Cronカレンダーの代わりを探すなら|macOSでの選び方

cron カレンダー代わりで検索したとき、最初に突き当たるのは「乗り換え先の一覧」ではなく「そもそもCronという名前のアプリがもう配布されていない」という事実です。買収と改名を経て、同じアプリは別の名前で今も動いています。それでも代わりを探す手が止まらないのは、アプリが消えたからではなく、日々の使い方のどこかが合わなくなったからです。

この記事では、Cronがいまどうなっているのかを整理したうえで、macOSで現実的に選べる候補と料金、無料で足りる範囲、乗り換える前に確認しておく設定を並べます。読み終えたときに「どのアプリに変えるか」ではなく「何を置き換えたいのか」が決まっている状態を目指します。

Cronという名前のアプリはもう配布されていない

Cronはキーボード操作の速さで評価されたmacOS向けのカレンダーでした。開発元は2022年にNotionに買収され、2024年1月に同じアプリがNotion Calendarという名前で公開されています。デザインの系譜も操作の骨格も引き継がれているため、「Cronが使えなくなった」わけではありません。

現在のNotion Calendarは無料で、macOS・Windows・iOS・Android・Webで使えます。接続できるカレンダーはGoogleとiCloud、そしてMicrosoft Outlookです。Outlook対応は2026年に加わったもので、勤務先がMicrosoft 365という理由で候補から外していた層にとっては前提が変わりました。

You can connect calendars from Apple and Google with Notion Calendar. 出典: notion.com

つまりアプリは生きていて、対応範囲はむしろ広がっています。それでも代わりを探す理由は、だいたい次の3つに分かれます。

  • 特定の会社のサービス群に予定を預けたくない、という依存の問題
  • 買収後に機能が広がった分、以前の尖った操作感が薄れたと感じる、という手触りの問題
  • そもそも最初から無かった機能が、あとから必要になった、という不足の問題

明確な答えが出るのは3つめだけです。1つめと2つめは好みの問題ですが、好みは乗り換えの理由として十分に正当です。ただし比較表では決着がつかないので、候補を絞る作業が長引きやすくなります。

置き換えたいのは機能ではなく「詰まった操作」

候補を並べる前に、直近でうまくいかなかった操作をひとつだけ書き出すと選択肢が一気に減ります。アプリ名ではなく、操作を書き出すのがポイントです。よく挙がるのは次のような内容です。

  • 別の作業をしている最中に、思いついた予定をすばやく入れたい
  • 次の予定が何時からなのかを、ウインドウを切り替えずに知りたい
  • 仕事用と個人用でGoogleアカウントが3つあり、色が混ざって見分けがつかない
  • 時差の計算を毎回頭の中でやっている
  • 空いている時間を取引先に候補として送りたい
  • 会議と会議のあいだに移動が入らず、当日になって破綻する
  • タスクと予定が別々のアプリに散らばっている

この7つは、それぞれ行き先が違います。2つめはメニューバー常駐の小さなツールで無料で解決します。5つめは有料のカレンダーにしか付いていない機能です。6つめはそもそも機能の話ではなく、予定の組み方の問題で、アプリを変えても勝手には直りません。予定表が埋まっていることと、その1日が実行可能であることは別の話です。

macOSで選べる候補と料金を横に並べる

現実的な候補は3つの層に分かれます。無料のカレンダー本体、無料のメニューバー常駐ツール、有料のカレンダー本体です。以下の金額は各社が公開している価格で、改定されることがあるため、支払う前に提供元のページで確認してください。

アプリ 料金 接続できるもの 形
Notion Calendar 無料 Google、iCloud、Outlook キーボード中心のカレンダー本体
Apple カレンダー macOSに標準搭載 iCloud、Google、Exchange、CalDAV 標準のカレンダー本体
Fantastical 無料版あり、Premiumは月額6.99ドルまたは年額56.99ドル iCloud、Google、Exchangeなど タスクも扱えるカレンダー本体
BusyCal 買い切り49.99ドル、更新は18か月ぶん付属 iCloud、Google、Exchange、CalDAV 情報量の多いカレンダー本体
Itsycal 無料、オープンソース macOSが持っているカレンダー メニューバーに月表示だけ
MeetingBar 無料、オープンソース Google、Outlook、iCloudなど 次の会議の表示と参加
Dato Mac App Storeで買い切り18ドル macOSが持っているカレンダー メニューバーの月表示と時差表示

注目したい行が2つあります。ItsycalとMeetingBarは、macOSにすでに設定されているカレンダーを読むだけなので、アカウントを増やさずに表示面だけを足せます。いま使っているアプリを残したまま試せるため、最初に試す価値があります。

もうひとつはBusyCalです。主要な選択肢のなかで買い切りのライセンスが残っている数少ないアプリで、Fantasticalの家族向けプランが年額89.99ドルであることを踏まえると、サブスクリプションを増やしたくないという理由で移りたい人には条件が合います。ただし付属する更新は18か月ぶんで、その後も新機能を受け取るには割引価格での更新が必要になります。

無料で足りる範囲と、有料に切り替わる境目

代わりを探している人のかなりの割合は、思っているより小さなものを求めています。「次の予定が2時からなのか3時からなのかを確かめるために、いちいちウインドウを前に出している」のが不満の正体なら、必要なのは新しいカレンダーではなくメニューバー常駐のツールです。

境目ははっきりしています。無料のメニューバーツールは基本的に読み取り専用です。予定を見る、次の会議に参加する、月の並びを確かめる、ここまでは無料で足ります。招待者を含む予定を作る、繰り返しのルールを変える、社外の相手に空き時間を送る、この3つが必要になった時点で、カレンダー本体の話に移ります。

有料を検討する前にもうひとつ確かめたいのが、macOS標準のカレンダーです。標準のカレンダーには移動時間を予定に組み込む欄があり、「木曜15時 打ち合わせ」のような短い文を予定に変換する機能もすでに入っています。この2つを目当てに課金してしまう例は少なくありません。何にお金を払うのかを決める前に、他のカレンダーとの比較のように、標準のカレンダーを含めて横並びで確認しておくと判断がぶれません。

乗り換える前に確認しておく設定

カレンダーアプリを変えても、予定そのものは失われません。予定はアプリではなくGoogleやiCloudのアカウント側に保存されているためです。失われるのは設定で、しかも困るタイミングで気づきます。

  • iCloudに接続するには、Appleのアカウント側で発行する「アプリ用パスワード」が必要になる
  • Googleアカウントが複数ある場合は1つずつ認証が要る。3つのうち2つだけ繋がっていても気づきにくい
  • 新規予定の保存先カレンダーの初期値を確認する。ここを間違えると個人の予定が共有カレンダーに出る
  • 通知の許可はアプリごとなので、乗り換え直後は通知が止まる。macOSの設定で許可し直す
  • 繰り返し予定を1回だけ変更したときの扱いはアプリで違う。移行後に1件試しておく
  • アプリの機能で発行した日程調整用のリンクは、そのアプリをやめると使えなくなる。送信済みのものは出し直す

どれも難しくはありませんが、乗り換えた当日にまとめて片づけるほうが、1週間後に通知が来ないと気づいてから調べるより早く済みます。

複数アカウントを1画面で扱えるか

Cronを使い続けていた人が挙げる理由として多かったのが、地味な項目です。仕事用と個人用、それに取引先ごとのGoogleアカウントを同時に並べても、色が混ざって判別できなくならないこと。業務委託や複数の顧客を持つ働き方では早い段階でぶつかる制約で、これは好みではなく機能の差です。

候補として挙げたアプリは、どれも複数アカウントの接続自体はできます。差が出るのは接続したあとです。次の3点を確かめると短時間で判別できます。1つめは、カレンダーのまとまりを一括で表示と非表示に切り替えられるかどうか。取引先の予定を隠すたびにチェックボックスを6個外すのか、1回の操作で済むのかで、毎日の手数が変わります。2つめは、新しく作る予定の保存先を状況に応じて覚えてくれるか、常に同じカレンダーに落ちるか。3つめは、色をアカウント単位で持つのかカレンダー単位で持つのか、そして同期のたびに設定が上書きされないかどうかです。

Fantasticalはカレンダーのまとまりを一括で切り替える機能を持ち、有料の範囲に入っています。BusyCalは絞り込みの保存と情報密度の高い一覧で、週の情報を画面に残す方向で答えています。標準のカレンダーはサイドバーのチェックボックス方式で、動きますが手数はかかります。Notion Calendarはアカウントごとの見分けは付きますが、まとまりの一括切り替えという点では標準のカレンダーに近い挙動です。

確認は10分で終わります。試用版に全アカウントを繋ぎ、取引先を1件隠して別の1件を表示する操作を実際にやってみてください。そのときにかかったクリック数が、そのまま毎日かかるクリック数になります。

予定の「あいだ」を勘定に入れているか

Mac向けカレンダーの比較記事は、表示形式・色分け・対応アカウント・文字解析の精度をほぼ必ず扱います。一方で、予定と予定のあいだの空白を扱う記事はほとんどありません。しかし1日が破綻するのは、たいていそこです。

場所の違う会議が連続して入っているのは、アプリの速さでは解決しません。移動を予定として確保するか、しないかという設計の問題です。標準のカレンダーには移動時間の欄があり、開始時刻ではなく出発時刻で通知を出せます。Notion Calendarは移動時間を自動では確保しません。有料のカレンダーは対応が分かれます。

判断は実際の1週間で試すのが確実です。直近1か月でいちばん破綻した3日を選び、候補のアプリで移動時間を含めて組み直します。元のカレンダーでは見えなかった衝突が出てくるなら、そのアプリは仕事をしています。見た目が変わるだけなら、それは好みの問題として値段を考えればよいという判断になります。移動を予定に含める考え方は移動時間で扱っており、往復の確保と出発通知が何を変えるのかが具体的に分かります。

予定を入れる手数から選び直す

キーボード中心のカレンダーが速いのは、すでにキーボードの前にいて、入れる予定の文が頭の中で組み上がっているときです。その条件がそろうのは、週の始めに予定を整理する時間帯くらいで、実際の予定の多くは会話の途中や移動中に決まります。聞いた時刻を覚えたままキーボードの前に着くまでの数分が、予定が抜け落ちる場所です。

そのため、比較の軸を「表示の見やすさ」から「入れるまでの手数」に置き換えると、候補の並び方が変わります。短い文を予定に変換できるか、話し言葉と音声で予定を入れられるか、入れた予定に場所と移動時間まで付くか。この3点は、月表示の美しさよりも1日の結果に効きます。入力の実際の流れは予定の入れ方で確認でき、そこで扱える範囲はできることにまとまっています。

そのうえで決め方はひとつです。最初に書き出した「詰まった操作」を直すものだけを変えます。見るだけの問題なら無料のメニューバーツールで今日終わります。週が溢れる問題なら、アプリを選ぶ前に3日ぶんを移動時間つきで組み直します。料金の条件が最後まで気になるなら購入で支払い方を確かめ、細かい疑問はよくある質問を先に読んでおくと、試用期間を設定作業に使わずに済みます。

よくある質問

Cronは今もダウンロードできますか?

できません。開発元が2022年にNotionへ買収され、2024年1月にNotion Calendarという名前で公開され直しています。アプリ自体は同じ系譜のもので、現在も無料で、Google・iCloud・Outlookのカレンダーに接続できます。

キーボード操作の速さを重視する場合、近い代わりはどれですか?

FantasticalとBusyCalが選ばれることが多く、どちらも有料です。ただし操作体系は同じではないため、よく使うショートカット5つを試用期間中に実際に叩いて、手が覚えている操作がそのまま通じるかを確かめてから決めるのが確実です。

無料のままで済ませることはできますか?

見るだけなら可能です。ItsycalとMeetingBarは無料のオープンソースで、macOSにすでに設定されているカレンダーを読むため、アカウントを増やさずにメニューバーへ表示を足せます。予定の作成や編集は本格的には行えないので、そこが必要なら本体のカレンダーが要ります。

アプリを変えると予定は消えますか?

予定はアプリではなくGoogleやiCloudのアカウント側にあるため、アカウントを繋ぎ直せば付いてきます。消えるのは設定のほうで、通知の許可、新規予定の保存先カレンダー、アプリ機能で発行した日程調整リンクは移行後に確認と再設定が必要です。

記事一覧へ戻る