Appleカレンダーの使いこなし|Macで毎日効く操作と設定
Macのカレンダーの小技を集めた記事は、たいてい「この機能があります」の一覧になっています。ただ、機能があることと、1週間の手数が減ることは別の話です。標準のカレンダーは長く出荷されてきた分だけ機能が積み重なっていて、画面写真の映える部分と、実際に毎日効く部分が混ざっています。
ここで扱うのは後者だけです。どれも覚えるのに1分もかからず、そのかわり毎日繰り返している操作を1つずつ削ります。効果が出るのが早い順に並べています。
表示の切り替えと移動をキーボードで済ませる
マウスがいちばん損をしているのは移動の操作です。1日に何十回も発生するのに、何も生み出しません。
表示の切り替えは4つのキーで済みます。⌘1で日、⌘2で週、⌘3で月、⌘4で年です。今日に戻るのは⌘Tで、特定の日付へ飛ぶのは⇧⌘Tです。⌘←と⌘→は、いま開いている表示の単位で前後に動きます。日表示なら1日、年表示なら1年動くので、覚えるのは2つだけで済みます。
マウスの操作で残す価値があるのは2つです。日表示と週表示ではトラックパッドの横方向のスワイプで前後に動き、ゆっくり動かすと週の境目で止まります。月表示では縦方向で同じことができます。もう1つは掘り下げで、週表示や月表示で日付をダブルクリックするとその日の日表示に入り、年表示で月の名前をダブルクリックするとその月に入ります。
忘れられがちなものが3つあります。⌘Fは予定の検索で、いつだったかを思い出すより速く見つかります。⌘Rは全アカウントの再取得で、送ったはずの参加依頼が届いていないときに最初に押すキーです。⌘プラスと⌘マイナスは文字の大きさを変えるので、ノートパソコンの画面で1日分を収めたいときに設定を触らずに済みます。
予定を持ち上げずに動かす
予定を別の時間へ動かすとき、大きく動かすならドラッグで構いませんが、小さく動かすには向きません。15分ずらしたいだけなのに、トラックパッドでは14分や17分に着地します。
予定を選んでから⌃⌥と矢印キーを使うと、この問題が消えます。上下は日表示と週表示で15分ずつ前後に動き、左右は1日ずつ動きます。月表示では上下が1週間単位になり、表示している単位に合わせて動きの粒度が変わります。
編集そのものにもキーがあります。⌘Eは選択中の予定を開き、⌥⌘Iは別ウインドウで開きます。2件を見比べながら直すときは後者のほうが速く終わります。Tabと⇧Tabは予定を順番に選ぶので、連続した会議をポインタに触らずに調整できます。
文章で入れて、二度目からは入れ直さない
枠をドラッグしてからフォームを埋めるのは遅い経路です。1文で書いてしまうほうが速く、標準の解釈能力は多くの人が試している範囲より広めです。「土曜日の午前11時から午後1時までサッカーの試合」のような書き方はそのまま日時付きの予定になります。
細かい仕様を3つ知っておくと、体感がさらに変わります。
1つ目は、食事の言葉が時刻を持っていることです。
「朝食」や「朝」と入力して予定を午前9時開始にしたり、「ランチ」や「昼」と入力して午後12時開始にしたり、「夕食」や「夜」と入力して午後7時開始にしたりできます。 出典: support.apple.com
時刻の入力はいちばん面倒な部分なので、ここが言葉で済むのは効きます。
2つ目は、入れる先のカレンダーの指定です。新規予定は既定のカレンダーに入りますが、ツールバーの追加ボタンをクリックしたまま押さえておくと一覧が出ます。間違ったカレンダーに作ってから移動する手間がなくなります。
3つ目は使い回しです。すでにある予定と同じタイトルを打ち始めると候補が出て、選ぶと前の予定の詳細がそのまま入ります。参加者も場所も所要時間も同じなのに日程だけ不定期という打ち合わせでは、作り直しが数秒の操作に変わります。
アプリを開かずに作る経路もあります。Spotlightは同じ書き方を受け付けるので、検索欄に「今夜7時から映画」と打てば予定の候補が出ます。Siriに話しかけて作ることも、既存の予定の時間を変えることもできます。会話の途中で決まった予定はキーボードに戻るまでが遅延なので、話し言葉で予定を入れられる経路があるかどうかがそのまま所要時間に出ます。
カレンダーリストのチェックボックスを操作する
サイドバーのチェックボックスは、使う回数のわりに工夫されていない部分です。ここには3つのキー操作があり、いずれも名前ではなくチェックボックスに対して働きます。
カレンダーリストを開いた状態でスペースキーを押すと、選択中のカレンダーのチェックが切り替わります。⌘を押しながらどれかのチェックボックスをクリックすると、全部が一度に入るか外れるかします。⌥⌘を押しながらクリックすると、そのカレンダーだけが残り、他は全部外れます。
最後の1つが本命です。1つのカレンダーだけを表示して確認し、⌘クリックで全部戻す。この2手で済むので、6個のチェックを外して、どれを外したか忘れる、という毎回の作業がなくなります。
繰り返す組み合わせがあるなら、集中モードフィルタで自動化できます。システム設定の集中モードにカレンダーのフィルタを付けておくと、仕事の集中モードに入った時点で私用のカレンダーが消えます。フィルタが邪魔なときは、画面に出ている表示から一時的に解除でき、集中モードそのものを解除する必要はありません。
タスクを同じ升目に置く
予定はカレンダー、やることは別のアプリ、という分け方をしていると、毎日どこかで突き合わせが発生します。この対策は最初から入っていて、初期状態では切ってあります。
カレンダーリストに「予定されているリマインダー」のチェックボックスがあります。ここを入れると、リマインダーアプリの日時付きの項目がカレンダーの升目に並びます。時刻付きのものはその時刻の位置に、終日のものは上部の帯に入ります。丸をクリックすれば完了にでき、完了したものはその場で薄くなります。
新しいリマインダーはカレンダーのツールバーからも作れて、リマインダーアプリ側で決めた既定のリストに入ります。1つ知っておくとよいのは、カレンダーから消したリマインダーはリマインダーアプリの「最近削除した項目」に30日間残るという点です。誤って消しても戻せます。
制約は明快で、出てくるのは日時が付いたものだけです。日付を決めていないタスクは表示されません。カレンダーとしては正しい挙動ですが、全部のやることを一覧したい人には物足りない部分です。
時間を送る前に空き時間を見る
候補の時間を送って、都合が悪いと返ってくるのを待つのは遅い進め方です。これを避けるための画面があります。
⇧⌘Aで空き時間状況のパネルが開閉します。予定に参加者を追加していくと、参加者一覧の下に「空き時間状況を確認」が出て、全員の空きと予定を並べたウインドウが開きます。このウインドウの中で予定のブロックを直接ドラッグでき、上部の矢印で別の日に移り、「次の空き時間」を押すと衝突のない最も近い枠に飛びます。
この項目が出てこない場合、原因はアプリではなくカレンダーサービス側です。空き時間を追跡するサービスに予定が置かれている場合にだけ表示される仕組みなので、個人のアカウントでは出ないことがあります。
小さな挙動が1つ付いてきます。参加者を2人追加した時点で、過去に一緒に呼んだ相手から次の候補が提案されます。同じ顔ぶれで繰り返す会議では、名前を打つ回数が減ります。
一度だけ開けばいい設定
カレンダーの設定は一度決めたら触らない部類ですが、意識して開く価値があるものが3つあります。設定は⌘カンマで開きます。
「詳細」には週番号の表示があります。週番号で計画を回している組織では、第34週を日付に翻訳する作業がこのチェック1つで消えます。同じ画面に時間帯サポートもあり、これを入れると検索欄の横に時間帯のメニューが出て、出張先の時刻で1週間を組めるようになります。保存された場所と参加者の一覧を消す項目も同じ場所にあり、古い候補が出続けて邪魔なときはここで整理します。
「通知」には新規予定の既定の通知と、出発の通知の設定があります。出発の通知が雑音になっているなら、ここで全部止められます。
見落とされている後始末の操作
機能一覧の下のほうに埋もれていて、知っていると年に何度か助かる操作が3つあります。
1つ目は迷惑な参加依頼の扱いです。知らない差出人から届いたカレンダーの予定は、返信して相手にアドレスの有効性を知らせることなく処理できます。予定をダブルクリックして「迷惑参加依頼を報告」を選び、「スパムを削除して報告」を押す流れです。参加依頼は削除しただけでは相手側に情報が残ることがあるため、報告の経路を通したほうが確実です。
2つ目は別ウインドウでの表示です。予定は独立したウインドウで開いておけるので、資料を書きながら会議の詳細を横に出しておく、といった使い方ができます。週の画面に戻る操作が要らなくなるぶん、確認のたびに集中が切れる回数が減ります。
3つ目は印刷です。⌘Pを押すと、日・週・月のレイアウトを選び、開始と終了の期間を指定し、どのカレンダーを含めるかをチェックボックスで選んでから出力できます。私用のカレンダーを外した状態の1週間だけを紙にする、といった使い方ができるので、画面を共有できない場に持って行く資料として使えます。予定の見出しの文字サイズも大・中・小から選べます。Shiftキーで複数の予定を選んでから印刷すると、その予定だけのリストとして出力する形にもなり、月末の実績報告に使う人もいます。
紙に出すことには、画面では気づけない効果もあります。週の升目を印刷して机の上に置くと、スクロールが効かないぶん1週間が1枚に収まった状態で目に入り、詰め込みすぎている日が視覚的にすぐ分かります。カレンダーアプリの画面は縦にいくらでも伸びるため、実際には収まっていない日でも収まっているように見えてしまいます。
出発の通知の精度を決めているのは連絡先アプリ
出発の通知には出発地が要りますが、アプリは尋ねてきません。3時間前までの予定に場所があればそれを起点にし、無ければ連絡先アプリの自分のカードに登録された勤務先か自宅の住所を、時間帯によって使い分けます。どの時間帯を勤務時間とみなすかは、カレンダーの「一般」にある1日の開始時刻と終了時刻の設定から取っています。
つまり連絡先のカードが空だと、その日の最初の予定に対する出発の通知だけが毎日ずれます。しかもカレンダーの画面には原因が何も出ません。住所を2つ入れておけば解消する話で、標準のカレンダーが当てにならないと判断する前に確認しておく価値があります。
同じ理屈は参加者のいる予定にも当てはまります。参加者の横には状況を示す記号が付き、空き、予定あり、出席予定、欠席予定、仮承諾などが開かずに分かります。返事の揃っていない会議を探すために1件ずつ開いている人は、記号の意味を覚えるだけで往復が消えます。よく同じ顔ぶれを呼ぶなら、連絡先アプリでリストを作っておくとリスト名の入力だけで全員に依頼が飛びます。
ここまでの操作で減るのは、探す時間と直す時間です。残るのは、予定を入れる速さと、1日の形を決める判断そのものになります。前者については予定の入れ方に文章と音声での入れ方をまとめてあり、移動を含めた1日の組み立て方は移動時間で扱っています。手数を削り切ったあとに残る不満がどちらなのかで、次に何を変えるべきかが決まります。
よくある質問
紹介されているキーボードショートカットが効きません。原因は何ですか?
ショートカットはキーボードの配列とシステムの言語によって変わることがあり、Appleもその旨を明記しています。確実なのはメニューバーで、カレンダーの各メニューには対応するキーが並んで表示されています。他のアプリやシステム機能に同じ組み合わせを取られている場合も、押しても何も起きない形で現れます。
カレンダーを開かずに予定を作る方法はありますか?
Spotlightの検索欄に名前と時刻を含む文章を打つと、カレンダーの予定の候補が出て、その場で追加できます。Siriに話しかけて作ることも、既存の予定の時刻を変えることもできます。いずれもアプリと同じアカウントに書き込まれるため、後から標準のカレンダーで開いても同じ予定が並びます。
⌘Eと⌥⌘Iはどう使い分けますか?
⌘Eは選択した予定をその場で開いて編集する操作で、升目に貼り付いた状態のまま直せます。⌥⌘Iは同じ予定を独立したウインドウで開くので、2件を並べて見比べたり、片方の内容をもう片方へ写したりするときに向きます。
カレンダーに出したリマインダーは、リマインダーアプリにも反映されますか?
同じ項目を別の画面で見ているだけなので、複製ではありません。カレンダー側で完了にすればリマインダーアプリでも完了になり、削除すればそちらの最近削除した項目に30日間残ります。表示されるのは日時が設定されたものだけで、日付のないタスクはカレンダーには出てきません。