Outlookで日程調整を自動化する|予約ページの使い分け

Outlookで日程調整を自動化しようとすると、最初に迷うのは機能の名前です。候補を送って選んでもらう仕組み、自分の空き時間を1枚のページで公開する仕組み、チームの予約を受ける仕組みが別々に用意されていて、名前だけでは何が違うのか分かりません。そのうえ、自分のアカウントでは画面に出てこない機能もあります。

この記事では、Outlookの側で用意されている自動化の入口を3つに分け、それぞれが向く相手、必要なサブスクリプション、設定でつまずく場所を順に整理します。どの入口を使うかは、相手に時間を選ばせてよいかどうかで決まります。

Outlookの自動化には3つの入口がある

日程調整の作業は、自分の空きを調べる部分、相手と時刻を決める部分、決まった予定を登録して会議のリンクを発行する部分に分かれます。Outlookで自動化できるのは1番目と3番目で、2番目は「相手にどこまで時間を預けるか」という判断が残ります。この判断の置き方が、そのまま入口の違いになっています。

  • スケジュール投票:自分の側で候補を3つから5つ選び、メールで送って相手に選んでもらう。相手の予定表が見えなくても成立する
  • 個人用予約:自分の空き時間を1枚のページで公開し、相手がその中から枠を取る。往復は0回になる
  • 共有予約:チームのメンバーをまとめた予約ページを作り、顧客がチームの誰かの時間を取る。サービスの種類やスタッフの割り当てを決められる

向く相手が違います。社外の取引先と商談を組む場面では、自分の空きを全部見せたくないため投票が自然です。採用の面談や問い合わせの窓口では、往復をなくすほうが価値が大きいため個人用予約が向きます。窓口が複数の担当者で回っている業務は共有予約です。

3つとも、決まった時点でOutlookの予定表にイベントが作られ、オンライン会議のリンクも発行されます。つまり「自動化されるのは調整の前後」であり、真ん中の判断だけが人の側に残ります。この構造が分かれば、機能の名前で迷わなくなります。

入口1:スケジュール投票で候補を送る

候補を送る形を自動化するのがスケジュール投票です。入口はOutlookの版で違います。クラシックOutlookでは、予定表またはメールの作成画面で宛先を入れ、本文を選んでから[メッセージ]タブまたは[会議]タブの「新しいスケジュール投票」を選びます。新しいOutlookでは、同じ流れで[挿入]タブまたは[イベント]タブから「スケジュールのポーリング」を選びます。

パネルが開いたら会議の長さと日付を選びます。候補の時刻が提案され、それぞれについて空いている出席者の数か、都合が付かない人の数が示されます。候補を評価する材料には、空いている出席者の数、必須の出席者かどうか、任意の出席者の空き、予定表に仮の予定やビジーの予定が入っているかどうかが使われます。投票に載せる時刻を選び、場所やオンライン会議の扱いを決めてから[投票の作成]を選ぶと、投票ページへのリンクが下書きのメールに差し込まれます。

自動化として効くのは、ここから先の設定です。「出席者が合意に達したときにスケジュールする」を有効にすると、必須の出席者全員が同じ時刻に賛成した時点で予定が自動で作られます。複数の候補が条件を満たした場合は、いちばん早い候補が選ばれます。「予定表で選択した時間を保持する」を有効にすると、提案した候補ごとに自分の予定表へ仮の予定が置かれ、会議が確定したときと投票を取り消したときに自動で消えます。この2つを組み合わせると、候補を送ってから確定までの操作がほぼ無くなります。

ただし、この機能はアカウントの種類で制限されます。Microsoftは、スケジュール投票がOutlook.comの個人向けアカウント、Gmail、Yahoo、その他のPOPまたはIMAPのアカウントではサポートされていないと明記しています。画面に出てこない場合は、操作ではなくアカウントの側を確認するほうが早いです。

入口2:個人用の予約ページで往復をなくす

自分の空き時間を公開して相手に取ってもらう形は、Microsoft Bookingsの個人用予約で作ります。予約ページはOutlookと統合されていて、公開したリンクを相手に渡すと、相手は空いている時間を見て都合の良い枠を選べます。

個人用予約は、自分の予定の時間枠を管理する方法です。これにより、空き時間を簡単に構成して、顧客、クライアント、または同僚と共有できます。 出典: learn.microsoft.com

入口は3つあります。ウェブから使う場合はbook.msにアクセスします。OutlookやTeamsの中から使う場合は、左のレールでアプリのアイコンを選び、Bookingsを検索して[追加]を選ぶと、そのまま呼び出せるようになります。よく使う場合は左のレールに留めておくと開く手間が減ります。

個人用予約で先に決めておくと後悔が少ないのは、会議の種類です。用途ごとに会議の種類を作っておくと、相手に渡すリンクを使い分けられます。30分の相談と60分の打ち合わせを1つのページに混ぜると、相手が長いほうを選びがちになります。相手に選ばせたい長さだけを含むページを分けて作るのがコツです。

通知の設定も自動化の一部です。Bookingsはメールと、環境によってはSMSでの通知に対応しており、この通知が予約の無断キャンセルを減らす役割を持っています。予約が入った直後の確認と、直前のリマインダーの2つが届く形にしておくと、当日の連絡が減ります。

入口3:共有予約でチームの窓口を作る

問い合わせの窓口や、複数の担当者で回している面談には共有予約を使います。チームのメンバーを招待して予約ページを作り、顧客が自分とチームの時間を取れるようにする仕組みです。サービスの内容の定義、スタッフの管理、スケジュールと空き時間の構成、営業時間、予約の受け方のカスタマイズが設定として用意されています。

共有予約では、オンライン会議の扱いが個人用より重要になります。Teamsを通したオンライン会議として予約された予定には、出席者ごとに固有の会議リンクが作られ、ウェブブラウザ、電話のダイヤルイン、Teamsのアプリから参加できます。電話からの参加が残っていることは、社外の相手を相手にする窓口では判断材料になります。

データの置き場所も確認する点です。Bookingsのデータは、Microsoft 365のプラットフォーム内とExchange Onlineに保存されます。顧客、スタッフ、サービス、予約の詳細はExchangeの共有メールボックスを使って保存され、Exchangeの共有メールボックスに適用されるコンプライアンスの決まりが、Bookingsのメールボックスにも当てはまります。顧客が予約時に入力した情報も同じ場所に入ります。社外の道具を1つ増やさずに予約の窓口を作れる点が、この入口を選ぶ理由になります。

使えるかどうかはサブスクリプションで決まる

3つの入口のうち、Bookingsは契約しているプランによって使えるかどうかが変わります。Microsoftが公開している対象のサブスクリプションは次のとおりです。

区分 対象のプラン
Office 365 A3、A5、E1、E3、E5、F1、F3、G1、G3、G5
Microsoft 365 A3、A5、E1、E3、E5、F1、F3、Business Basic、Business Standard、Business Premium、Teams Essentials、Teams Premium

一覧に並んでいるのは法人向けと教育機関向け、官公庁向けのプランです。家庭向けのプランは挙がっていないため、個人で契約しているMicrosoft 365で予約ページを作ろうとしている場合は、まず自分のプランがこの一覧にあるかを確認する段取りになります。スケジュール投票のほうも、Microsoft 365の法人向けアカウントを使って予定表を参照するため、同じ確認が必要です。

法人向けのプランを使っていても、設定が組織側で固定されていることがあります。投票の設定の一部は、テナント管理者がExchangeのコマンドレットで組織全体に対して決められる作りになっています。手元で切り替えられない項目があるときは、組織の設定を疑うほうが早く進みます。

自動化で失敗しやすい3つの点

自動化を入れたのに手応えが出ないとき、原因はだいたい次の3つに当たります。

1つ目は稼働時間です。候補を勤務日と勤務時間だけに絞る設定があり、そこで使われる勤務時間は開催者の設定、あるいはExchangeの設定から取られます。設定が見つからない場合の既定値は午前8時から午後5時です。始業が9時30分の職場でこの既定値のまま自動化すると、8時台の候補が上位に並び続けます。

2つ目は自動確定の設定です。合意で自動的に予定を作る設定を入れたまま広めの候補を出すと、意図しない時刻で会議が成立します。導入した週は、自動で作られた予定を毎日1回確認する時間を取るほうが安全です。

3つ目は移動です。予約ページも投票も、予定の有無だけを見て空きを判断します。会議と会議の間の移動や、外出先から戻る時間は空きとして扱われます。予約と予約の間に余白を一律で入れる方法はありますが、移動の長さは行き先ごとに違うため、一律の余白では足りない日と余りすぎる日が出ます。

外部の道具と組み合わせて自動化の範囲を広げる方法もあります。Outlookに入っている情報をAPIで取り出して別の仕組みに渡す形は、日程調整に特化した製品の売り文句としても使われています。

「eeasy(イージー)」は 外部システム連携を実現できるAPIによって、Outlookに登録した情報を自動抽出 できます。Outlookのスケジュールと連携すれば日程調整の自動化が可能です。 出典: inside.vivitlink.com

この形を選ぶ場合、Outlookの側で決めた稼働時間と、外部の道具の側で決めた受付時間の2か所に同じ設定が生まれます。片方だけ直すと食い違うため、どちらを正とするかを先に決めておく段取りが要ります。

自動化しても残る負担を見分ける

日程調整を自動化すると、メールの往復は減ります。それでも1日が回らない場合、残っているのは調整の外側の負担です。見分ける方法は、1週間のあいだに予定を組み替えた回数と、移動が足りなくて焦った回数を数えることです。

組み替えが多い場合は、空き時間の出し方が実態と合っていません。作業の時間を予定表に置かずに空白のままにしておくと、そこへ予約が入り続けます。作業も予定として置く運用の考え方は使い方の章立てで確認できます。移動が足りない場合は、一律の余白では追いつきません。地図で実測した所要時間を前の予定や自宅から自動で枠にして、出発の時刻を知らせる流れは移動時間にまとめられています。

決まった予定を自分の手元の予定表に書き写す手間が残る場合は、入力の側を短くします。話し言葉で書いた1行から日時、場所、通知までを読み取って予定にする方法は予定の入れ方で説明されています。話し言葉と音声で予定を入れられる形であれば、メールで届いた日程を写す作業が1行の入力で済みます。

入口を選ぶときに比べる4つの軸

Outlookの3つの入口と、外部の道具を並べて比べるとき、実務で差が出る軸は次の4つです。

  • 相手の予定表が見えない前提で成立するか。社外を含む調整では前提が変わる
  • 複数のカレンダーをまたいで空きを判断できるか。仕事と私用を分けている人ほど効く
  • 移動の時間を実測して枠にできるか。一律の余白で足りるかどうかが変わる
  • 設定の置き場所が1か所に収まるか。2か所に分かれると食い違いが起きる

この軸でMac用のカレンダーアプリを並べた表は他のカレンダーとの比較にあります。機能の一覧はできることに整理されていて、値段の考え方は購入に、導入前に出やすい疑問はよくある質問にまとまっています。

Outlookの側で決めた稼働時間、予約ページの設定、会議の種類は、組織のアカウントに残ります。手元で使うカレンダーアプリを替えても公開した予約ページは動き続けるため、自動化の仕組みと日々開く予定表は別々に選んで構いません。

よくある質問

Outlookの予約ページはどのプランで使えますか?

Microsoft Bookingsが使えるのは、Office 365のA3、A5、E1、E3、E5、F1、F3、G1、G3、G5と、Microsoft 365のA3、A5、E1、E3、E5、F1、F3、Business Basic、Business Standard、Business Premium、Teams Essentials、Teams Premiumです。家庭向けのプランは一覧に挙がっていないため、個人契約の場合は先にプランを確認することになります。

個人用予約と共有予約はどう違いますか?

個人用予約は自分の空き時間を1枚のページで公開し、リンクを渡した相手が枠を取る仕組みです。共有予約はチームのメンバーを招待して作るページで、顧客が自分とチームの時間を取れます。共有予約にはサービスの定義、スタッフの管理、営業時間、予約の受け方のカスタマイズが設定として用意されています。

Gmailのアカウントでもスケジュール投票は使えますか?

使えません。Microsoftは、スケジュール投票がOutlook.comの個人向けアカウント、Gmail、Yahoo、その他のPOPまたはIMAPのアカウントではサポートされていないと明記しています。この場合は候補の時刻を文面に書いて送る形に戻すか、別の予約ページの仕組みを使うことになります。

自動化すると候補が早朝ばかりになるのはなぜですか?

候補を勤務日と勤務時間に絞る設定で使われる稼働時間が、実際の始業と合っていないためです。稼働時間は開催者の設定、あるいはExchangeの設定から取られ、設定が見つからない場合の既定値は午前8時から午後5時です。自動化の設定を触る前に、自分の稼働時間を実際の始業と終業に合わせると候補の並びが変わります。

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