会議 時間 削減の順番|減らす前に何に使われているか数える
会議 時間 削減という言葉で検索したとき、たいていは具体的な行き詰まりが目の前にあります。定例が積み上がって作業の時間が取れない。会議と会議の間に移動が挟まって、実質的に1日が埋まる。アジェンダを配っても会議は予定時刻に終わらない。
この記事で扱うのは、会議を短くするコツの一覧ではありません。削る対象を先に確定させる手順です。会議時間の削減が途中で止まるのは、やり方を知らないからではなく、どの会議にどれだけ使われているかを誰も数えていないまま、全員の善意で乗り切ろうとするからです。数える作業に必要なのは直近7日間のカレンダーだけで、ここが済むと、削れるものと削れないものの線がはっきりします。
削減が止まる原因は、会議そのものよりも会議の周辺にある
会議の時間を短くする話は、ふつう会議室の中の話として語られます。アジェンダを先に配る、進行役を決める、時間を守る。どれも効きますが、これらは会議の中身に向けた対策です。実際に直近7日間のカレンダーを開いて数えると、会議の前後に張り付いている時間のほうが大きいことがよくあります。
会議の周辺で消えている時間は、おおよそ3つに分かれます。1つめは移動です。対面の打ち合わせなら往復の所要時間、社内の別フロアでも数分は乗ります。2つめは切り替えです。作業を中断して会議の頭に入り、終わってから元の作業に戻るまでのあいだ、手は動いていても内容は進みません。3つめは待機です。次の会議まで20分だけ空いている枠は、まとまった作業には使いにくく、実質的には会議の一部として消えます。
会議を60分から45分に縮めても、前後の移動と切り替えが変わらなければ、手元に戻る時間は思ったほど増えません。逆に、同じ会議を同じ時間のままにして、移動が挟まらない並べ方に変えるだけで、まとまった作業の枠が復活することがあります。削る順番は、会議の本数、会議の長さ、会議の並べ方の3つのどれから手を付けるかで結果が変わります。そして順番を決めるには、いま何に使われているかを数える必要があります。
7日間を3つの列で数える。所要時間の合計だけでは足りない
数え方は簡単です。直近7日間のカレンダーを見て、会議ごとに3つの列を埋めます。会議の所要時間、前後の移動時間、参加した人数です。この3つが揃うと、どの会議が実際に高いのかが見えます。
人数の列が要るのは、会議のコストが所要時間ではなく、所要時間と人数の掛け算で決まるからです。8人が参加する60分の会議は、合計8時間の作業時間を使っています。同じ60分でも2人の打ち合わせは合計2時間です。この数字を並べると、参加者を絞ることが会議を短くすることと同じくらい効くと分かります。実際に導入事例として公開されている数字でも、1回あたりの短縮が年単位では大きな工数として現れます。
実際にリモート会議の運用に課題を抱えていた製造業A社様は、「ConforMeeting」を導入したことで映像や音声、資料の共有がスムーズにできるようになりました。 その結果、会議時間を1回30分短縮することに成功し、業務効率化を実現しています。例えば、1ヶ月に2回同等の会議をしたとすると、年間で会議時間を12時間短縮できます。工数で見ると年間180時間もの時間削減につながるのです。 ※15名での会議の場合 出典: nec-solutioninnovators.co.jp
ここで注目したいのは、1回30分という短縮幅そのものよりも、15名という人数です。1回の会議を30分縮めた効果が年間180時間として現れるのは、参加した人数の数だけ掛かっているからです。つまり数え直しの結果として「人数が多い会議」が上位に来た場合、そこは長さを削る前に、そもそも全員が要るのかを問う場所になります。
数えた結果は、会議ごとの行として並べます。所要時間の長い順ではなく、所要時間と人数を掛けた値の大きい順に並べ替えると、直感と違う順番になることが多いはずです。週に1回の全体会議が上位に来て、毎日15分の朝会が下位に来る、といった形です。この並びが、削る順番の候補になります。
削る順番は、本数、人数、長さ、並べ方の4段階で考える
数え終わったら、上から順に手を付けます。段階を分けるのは、後ろの段階ほど合意が要り、前の段階ほど決定が速いからです。
- 第1段階は本数です。目的が終わった定例、報告だけの会議、参加者の半分が発言しない会議は、廃止か非同期化の候補になります。判断の材料は、その会議で何が決まったかの記録です。直近4回を見て決定事項が無ければ、会議の形である必要はありません。
- 第2段階は人数です。決める人、説明する人、判断材料を持っている人だけを残します。残りには議事録の共有で足ります。ここが一番大きく効くうえに、会議の質は下がりにくい場所です。
- 第3段階は長さです。60分の枠を50分、30分の枠を25分に詰めます。移動と切り替えのための余白を、枠の外ではなく枠の中から出す考え方です。
- 第4段階は並べ方です。同じ日に寄せて、移動が挟まる会議を連続させます。会議のある日と作業の日を分けると、切り替えの回数そのものが減ります。
第3段階まで来てはじめて、会議の中の進め方の話が意味を持ちます。アジェンダを先に配る、進行役を置く、資料は会議前に読む、決定事項をその場で書く。これらは50分の枠を50分で終わらせるための手段であって、会議の総量を減らす手段ではありません。手段と目的が入れ替わると、アジェンダの整備だけが進んで総量が変わらない状態になります。
第4段階の並べ方には、カレンダー側で自動化できる部分があります。住所が入っている予定なら、移動時間は毎回手で見積もる必要はありません。住所から車・徒歩・電車の所要時間を計算し、移動ブロックを自動で作成する形になっていれば、会議の並べ方を変えたときに移動が増えたのか減ったのかがその場で分かります。Mac用のカレンダーアプリで移動をどう扱うかは移動時間にまとめてあります。
ツールで削れる時間と、ツールでは削れない時間
会議の効率化でツールを検討するとき、期待していい範囲と、そうでない範囲があります。境目をはっきりさせておくと、導入したのに何も変わらないという事態を避けられます。
ツールで削れるのは、作業として繰り返されている部分です。予定を入れる手数、参加者の空き時間を探す往復、会議リンクを発行して本文に貼る手間、移動時間の見積もり、議事録の書き起こし。これらは1件あたり数分でも、週に何十件あれば無視できない量になります。日程調整の往復メールは、空き枠を共有する形に変えるだけで消えます。
ツールでは削れないのは、決められない会議です。判断する人が出席していない、判断の材料が揃っていない、そもそも何を決める会議なのかが共有されていない。この3つはどれも、道具の問題ではなく設計の問題です。会議が長引く原因を挙げた記事は数多くありますが、原因として繰り返し出てくるのは、目的が曖昧なこと、資料が当日配られること、参加者が多すぎることの3つです。いずれもツールの導入では動きません。
無料で試せる範囲から始めると判断しやすくなります。日程調整や移動時間の計算は、有料の専用サービスを契約する前に、手元のカレンダーアプリの機能として付いている場合があります。標準のカレンダーと有料のアプリで何が違うのかは他のカレンダーとの比較で整理しています。費用をかける前に、いま使っている道具で足りる範囲を確かめるほうが順番として早いです。
30分の会議を25分にする変更が、思ったより効く理由
長さを詰める段階で、60分を50分、30分を25分にする形をよく見かけます。切りの悪い数字にする理由は、余白を枠の中に閉じ込めるためです。
会議が定刻に終わっても、次の会議が定刻に始まるなら、移動と切り替えの時間はどこにも無いことになります。実際には席を移り、資料を開き、前の会議の話を頭から出す時間が要ります。この時間を枠の外に置くと、会議は毎回少しずつ遅れて始まり、最後の会議が終わる時刻が後ろにずれます。枠の中に5分入れておくと、遅れが次に伝わりません。
この変更には、参加者の合意がほとんど要らないという利点もあります。会議を廃止する、参加者を外すといった判断は関係者の納得が必要ですが、枠の長さを5分縮めることは、主催者の設定ひとつで済みます。段階の順番としては第3段階ですが、合意の取りやすさで言えば最初に動かせる場所です。
デメリットも把握しておきます。25分の枠は、議題が2つ以上あると入りません。詰めた結果として会議の回数が増えるなら、削減にはなりません。議題の数と枠の長さは揃えて決めます。また、外部の相手が入る会議で切りの悪い枠を提案すると、相手のカレンダーで扱いにくくなることがあります。社内の定例から始めて、外部との会議は30分のまま残す形が現実的です。
カレンダーの設定で、会議の前に効くもの
ここまでの4段階は、どれもカレンダーに手を入れる作業として現れます。数え直しの結果を反映する場所がカレンダーだからです。設定の側で先に効くものを挙げます。
既定の会議時間を短くしておくと、新しく作る会議が自動的に短い枠になります。1件ずつ直す作業が消えるので、これは最初に変える価値があります。あわせて、繰り返しの終了日を入れる習慣を付けます。終了日の無い定例は、目的が終わったあとも残り続けます。繰り返しのルールに終わりを入れておけば、期限で自然に止まります。Mac用のカレンダーアプリでの繰り返しの指定は予定の入れ方で扱っています。
通知の設計も会議の時間に効きます。会議の直前に鳴る通知は遅刻を減らしますが、移動が必要な会議では間に合いません。前の予定の場所と次の予定の場所から所要時間を計算して、出発すべき時刻に知らせる形にしておくと、移動のある会議でも枠の中で収まります。
予定を入れる手数そのものも、週単位では会議の時間に匹敵します。話し言葉と音声で予定を入れられる形になっていれば、会議のあとに続きの打ち合わせを入れる場面で、フォームを開いて日時を選ぶ手順が省けます。入力の経路がいくつあるかは道具によって違うので、できることで確認できます。
数え直しの結果を、翌週のカレンダーに1つだけ反映する
最後に、実行の話をします。4段階を一度に動かすと、どの変更が効いたのか分からなくなります。翌週に反映するのは1つだけにします。
たとえば第2段階の人数だけを動かす週を作ります。所要時間と人数の掛け算で上位だった会議から、参加者を2人外して議事録の共有に切り替えます。その週の終わりに、もう一度3つの列で数えます。合計が減っていれば、同じ手を次の会議に当てます。減っていなければ、外した2人が別の場所で時間を使っている可能性があるので、そこを見ます。
この繰り返しは、月に1回でも成立します。数える対象が直近7日間のカレンダーなので、作業は30分ほどで終わります。会議の効率化が単発の取り組みで終わりやすいのは、効果を測る場所が用意されていないからです。測る場所をカレンダーに固定しておけば、削減は施策ではなく運用になります。数えた結果を残しておくと、半年後に同じ会議が復活していることにも気づけます。
よくある質問
会議時間の削減は、どこから手を付けると失敗しにくいですか?
会議の長さではなく、参加者の人数から手を付けると失敗しにくいです。所要時間と人数の掛け算で並べると、長さの短い会議でも人数が多ければ上位に来ます。人数を絞る変更は会議の質を落としにくく、合計の削減幅も大きく出ます。
60分の会議を50分にすると、議題が入りきらないのではないですか?
議題の数を変えずに枠だけ縮めると入りません。枠を縮めるときは、議題を1つに絞るか、報告だけの議題を会議の外に出します。50分の枠は、決めることが1つの会議に向いた長さです。
定例を廃止したいのですが、判断の材料は何を見ればよいですか?
直近4回の決定事項を見ます。決まったことが無い、または共有だけで済む内容しか無い場合は、会議の形を維持する理由が弱いです。廃止に抵抗がある場合は、まず隔週にして同じ記録を取り直すと判断しやすくなります。
移動時間は予定に入れたほうがよいですか?
入れたほうが安全です。移動を予定に入れていないと、空いて見える枠に別の会議が入り、当日になって間に合わなくなります。住所から所要時間を計算して移動ブロックを自動で作れるカレンダーアプリなら、手で見積もる手間もかかりません。