Teamsでスケジュール調整を無料でする|標準機能の範囲
Teamsのスケジュール調整を無料でやりたいと考えて検索する人の多くは、ツールが足りないのではなく、候補日の往復で時間が溶けている状態にいる。Teamsを入れている組織なら、追加の契約なしで会議の設定と相手の空き時間の確認まで済ませられる。この記事では、標準機能で完結する範囲と、そこで足りなくなる境目を、公開されている条件から順に整理する。
先に結論を置く。社内の相手との調整は、Teamsの予定表とスケジュール アシスタントだけで追加費用なしに終わる。外部のツールが要るのは、社外の相手に候補を選ばせる場面と、3人以上の空き状況を機械に探させたい場面だけである。
「無料」が指している範囲を先に分ける
Teamsの調整を無料でやる、という言い方には2つの意味が混ざっている。1つはTeamsの無料版を使うという意味、もう1つはすでに契約しているTeamsに追加費用を払わずに使うという意味である。この2つは使える機能が違う。
Teamsの無料版は、メールアドレスか電話番号があれば相手とチャットを始められ、招待リンクを送って会議を開ける。公式の案内では、Teamsのアカウントを持っていない相手でも60分までは無料で参加できるとされている。会議そのものは開けるが、業務用の予定表を前提とした調整の道具立ては、有料プランに含まれる形になっている。
一方、有料プランの価格は公開されている。Microsoft Teams Essentialsが1ユーザーあたり月額599円相当(年払い・税抜)、Microsoft 365 Business Basicが同じ数え方で月額1,049円相当(税抜)である。いずれも会議の長さの上限は30時間、参加者数の上限は300人で、対象は従業員1人から300人までの組織とされている。Business Basic以上のプランには、予約受付のBookingsやアンケートのForms、タスク管理のPlannerなどが含まれる。
つまり「無料でスケジュール調整」の現実的な意味は、すでに会社がTeamsを契約している人が、追加のツールを買わずに標準機能で調整を終えることになる。以下はその前提で読み進めてほしい。
Teamsの予定表から会議を設定する3つの入口
公式のサポート情報では、Teamsで会議を設定する入口が3つ挙げられている。どれを使っても、Teamsで設定した会議はOutlookの予定表に自動的に表示され、その逆も同様に反映される。予定表を二重に管理する必要はない。
- 予定表から設定する。Teamsで予定表を開き、時間枠を選ぶか「新規」を選んで、詳細と出席者を入れ、Teams会議の切り替えをオンにして保存する
- チャットから設定する。相手とのチャットの上部にあるオプションから「会議のスケジュール」を選ぶと、そのチャットの相手が出席者に入った状態で始められる
- チャネルから設定する。チームを選び、「今すぐ会議」の横の矢印から「会議のスケジュール」を選ぶ。チャネル名を入れれば、チャネル全体を定例会議に招待できる
3つ目のチャネル会議には注意点が2つある。会議を設定したチーム内の全員に見え、メンバーはチャネル内から参加できる反面、プライベート チャネルではこの機能が使えない。さらに、組織外の招待者はチャネル予定表にアクセスできないため、社外の人が絡む定例には向かない。招待状を送ったあとはチャネルの編集や追加ができず、更新したチャネルで新しい招待状を送り直すことになる。
規模の上限も公開されている。Teams会議には最大1,000人の招待者が参加でき、すでに1,000人の出席者がいる会議には、さらに最大10,000人が表示限定の出席者として入れる。社内の説明会を調整する場合でも、人数が理由で外部のツールを買う必要は出にくい。
スケジュール アシスタントで相手の空き時間を見る
Teamsの調整で最も効くのは、候補日をメールで送る前に相手の空きを見てしまうことである。会議の詳細画面で「スケジュール アシスタント」を選ぶと、出席者ごとのスケジュールがグリッドで並ぶ。
公式の説明によれば、網掛けされた領域は出席者が取り込み中か仮の会議を持っているときに表示され、網掛けされていない領域が空き時間になる。出席者のタイムゾーンも一緒に表示されるため、拠点が分かれている相手との調整でも、時差を手で計算する必要がない。
まずは、Microsoft Teamsのカレンダーを利用して、会議の日程調整を行う方法です。 Microsoft Teamsを導入していれば無料で実施可能 です。以下で具体的な手順を説明していきます。 出典: inside.vivitlink.com
ここで押さえておきたいのは、この機能が解いているのが「相手の空きを調べる手間」であって、「相手に選ばせる手間」ではないという点である。空きが見えている相手には、候補を出すのではなく直接入れてしまえばよい。逆に、空きが見えない相手には、この機能はまったく効かない。社外の相手の予定表は組織をまたいで参照できないため、そこから先は別の手が必要になる。
必須の出席者と任意の出席者を分けて入れられることも、実務では効く。任意の枠に入れた相手の都合で全体を動かさずに済むため、候補日の再調整が一度で終わる。組織外の相手を呼ぶときは、完全なメールアドレスを入れれば招待メールが届く。
標準機能だけでは足りなくなる境目
標準機能で足りなくなるのは、次の場面である。どれも機能不足というより、Teamsが見に行けない情報があることが原因になっている。
- 社外の相手と調整する。相手の予定表が見えないため、結局は候補日を出してメールで往復することになる
- 不特定多数から予約を受ける。採用面談や個別相談のように、相手が自分で1枠を選ぶ形は、予約受付の仕組みが別に要る
- 3人以上の空きを機械に探させる。スケジュール アシスタントは空きを表示するが、最適な枠を提案して自動で確定させる働きはしない
- 出欠を集める。日程を決めるのではなく、参加できるかどうかを集計したいときは、アンケートの機能を組み合わせることになる
このうち出欠集計は、Business Basic以上のプランに含まれるFormsで代替できる。候補日を選択肢にしたフォームを作ってチャネルに貼れば、回答は集計された形で戻ってくる。予約受付も同じくBookingsが含まれるプランであれば追加費用はかからない。自分の契約に何が含まれているかを先に確かめると、外部のツールを買う前に片づく部分がはっきりする。
もう1つ見落とされやすいのが、予定の実体がどこにあるかという問題である。Teamsで設定した会議はOutlookの予定表に自動で表示されるため、この2つの間では実体が1つに保たれる。ところが私用の予定をGoogleカレンダーで持っている人は、空き時間の判断材料が2つに分かれた状態で調整することになる。スケジュール アシスタントが見に行くのは業務側の予定表だけで、私用の予定は網掛けされない。夜の予定や通院の予定が入っている時間に会議が入る事故は、機能の不足ではなく参照先の分断から起きている。この場合に必要なのは調整ツールではなく、両方の予定表を1つの画面で見られる状態にすることである。
往復を減らす具体的なポイント
同じ標準機能を使っていても、往復の回数は書き方で変わる。効いた形は次の4つに絞られる。
1つ目は、候補を出す前に空きを見ることである。スケジュール アシスタントで相手の空きが見えているなら、候補を3つ挙げて選ばせるのではなく、空いている枠に直接入れて「都合が悪ければ動かしてください」と添える。返信を待つ工程が1つ消える。
2つ目は、候補日の数を絞ることである。候補が10件並ぶと、相手は自分の予定を10回照らし合わせる必要が出る。候補を3件から5件に収めたほうが返信は早い。
3つ目は、返信の期限を書くことである。いつまでに返せばよいかが書かれていない依頼は、後回しにされて忘れられる。期限を1行入れるだけで、督促の1往復が減る。
4つ目は、必須と任意を分けることである。全員を必須の出席者に入れると、1人の都合で全体が動く。任意の枠を使えば、主要な参加者の都合だけで確定できる。
逆に往復が増える書き方もはっきりしている。候補日を文章の中に埋め込む、時刻だけ書いてタイムゾーンを書かない、会議の目的を書かずに時間だけ押さえる。この3つは、確認のための返信を必ず1回呼ぶ。
外部ツールを足すかどうかの選び方
外部の日程調整ツールを足す判断は、機能の多さではなく、相手に何をさせるかで決まる。型ごとに向く場面が違うため、比較する前に型を選ぶほうが早い。
| 調整の型 | 相手にさせること | 向く場面 | Teamsの標準機能で足りるか |
|---|---|---|---|
| 予定表から直接入れる | 何もしない | 社内の相手、空きが見える相手 | 足りる |
| 出欠表で候補日を集める | 候補日への入力 | 人数が多い、社外中心 | アンケート機能で代替できる |
| 予約ページから選ばせる | 空き枠から1つ選ぶ | 面談、個別相談、不特定多数 | 予約受付が含まれるプランなら足りる |
| 全員の空きを自動で探す | 何もしない | 社内の定例調整 | 表示までは足りる |
選ぶときに見る点は4つに絞れる。相手に会員登録を求めるかどうか、自分の予定表に自動で書き込まれるかどうか、二重予約を防ぐために複数のカレンダーを見に行くかどうか、そして社外に見える情報が空き状況だけかどうかである。この4点のどれかが崩れているツールは、導入したあとに手作業が戻ってくる。
デメリットの側も先に見ておきたい。ツールを増やすと、予定の実体が置かれる場所が増える。予約はツール側、会議はTeams、私用はGoogleカレンダーという形になると、どこを見れば1日が分かるのかが曖昧になる。調整の往復は減っても、確認の手間が増えるなら合計では損になる。導入するなら、予定の置き場所を1つに寄せる設計にしておくことが条件になる。
調整が終わったあとに崩れる部分
ここまでの整理で見えるのは、調整ツールが解いているのが相手との往復であって、自分の1日の組み立てではないという点である。往復がゼロになっても、会議と会議の間に移動が入っていなければ、当日の予定は崩れる。
崩れ方の多くは入力の手間に原因がある。1件の予定を入れるのに、件名、開始と終了の時刻、場所を順に埋めていると、移動ぶんや準備ぶんの予定はたいてい省略される。Mac用のカレンダーアプリで話し言葉と音声で予定を入れられる形にしておくと、移動を含めた3件を入れる手間が1件ぶんに近づく。入力の手数が下がった結果として、省略されていた予定が残るようになる。
具体的にどう入れるのかは予定の入れ方で扱っている。会議と会議の間の移動を予定にどう組み込むかは移動時間にまとめてある。カレンダーアプリ側の機能の範囲はできること、他のカレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較で確かめられる。
手順としては、まず自分の契約に何が含まれているかを確かめる。次に、相手が社内か社外かで調整の型を1つ選ぶ。標準機能で終わる範囲なら追加費用はかからない。終わらなかったときに限って、予約受付か出欠集計のどちらが必要かを決めて足す。この順番なら、使わない機能に月額を払う事故は起きない。
よくある質問
Teamsの無料版だけでスケジュール調整はできますか?
会議を開いて招待リンクを送るところまではできます。公式の案内では、Teamsのアカウントを持たない相手でも60分までは無料で参加できるとされています。ただし業務用の予定表を前提とした予約受付やアンケートの機能は有料プランに含まれる形のため、相手の空き時間を見ながら調整する使い方は、契約済みのプランで行うほうが確実です。
スケジュール アシスタントで社外の人の空き時間は見えますか?
見えません。組織をまたいで相手の予定表を参照する仕組みではないため、社外の相手には候補日を出して返信を待つか、予約ページのように相手が1枠を選ぶ形に切り替える必要があります。社内の相手に対しては、網掛けの有無で取り込み中と空きを判別できます。
有料プランに切り替える目安はどこですか?
社外から予約を受け付ける、出欠を集計する、タスク管理まで同じ契約で揃えたい、のいずれかが出てきたときです。Microsoft 365 Business Basic以上のプランにはBookingsやForms、Plannerが含まれており、外部のツールを別に契約するより先に、自分の契約内容を確かめる価値があります。
チャネル会議を社外の人との定例に使えますか?
向きません。組織外の招待者はチャネル予定表にアクセスできないためです。またプライベート チャネルではチャネル会議そのものが使えません。社外の人が入る定例は、通常の会議として個別に招待するか、予約ページの形にするほうが確実です。