Googleカレンダーを共有できない|権限と招待の確かめ方
Googleカレンダーを共有できないという相談は、実際には別々の症状がひとつの言葉にまとめられています。共有の設定画面そのものが出てこない場合と、設定はできたのに相手の画面に出てこない場合と、表示はされるのに予定の中身が見えない場合。この3つは原因も直し方も違います。設定を何度もやり直す前に、自分がどの症状なのかを決めてしまうほうが速く終わります。ここでは症状ごとに確認先を分けて、公式の仕様に沿って順に見ていきます。
「共有できない」は3つの症状に分かれる
最初に、いま起きていることを次の3つのどれかに当てはめてください。
- 設定画面に「共有する相手」の欄が出ない、または追加してもエラーになる。これは権限か組織の制限の話です。
- 追加はできて一覧に相手の名前も並んでいるが、相手の画面にカレンダーが出てこない。これは招待の受け取りの話です。
- 相手の画面には出ているが、予定の名前や場所が空欄になっている。これはアクセス権の段階の話です。
3つを混ぜたまま対処すると、権限を上げても直らない症状に権限を上げ続けることになります。とくに3つめは不具合ではなく設定どおりの動作で、渡したアクセス権が「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」だと、相手には予定があるという事実だけが見えます。
もうひとつ、症状を切り分ける前に確かめておきたい前提があります。職場や学校のアカウントで使っているカレンダーは、共有できるかどうかを組織の管理者が決めています。公式のヘルプにも、共有できない場合は管理者に問い合わせるよう書かれています。個人のアカウントで試すと問題なく共有できるのに会社のアカウントでは止まる、という場合は、設定ではなく組織の方針で閉じられていると考えるのが先です。
権限の5段階と、どれを渡したかを確かめる
Googleカレンダーの共有は、オンとオフの2択ではなく5段階のアクセス権から選ぶ形になっています。渡した段階によって、相手にできることが変わります。
| アクセス権 | 相手にできること |
|---|---|
| 予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示) | 予定が入っている時間枠だけが見える。名前や詳細は見えない |
| 予定の詳細の表示 | 名前、日時、場所、説明まで見える |
| 変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示) | 非公開ではない予定を編集できる。非公開の予定は編集できない |
| 予定の詳細を変更、表示可能 | 予定を編集でき、他に誰と共有しているかも見える |
| 予定の変更および共有の管理 | 予定を完全に管理でき、カレンダーを他のユーザーへ共有もできる |
「共有したはずなのに中身が見えない」と言われる場面のほとんどは、いちばん上の段階のまま渡していることが原因です。逆に、相手にも共有の管理までさせたいなら、いちばん下の段階が必要になります。
ここには見落としやすい依存関係があります。自分が作ったカレンダーではなく、誰かから共有してもらったカレンダーを、さらに別の人へ共有したい場合です。これには所有者から「予定の変更および共有の管理」を付与してもらう必要があります。この段階を持っていないと、設定画面を開いても共有の追加ができません。部署の共有カレンダーを引き継いだときに詰まるのは、たいていここです。
手順そのものは短く、パソコンのブラウザでGoogleカレンダーを開き、左の「マイカレンダー」から対象のカレンダーの「その他」を押して「設定と共有」を開き、左の「共有する相手」で「ユーザーやグループを追加」を選びます。メールアドレスかGoogleグループを入れて、アクセス権を選び、「送信」を押します。
招待メールが届かない、リンクを押していない
共有の追加が終わっていても、それだけで相手の画面には出ません。公式の仕様では、共有された相手にメールが届き、そのメール内のリンクをクリックしてはじめてカレンダーが表示されます。相手が「何も来ていない」と言う場合、この一段が飛んでいることがほとんどです。
公式のヘルプが挙げている確認の順番は次の4つです。
- メールアドレスが正しいことを確かめる。よくあるのは、同姓の別人や、退職者の旧アドレスを選んでしまっているケースです。
- 迷惑メールとゴミ箱のフォルダを確認してもらう。カレンダーの招待は本文が短いため、フィルタに引っかかりやすい種類のメールです。
- 自分の名前かアドレスでメールを検索してもらう。受信箱の別のラベルに振り分けられていることがあります。
- それでも見つからないときは、共有リストから相手を削除して、もう一度追加する。招待の再送はこの形で行います。
メールが届いていないという申告だけで判断しないことが大切です。新しく加わったメンバーの画面で本当に表示できるのかを、その人の画面で確かめるところまでやると原因が確定します。
新しく加わったメンバーにカレンダーが表示されないときは、招待メールの有無だけで判断しないことが重要です。対象ユーザーの画面で実際に表示できるか確認し、必要に応じてカレンダーIDによる登録や個別共有で切り分けましょう。入社・異動時に備え、社内ポータルなどへカレンダー名、用途、所有者、カレンダーIDを一覧化しておくと対応しやすくなります。 出典: jicoo.com
カレンダー名、用途、所有者、カレンダーIDの一覧を作っておくという部分は、共有カレンダーが増えた組織では効きます。所有者が分かっていれば、権限の付与を誰に頼めばよいかで迷いません。
相手の画面で追加できないときに見る場所
相手が招待メールのリンクを押したのに表示されない、あるいは共有されたはずのカレンダーを自分から追加したいという場合、端末の種類で手順が変わります。ここに明確な制限があります。
新しくカレンダーを登録するには、パソコンのウェブブラウザを使う必要があります。Android、iPhone、iPadのGoogleカレンダーアプリでは、カレンダーへの登録そのものができません。登録が済んでいるカレンダーは、アプリ側では左上のメニューからチェックボックスをオンにして表示を切り替えるだけです。
つまり、スマートフォンだけで作業していると、どこまで進めても相手のカレンダーは増えません。「アプリで探したが見つからない」という申告は、不具合ではなくこの仕様に当たっている可能性が高いです。パソコンのブラウザで一度登録してもらえば、そのあとはアプリ側にも自動で並びます。
表示のチェックボックスをオンにしても出てこない場合は、同期の設定を確認します。アプリ側で表示するカレンダーの選択と、Googleアカウント側の共有設定は別の設定なので、片方だけを直しても画面は変わりません。
もうひとつ、共有されていないカレンダーを見たい場合の道もあります。相手が自分とカレンダーを共有していないときは、そのユーザーのメインカレンダーへのアクセスをリクエストできます。所有者がそのリクエストを承認すると、そのカレンダーはGoogleカレンダーアプリに自動的に表示されます。相手に設定の手順を説明してもらうより、リクエストを送って承認してもらうほうが早く済むことがあります。
職場や学校のアカウントで止まっているとき
組織のアカウントには、個人のアカウントには無い制約が2つあります。
1つめは、共有できるかどうかを管理者が決めているという点です。設定画面に共有の欄が出ない、または特定の相手だけ追加できないという症状は、組織の方針として外部への共有が閉じられている場合に起きます。この場合、利用者側の設定を何度変えても通りません。
2つめは、逆方向の話です。公式のヘルプには、カレンダーを共有していない場合でも、管理者があなたのカレンダーとすべての予定の詳細を確認できる可能性があると明記されています。組織のアカウントで私用の予定を細かく書いている場合は、この前提を知っておく必要があります。
組織内での共有は、個別の相手を追加する方法とは別に、「予定のアクセス権限」で組織全体に開く方法があります。この設定を使うと、組織内のユーザーはカレンダーを表示して登録でき、組織外のユーザーには表示されません。ただし、組織外の人を会議に招待した場合は、その会議に関する情報は相手に見えます。
一般公開という選択肢もあります。「一般公開して誰でも利用できるようにする」を選ぶと、インターネットや検索結果からカレンダーを見つけられる状態になり、他のアプリからも利用できます。社外向けのイベント日程を配る用途には向きますが、社内の予定表をここに置くと検索結果に出るため、選ぶ前に中身を確かめてください。
共有の代わりに使われる仕組みと、その違い
共有が通らない状況の回避策として、別の連携を提案されることがあります。ただし「Googleカレンダー連携」という同じ言葉で呼ばれていても、実際の仕組みは同じではありません。
「Googleカレンダー連携」と案内されているSaaSでも、実際の連携方式は同じとは限りません。予定を直接共有・同期する製品もあれば、ICS購読、予定のコピー、OAuthを使う双方向同期、日報やノートへの取り込みだけを行う製品もあります。 出典: jicoo.com
方式の違いは、あとから問題として返ってきます。ICS購読は読み取り専用で、反映に時間差があります。予定のコピーは、元の予定を変えても写した先が古いままになります。OAuthを使う双方向同期は編集も反映されますが、権限の範囲が広くなります。共有の代わりに何かを入れるときは、読み取りだけでよいのか、双方向が必要なのかを先に決めるほうが確実です。
なお、Googleカレンダーの祝日カレンダーや外部のイベント日程は、ICS形式での購読で重ねて表示できます。この方式なら相手の権限設定を待つ必要がありません。共有の許可が下りない相手の公開日程を見たいだけなら、購読で足りる場合があります。
共有が通っても予定が回らないときに見る場所
共有の設定が全部通り、相手の画面にも予定が並ぶようになっても、予定が回らないという問題は残ります。共有は「誰がいつ埋まっているか」を見せる仕組みで、「その予定が実行できるか」までは見ていないからです。
実際に落ちる時間は、予定と予定の隙間に出ます。相手の空き時間を見て会議を入れたが、その前の予定が別の場所で行われていて移動が入らない。オンラインと対面が交互に並んでいて、着席する時間が取れない。共有カレンダーの上では矛盾がないので、誰も気づかないまま当日を迎えます。
ここを見るには、カレンダーの側で移動を計算させる必要があります。住所から車、徒歩、電車の所要時間を出して移動のブロックを作り、出発すべき時刻に通知を出す仕組みがどう動くかは移動時間にまとめてあります。予定を作るときに会議リンクを見分けたり、複数のGoogleアカウントをまとめて表示したりといった機能の一覧はできることにあります。
入力の側にも落ちる時間があります。共有カレンダーの運用では、誰かが会議の候補を書き、別の誰かがそれを予定に直すという二重の作業が発生しがちです。メールやチャットの文面をそのまま貼り付けて日時と場所と出席者を抜き出す、あるいは話し言葉のまま予定にするという入力の形は予定の入れ方で説明しています。Macで使えるカレンダーアプリが、複数アカウントの扱いや移動の計算でどう違うかを並べたものは他のカレンダーとの比較にあります。
よくある質問
共有の設定はできているのに、相手の画面に出てこないのはなぜですか?
共有を追加しただけでは表示されません。相手に届いた招待メールのリンクをクリックしてもらう必要があります。メールが見つからないときは、アドレスの誤りと迷惑メール、ゴミ箱を確認し、それでも無ければ共有リストから相手を削除してもう一度追加すると再送されます。
スマートフォンのアプリだけで共有されたカレンダーを追加できますか?
できません。新しくカレンダーを登録するにはパソコンのウェブブラウザが必要で、Android、iPhone、iPadのGoogleカレンダーアプリでは登録そのものができない仕様です。登録が済んだあとは、アプリ側でチェックボックスをオンにして表示を切り替えられます。
共有したのに予定の名前や場所が見えないと言われます。不具合ですか?
設定どおりの動作です。アクセス権が「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」になっていると、相手には予定が入っている時間枠だけが見え、名前や場所は見えません。中身まで見せるなら「予定の詳細の表示」以上を選び直してください。
会社のアカウントで共有の欄が出てきません。どうすればよいですか?
職場や学校のアカウントでは、共有できるかどうかを組織の管理者が決めています。方針として閉じられている場合、利用者側の設定では通らないため管理者への確認が必要です。なお、共有していなくても管理者が予定の詳細を確認できる可能性があることも公式に明記されています。