BusyCalの不具合を切り分ける|同期・二重表示・起動の確かめる順番

BusyCalの不具合は、同期しない、予定が2つずつ見える、iPhoneに出ない、起動しない、とさまざまな形で現れます。見た目は違っても、原因の多くはMacの設定、アカウントの認証、カレンダーの保存場所のどれかにあり、確かめる順番を決めておけば、ほとんどは自分で切り分けられます。

この記事では、開発元の資料に書かれている内容をもとに、手間の少ない確認から順に並べます。リセットのように元に戻せない操作は最後に回し、その前に取っておくものも示します。

不具合が起きやすい時期と背景

BusyCalの不具合が増えやすいのは、アプリの外で何かが変わったときです。開発元は、macOSが毎年更新されること、iCloud、Google、Exchangeが接続の仕様や安全の要件を変えることを挙げ、古い版はその変化に自動では追従しないと説明しています。

直販のライセンスでは、購入日から18か月分の更新を受けられます。期間を過ぎて更新していないMacでは、macOSを上げた直後やサービス側の変更の直後に、それまで動いていた同期が止まることがあります。不具合を調べる前に、BusyCalのバージョンと、ライセンスの更新期間がいつまでかを確かめておくと、原因の候補が1つ減ります。

2026年は特に、Microsoft 365を使っている人に影響のある変化があります。BusyCalの資料によれば、Exchange OnlineのEWSは2026年10月1日から遮断が始まり、2027年4月1日に停止します。BusyCalでMicrosoft 365を古いExchangeの種類で登録している場合、この時期に同期が止まる可能性があるため、Microsoft Graphの種類で登録し直すことが案内されています。

提供そのものは続いており、2026年9月の時点で終了や新規受付の停止は案内されていません。

手順1:Macの日付と時刻を確かめる

最初に見るのは、意外にもMacの時計です。BusyCalの資料には、システムの時刻が正しくないとGoogleの認証が失敗すると書かれています。iCloudでも、日付と時刻を自動で設定していないとパスワードが理由の分からないまま通らないと注意されています。

システム設定の「一般」から「日付と時刻」を開き、「日付と時刻を自動的に設定」が有効になっているかを確かめます。手動で時刻を合わせている、別の時間帯のまま出張から戻った、という状態のMacでは、ここを直すだけで認証が通ることがあります。確認にかかる時間は1分もかからないので、他の手順より先に済ませてください。

手順2:アカウントの認証をやり直す

時刻に問題が無ければ、アカウントごとの認証を確かめます。BusyCalはmacOSのシステム設定に登録したアカウントを読み込まず、BusyCalの設定の「アカウント」で個別に登録しているので、確かめる場所もそこです。

  • Google。認証の途中で示される権限の一覧で、すべてを許可したかを思い出します。1つでも外すと同期できないと資料に明記されています。心当たりがあれば、アカウントを削除して登録し直します
  • iCloud。Apple IDのパスワードではなく、App用パスワードを使います。ログインは主のメールアドレスで行い、別名のアドレスは使えません。@mac.comのアドレスを持っている人は@icloud.comに置き換えるよう案内されています
  • Microsoft 365。認証中に管理者の同意を求められた場合は、組織の管理者に許可を依頼する必要があります。本人の操作だけでは先に進めません

認証をやり直す前に、どのカレンダーがどのアカウントに属しているかをサイドバーで控えておくと、登録し直した後に表示の設定を戻しやすくなります。

手順3:予定が2つずつ見えるとき

同じ予定が2つ並ぶ原因は、大きく3つあります。

1つ目は、同じ会議の招待が仕事用と個人用の両方のアカウントに届いている場合や、同じ祝日のカレンダーを2つ購読している場合です。BusyCalには、表示メニューの「同一のイベントを結合」という機能があります。タイトル、開始と終了の時刻が同じで、別のカレンダーに保存されている予定を1つにまとめて表示し、通知も1回にします。予定そのものは消えず、情報パネルから隠れた側に切り替えられます。

2つ目は、リマインダーの保存形式の違いです。iOS 13とmacOS Catalinaで新しい形式に移行したリマインダーと、iCloudのCalDAV経由のタスクは、別々のデータとして扱われます。サイドバーのリマインダーのリストに黄色の三角の警告が出ている場合は、形式が端末ごとに食い違っている状態で、同じリストが2か所に見えても互いに同期しません。

3つ目は、カレンダーを統合した後の重複です。書き出したカレンダーを別のカレンダーに読み込んだ後は、ヘルプメニューの重複を探す機能で整理できると資料に書かれています。

手順4:iPhoneに予定が出ないとき

BusyCalは、MacとiPhoneの間をクラウドのサービス経由でしか同期しません。iPhoneに出ない予定があれば、まずその予定がどのカレンダーに入っているかを見ます。

「このMac内」に保存されたカレンダーは、どのサービスにも乗っていないのでiPhoneには出ません。iPhoneでも見たいなら、書き出してiCloudやGoogleのカレンダーに読み込みます。Googleの共有カレンダーは、Googleの同期設定で選んでおかないとiPhoneの標準のカレンダーに表示されません。これはGoogle側の既定の動きです。

タスクにも注意点があります。Google経由で同期されるタスクは、タイトル、期日、メモの3つだけです。期日の時刻や繰り返し、通知、優先度は、BusyCal同士の拡張同期でしか保たれないため、iPhoneの標準アプリでは欠けて見えます。

手順5:通知やタスクに違和感があるとき

同期は動いているのに表示がおかしい、という相談も資料に載っています。

Microsoft 365を登録すると、フラグを付けたメールがタスクのリストとして届くことがあります。完了していない古いフラグ付きメールが、BusyCalで期限切れのタスクとして並ぶのはこのためです。メール側のフラグを変えなくても、リストを非表示にできます。

別のカレンダーに時間を写すブロックの予定を手で直すと、次に元の予定が変わったときに上書きされます。ブロックの予定は、作成したMacで元の予定に合わせて更新される仕組みなので、修正は元の予定で行います。

BusyCalを開くとBusyContactsも起動する場合は、誕生日と記念日の表示でBusyContactsを情報源に選んでいる可能性があります。開発元はSetappのレビューへの返信で、その情報を得るためにBusyContactsの起動が必要だと説明しています。

共有カレンダーで、他の人が加えた変更に気づかないという相談もあります。カレンダーごとの情報の画面で、変更の通知を受信トレイに表示する設定を有効にすると、誰かが予定を追加したり変更したりしたときにアイコンの数字とメッセージで知らせてくれます。反対に、自分の操作で共有カレンダーの予定を誤って動かしてしまう心配があるなら、詳細設定で共有カレンダーの予定を変更する前に確認を出す設定を有効にします。

編集できない予定があるとき

予定を開いても編集できない、会議の招待に返信するボタンが無い、という場合は、そのカレンダーがどの経路で接続されているかを確かめます。

BusyCalはv2024.1.2以降、macOS標準のカレンダーを経由して予定を読み込めます。ただし資料では、これはアカウントを直接登録できない場合の回避策とされ、予定は読み取り専用、招待への返信はできない、BusyCalの多くの機能が使えない、という制限が明記されています。制限の理由は、Appleが他社のアプリ向けに用意しているEventKitという仕組みが、出席者の管理や移動時間、タグ、別のカレンダーへのブロックなどに対応していないためです。

設定の「アカウント」で標準のカレンダー経由の接続になっていたら、元のiCloud、Google、Exchangeのアカウントを直接登録し直します。直接の接続が動いたら、標準のカレンダー経由の接続は外してください。両方を残すと、同じ予定が2つ見える原因になります。

新しいMacに移した後に予定が出ないとき

新しいMacでBusyCalを開いたらカレンダーが空だった、という場合も、予定そのものが消えていることはほとんどありません。

BusyCalの資料によれば、設定のほとんどはiCloudを通じてMacの間で自動的に同期されます。同じApple Accountでサインインし、BusyCalを入れれば設定は戻ります。ただし、カレンダーのアカウントは別扱いです。設定の「アカウント」に以前のMacで使っていたアカウントが並んでいれば、「アカウントを使用」を押して認証情報を入れ直します。一覧に何も無ければ、追加のボタンから登録します。iCloudは再びApp用パスワードが必要で、以前に発行したものを控えていれば使い回せます。

移ってこないのは、古いMacの中だけにある情報です。「このMac内」のカレンダーは、古いMacを手放す前に書き出すか、最新のバックアップを新しいMacで復元してください。

手順6:起動しない、データベースが壊れたとき

起動時に「正しい形式ではないため開けない」という表示が出る場合、BusyCalのデータベースが壊れている可能性があります。対処はリセットですが、元に戻せない操作なので、先にバックアップの場所を確かめます。BusyCalは24時間ごとに自動でバックアップを作り、直近10個を残しています。

Resetting BusyCal disconnects from any cloud-based services, deletes your BusyCal database, and quits. 出典: busymac.com

リセットは、optionキーを押しながらBusyCalを開き、表示される起動オプションで「BusyCalをリセット」を選びます。iCloudやGoogleにある予定は再接続すれば戻りますが、このMac内のカレンダーはバックアップから復元が必要です。起動オプションすら出ない場合は、ライブラリの中にあるBusyCal.bsqlで始まるファイルを削除する手動の方法が資料に載っています。iCloudを使っている人は、その後にApp用パスワードの入力を求められます。

一部の予定だけを戻したいときは、バックアップを「このMac内」のカレンダーとして復元し、必要な予定をドラッグで移す方法が安全です。カレンダー全体を復元すると、バックアップより後に作った予定は失われます。

サポートに問い合わせる前に

ここまでで解決しない場合は、開発元のサポートにログを送ります。ヘルプのページにあるログ送信のボタンを押すと、ログを添付したメールが作られ、問題の説明を本文に書いて送る流れです。受付時間は平日がグリニッジ標準時の10時から18時で、日本時間では19時から翌3時にあたります。返信には36〜48時間かかることがあると案内されています。

送る前に、BusyCalのバージョン、macOSのバージョン、問題が起きているアカウントの種類、試した手順を書き出しておくと、やり取りの往復が減ります。

不具合の後に見直す、入力と移動の段取り

同期のトラブルが片付いても、予定が回らない感覚が残ることがあります。その場合、時間を落としている場所はアプリの不具合ではなく、予定を入れる手間と、予定と予定の間の移動にあることが多いです。

入力の手間については、Mac用のカレンダーアプリの中に話し言葉と音声で予定を入れられるものがあります。どこまで対応しているかはできることに、入力の流れは予定の入れ方にまとめています。会議の間の移動の扱いは移動時間で説明しています。

BusyCalと他のアプリの違いを表で確かめるなら他のカレンダーとの比較を、料金は購入を、設定の疑問はよくある質問を参照してください。不具合の切り分けで控えたアカウントとカレンダーの一覧は、そのまま次の見直しの材料になります。

よくある質問

BusyCalでGoogleカレンダーが同期しなくなったときは何から確かめますか?

最初にMacの日付と時刻が自動設定になっているかを確かめます。時刻が正しくないとGoogleの認証が失敗します。次に、BusyCalの設定のアカウント画面でGoogleアカウントを登録し直し、認証で示される権限をすべて許可してください。一部を外すと同期できません。

BusyCalで同じ予定が2つ表示されるのはなぜですか?

同じ招待が複数のアカウントに届いている、似た祝日のカレンダーを2つ購読している、といった場合に起きます。表示メニューの「同一のイベントを結合」を有効にすると、タイトルと時刻が同じで別のカレンダーにある予定を1つにまとめて表示できます。予定そのものは削除されません。

BusyCalをリセットすると予定は消えますか?

iCloudやGoogle、Microsoft 365に保存されている予定は、アカウントを登録し直せば戻ります。消えるのは、このMac内のカレンダーとBusyCalのデータベースの中身です。リセットの前に、自動で作られているバックアップの場所を確かめ、最新のものを別の場所に控えてください。

ライセンスの更新をしていないと不具合が起きやすくなりますか?

更新しなくても最後に受け取った版は使えますが、開発元はmacOSの更新やサービス側の仕様変更で古い版が動かなくなる可能性を案内しています。macOSを上げた直後や、Microsoft 365の接続方式が変わる2026年10月前後に同期が止まった場合は、版が古いことを原因の候補に入れてください。

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