Googleカレンダーのエクスポート|取り出せる形と使い道

Googleカレンダーのエクスポートを調べると、手順は数行で終わるのに、降りてきたファイルをどう扱えばよいのかが分からないまま止まることが多い。ボタンを押すと.zipファイルが届き、開くと.icsのファイルが並んでいる。目的が「別のアプリで見たい」なのか「控えとして残したい」なのか「表にして数えたい」なのかで、その後の作業がまるごと変わるためである。

Googleカレンダーから予定を取り出す経路は4つある。全カレンダーの一括、単一カレンダー、アカウントのデータとしての書き出し、そしてファイルを作らずにURLで繋ぐ形である。この記事では、それぞれが何を出すのか、何を運ばないのか、どの目的でどれを選ぶのかを順に整理する。

エクスポートという言葉が指す4つの経路

同じ「エクスポート」という語で呼ばれているが、出てくる物が違う。整理しておくと、後の手戻りが消える。

1つ目は設定画面の「インポート / エクスポート」からの一括書き出しで、管理できるカレンダーのすべてが対象になる。2つ目は個々のカレンダーの「設定と共有」からの書き出しで、そのカレンダー1本だけが対象になる。3つ目はGoogleアカウントのデータとしての書き出しで、招待者の返答まで含んだ形で降りてくる。4つ目は書き出しではなく購読で、URLを別のアプリに貼り付けて読み取り専用で表示させる形である。

このうち1つ目から3つ目はその瞬間の写しであり、あとから中身が更新されることはない。4つ目だけが繋がったまま更新される。控えを残す目的と、別のアプリで見続ける目的は、ここで完全に分かれる。

そして1つ目から3つ目はいずれもiCalendar形式で降りてくる。CSVやExcelの形式は選べないので、表にして数える目的の場合は、どの経路を選んでも変換の工程が後ろに付く。

先に目的を1つに言い切っておくと、迷う時間が減る。別のアカウントへ移すのか、退職や解約に備えて控えを残すのか、Macの標準のカレンダーやOutlookで見続けたいのか、月ごとの時間を数えたいのか。この4つはそれぞれ別の経路に対応しており、ひとまとめに「エクスポート」で済ませようとすると、降りてきたファイルの前で止まる。手順の短さに引かれて先に押してしまうと、写しなのか繋ぎなのかを取り違えたまま進むことになる。

全部まとめて落とす:設定画面からの書き出し

移行や年に1度の控えに向く経路である。手順はGoogleのヘルプに沿うと短い。

Google カレンダー設定画面にて、画面左メニューの[インポート / エクスポート]をクリックし、エクスポート欄の[エクスポート]をクリックすると、PC にカレンダー データがダウンロードされます。 出典: g-workspace.jp

降りてくるのは.zipファイルで、中にはカレンダーごとの.icsファイルが入っている。ファイル名は「(カレンダー名)_(ユーザー名).ics」の形になるので、仕事用と私用を分けて運用している人は、どのファイルがどのカレンダーなのかを名前で判別できる。読み込み直すときは.zipを開いて個々の.icsを取り出し、1本ずつ読み込む形になる。まとめたまま渡すことはできない。

ここで確かめておく条件が3つある。スマートフォンのGoogleカレンダーアプリからは書き出せず、パソコンのGoogleカレンダーだけが対応していること。対象のカレンダーに「予定の変更および共有の管理」の権限が必要で、共有してもらっただけのカレンダーでは足りないこと。そして職場や学校の組織では、管理者がエクスポート設定を制限していることがある点である。条件はGoogle カレンダーから予定を書き出すに明記されている。

1つだけ落とす:カレンダー単位の書き出し

対象を絞れる経路である。動かしたいのが1本だけのとき、一括で落とすと不要なカレンダーまで抱え込むことになる。

パソコンでGoogleカレンダーを開き、左側のマイカレンダーで目的のカレンダーにカーソルを合わせる。その他のアイコンから「設定と共有」を開き、カレンダーの設定にある「カレンダーをエクスポート」を押すと、.icsファイルが1本だけ降りてくる。.zipを解く手順が省けるので、そのまま別のアプリの読み込みに渡せる。

この経路が効くのは、たとえばプロジェクト用に作ったカレンダーを終了時に切り離して残す場面である。プロジェクトの予定だけを1本のファイルにして残しておけば、本体のカレンダーからは削除しても記録が失われない。私用のカレンダーを巻き込まないので、渡す相手がいる場合にも扱いやすい。

なお、他人から共有されたカレンダーをこの手順で書き出せるかどうかは、付与されている権限で決まる。「予定の表示」や「予定の詳細の表示」だけでは書き出しに届かない。書き出しが必要なら、カレンダーの所有者に「予定の変更および共有の管理」の権限を依頼する形になる。

控えとして残す:アカウントのデータとしての書き出し

出欠の記録まで残したいときは、この経路だけが該当する。設定画面からの書き出しとは含まれる情報が違う。

Googleの説明によれば、この形で降りてくるiCalendar形式のデータには、予定の開始時間と終了時間、定期的な予定の繰り返し間隔に関するデータ、招待者とその返答ステータス、予定のタイトルと説明と場所、作成日と最終更新日が含まれる。ブレイクアウトセッションの設定はJSON形式で別に降りてくる。会議に誰を呼んで誰が辞退したのかを後から追えるのは、この経路を通ったデータである。内容はGoogle カレンダーからデータを書き出すに並んでいる。

制限も同じページに書かれている。ダウンロードできるのは削除されていないデータで、消した予定は戻ってこない。仕事用または学校用のアカウントでは、データによってダウンロードできないものがある。組織全体のデータを移す作業は管理者の側の手続きになる。

控えとして残す目的なら、この経路を年に1度か、担当が変わる区切りで通しておくと、後から確かめる材料が残る。日常の作業に混ぜる経路ではない。

落とさずに繋ぐ:iCal形式の非公開URL

別のアプリで見続けたいだけなら、ファイルを落とさない形が向く。書き出しは押した瞬間の写しなので、翌日に入った予定は反映されない。URLで繋ぐ形なら、Googleカレンダー側の変更がそのまま表示に届く。

手順は設定の「マイカレンダーの設定」から対象のカレンダーを選び、「カレンダーの統合」を開いて「iCal 形式の非公開 URL」のリンクをコピーし、表示させたいアプリの購読の手順に貼り付ける。OutlookやAppleカレンダーがこの形に対応している。Googleアカウントでのログインに対応しているアプリなら、そちらを選ぶと表示だけでなく編集もできる。どちらの形もカレンダーをパソコン上のプログラムと同期するに手順がある。

扱いで気をつける点が2つある。非公開URLは誰とも共有しない前提のもので、誤って渡してしまった場合は「リセット」を押して新しいURLを作り直す。それまでのURLは無効になる。もう1つは、職場や学校のアカウントで管理者が共有設定を変更していると、非公開URLが表示されないことである。見つからないときは推測で別の経路を探すより、管理者に確認したほうが早い。

書き出しても運ばれないもの

どの経路を選ぶかを決める前に、運ばれない情報を知っておくと期待外れが減る。

読み込みの側で落ちるものが明記されている。予定を読み込んでも、予定のゲストと会議のデータは読み込まれない。つまり、書き出して別のアカウントへ移す作業では、招待の一覧とビデオ会議のリンクが引き継がれない。移した先で会議のリンクを作り直す前提で段取りを組む必要がある。

もう1つは繰り返しの扱いである。.csvから定期的な予定を読み込むと、繰り返しの予定としてではなく1回限りの予定の連続として表示されることがある。毎週の定例を繰り返しのまま移したい場合は、CSVを経由せずICSのまま渡す。読み込みの仕様はGoogle カレンダーに予定を読み込むにまとまっている。

そして、読み込んだ予定は2つのアカウントの間で同期されるわけではない。移したあとに元のアカウントで予定を直しても、移した先には届かない。両方を揃えたままにしたいなら、書き出しではなく共有か購読を選ぶ。

使い道から経路を選ぶ

目的を先に決めると、経路は1つに絞れる。

目的 選ぶ経路 降りてくる形 更新
別のアカウントへ移す 設定画面からの一括書き出し .zipの中の.ics されない
1本だけ切り離して残す カレンダー単位の書き出し .ics されない
出欠まで含めて控えを残す アカウントのデータ .icsとJSON されない
別のアプリで見続ける iCal形式の非公開URL URLでの購読 される
表にして時間を数える いずれか+変換 .icsから変換 されない

迷いやすいのは1行目と4行目である。「Macのカレンダーアプリで見たい」という目的は、書き出しではなく購読かアカウント連携で満たされる。ここを書き出しで進めると、翌週には古い写しを見ていることになる。

逆に、退職や解約が決まっているアカウントからの持ち出しは、購読では用が足りない。接続が切れた時点で表示も消えるので、ファイルとして降ろす経路を選ぶ。期限が決まっている場合は、権限と管理者の制限を先に確かめておく。当日になって書き出しのボタンが押せないと分かると、手の打ちようが残らない。

作業の順番も決めておくと安全である。控えを残す目的なら、まずアカウントのデータとしての書き出しを通し、降りてきたファイルの中身を開いて予定が入っていることを確かめてから、元のカレンダーに手を付ける。削除済みのデータは書き出しの対象外なので、消した後では取り返せない。移行の目的なら、読み込み先のカレンダーを新規に1本用意しておき、そこへ読み込むと、うまくいかなかったときに読み込んだ分だけを削除できる。既存のカレンダーに直接読み込むと、元からあった予定と混ざって切り分けができなくなる。

取り出した先で足りないのは、予定の数ではなく間の記録

書き出したファイルを開いた人が気づくのは、記録されているのが会議ばかりだという点である。招待が届いた予定は自動的に登録されるので必ず残る。一方で、そこへ向かう移動と、始める前の準備と、終わったあとの後処理は誰も招待してこないため、1行も書かれていない。

これは書き出しの欠点ではなく、元のカレンダーに入っていないものは出てこないという当たり前の結果である。移行しても、控えを残しても、集計しても、抜けている時間は抜けたままになる。書き出しをきっかけに直す価値があるのは、この入力の側である。移動を予定の一部として扱う考え方は移動時間にまとめてあり、1日の空白と実際の空きが揃わない理由が具体的に分かる。

書かれるかどうかを決めるのは意識ではなく入力の手数である。日付を選び、時刻を選び、場所を打ち、移動時間を選ぶ操作が毎回必要なら、急いでいる日は会議だけが残る。話し言葉と音声で予定を入れられる形であれば、移動の途中で思い出した分をその場で登録できるので、後から書き足す工程が消える。1件あたりの操作は予定の入れ方で確かめられ、扱える機能の範囲はできることに並んでいる。

同期と書き出しをどこまでアプリ側に任せられるかは、道具ごとに差が出る。Googleカレンダーとの繋ぎ方や取り出せる形を軸ごとに並べた他のカレンダーとの比較を見ると、手作業をどこまで残すかの線引きがしやすくなる。細かい挙動で残った疑問はよくある質問に目を通すと、乗り換えの前に確かめる点が絞れる。

よくある質問

Googleカレンダーのエクスポートはスマートフォンからできますか?

できません。Googleのヘルプは、Googleカレンダーアプリからは書き出せず、パソコンのGoogleカレンダーだけが対応していると明記しています。iPhoneやAndroidで作業する必要がある場合も、書き出しの操作はパソコンで行い、できたファイルを共有する形になります。

エクスポートしたファイルにゲストや会議のリンクは入りますか?

設定画面からの書き出しを別のアカウントへ読み込む場合、予定のゲストと会議のデータは運ばれません。招待の一覧まで残したいときは、アカウントのデータとしての書き出しを選ぶと、招待者とその返答ステータスが含まれた形で降りてきます。

共有してもらったカレンダーを書き出せないのはなぜですか?

書き出しには「予定の変更および共有の管理」の権限が必要です。「予定の表示」や「予定の詳細の表示」だけの権限では、閲覧はできても書き出しには届きません。必要な場合は、カレンダーの所有者に権限の変更を依頼する形になります。

書き出した予定は元のアカウントと同期されますか?

されません。読み込んだ予定は2つのアカウントの間で同期される仕組みではないため、移したあとに元の側を直しても反映されません。両方を揃えたままにしたい場合は、書き出しではなくカレンダーの共有か、iCal形式の非公開URLでの購読を選びます。

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