Calendar.app(標準)の手順|最初に決めておくこと
Calendar.app(標準)の使い方を調べると、予定の作り方や表示の切り替え方といった操作の説明がたくさん見つかります。ただ、会議と移動と作業時間が混ざった予定を回そうとしている人がつまずくのは、操作よりも前の段階です。どのアカウントに何を置くか、カレンダーをいくつ作るか、誰に何を見せるか、移動をどう扱うか。ここを決めないまま使い始めると、数週間後に役割の分からないカレンダーが並び、共有した相手に見せたくない予定が見え、移動の枠が実際と合わなくなります。
この記事では、標準のカレンダーを使い始める前に決めておくことを、実際に手を動かす順番で並べます。画面の細かい設定項目ではなく、あとから変えるのが面倒な判断に絞って扱います。
手を動かす前に決める4つのこと
最初に決めておきたいのは次の4つです。
- 置き場所:人と共有する予定と、自分だけの予定を、どのアカウントに置くか
- 数:カレンダーをいくつ、どんな役割で作るか
- 見せる相手:誰に見せて、書き込みまで許すのは誰か
- 移動:移動のある予定をどう入れて、いつ見直すか
この4つが後回しになりやすいのは、標準のカレンダーが何も決めなくても動くからです。アカウントを足せばカレンダーが並び、予定を入れれば同期されます。問題が表に出るのは、予定の数と関わる人が増えてからで、そのときには多くの予定がすでに入ってしまっています。
4つはどれも好みの問題ではなく、アカウントやアプリの決まりとつながっています。置き場所は各社がMacからどこまで操作を許しているかに、数はiCloudの上限値に、見せる相手は共有と公開の違いに、移動はAppleの移動時間の計算の仕方に左右されます。以下の手順は、この順番で1つずつ片付けていく流れです。
手順1:人と合わせる予定の置き場所を決める
最初に決めるのは、他人と時間を合わせる予定をどのアカウントに置くかです。あとから一番動かしにくいのがこの種類の予定だからです。基本は、相手が普段使っているアカウントに合わせることです。会社がGoogle Workspaceを使っているなら仕事の会議はGoogleに、家族全員がiPhoneを使っているなら家族の行事はiCloudに置く、という決め方になります。
Googleに置く場合は、1つ制約を知っておく必要があります。Googleのヘルプは、Appleのカレンダーで使えない機能の1つとして、新しいGoogleカレンダーの作成を挙げています。仕事用のGoogleアカウントで「採用面接」「外出」「顧客対応」のようにカレンダーを分けたいなら、先にブラウザのGoogleカレンダーで作り、そのあとでMacに表示させる流れになります。iCloudのカレンダーであれば、Macのアプリの中で直接作れます。
アカウントの追加は、カレンダーのメニューの「アカウントを追加」か、システム設定の「インターネットアカウント」から行います。この段階でつなぐのは、いま必要なアカウントだけにしておきます。使うかもしれないアカウントまで全部つなぐと、サイドバーに役割の分からないカレンダーが並び、次の手順で数を決めるときの邪魔になります。
手順2:カレンダーの数を上限から逆算して決める
カレンダーを役割ごとに分けると、週表示を色で読めるようになります。一方で、増やしすぎると予定を入れるたびにどれに入れるか迷い、その迷いは数が増えるほど長くなります。
数を決めるときの外枠として使えるのが、Appleが公開しているiCloudの上限値です。カレンダーとリマインダーのリストは合わせて100個まで、カレンダー、イベント、リマインダーの合計は50,000件までと定められています。見落とされやすいのは前者で、リマインダーのリストも同じ枠を使います。取引先ごとやプロジェクトごとにリマインダーのリストを作っていると、カレンダーに回せる数は思ったより少なくなります。
役割は、次の3つのまとまりで考えると整理しやすくなります。
- 人と合わせる時間:会議、面談、家族の行事など、他人も見る必要がある予定
- 自分だけの時間:作業のまとまり、移動、用事など、自分だけが知っていればよい予定
- 見るだけの情報:祝日、学校の予定、公開されている試合日程など
書き込むのは最初の2つです。それぞれ少数に抑えておくと、入力のたびの迷いが減ります。3つ目は自分のカレンダーとして作らず、購読で取り込むほうが向いています。購読したカレンダーには書き込めないので、うっかり自分の予定を入れてしまうことがありません。
例えば、仕事でGoogle Workspaceのアカウント、私生活でiCloudを使っている人なら、Googleに「顧客との打ち合わせ」「社内」、iCloudに「集中作業」「用事」を置き、祝日は購読で取り込む、という組み方が考えられます。書き込むカレンダーは4個で、新しい予定を入れるときは「他人も見る必要があるか」「仕事か」の2つを考えるだけで入れ先が決まります。
添付ファイルの扱いも、この段階で決めておきます。iCloudでは、1件の予定に付けられる添付ファイルは20個、予定1件の大きさは添付を含めて20MBまでです。資料のある定例会議は、ファイルを添付するより、共有の保存場所に置いた資料のリンクを貼る習慣にしておくと、上限を気にせずに済みます。
手順3:Googleの共有カレンダーは選んで取り込む
Googleアカウントをつなぐと、自動で同期されるのは「マイカレンダー」にあるカレンダーと誕生日です。同僚や取引先から共有されたカレンダーは、この時点ではMacに出てきません。Googleが用意している同期用のページを開き、表示したいカレンダーの名前をオンにして保存すると、次の同期でMacにも並びます。
ここでは、全部をオンにしないことが要点です。共有されたカレンダーをすべて取り込むと、週表示が他人の予定で埋まり、自分の空き時間が読めなくなります。手順2で決めた役割に合うものだけを選びます。日程を提案するときにだけ見たい同僚のカレンダーは、取り込んだうえでサイドバーのチェックを普段は外しておき、空きを確かめるときだけ表示する、という使い分けができます。
以前に同じMacで「委任」の機能を使って他人のカレンダーを見ていた場合は、この手順の前に止めておきます。Googleは、委任の機能をオフにしないと同期が動作しないと案内しており、カレンダーの設定のアカウントの画面で、委任に表示されているカレンダーのチェックをすべて外す方法を示しています。
Googleの機能のうち、Appleのカレンダーで使えないものは、新しいカレンダーの作成のほかに、予定のメール通知と会議室の予約機能があります。会議室をGoogleで予約している職場では、その作業はブラウザで行うと最初から決めておくと、会議の直前に慌てずに済みます。
手順4:共有の権限は招待を送る前に決める
iCloudのカレンダーを人と分けるときは、招待を送ってから権限を直すのではなく、送る前に決めておきます。書き込める状態で共有してから閲覧だけに戻すと、相手がすでに入れた予定や変更が混ざった状態から整理し直すことになるからです。
選べる形は3つあり、向いている場面が違います。
| 形 | 見られる | 書き込める | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 共有相手に追加する | はい | はい | 家族全員が予定を入れるカレンダー |
| 共有相手に追加して「閲覧のみ」にする | はい | いいえ | 空き時間を確認するだけのアシスタントや上司 |
| 公開カレンダーにする | リンクを知っている人 | いいえ | 多くの人に知らせるイベントの日程 |
公開カレンダーを購読した人は、見ることはできても変更はできません。共有相手の権限は、共有相手のリストで名前にポインタを置き、下矢印から「閲覧のみ」を選ぶと切り替わります。
上限値も、共有と公開のどちらにするかの判断材料になります。プライベートカレンダーを共有できる相手は100人まで、1件の予定に招待できる出席者は300人までです。数百人に日程を知らせるような予定は、共有ではなく公開で配るほうが上限に当たりません。全員との共有をやめるときは、カレンダーリストでControlキーを押しながらカレンダーをクリックし、「共有を停止」を選びます。
もう1つ、Macのアプリの外にある設定があります。共有しているカレンダーを変更すると参加者にメールが届く場合があり、これはiCloud.comの設定で止められます。共有を始める前に、相手に通知を送るかどうかも決めておくと、あとで苦情を受けずに済みます。
共有する相手にWindowsのパソコンを使う人がいる場合は、その人がどうやって予定を見るかも招待の前に確かめます。WindowsでiCloudのカレンダーを見る方法は、iCloud for Windowsで従来版のOutlookに同期するか、ブラウザでiCloud.comを開くかです。それが負担になる相手なら、共有のカレンダーはGoogleに置くほうが合っていることもあり、その場合は手順1の置き場所に戻って決め直します。
手順5:移動のある予定の入れ方を決める
移動の多い人は、最初の忙しい週が来る前に、移動の扱い方を決めておきます。標準のカレンダーでは、予定に場所を入れて移動時間を選ぶと、予定の前に移動の枠が表示されます。この枠の性質を知っておくことが、決めごとの出発点になります。
場所を変更しても、移動時間は自動的にアップデートされません。 出典: support.apple.com
Appleのガイドの説明から、決めておきたい習慣は3つになります。
- 場所を変えたら移動時間も選び直す。住所の書き換えと移動時間の選び直しを、1回の編集として扱う
- 連絡先の自分のカードに、自宅と勤務先の住所を入れておく。出発地点は、その予定の前3時間以内の予定、なければ連絡先の自宅や勤務先の住所、それもなければMacの現在地の順で判断される
- 目的地まで3時間以上かかる予定では出発時刻の通知が送られないため、新幹線や飛行機での移動は独立した予定として入れ、自分で通知を付ける
見積もりに関わる設定は、カレンダーの外にも2つあります。出発時刻はマップアプリで選んだ経路プランナーの設定に基づいて計算されるため、普段は電車で動く人は、マップの設定が車になっていないかを確かめておきます。そして、現在地から出発時刻を判断するには位置情報サービスが必要です。
手順6:1週間後に3つの数字で見直す
ここまでの決めごとが合っているかは、1週間使うと分かります。見直しに使うのは次の3つの数字です。
- 予定を入れるときに、どのカレンダーに入れるかで迷った回数
- 作ったあとで時刻や場所を直した予定の件数
- 移動の枠が足りずに遅れそうになった回数
それぞれの数字は、どの手順に戻ればよいかを教えてくれます。迷った回数が多ければ、手順2でカレンダーを作りすぎたか、役割の境目があいまいです。直した件数が多い場合は、直すたびに手順5のとおり移動時間を選び直していたかを確かめます。住所は正しいのに移動の枠が足りなかった場合は、前の会議が延びたときに枠が伸びないという、移動時間の項目では表せない部分が効いていることが多いものです。
厳密な記録は要りません。金曜日の夕方に、その週のカレンダーを見返しながら3つの数字を書き出すだけで、次に見直す手順が分かります。
決めた型が標準のアプリで回らないとき
1週間の見直しで、置き場所、数、権限、移動の決めごと自体は合っているのに、手間が減らないという結果になることがあります。その場合、残っている負担は窓口であるアプリの側、つまり入力の手数と移動の計算の仕方にあります。
入力で迷う回数や直す件数が多い人は、予定の入れ方で、話し言葉で書いた1行から日時、場所、通知までを読み取って予定にする方法を確認できます。話し言葉と音声で予定を入れられるため、項目を1つずつ選ぶ手順が減ります。移動の枠が足りない人には、地図で実測した所要時間を前の予定や自宅から自動で枠にして、出発の時刻を知らせる流れが移動時間で説明されています。機能の全体は使い方の章立てで確認できます。
標準のカレンダーとほかのアプリを、自然言語の入力、複数のカレンダーでの空き判定、実測の移動時間と出発の通知といった項目で並べた表は、他のカレンダーとの比較にあります。手順1から4で決めた置き場所、数、権限はアカウントの側に残るので、どのMac用のカレンダーアプリを使っても、そのまま引き継がれます。
よくある質問
Macのカレンダーはいくつまで作れますか?
iCloudの場合、カレンダーとリマインダーのリストを合わせて100個までです。カレンダー、イベント、リマインダーの合計は50,000件までと公開されています。リマインダーのリストを細かく分けているとカレンダーに使える数が減るため、書き込むカレンダーは役割ごとに少数にまとめ、祝日などは購読で取り込むと数を抑えられます。
Googleで共有された同僚のカレンダーがMacに表示されないのはなぜですか?
Googleアカウントをつないで自動で同期されるのは、「マイカレンダー」にあるカレンダーと誕生日だけです。共有されたカレンダーは、Googleの同期用のページで名前をオンにして保存すると表示されます。以前に委任の機能を使っていた場合は、それをオフにしないと同期が動作しません。
家族に予定は見せて、編集はさせない共有はできますか?
できます。iCloudのカレンダーを共有したあと、共有相手のリストで相手の名前にポインタを置き、下矢印から「閲覧のみ」を選びます。多くの人に日程を知らせるだけなら公開カレンダーにして購読してもらう方法もあり、購読した人は閲覧はできても変更はできません。
予定の場所を変えたら、移動時間も変わりますか?
変わりません。Appleのガイドでは、場所を変更しても移動時間は自動的にアップデートされないと案内されています。住所を書き換えたときは移動時間も選び直す、という習慣を決めておくと枠のずれを防げます。見積もりは、マップアプリで選んだ経路プランナーの設定に基づいて計算されます。