Appleのカレンダーが共有できない|iCloud側の確認
Appleのカレンダーが共有できないという相談は、原因が4つに分かれます。そのカレンダーが共有できる場所に保存されていない場合、相手側の条件が揃っていない場合、自分が所有者ではない場合、そしてそもそも共有の対象にならない種類のカレンダーだった場合です。どれも設定画面の奥ではなく、カレンダーの並びを見た時点で見分けが付きます。ここでは4つを順に切り分けて、閲覧だけでよいときの別の道と、同期そのものが止まっているときの確認箇所まで整理します。
共有のアイコンが出ないカレンダーは、置かれている場所が違う
最初に確かめるのは、共有したいカレンダーがどこに保存されているかです。Appleのカレンダーアプリは、1つの画面に性質の違うカレンダーを並べて表示します。iCloudのカレンダー、その端末の中だけに保存されたカレンダー、外部から読み込んでいる照会カレンダー、GoogleやExchangeのアカウントのカレンダーが同じ一覧に混ざります。共有できるのはこのうちiCloudのカレンダーです。
公式のユーザガイドは、MacでiCloudを設定するとカレンダーアプリを使って共有のiCloudカレンダーを管理できると説明しています。逆に言えば、iCloudを設定していない端末や、iCloud以外の場所に保存したカレンダーでは、共有の入口が開きません。
端末の中だけに保存されたカレンダーは、作ったときに保存先を選んだ結果です。ユーザガイドは照会カレンダーを追加するときの保存先について、iCloudアカウントを選べばiCloudを設定済みのすべての端末で使えるが、「このMac内」を選ぶとカレンダーはそのコンピュータに保存されると説明しています。自分の端末でしか見えないカレンダーは、他人にも見えません。
見分け方は単純です。カレンダーの一覧で対象の名前にポインタを合わせ、共有のアイコンが出るかどうかを見ます。出なければ、そのカレンダーは共有できる場所に置かれていません。この場合は、iCloudに新しいカレンダーを作り、予定を移してから共有します。予定の移動は、予定を開いて所属するカレンダーを変更する操作で行えます。
相手側にApple AccountとiCloudが要る
次に確かめるのは相手側の条件です。個別の相手を指定して共有する形、つまりプライベート共有には条件が付きます。
iCloudのユーザガイドは、カレンダーをプライベート共有する場合、参加者はApple Accountを持っている必要があり、カレンダーを使うにはiCloudを使用する必要があると明記しています。相手がAndroidだけを使っている場合、Windowsのパソコンだけを使っている場合、そしてApple Accountを持っていない場合は、この道は通りません。
招待が届かないという相談には、もう1つ見落としやすい原因があります。同じユーザガイドは、参加依頼メールがiCloudメールアドレスから指定した参加者に送信されると説明しています。差出人が普段使っているアドレスとは違うため、相手の迷惑メールに落ちていることがあります。届いていないと言われたら、まず迷惑メールの確認を頼み、そのうえで参加依頼を再送信します。再送信は、カレンダー名の横から共有の画面を開き、参加者の名前の横から「もう一度参加依頼を送信」を選びます。
相手が承諾したかどうかも同じ画面で分かります。参加者の名前の横のアイコンが、加わった状態、断った状態、まだ返答していない状態の3種類で表示されます。返答していない状態のまま止まっているなら、原因は設定ではなく連絡です。
自分が所有者でないと、共有相手を追加できない
3つ目の原因は権限です。iCloudのユーザガイドは、カレンダーの所有者のみがプライベートカレンダーを共有できると明記しています。公開カレンダーについても、所有者のみが共有と変更を行えるとしています。
自分が所有者かどうかは画面で分かります。Macのユーザガイドは、共有の画面で「共有相手」リストの代わりに「共有元: <名前>さん」リストが表示される場合は、その人だけがそのカレンダーに共有相手を追加できると説明しています。つまり自分は参加者の側です。人を増やしたいなら、所有者に頼むことになります。
家族で使っていて「片方からは追加できるのに、もう片方からはできない」という状態は、ほぼこれです。カレンダーを作った側が所有者で、招待された側は参加者にとどまります。参加者を増やす運用にしたいなら、最初から共有の窓口を1人に決めておくほうが混乱が少なくなります。
権限には、共有したあとの編集可否もあります。iCloudのユーザガイドが挙げるアクセス権は2種類です。編集を許可すると、参加者は予定の作成、編集、削除、参加依頼への返答の管理まで行えます。読み出し専用にすると、参加者はカレンダーの表示のみで編集はできません。相手が「予定を入れられない」と言っている場合は、この設定が読み出し専用になっています。
誕生日と祝日のカレンダーは、共有の対象にならない
4つ目は種類の問題です。誕生日のカレンダーと祝日のカレンダーは、自分で予定を入れて管理するカレンダーではありません。連絡先の情報や外部の提供元から作られる、いわば計算結果の表示です。このため共有の対象になりません。
誕生日のカレンダーには、更新の間隔という別の癖もあります。
iCloudの誕生日カレンダーは1時間に1回更新されるため、誕生日に関する変更点は1時間待たないと連絡先アプリまたはカレンダーアプリに反映されない場合があります。 出典: support.apple.com
連絡先に誕生日を入れた直後にカレンダーを見て「反映されない」と判断するのは早すぎます。1時間待ってから見ます。
祝日のカレンダーも同じ扱いです。Macのユーザガイドは、照会しているカレンダー、例として祝日カレンダーを挙げて、これらは編集できないと説明しています。家族と祝日の予定を共有したいなら、祝日カレンダーを共有するのではなく、自分で作ったiCloudカレンダーに必要な日を入れて、そちらを共有します。
閲覧だけでよいなら、公開カレンダーのほうが早い
相手に予定を入れてもらう必要がなく、見せるだけでよい場合は、プライベート共有にこだわる理由はありません。iCloudのユーザガイドは、カレンダーをパブリックに共有すると、参加依頼を承諾して共有パブリックカレンダーを閲覧する人はiCloudのユーザである必要はないと説明しています。相手の端末がAndroidでもWindowsでも、URLを開けば見えます。
手順は、共有の画面でパブリックカレンダーをオンにし、メールで送るかリンクをコピーして渡すかを選びます。Macのユーザガイドにも同じ機能があり、「公開カレンダー」を選ぶと共有相手リストに追加していない人も見られるようになると説明されています。
制約は1つだけです。公開カレンダーを照会している人は閲覧はできますが変更はできません。編集ができるのは、共有相手として名前が並び、閲覧と編集のアクセス権を持っている人だけです。この区別は、Macのユーザガイドが照会と共有の違いとしても繰り返しています。複数の人が編集できるカレンダーを使いたい場合は照会ではなく共有すること、と明記されています。URLを渡した時点で、それは読み取り専用の配布になっています。
会社のカレンダーは、ExchangeとCalDAVの委任が別口
職場のカレンダーを同僚と共有したい場合は、iCloudの共有とは別の仕組みを使います。Macのユーザガイドは、同じCalDAVまたはExchangeカレンダーサービスを使う相手とカレンダーアカウントを共有する道を示しています。手順はカレンダーアプリの設定からアカウントを選び、「委任」を開いて相手を追加する形です。CalDAVのアカウントでは「書き込みを許可」のチェックボックスで編集可否を決め、Exchangeのアカウントでは「カレンダー」列からアクセスレベルを選びます。
ここで1つ、予定の見え方に関わる注記があります。共有しているアカウントでは、他人に見せたくない予定を個別にプライベートにできます。ただしユーザガイドは、「プライベート」チェックボックスがない場合は、その予定に予定出席者がいるか、CalDAVまたはExchangeサーバで管理されていないと説明しています。iCloudのカレンダーの予定には、この項目が出ません。
社内のカレンダーが共有できないときは、まずアカウントの種類を確かめます。iCloudのつもりで委任の画面を探していたり、Exchangeのつもりで共有のアイコンを探していたりする取り違えが起きやすいところです。
同期そのものが止まっていないかを確かめる
共有の設定を直しても何も変わらないときは、同期が止まっている可能性があります。Appleのサポート資料が挙げる最初の確認項目は4つです。
- システム状況を調べて、サービスに障害や接続の問題が起きていないかを確認する。
- iPhoneやiPadに最新のiOSまたはiPadOS、Macに最新のmacOSが入っているかを確かめる。
- すべての端末で同じApple Accountでサインインし、iCloudの設定でカレンダーが有効になっているかを確かめる。
- 端末の日付と時刻の設定が、現在地に対して正しく設定されているかを確認する。
4つ目は軽く見られがちですが効き目が大きい項目です。日付と時刻を手動でずらしていると、同期の判定そのものが狂います。
もう1つ、共有をやめるときに知っておく点があります。iCloudのユーザガイドは、iCloudの使用を中止すると、作成した共有カレンダーが使用できなくなり、そのカレンダーが共有されなくなったことを知らせるメールがすべての参加者に自動的に送信されると説明しています。整理のためにiCloudをオフにすると、相手全員に通知が飛びます。
共有が通ったあとに残る問題
共有が通ると、相手の予定が自分の画面に並びます。ここから先に残るのは2つです。1つは、iCloudとGoogleと社内のアカウントが1画面に混ざって読みにくくなること。もう1つは、空いているように見える時間が実は使えないことです。
後者のほうが実害が大きくなります。共有カレンダーは相手の予定の有無を教えますが、その前後の移動は映りません。会議の直前に別の場所からの移動が入っていれば、画面上の空きは使えない空きです。相手の画面にも、その移動は見えていません。
この2つは共有の設定では直りません。住所から車・徒歩・電車の所要時間を計算して移動の枠を自動で作り、出発すべき時刻に知らせる仕組みは移動時間にまとめてあります。話し言葉と音声で予定を入れられる形の入力は予定の入れ方にあり、共有カレンダーへの書き込みを短くする側に効きます。仕事と個人で表示の組み合わせを保存して切り替える使い方や、祝日やスポーツの日程をICSで重ねる使い方はできることに一覧があります。
Macで使えるフル機能のカレンダーアプリを3年間の総額で並べた表は他のカレンダーとの比較、料金は購入、対応環境やデータの扱いはよくある質問にあります。
切り分けの順番をもう一度書くと、保存されている場所、相手側の条件、所有者かどうか、カレンダーの種類の4つです。この順で見れば、設定画面を探し回らずに原因に当たります。
よくある質問
共有のアイコンが出ないカレンダーがあるのはなぜですか?
そのカレンダーがiCloud以外の場所に保存されているためです。端末の中だけに保存したカレンダー、外部から読み込んでいる照会カレンダー、誕生日や祝日のカレンダーには共有の入口がありません。iCloudに新しいカレンダーを作り、予定の所属するカレンダーを変更して移してから共有します。予定の移動は予定を開いて行えます。
相手がAndroidでもAppleのカレンダーを共有できますか?
個別の相手を指定するプライベート共有はできません。公式の資料は、参加者はApple Accountを持っている必要があり、カレンダーを使うにはiCloudを使用する必要があると明記しています。見せるだけでよい場合は公開カレンダーをオンにしてURLを渡せば、iCloudのユーザでなくても閲覧できます。ただし相手は予定の追加や変更はできません。
共有相手を追加する項目が出てこないのはなぜですか?
自分が所有者ではない可能性があります。共有の画面で「共有相手」ではなく「共有元」と相手の名前が表示されている場合、そのカレンダーの所有者は相手で、共有相手を追加できるのは所有者だけです。人を増やしたいときは所有者に依頼します。共有の窓口を1人に決めておくと、こうした行き違いが減ります。
連絡先に入れた誕生日がカレンダーに出てこないのはなぜですか?
更新の間隔が原因の場合があります。公式の資料は、iCloudの誕生日カレンダーは1時間に1回更新されるため、誕生日に関する変更点は1時間待たないと反映されないことがあると説明しています。1時間待ってから確認します。あわせて、カレンダーの一覧で誕生日のカレンダーの表示がオンになっているかも確かめます。