Fantastical 無料版でできること|有料に切り替わる境目
fantastical 無料版を調べている人が知りたいのは、機能の一覧そのものではありません。自分の使い方が無料の範囲に収まるのか、収まらないとしたらどの操作で壁に当たるのか、という一点です。ダウンロードは無料で、初回には試用期間が付き、期間が終わると無料の範囲に戻ります。ここでは無料のままで動く部分と、有料に切り替わる境目、そして課金を決める前に数えておく項目を順に並べます。
無料のままで動く範囲を先に確定させる
Fantasticalは開発元のFlexibitsが配布していて、Mac App Storeから無料で入手できます。入手の時点で支払いは発生しません。有料になるのはFlexibits Premiumという購読で、無料と有料の線は、使いたい機能がこの購読の内側にあるかどうかで引かれます。
無料の範囲で使えるのは、予定とタスクの作成、通知、日・週・月・年といった表示の切り替え、ウィジェット、そして話し言葉に近い書き方で予定を入れる入力欄です。この入力欄が無料側にあることは見落とされがちです。「金曜10時 打ち合わせ 渋谷」のように1行で書けば、日時と件名と場所を分けて解釈します。予定を入れる操作を短くしたいという理由だけで有料版を検討していたなら、その目的は無料のままで果たせます。
表示するカレンダーの側も無料です。iCloud、Googleカレンダー、Exchangeなど、macOSのシステム設定に登録したアカウントを読み込んで、1枚の画面に重ねられます。仕事用と個人用のGoogleアカウントを2つ持っている人が、両方を同じ週表示に並べる、という使い方は無料の範囲に入ります。話し言葉で予定を入れられることと、複数のアカウントを1枚に集められることが、無料の範囲で得られる中心的な価値です。予定を入れる操作をどこまで短くできるかは予定の入れ方に手順の形で整理してあります。
日付の移動や表示の切り替えも制限されていません。日と週と月と年を行き来する操作、特定の日付へ飛ぶ操作、カレンダーごとの色分けは無料の範囲です。予定に場所を書いて地図を出す、通知の時刻を予定ごとに変える、といった日常的な操作も同様です。無料版という言葉から想像される「機能を削った試供品」とは形が違い、削られているのは日々の予定管理の中心ではなく、その周辺にある拡張の部分だと考えたほうが実態に近くなります。
無料版をめぐる誤解を3つ整理する
検索して出てくる情報には、世代の古い話が混ざっています。判断の前に3つだけ切り分けておきます。
1つ目は「無料版には広告が出る」という話です。この製品は広告で収益を上げる形を取っていません。無料の範囲で使い続けても、画面に広告が挟まることはありません。有料機能に触れようとしたときに案内が出る、という形です。
2つ目は「試用期間が終わるとアプリが起動しなくなる」という話です。実際には無料の範囲に戻るだけで、予定の閲覧も作成も続けられます。期間が切れた瞬間に予定が読めなくなるわけではないので、期限を気にして慌てて契約する必要はありません。
3つ目は「無料版では同期できない」という話です。同期そのものは無料の範囲で動きます。有料に含まれるのはプッシュ同期で、これは同期の可否ではなく速さの話です。無料の範囲でも一定の間隔で取りに行くため、自分ひとりで予定を管理している限り、体感の差は小さくなります。差が出るのは、他人が入れた予定を待つ場面だけです。
有料に切り替わる境目はどこに立っているか
Flexibits Premiumの内側にあるのは、次の項目です。ここに挙がっているものに触れようとした瞬間が、無料版の壁になります。
- 2つ目以降のカレンダーセット(仕事用と個人用の束をまとめて切り替える仕組み)
- カレンダー内の天気予報
- 予定への添付ファイル
- メールを転送して予定を作る機能
- カレンダーのミラーリング
- プッシュ同期
- Apple Watch用アプリ
- 会議URLの自動判別
- 予約ページ機能のOpenings、Proposals、RSVPs
購読の価格は、個人向けが月額6.99ドルまたは年額56.99ドル、最大5人で使える家族向けが月額10.49ドルまたは年額89.99ドルです。購読は端末ではなくアカウントに紐づくので、Mac・iPhone・iPad・Apple Watchのどれで使っても金額は変わりません。
この一覧を上から読んだときに、多くの人が最初に止まるのがカレンダーセットです。仕事の予定だけを見たい時間帯と、家族の予定も含めて見たい時間帯が分かれている人にとって、束の切り替えは日に何度も使う操作になります。次に止まるのがプッシュ同期で、これは他の人が入れた予定が自分の画面に出るまでの時間に効きます。逆に、予約ページや添付ファイルは、必要な人と一生使わない人にはっきり分かれます。
無料で足りる人と足りない人を分ける3つの質問
判断は感覚ではなく、数えられる形にすると早く終わります。
| 質問 | 無料で足りる側 | 有料を検討する側 |
|---|---|---|
| 予定を新規に入れる件数(1週間) | 10件未満 | 20件以上 |
| 見たい予定の束を切り替える回数(1日) | 0回から1回 | 3回以上 |
| 他人が入れた予定を待つ場面 | ほぼない | 日に何度もある |
1つ目は入力の量です。1週間に入れる予定が10件に届かないなら、入力の速さに払う理由は薄くなります。無料の範囲にある入力欄で十分です。
2つ目は束の切り替えです。仕事用と個人用を1日に3回以上行き来しているなら、そのたびにカレンダーのチェックを付け外しする操作が積み上がります。ここはカレンダーセットが直接効く場所で、無料の範囲では回数を減らせません。
3つ目は他人の予定を待つかどうかです。同僚が入れた会議が自分の画面に出るまで数分待つ場面が日常的にあるなら、プッシュ同期が効きます。1人で自分の予定だけを管理しているなら、この項目は判断材料になりません。
試用期間で確かめておく項目を決めておく
初回には有料機能の試用期間が用意されています。この期間の使い方で失敗しがちなのは、全部の機能を一通り触って「便利だった」と思って終わることです。試用が終われば全部が消えるので、便利だったという記憶だけが残り、判断材料になりません。
確かめる項目は、始める前に紙かメモに書いておきます。書くのは3つで足ります。1つ目はカレンダーセットを実際に何回切り替えたか。2つ目はプッシュ同期で予定が早く出て助かった場面が何回あったか。3つ目は予約ページを1度でも人に配ったか。期間の最終日にこの3つの数を見れば、購読の金額を数字と突き合わせられます。
3つの数のうち1つでも大きければ、その項目に対して金額を払う話になります。年額を12で割ると1か月あたりの負担が出るので、その額と、記録した回数を並べてください。切り替えを1日3回、月に60回行っているなら、1回あたりいくら払うことになるのかが計算できます。感覚で「便利だった」と判断するより、この形にしたほうが後から見直しやすくなります。
数がすべてゼロだったなら、その時点で無料の範囲に戻して問題ありません。予定そのものはアカウント側に残るので、機能が減っても記録が消えることはありません。
The iCalendar format is suitable as an exchange format between applications or systems. The format is defined in terms of a MIME content type. 出典: rfc-editor.org
予定のデータは特定のアプリに閉じない形式で持ち運べる前提で作られています。無料に戻しても、別のアプリに移っても、予定の履歴は残ります。ただし、そのアプリの中だけで生まれた情報は例外です。予約ページで発行して人に配ったリンクは、購読を止めると相手側から使えなくなる種類のものなので、試用の終わりが近づいたら配布済みのリンクを確認してください。
無料のまま使い続けるなら整えておく2つの設定
無料の範囲で運用すると決めた場合、最初に手を入れておく場所が2つあります。放っておくと、有料機能が無いせいだと感じる不便の半分はここから生まれます。
1つ目は、表示するカレンダーの数です。仕事用のGoogleアカウント、個人用のGoogleアカウント、iCloud、祝日、購読しているスポーツの日程表と積み重なると、週表示は色の帯で埋まります。カレンダーセットが無い状態でこれをやると、見たいものを探す時間が毎回発生します。使っていないカレンダーのチェックを外し、常時表示するものを4つ程度に抑えると、束を切り替えたいという欲求そのものが小さくなります。
2つ目は通知です。共有されたカレンダーや購読カレンダーの通知をそのままにしておくと、自分に関係のない予定の通知が1日に何度も出ます。予定ごとの通知は無料の範囲で細かく変えられるので、通知を出すのは自分が動く予定だけに絞ってください。この2つを整えるだけで、有料に切り替える理由の一部は消えます。
課金以外に取れる手を先に3つ試す
無料版の壁に当たったとき、選択肢は購読だけではありません。同じ困りごとを別の方法で消せる場合があります。
1つ目は、カレンダーの数そのものを減らすことです。束を切り替えたくなる原因は、表示しているカレンダーが多すぎることにあります。使っていない購読カレンダーや、年に数回しか見ない予定表を外すと、切り替えの必要そのものが減ります。
2つ目は、macOS標準のカレンダーと併用することです。標準のカレンダーは同じアカウントを読むので、片方に仕事、片方に個人という分け方ができます。アプリを切り替えるのは束を切り替えるのと似た手間ですが、費用はかかりません。
この2つを試したうえで、それでも束の切り替えが1日に何度も発生するなら、そこは無料の範囲では埋まりません。逆に、カレンダーの整理だけで切り替えの回数が1日1回まで下がったなら、購読の理由は消えたことになります。判断を急がず、整理してから1週間だけ様子を見てください。
3つ目は、別の製品を比べることです。カレンダーセットに相当する仕組みや、予定を早く入れる仕組みは、他のMac用のカレンダーアプリにも別の形で載っています。買い切りの製品もあり、3年で並べると金額の順番が入れ替わることがあります。価格と対応範囲を並べた比較は他のカレンダーとの比較にまとめてあります。
無料か有料かより先に決まっているもの
無料版で足りるかどうかを調べている人の多くは、その手前で別の問題を抱えています。1日が回らない原因は、カレンダーアプリの機能の数ではなく、予定と予定の間に何も置いていないことにある場合が多いのです。
会議が10時に終わって11時に次が始まるとき、移動と準備が入る余地は60分しかありません。移動が40分かかるなら、実際に使える余白は20分です。この20分をカレンダーに書いていないと、画面の上では空いているように見え、そこに3つ目の予定が入ります。1日の終わりに疲れているのに何も進んでいない、という状態はここから生まれます。
移動を予定として置く考え方は移動時間に、各機能が実際の1日でどう働くかはできることと使い方に整理してあります。無料か有料かを決める前に、自分の1日のどこで時間が落ちているのかを1週間だけ記録すると、必要な機能の輪郭が先に出ます。金額の周辺でよく出る疑問はよくある質問に、価格の一覧は購入にまとめてあります。
よくある質問
Fantasticalの無料版でどこまで使えますか?
予定とタスクの作成、通知、日・週・月・年の表示切り替え、ウィジェット、そして話し言葉に近い書き方で予定を入れる入力欄までが無料の範囲です。iCloudやGoogleカレンダーなど、macOSに登録済みのアカウントを1枚の画面に重ねる使い方も無料のまま行えます。
無料版のままだと何ができなくなりますか?
2つ目以降のカレンダーセット、カレンダー内の天気予報、予定への添付ファイル、メール転送での予定作成、カレンダーのミラーリング、プッシュ同期、Apple Watch用アプリ、会議URLの自動判別、予約ページ機能が使えません。この中で日常的に効くのはカレンダーセットとプッシュ同期です。
試用期間が終わると予定は消えますか?
消えません。予定の本体はGoogleカレンダーやiCloudなどのアカウント側にあり、アプリは表示しているだけだからです。無くなるのは有料側の機能です。ただし予約ページで発行して人に配ったリンクのように、購読を止めると相手側から使えなくなるものがあるので、期間が終わる前に確認してください。
有料に切り替える判断はどこで決めればよいですか?
1週間に入れる予定の件数、1日にカレンダーの束を切り替える回数、他人が入れた予定を待つ場面の多さ、この3つを数えてください。予定が週20件以上、束の切り替えが1日3回以上あるなら購読の効果が出ます。すべて少ないなら無料の範囲で足ります。