BusyCalの代替を選ぶ前に|手放してよい機能と手放せない機能

BusyCalの代替を探し始めると、つい他のアプリの機能表から比べたくなります。けれども先に見ておくべきなのは、いまのBusyCalで毎日使っている機能がどれかという点です。BusyCalは表示や自動化の作り込みが深いアプリなので、使っていない機能の分まで代わりを求めると、候補が1つも残りません。

この記事では、BusyCalの機能を「手放しても困りにくいもの」と「代わりが見つかりにくいもの」に分け、候補になるアプリの料金の形を事実だけで並べます。最後に、乗り換えで予定やメモを落とさないための手順を確認します。

BusyCalの代替が話題になる背景

BusyCalは提供が続いているアプリです。2026年9月の時点で、開発元の販売ページ、Mac App Store、Setappのいずれでも入手でき、提供の終了や新規受付の停止は案内されていません。それでも代わりを探す人が出てくるのは、使い続けるための判断が一定の周期で回ってくる仕組みだからです。

開発元の直販で買うライセンスは買い切りで、購入日から18か月分の更新が含まれます。期限を過ぎても最後に受け取った版は使い続けられますが、それ以降の更新を受けるには割引価格で更新します。つまり1年半ごとに「更新するか、この版で止めるか、別のアプリに移るか」を考える場面が来ます。Mac App Storeでは定期購入のみの提供で、開発元はその理由を、App Storeが任意の有償アップグレードに対応していないためと説明しています。

運営の面では、BusyCalは2007年にDave Riggle氏とJohn Chaffee氏が生み出したアプリです。公式サイトの会社案内によれば両氏は2017年に開発を引き継いでおり、現在はBeehive Innovations FZEがBusy Appsの権利を持っています。Mac App Storeでの販売者名はBusy Apps FZEです。

外から来る変化もあります。MicrosoftはExchange OnlineのEWSを段階的に廃止する方針で、BusyCalの資料では2026年10月1日から遮断が始まり、2027年4月1日に完全に停止すると案内されています。古いExchange接続のまま使っている人は、Microsoft Graph接続への切り替えが必要です。アカウントを登録し直すなら、ついでにアプリも見直そうと考える人が出てくる時期です。

使っている機能を先に書き出す

代わりを選ぶ前に、直近1週間の使い方を振り返り、次のどれを実際に使ったかに印を付けてください。

  • 日・週・月・年・リストの表示を、表示する週数や文字の大きさまで調整している
  • スマートフィルタで「仕事」「家族」などのカレンダーセットを切り替えている
  • ある予定の時間を、別のカレンダーに「予定あり」として写している
  • 予定の場所から移動時間を計算させ、出発時刻の通知を受けている
  • タスクをカレンダーの日付に並べ、完了するまで翌日以降に繰り越している
  • BusyContactsと連携して、予定に連絡先を結び付けている
  • 同じLANの中で、クラウドを通さずにカレンダーを共有している
  • 天気、月齢、画像、カウントダウンを表示している

印が付いたものだけが、代替アプリに求める条件です。印が付かなかった機能は、他のアプリに無くても日々の予定管理は止まりません。この段階で、条件はたいてい2つか3つに絞れます。条件が絞れないまま比較を始めると、機能の多いアプリほど良く見えてしまい、結局いまと同じ悩みを抱えることになります。

手放しても困りにくい機能

見た目に関わる機能は、代わりのアプリで形が違っても困ることが少ない部分です。天気予報や月の満ち欠け、祝日に付ける画像、予定までのカウントダウンは、あると便利でも、無いことで予定を落とすことはありません。

年表示の計画ビューも、年に数回しか開かない人にとっては優先度が下がります。メニューバーから今日の予定を見る機能は、BusyCal以外にも用意しているカレンダーアプリが多く、macOSのウィジェットでも代わりが利きます。

文で予定を入れる機能も、いまは珍しいものではありません。BusyCalのクイック入力は「Lunch with Joe next Tuesday at 12:00」のような文から日時や場所を読み取り、「alarm 15m」と書けば15分前の通知を、「[45m]」と書けば45分の予定を作ります。同じ種類の機能は他のアプリにもあります。ただし、どこまでの言い回しを読めるか、日本語を読めるかはアプリごとに違います。BusyCalの公式サイトでは文での入力の対応言語として英語、フランス語、ドイツ語、中国語(簡体字)、韓国語など8言語が挙げられ、Mac App Storeの更新履歴には日本語への対応を加えたと記載されています。代替を試すときは、ふだん自分が打つ文をそのまま入れて確かめるのが確実です。

代わりが見つかりにくい機能

次の機能を毎日使っているなら、代替アプリで同じことができるかを一つずつ確かめる必要があります。

1つ目は、LANの中でのカレンダー共有です。クラウドにデータを置かず、事務所の中だけで予定を共有する使い方は、BusyCalが初期から持っている機能です。同じ仕組みを備えたカレンダーアプリは多くありません。

2つ目は、別のカレンダーへの時間のブロックです。家族のカレンダーに入れた通院の予定を、中身を伏せて仕事のカレンダーに「Busy」として写す、という使い方ができます。v2026.2.3以降は、カレンダーごとに最大3つの規則を作り、条件に合う予定を自動で別のカレンダーへ写せるようになりました。元の予定を変えると写した側も追従します。これを手作業でやり直すと、予定が増えるたびに写し忘れが出ます。

3つ目は、スマートフィルタです。表示するカレンダーの組み合わせだけでなく、表示の設定、タイムゾーン、検索の条件までをまとめて保存し、1回のクリックで切り替えられます。カレンダーの表示と非表示だけを覚える機能とは、保存できる範囲が違います。

4つ目は、BusyContactsとの連携です。予定に連絡先を結び付け、連絡先ごとにメールや会議の履歴を並べる使い方は、簡易的な顧客管理として使われています。カレンダーだけを乗り換えると、この履歴の見え方が変わります。

代替の候補を事実で並べる

候補になりやすいアプリを、料金の形と対応環境で並べます。金額は改定されることがあるため、契約の前に各社の公式ページで確認してください。

アプリ 料金の形 対応環境 公式ページで確認できた事実
BusyCal(参考) 直販は49.99ドルの買い切り、App Storeは定期購入、Setappは月14.99ドルから macOS 12.0以降 直販は18か月分の更新込み、14日間の無料試用
macOS標準のカレンダー 無料 Mac、iPhone、iPad macOSに最初から入っている
Googleカレンダー(ブラウザ) 無料 ブラウザ 共有相手ごとに権限を4段階から選べる
Fantastical 無料版と定期購入のFlexibits Premium Mac、iPhone、iPadほか 個人、家族(最大5人)、チームのプラン、14日間の無料試用
Calendar 366 ユニバーサル購入 iPhone、iPad、Apple Watch、Mac 1回の購入で複数のApple製品に対応、13言語
Morgen 定期購入 Windows、Mac、Linux、スマートフォン 年払いで月15ドル、月払いで月30ドル、14日間の無料試用

並べてみると、料金の形で候補は大きく分かれます。無料で使える標準のアプリ、毎月か毎年払う定期購入、1回の購入で使うアプリです。BusyCalの直販版に近い「買い切りで、更新は任意」という形を続けたいかどうかで、残る候補の数が変わります。WindowsやLinuxでも同じカレンダーを開きたい人にとっては、対応環境の列が先に候補を絞ります。

予定とメモを落とさずに移る手順

乗り換えで失いやすいのは、クラウドに乗っていない情報です。GoogleやiCloud、Microsoft 365に保存されている予定は、新しいアプリにアカウントを登録すれば表示されます。問題になるのは、BusyCalの中にだけある情報です。

  • 「このMac内」のカレンダーを探す。BusyCalの資料では、このMac内のカレンダーはiPhoneと同期されないと説明されています。書き出して、移行先のアカウントに読み込みます
  • 書き出しの形式を選ぶ。BusyCalは.icsと.csvで書き出せ、.csvはv2025.1.1で加わりました
  • 自分だけのメモとタグを含める。書き出しの画面で「"My" Private Fields」を書き出す設定を有効にします。書式付きのメモは別に保存されているため、先にプレーンテキストに変換しないと他のアプリで表示されません
  • ブロックで写した予定を整理する。写した予定は、作成したMacのBusyCalが元の予定に合わせて更新しています。BusyCalを使わなくなると追従が止まり、ただの予定として残ります
  • タスクの項目を確認する。Google経由で同期されるタスクは、タイトル、期日、メモの3項目だけで、期日の時刻や繰り返し、通知、優先度はBusyCal同士の拡張同期でしか保たれません

BusyCal can export in .ics and .csv format, and supports importing calendars in .ics format. 出典: busymac.com

最後に、手元のバックアップを1つ残しておきます。BusyCalは24時間ごとに自動でバックアップを作り、直近10個を保存します。アプリを消す前に、そのうち最新のものを別の場所へ移しておけば、移行後に予定の抜けに気づいたときに取り戻せます。

入力と移動の手間から代替を見直す

機能を棚卸しすると、予定が回らなくなる原因は、天気や画像のような表示機能ではなく、予定を入れる手間と会議の間の移動にあることが見えてきます。代替を選ぶ軸も、この2つに置くと判断がぶれにくくなります。

入力の手間については、Mac用のカレンダーアプリの中に、話し言葉と音声で予定を入れられるものがあります。キーボードで日時の欄を1つずつ埋める回数が減れば、予定を後回しにして入れ忘れる場面も減ります。どんな場面で使えるかはできることに、実際の入力の流れは予定の入れ方にまとめています。

移動については、予定と予定の間に移動の時間が入っていないと、会議が続いた日に遅刻や食事の抜けが起きます。予定を入れる時点で移動の時間をどう扱うかは移動時間で説明しています。アプリの全体の使い方は使い方から確認できます。

BusyCalを含む他のアプリと何が違うかを表で確かめたい場合は他のカレンダーとの比較を、料金と入手方法は購入を、細かな疑問はよくある質問を参照してください。印を付けた機能と、入力と移動の2つの軸を並べて見れば、代わりに求める条件は十分に絞れます。

よくある質問

BusyCalは提供が終了したのですか?

2026年9月の時点で、BusyCalの提供は続いています。開発元の販売ページ、Mac App Store、Setappのいずれでも入手でき、終了や新規受付の停止は案内されていません。代わりを探す人がいるのは、直販ライセンスの更新期間が18か月ごとに区切られることや、Microsoft 365の接続方式の変更で設定をやり直す時期が重なるためです。

BusyCalをやめると、Googleカレンダーの予定は消えますか?

Googleに保存されている予定は、BusyCalを削除しても消えません。新しいアプリにGoogleアカウントを登録すれば同じ予定が表示されます。消える可能性があるのは、このMac内のカレンダー、BusyCalだけに保存した自分用のメモやタグ、Googleが同期しないタスクの項目です。削除の前に書き出しとバックアップを済ませてください。

ライセンスの更新をしなければ、BusyCalは使えなくなりますか?

直販のライセンスは期限の無い買い切りで、更新しなくても最後に受け取った版を使い続けられます。ただし開発元は、macOSやGoogle、iCloud、Exchangeの仕様変更によって古い版が動かなくなる可能性を案内しています。更新しない場合は、次のmacOSの更新の前に動作を確かめておくと安心です。

代替アプリはどのくらいの期間試せば判断できますか?

BusyCal、Fantastical、Morgenはいずれも14日間の無料試用を用意しています。判断に使うなら、会議や移動の多い週を必ず含めてください。予定の少ない週だけで試すと、入力の手間や移動時間の扱いの差が表に出ず、乗り換えた後で気づくことになります。

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