前は相手から見て意味の分かるものにします。自分にしか通じない略語を付けると、相手のカレンダー一覧に並んだときに正体が分からなくなります。
予定を移してから共有する
新しいカレンダーを作った直後は、当然そこは空です。共有したい予定がすでに主カレンダーに入っているなら、先に移します。移すのは予定を開いて、所属するカレンダーを切り替える操作です。
この作業を共有の後に回すと、順番として損をします。共有を先にしてしまうと、予定を1件移すたびに相手の画面から消えたり現れたりします。相手が見ている最中に動かすことになり、確認を頼んでも状態が定まりません。移し終わってから渡すほうが、最初の確認が1回で済みます。
繰り返しの予定を移すときは、シリーズ全体を移すのか、1件だけを移すのかを聞かれます。ここで1件だけを選ぶと、同じ会議がカレンダーをまたいで散らばります。基本はシリーズ全体を選び、例外が必要なときだけ1件を選びます。
アクセス権は下から選ぶ
渡す段階は5段階あります。日程を合わせるためだけの共有なら、いちばん下の「空き時間のみを表示」で足ります。この段階について、Googleはこう説明しています。
People can only find out when you're busy on your calendar. 出典: support.google.com
相手に見えるのは、その時間が埋まっているという事実だけです。件名も場所も渡りません。ここから始めて、相手から「中身も見たい」と言われたときに上げる。この順番なら、渡しすぎが起きません。
逆に、最初から「予定の変更および共有の管理」を渡すのは、相手にそのカレンダーの持ち主と同じことができる状態を作る操作です。共同で運用するカレンダーでは妥当ですが、「念のため広めに」という理由で選ぶ段階ではありません。
人が入れ替わるならグループ宛に渡す
共有先には、個人のアドレスのほかにグループを指定できます。どちらを選ぶかは、そのチームで人の出入りがあるかどうかで決まります。
出入りがあるなら、グループ宛のほうが手間が少なくなります。新しく入った人はグループに追加された時点でカレンダーが見えますし、抜けた人はグループから外れた時点で見えなくなります。カレンダー側の設定を触る必要がありません。
固定のメンバーなら、個人宛のほうが分かりやすくなります。共有の一覧を開けば、誰が何を見られるかがそのまま並ぶためです。グループ宛にすると、一覧に出るのはグループ名の1行だけになり、中に誰がいるかは別の場所を見に行くことになります。
両方を混在させると、後から外す作業でつまずきます。同じカレンダーに個人名とグループ名が並んでいると、ある人のアクセスをどちらの経路で外すべきかが、画面からは分かりません。どちらかに寄せておくのが安全です。
相手の側で見えているかを必ず確認する
共有の操作をすると、相手にはメールが届きます。Googleは、相手がそのメールのリンクを押してカレンダーを追加する必要があると説明しています。この一手間が残っているあいだ、相手の画面には何も出ていません。
そして、この状態は共有した側の画面からは見分けがつきません。アクセス権の一覧には相手の名前が並んでいて、操作としては完了しているように見えます。だから、手順の最後に相手への確認を入れます。「一覧に出ていますか」と聞くだけで済みます。
確認のときに一緒に聞いておくとよいのが、どのアドレスで見ているかです。仕事用と個人用の両方を持っている相手は多く、共有先に指定したアドレスと、いま開いているアカウントが違えば、当然そこには出てきません。
社外の相手に渡した場合は、もう1つ確認する対象があります。組織がGoogle Workspaceを使っていると、管理者が外部への共有に上限をかけている場合があり、その上限は個人の選択より強く働きます。相手から「枠は見えるが中身が空」と言われたら、自分の組織側の設定を見に行くのが早道です。
私用の予定を混ぜる前提なら、入れる時点で決める
共有するカレンダーに私用の予定を入れる運用にするなら、予定を作る時点で公開範囲を決める癖を付けます。予定には公開範囲の設定があり、非公開を選べば、共有相手には時間が埋まっていることだけが伝わります。
後からまとめて直すのは現実的ではありません。件数は増え続けますし、どれが直す対象かを目で拾う作業になります。作るときに1つ選ぶだけの手間と、あとで数十件を洗う手間は、釣り合いません。
すでに共有してしまっている場合のやり直し方
順番を守れなかった状態から立て直すこともできます。手順は、新しく作るときと少し違います。
まず、新しいカレンダーを作ります。ここまでは同じです。次に、共有を止める前に予定を移します。順番を逆にして先に共有を外すと、相手の画面から予定が消えた状態で数日が過ぎることになり、その間に「見えなくなった」という連絡が来ます。移し終えてから新しいカレンダーを渡し、最後に古い共有を外す。この並びなら、相手の画面に空白の期間が出ません。
移すときに注意が要るのは、他の人が主催している会議です。自分が招待されている会議は、自分のカレンダーに入っているように見えても、実体は主催者の側にあります。これを自分の別のカレンダーへ移しても、チームの他のメンバーには何も起きません。共有で見せたいのが「自分が主催する予定」なのか「自分が参加する予定」なのかで、取るべき手が変わります。後者を全員に見せたいなら、カレンダーを移す話ではなく、招待に相手を含める話になります。
古い共有を外したあと、相手側に古いカレンダーが残っていないかも確認します。外した時点で相手の一覧からは消えますが、相手が自分で別の方法で取り込んでいた場合は残ります。
共有を止めるときも順番がある
プロジェクトが終わったり、担当が変わったりして共有を止めるときも、外す順番で手間が変わります。
先にやるのは、そのカレンダーがまだ誰かの運用に組み込まれていないかの確認です。自分が作ったカレンダーでも、共有の管理まで渡していれば、相手がさらに別の人に渡している可能性があります。共有の一覧を開けば、自分が許可した覚えのない名前が並んでいるかどうかは分かります。
そのうえで、個別に外すのか、カレンダーごと削除するのかを決めます。削除すれば全員の一覧から消えますが、中の予定も一緒に消えます。予定を残したいなら、削除ではなく共有を外す操作を選びます。
Macの画面側で決めておくこと
共有の設定が済むと、次は自分の画面の話になります。自分のカレンダーが数本、共有されたものが数本。この状態で週の表示を開くと、色が増えて、どれが自分の予定なのか分からなくなります。
先に決めておくとよいのは、新しい予定がどのカレンダーに入るかという既定値です。ここがずれていると、チームに見せるつもりの会議が自分だけのカレンダーに入り、共有したのに見えないという相談が発生します。原因が権限ではなく行き先である以上、共有設定をいくら見ても見つかりません。
もう1つは、表示の切り替えをどれだけ速くできるかです。会議の前はチームのカレンダーを出し、作業に戻ったら自分の予定だけにする。この往復の速さは、扱うカレンダーが増えるほど効いてきます。できることには複数のカレンダーを1枚に重ねたときの扱いが、他のカレンダーとの比較には他のアプリとの違いがまとまっています。
予定を入れる操作そのものに時間を取られているなら、入力の作りを見直す余地があります。話し言葉と音声で予定を入れられる方式は、件数が多い人ほど差が出ます。考え方は予定の入れ方にあります。会議のあいだの移動で遅れが出るタイプの詰まりは移動時間が扱っています。
順番を守ると、やり直しが消える
ここまでの手順を短くまとめると、次の並びになります。
- 見せる相手の種類を数えて、その数だけカレンダーを用意する
- 主カレンダーは共有の単位にしない
- 予定を移し終えてから共有する
- アクセス権は下の段階から選ぶ
- 人の出入りがあるならグループ宛にする
- 相手の画面に出ているかを確認する
- 新しい予定の行き先と、表示の切り替え方を決める
この順番が守られていれば、途中で作り直す場面はほとんど出てきません。逆に、どこかを飛ばして先に共有してしまうと、戻るときの作業量が一気に増えます。手順として時間がかかるのは最初の1つだけで、あとは操作です。判断の前に出る疑問はよくある質問に、手順の細かい部分は使い方にまとまっています。
よくある質問
自分のカレンダーをそのまま共有してはいけないのですか?
禁止されてはいませんが、勧められません。主カレンダーにはそのアカウントで受けた予定がすべて入るため、共有すると私用まで相手の視界に入ります。主カレンダーは削除も譲渡もできないので、用途が変わったときに外すしか手がありません。共有する予定は新しいカレンダーに分けるほうが扱いやすくなります。
予定を移すのと共有するのは、どちらを先にすべきですか?
移すのが先です。共有を先にすると、予定を1件移すたびに相手の画面から消えたり現れたりします。相手に確認を頼んでも状態が定まらず、確認の回数が増えます。移し終えてから渡せば、最初の確認が1回で済みます。
個人のアドレスとグループ、どちらに共有すべきですか?
人の出入りがあるならグループ宛です。グループに追加された時点で見えるようになり、外れた時点で見えなくなるため、カレンダー側を触らずに済みます。固定のメンバーなら個人宛のほうが、共有の一覧を見るだけで誰が何を見られるかが分かります。両方を混ぜると外す作業でつまずきます。
共有したのに相手から「空に見える」と言われました。何を見ればよいですか?
まず相手が招待メールのリンクを押したかを確認します。次に、指定したアドレスと相手がログインしているアカウントが一致しているかを見ます。枠は見えるが中身が空という場合は、空き時間のみの段階で渡しているか、社外への共有に組織の上限がかかっている可能性があります。