仕事の一日のスケジュールの立て方|朝に決める順番

仕事の一日のスケジュールの立て方を調べる人は、たいてい立て方を知らないのではなく、立てたものが崩れる経験を繰り返しています。朝に決めた順番が10時の急な依頼で崩れ、昼にはもう予定表を見なくなる。終業の時刻に、朝やろうと決めたことに手がついていないと気づく。

崩れる原因は意志ではなく、置き方にあります。やることを書き出しただけの一覧は、時間の長さを持たないため、実際の1日には入りません。ここでは朝に何を何の順番で決めるか、決めた枠をどう守るか、崩れたときにどう立て直すかを、道具の選び方まで含めて整理します。

立てる目的は、やることを時間の形にすること

スケジュールを立てる目的は、予定を埋めることではありません。限られた時間の中で、どれをやってどれをやらないかを先に決めてしまうことです。

「スケジュール管理は社会人の基本」と書かれた本や記事を見たことがあるでしょうか。実際その通りで、仕事をするうえで自分のスケジュールを作って管理することは非常に重要です。しかし、 出典: sunbridge.com

立てることで得られるものは3つあります。

  • やらなければならないことが見える形になる。頭の中にあるうちは、量も順番も把握できません
  • 順番が決まる。緊急度と重要度で並べ替えると、今日やらなくてよいものが分かります
  • 自分の時間が確保できる。何も置いていない時間は、他人の依頼で埋まります

逆に立てていないと、期日を守れない、他人の予定を圧迫する、残業が増えるという順番で影響が出ます。1日の予定を立てる作業は、その日の自分のためというより、来週の自分のための作業だと考えると続きます。

もうひとつ重要なのは、良い予定表の条件です。目的と到達点と期日が書かれていること、そして実現できる量になっていること。この2つが満たされていない予定表は、朝に作った時点ですでに崩れています。無理をしないと終わらない量を並べた予定表は、立てる意味がありません。

朝に決める順番は4つのステップ

決める順番を固定すると、考える時間が短くなります。1日の予定を立てる作業は15分以内に終わる形にしておかないと、それ自体が続きません。

  • 大枠を書き出す。今日やらなければならないことを、思い出せる範囲で全部出します。ここでは順番も所要時間も考えません
  • 順番をつける。緊急度と重要度で並べます。緊急でも重要でないものは、後ろに回すか、やらない判断をします
  • 分解する。1つの項目が2時間を超えるなら、工程に切り分けます。切り分けられないものは、まだ何をするか決まっていない項目です
  • 時間を置く。分解した項目に、所要時間と開始時刻を付けてカレンダーに置きます

4つめまで進まないと、予定表になりません。一覧にチェックボックスを並べた段階で止めると、その日の時間に入るかどうかが分からないままになります。カレンダーに置いた時点で、入らないものが目に見えます。入らなかった項目は、明日に回すか、誰かに渡すか、やらないかを朝のうちに決めます。

会議がすでに入っている日は、会議の間に残った時間を数えてから置きます。会議が4本入っている日に、自分の作業を5時間分置くことはできません。先に空き時間を数えておくと、朝の時点で無理が分かります。

うまく回っている人の組み方を真似るところから始めるのも有効です。自分で最適な形を考えようとすると、予定表を作ること自体が目的になりがちです。同じ職種の先輩が1日をどう区切っているかを1度見せてもらい、その形をそのまま2週間続けてから、自分に合わない部分だけを直すほうが早く定着します。

最初の枠を、いちばん重要な作業に使う

置く順番で効くのは、1日の最初の枠に何を入れるかです。

集中して進める作業に使える時間は、思っているほど長くありません。時間の使い方を計測している道具の集計では、1日のうち実際に生産的に使えている時間は2時間48分とされており、その多くは午前中に集中しています。この数字を前提にすると、午前の最初の枠を会議やメールに使うかどうかで、その日に進む量が変わります。

最初の枠を守る方法は具体的です。

  • 作業の時間を30分から90分でカレンダーに置く。置かない時間は他人の依頼で埋まります
  • 仕事を始める前にメールとチャットを開かない。開いた時点で、他人の優先順位が自分の優先順位になります
  • 会議の依頼を受ける前に、その枠が埋まっている状態にしておく。空いている時間には依頼が入ります

3つめは、予定表を他人が見られる職場では特に効きます。自分の作業時間を予定として置いていないと、その時間は空いていると見なされます。作業の枠を予定として置くことは、同僚に対して時間の使い道を宣言する行為でもあります。

なお、最初の枠に入れる作業は、手をつければ前に進むものを選びます。手をつける前に誰かの返事を待つ必要があるものは、朝の枠には向きません。返事が必要なものは、朝いちばんに依頼だけ出して、作業は別の枠に置きます。

集中の単位を決めておく

枠の長さをその日の気分で決めていると、予定表が毎日違う形になり、所要時間の感覚が育ちません。単位を固定すると、見積りの精度が上がります。よく使われている単位は2つです。

  • 25分と5分。25分のあいだ1つの作業だけに集中し、5分休みます。これを3回から4回繰り返して、長めの休憩を取ります。細かい作業や、気が重くて手がつかない作業に向きます
  • 50分から90分と20分から30分。人の覚醒度は90分程度の周期で上下するとされており、その波に合わせて長めに集中し、しっかり休みます。執筆や設計のように、中断すると再開に時間がかかる作業に向きます

どちらが優れているという話ではなく、作業の種類で使い分けます。書く仕事と確認する仕事が混ざる1日なら、午前を長い単位、午後を短い単位にする形が組みやすいです。

単位を決めておくと、カレンダーに置くときの判断が速くなります。この作業は25分の枠が2つ、この作業は90分の枠が1つ、という数え方ができるようになり、1日に入る量が事前に見えます。単位を持たないまま予定を置くと、すべての作業が1時間の枠になり、短い作業に時間を使いすぎることになります。

見積りは実測で直す

立て方でいちばん差がつくのは、所要時間の見積りです。過去に何度もやった作業でも、かかる時間を正しく見積もれないことは珍しくありません。これを直す方法は、記憶に頼らず記録に残すことです。

次に、翌週のスケジュールを立てるとき、似たようなタスクか全く同じタスクで以前経験したことがあるものをコピーしてスケジュールに貼り付けます。 出典: lifehacker.jp

手順は2段階です。作業が終わったら、実際にかかった時間にカレンダーの枠を書き換えます。30分で置いていた作業が1時間かかったなら、枠を1時間に伸ばします。次に同じ作業を立てるとき、書き換えたほうの枠をコピーして使います。

この方法が効くのは、繰り返す作業が多いからです。報告書の作成、請求の処理、定例の準備。週や月に何度も回ってくる作業の実測値が溜まると、来週の予定表を組む作業が数分で終わります。予定表を「予定を書く場所」ではなく「実績を残す場所」として使うと、記録が自動的に見積りの材料になります。

実測を残すうえで障害になるのは、書き換える手間です。作業が終わった直後に枠を直す動作が面倒だと、続きません。予定の変更が数秒で終わる形にしておくことが、この方法を回し続ける条件になります。

同じ種類の作業をまとめる

1日の中で作業の種類が切り替わるたびに、頭の切り替えに時間がかかります。切り替えを減らすには、同じ種類の作業を1か所に寄せます。

寄せる効果がいちばん大きいのはメールとチャットです。多くの人はメールやチャットを平均6分ごとに確認しているとされており、この頻度では集中して進める作業と両立しません。確認する時間帯を決めて、その時間にまとめて処理する形にすると、残りの時間が使える時間になります。置く場所の目安は、最初の重要な作業が終わった後と、集中力が落ちる午後です。

ただし、この切り替えは1人では成立しません。常に反応することが前提になっている職場では、返信が遅いという評価に直結します。オンラインにならない時間帯があること、本当に急ぐときの連絡方法を先に伝えておくと、摩擦が減ります。

作業をまとめる考え方は1週間にも広げられます。管理系の作業を金曜に寄せる、外出を火曜と木曜に寄せる、といった形です。1日の中で組み替えても足りないときは、週の単位で日の性格を変えるほうが効きます。

道具は紙とアプリで性質が違う

道具の選び方は、機能の多さではなく、続くかどうかで決めます。大きく紙とアプリに分かれ、どちらが優れているという結論はありません。

観点 紙の手帳 カレンダーアプリ
書き込みの速さ 速い。開いてすぐ書ける 入力の形に依存する
予定の移動 書き直しが必要 ドラッグで動かせる
他人との共有 できない 権限を渡せる
実測の記録 手で書き換える 枠を伸ばすだけ
検索 できない 過去の予定を探せる

実測を残して見積りを直す運用をするなら、アプリのほうが向きます。枠を伸ばす動作が1回で済み、後から同じ作業を検索して所要時間を確かめられます。紙は書き込みの速さで勝ちますが、書き換えた履歴が残らないため、見積りの材料が溜まりません。

アプリを選ぶ場合、最初に確かめるのは入力の速さです。予定を1件入れるのに画面を何度も切り替える道具は、実測を残す運用に耐えません。Mac用のカレンダーアプリの中には、話し言葉と音声で予定を入れられるものがあり、移動中や会議の直後に枠を直す動作が短くなります。入れ方の実際は予定の入れ方にあり、できることの範囲はできることに整理されています。

まず紙とアプリの両方を試して、自分に合うほうを残す形でも構いません。決め手になるのは、他人と予定を合わせる回数です。会議の調整が週に何度もあるなら、共有できる道具でないと成立しません。

崩れたときに立て直す順番

朝に立てた予定表は、その日のうちに必ず崩れます。崩れることを失敗と考えると、予定表を見なくなります。立て直す順番を決めておくほうが実用的です。

  • その日の残り時間を数え直す。数えずに詰め直すと、また崩れます
  • 今日必ず終える必要があるものを1つだけ選ぶ。全部残すと、どれも終わりません
  • 残りを明日以降のカレンダーに移す。一覧から消すのではなく、日付と時刻を付けて置きます
  • 移した理由を1行だけ残す。同じ理由で崩れているなら、朝の置き方に原因があります

4つめを続けると、崩れる原因が見えてきます。移動時間を置いていないために予定が押している、会議の直後に作業を置いているために着手が遅れている、といった形です。移動を含む1日の組み立ては移動時間にまとまっており、Mac向けのカレンダーアプリを機能と料金で並べたものは他のカレンダーとの比較にあります。使い方の全体像は使い方、導入の条件はよくある質問で確認できます。

立て方を変える順番としては、まず朝に時間を置くところまでやり切る、次に実測を記録に残す、そのうえで単位を固定する。この3つを1週間続けると、4週目には来週の予定表を組む時間が半分になります。

よくある質問

一日のスケジュールを立てるのにどれくらい時間をかけるべきですか?

朝の15分以内で終わる形にしておくと続きます。書き出し、順番づけ、分解、時間の置き方の4ステップを固定すると、考える時間が短くなります。前日の終業前に翌日分を置いておくと、朝は確認だけで済むため、さらに短くなります。

予定を立ててもすぐ崩れます。どうすればよいですか?

崩れる前提で立て直す順番を決めておきます。残り時間を数え直し、今日必ず終えるものを1つだけ選び、残りを日付と時刻を付けて明日以降に移します。移した理由を1行残しておくと、移動時間を置いていない、会議の直後に作業を置いているといった原因が見えてきます。

集中する時間の単位は25分と90分のどちらがよいですか?

作業の種類で使い分けます。25分と5分休憩の組み合わせは、細かい作業や手がつきにくい作業に向きます。50分から90分の長い集中は、執筆や設計のように中断すると再開に時間がかかる作業に向きます。午前を長い単位、午後を短い単位にする形が組みやすいです。

所要時間の見積りが毎回外れます。直せますか?

記録を残すと直ります。作業が終わったら、実際にかかった時間にカレンダーの枠を書き換えます。次に同じ作業を立てるときは、書き換えた枠をコピーして使います。繰り返す作業の実測値が溜まると、翌週の予定を組む作業そのものが短くなります。

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