BusyCalとFantasticalの比較|買い切りと定期購入のどちらを選ぶか

BusyCalとFantasticalを比較している時点で、標準のカレンダーでは足りないという判断はもう終わっています。残っているのは「どちらに移るか」だけで、この問いはレビュー記事が見せるほど複雑ではありません。2つは同じアカウントを読み、同じ予定を映し、機能の範囲もかなり重なっているからです。

はっきり分かれるのは3か所です。お金の取り方、表示をどこまで曲げられるか、そして他人と日程を決める部分。この記事では、その3点を事実として並べたうえで、実際の1週間で試して決めるところまで持っていきます。どちらが優れているかではなく、自分がどこで時間を落としているかで選べる形にします。

Mac用カレンダーの価格が2つの形に分かれた背景

macOS向けの有料カレンダーは、この数年で価格の形が二分されました。ソフトを1回買って使い続ける買い切りの形と、毎年払い続ける定期購入の形です。BusyCalは買い切りの流れを残し、Fantasticalは定期購入に移りました。同じ用途の道具でありながら、支払いの構造が違います。

この違いは、機能の差より長く効きます。定期購入は使い方が変わっても請求が続き、買い切りは使わなくなった月の支払いがゼロになる代わりに、大きな更新のたびに追加の費用が発生します。3年や5年という単位で見ると、どちらが安いかは使い続ける期間と更新の頻度で入れ替わります。だから比較の入口は機能表ではなく、この道具を何年使うつもりかという見通しになります。

もう1つ、背景として押さえておきたいのが、標準のカレンダーが以前より充実したことです。文での入力も、予定ごとの移動時間も、いまはmacOS標準に入っています。有料アプリを比べる前に、標準ですでにできることを確認しておくと、支払う対象がはっきりします。

2つが同じようにできること

差を見る前に、重なっている部分を確認します。ここが広いので、比較のノイズをかなり減らせます。

  • iCloud、Google、Exchange、CalDAVのアカウントに対応し、仕事と個人のカレンダーを1つの画面に並べられる
  • 入力欄に文を書くと日時として解釈し、フォームを埋めずに予定を作れる
  • 予定に移動時間の項目があり、開始前の時間を確保して通知を出発時刻に寄せられる
  • やることを予定の隣に並べられる。タスクだけ別アプリに行く必要がない
  • メニューバーからカレンダーを開ける
  • 標準のカレンダーと同じサーバーを読むので、どちらもデータを抱え込まない

ここから言えることは1つです。片方にしか表示できない予定は存在しません。選択は機能の有無ではなく、数年単位の費用と、毎日繰り返される小さな手間のどれが消えるか、という話になります。

そして同じアカウントを読む以上、1台のMacに両方を入れて同じ予定を並べて見ることができます。この事実が、後半で書く「1週間並べて使う」やり方を成立させています。

料金の形が最初の分かれ道

BusyMacはBusyCalのMac版をライセンスの買い切りで販売し、大きな版が上がるときに有償の更新があります。加えて、Setappという定額の詰め合わせサービスの中でも提供されています。FlexibitsはFantasticalを無料で配り、一部の機能をFantastical Premiumという定期購入の内側に置いています。

金額そのものは改定されるため、開発元の価格ページで確認してください。判断に使うのは金額ではなく、次の構造です。

比較する点 BusyCal Fantastical
売り方 ライセンスの買い切り、有償の版更新あり、Setappにも収録 無料の範囲と定期購入の範囲に分かれる
使わなくなった月 支払いは発生しない 解約するまで続く
数年で見た費用 版を何回買い直すかで決まる 更新を何年続けるかで決まる
支払いを止めたとき 手元の版は動き続ける 有料側の機能が止まる
表示の作り込み 表示日数や一覧の形を細かく変えられる 決まった設計の中で整える
カレンダーの一括切り替え カレンダーごとに切り替える カレンダーセットで一括(有料)
空き時間の共有 中心的な機能ではない 提案リンクに対応(有料)
タグや装飾での見分け タグや記号で行を見分けられる 色とセットで整理する

買い切りは「この使い方を数年続ける」と決まっている人に向きます。定期購入は「効果が出ているか毎年見直す」人に向きます。どちらの側でも失敗の形は同じで、使う量が落ちた季節にも同じ額を払い続け、金額が小さいので気づかないまま数年が過ぎる、というものです。買い切り側も同じで、必要のない版更新を惰性で買えば結果は変わりません。価格の条件を並べて考えたいときは購入の内容も一緒に見ておくと、比較の基準がそろいます。

表示の作り込みは、2日目に気づく差

使い始めて最初に気づくのは、実は文の解釈ではありません。カレンダーの見た目をどこまで自分の週に合わせられるか、です。

BusyCalは表示を変えられることを中心に作られています。表示する日数や週数を指定でき、一覧の形にすると今後の予定が読み下せる並びになり、詳細は画面を覆う吹き出しではなく横の欄に出ます。予定の行にタグや記号を付けられるので、密度の高い月を「読む」のではなく「形で見る」ことができます。

Fantasticalは別の考え方を取っています。表示するカレンダーの組み合わせをカレンダーセットとして保存し、1回の操作で仕事向けの見え方と個人向けの見え方を切り替えます。画面の作り自体は決まった設計に寄せて、切り替えの速さで解いています。

どちらが上ということはなく、効くかどうかは詰まっている場所で決まります。1つのカレンダーに1日8件の予定が入る人は、表示を曲げられるほうが助かります。3つのアカウントに6本のカレンダーが分かれている人は、一括の切り替えのほうが効きます。自分がどちらか分からないときは数えてください。先週サイドバーのチェックを何回触ったか、そして月表示を何回見づらいと感じたか。多いほうが答えです。

文で予定を入れる速さは、どこで差が出るか

どちらも文での入力に対応しています。差は宣伝から想像するほど大きくなく、要素が混ざった文でだけ現れます。

短い入力は同じです。「木曜14時 レビュー」はどちらでも正しい予定になります。差が出るのは、場所と所要時間と通知と相手の名前が1文に入ったときです。解釈の強い側は各欄に振り分け、そうでない側は余りをタイトルに残します。Fantasticalはこの部分を長年の売りにしてきた製品で、複雑な文でも崩れにくく作られています。BusyCalも文の解釈に対応していて、日常的な言い回しであれば結果は同じになることがほとんどです。

確かめ方は5分で済みます。先週の予定を5件選び、同じ文を両方に打ち込んで、どこの欄が間違ったかを見てください。どちらも間違えないなら、入力の解釈は判断材料になりません。その場合は料金の形と表示の作り込みで決めれば十分です。

なお、解釈の強さでは消えない詰まりもあります。文で打つのが速いのは、打つ人の頭の中で文がすでにできている場合だけです。予定は会話の中で決まり、そのとき両手はふさがっています。だからMac用のカレンダーアプリの中には、話し言葉と音声で予定を入れられることを付け足しではなく主要な入口として設計しているものがあります。音声からどう予定になるのかは予定の入れ方に書いてあるので、解釈の強さと並べて比較の軸に入れてください。

相手と日程を決める部分

機能としていちばん差が開くのがここで、必要な人と必要でない人がはっきり分かれます。

Fantasticalの有料側には、空いている枠を相手に提示する仕組みがあります。候補の枠をリンクとして共有し、相手が選ぶと予定として書き戻されます。社外の相手と打ち合わせを組むことが多い人にとっては、毎回発生していた「いつが空いていますか」のやり取りが1回で終わります。

BusyCalはそこを中心には作っていません。予定を読みやすく、直しやすくすることに力を置いています。時間がどこで失われているかについて、別の見立てを取っているということです。

決め方は、想像ではなく数えることです。先月をさかのぼって、日程調整のやり取りから始まった打ち合わせが何件あったか数えてください。数件なら、この節は判断に関係しません。10件を超えるなら、他のどの違いよりも重い差になります。1件あたり数分の往復が、その回数だけ繰り返されているからです。

一日が崩れる原因は、アプリの外にあることがある

どちらを買う場合でも、先に確かめてほしいことがあります。無駄な出費になる型がここに集中しています。

2つとも、移動時間は1つの予定に付く項目として扱います。1件目の場所と2件目の場所を比べて、その間の移動が間に合うかどうかを判定する機能ではありません。つまり、すべての予定に正しい移動時間が入っていても、一日としては成立していない日を作れてしまいます。朝8時には正しく見えて、午後2時に崩れます。

繰り返している失敗が「予定表の上では問題なかったのに、移動が入って崩れた」なら、解釈の強い入力も、曲げられる表示も、その問題を直しません。この2つのアプリを行き来しても同じです。直すべきなのは予定と予定の間の移動の扱いで、必要になる考え方は移動時間に整理してあります。ここを片付けずに買うと、数か月ごとにカレンダーを買い替えて、同じ1週間が返ってくることになります。Macで選べる他の選択肢との違いは他のカレンダーとの比較にまとめてあります。

1週間、両方を並べて使ってから決める

両方を入れて、アカウントはそのまま、他は何も変えないでください。移行作業はありませんし、予定が失われる危険もありません。データはサーバー側にあり、アプリはそれを映しているだけです。

その1週間、テキストファイルを1つ開いて、カレンダーが遅かった・間違っていた・見なかった、という出来事を1行ずつ書き足してください。週末に読み返すのは、機能一覧ではなくその記録です。

  • 入れる手間で落ちている行が多い。予定を後回しにして忘れた、口頭で決まった予定が入っていない。この型は入力の速さと音声からの取り込みで改善する
  • 読む手間で落ちている行が多い。表示の切り替えに手間取る、月表示が詰まって読めない。この型は表示の作り込みかカレンダーセットで改善する
  • 日程調整で落ちている行が多い。相手との往復に時間を取られている。この型は空き枠の共有で改善する
  • 移動で落ちている行が多い。予定は正しいのに一日が回らない。この型はどちらのアプリでも改善しない

記録を取らずに決めると、いちばん目立つ機能を持っているほうを選びがちになります。目立つ機能と、自分が毎日落としている時間は、たいてい別の場所にあります。カレンダーアプリが一日の組み立てにどこまで関われるのかはできることに整理してあり、料金や動作環境でよく届く質問はよくある質問にまとめてあります。

判断の手順としては、1週間の記録を取る、失敗の型を4つのどれかに寄せる、その型に効く機能だけを両方で試す、金額は開発元のページで確認する、の順で足ります。全項目を比べる必要はありません。自分が落としている場所に効かない機能は、あってもなくても結果は同じだからです。

よくある質問

BusyCalは買い切りですか、それとも定期購入ですか?

BusyMacはBusyCalのMac版をライセンスの買い切りで販売し、大きな版が上がるときに有償の更新があります。加えてSetappの定額サービスにも収録されています。Fantasticalは無料の範囲と定期購入の組み合わせなので、支払いの続き方が根本的に違います。金額は改定されるため開発元の価格ページで確認してください。

どちらもGoogleカレンダーやExchangeで使えますか?

どちらも使えます。iCloud、Google、Exchange、CalDAVに対応していて、同じ方式で同じ予定を読んでいます。アプリ側に別の複製を作るわけではないので、入れても消しても、サーバー側の予定は変わりません。

文で予定を入れる機能はどちらが強いですか?

複雑な文ではFantasticalのほうが崩れにくく、場所と通知と参加者が1文に混ざっても各欄に振り分けます。BusyCalも文の解釈に対応していて、日常的な言い回しなら結果はほぼ同じです。先週の予定を5件選んで両方に打ち込めば、数分で自分の使い方での差が分かります。

2つを同時に入れて比べても問題ありませんか?

問題ありません。むしろこの選び方が最も確実です。同じアカウントを読むので両方に同じ予定が表示され、どちらを削除してもカレンダーの中身は元のまま残ります。ふだんどおりの1週間を並べて使えば、機能表よりはっきりした答えが出ます。

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