日程調整ツールの無料版でできること|有料に移る境目はどこか
日程調整ツールを無料で探すと、無料で使えるツールを並べた一覧記事が次々に出てきます。ただ、そこに載っている無料は同じ意味ではありません。最初から最後まで無料のもの、機能の一部だけが無料のもの、期間限定で無料のものが混ざっています。
この記事では、主要なツールが無料のままどこまでできるのか、どの条件を超えると有料になるのかを、公式ページに書かれている表記で並べます。読み終えたときに、自分の使い方なら無料のままで済むのか、最初から有料を見ておくべきなのかが決まる状態にします。
無料には3種類ある
1つ目は、全機能が無料で、有料プランそのものが存在しないものです。伝助がこの形で、公式ページには次のように書かれています。
「伝助」の利用には、料金はいっさいかかりません。料金を払うことで機能が増えるといった有料プランもありません。無料ですべての機能をご利用出来ます。 出典: densuke.biz
2つ目は、無料プランと有料プランが並んでいて、無料のまま期限なく使い続けられるものです。TimeRex、Calendly、Jicoo、Googleカレンダーの予約スケジュールがここに入ります。無料の範囲は製品ごとに違い、どこで止まるかを知っておかないと、使い始めてから足りないことに気づきます。
3つ目は、期間限定の無料です。トライアルと呼ばれる形で、TimeRexのプレミアムプランは約2週間、Jicooは登録から14日間のBusinessプランを試せます。どちらも期間が終わると無料プランへ自動で戻る作りで、手続きをしない限り料金は発生しません。探しているのが「ずっと無料」なら、この3つ目は候補から外して読み進めるほうが早く決まります。
全機能が無料のまま使えるもの
出欠表型のツールには、料金の話が出てこないものがあります。伝助は会員登録の手続きが不要で、名前やメールアドレスを入力しなくてもすべての機能を使えると明記しています。作成したイベントページにパスワードを設定でき、関係者以外に中身を見せない運用もできます。
調整さんも、ログインなしでイベントページを作れます。公式ページには2006年に誕生したと書かれていて、飲み会や会議、同窓会など、参加者が多い集まりで長く使われてきました。パソコンとスマートフォンのどちらからでも開けるため、参加者の端末を気にする必要がありません。
この2つに共通するのは、相手側に何も求めない点です。URLを開いて記号を押すだけで終わるので、社外の人や、ツールに不慣れな人が混ざる集まりでも返信が止まりません。逆に言えば、自分のカレンダーの空きを自動で反映する機能はないので、候補日は自分で並べることになります。
予約ページ型の無料プランはどこで止まるか
Googleカレンダーで予定を管理している人が使うのは、多くの場合こちらです。無料の範囲を製品ごとに並べます。
| ツール | 無料で使える範囲 | 有料になる主な条件 |
|---|---|---|
| TimeRex | 調整カレンダー数と調整回数が無制限、Web会議ツール連携 | 3人以上の空き確認、会議室の予約、セミナーページ |
| Calendly | イベントタイプ1つ、カレンダー連携1つ、1対1の調整 | 複数のイベントタイプ、複数カレンダー連携、リマインダー |
| Jicoo | 個人向けプランで1対1の調整 | チームでの利用、監査ログ |
| Googleカレンダーの予約スケジュール | 予約ページを1つ作成、確認メール | 複数の予約ページ、リマインダーの自動送信、支払いの受け付け |
TimeRexのフリープランは、日程調整カレンダーをいくつ作っても、何回調整しても無料です。制限がかかるのは人数で、公式の料金ページには「フリープランでは2人までスケジュールを考慮した日程調整に対応しています」と書かれています。自分1人の空きを見せて相手に選んでもらう使い方なら、無料のまま何年でも回ります。
Calendlyの無料プランは、イベントタイプが1つ、カレンダー連携が1つです。所要時間が30分の面談だけを受け付けるなら足りますが、60分の商談と使い分けたくなった時点で有料側に入ります。仕事用と私用のカレンダーを別アカウントで持っている人も、連携が1つなので、もう一方の予定は空きとして表示されます。
Googleカレンダーの予約スケジュールは、個人のGoogleアカウントとWorkspace Business Starterの場合、予約ページを1つ作れます。ヘルプには、複数の予約スケジュールの作成、リマインダーメールの自動送信、複数カレンダーでの空き状況確認、予約に対する支払いの受け付け、スパム予約防止のためのメールアドレス確認、予備のカレンダーへの予約スケジュールの追加、最大20人の共同主催者の追加が、対象のGoogle WorkspaceサブスクリプションまたはGoogle Oneメンバーシップ向けの機能として挙げられています。
無料のままで足りる人の条件
ここまでを踏まえると、無料で完結する人の条件ははっきりします。
- 決める相手が1人で、自分の空きから選んでもらう形で済む
- 受け付ける予定の種類が1つで、所要時間を使い分けなくてよい
- 空き判定に使いたいカレンダーが1つのアカウントに収まっている
- 無断キャンセルが問題になっておらず、リマインダーを自動送信しなくてよい
- 参加者が多い集まりの調整は、出欠表型の無料ツールで別に回せる
この5つに当てはまるなら、有料プランの比較表を読む必要はありません。反対に、1つでも外れる項目があるなら、そこが有料の線引きと重なっているかを確かめます。多くの製品で、人数、ページ数、リマインダーの3つが最初の壁になります。
有料に切り替える前に試せること
いきなり契約する前に、無料の範囲で解決できないかを確かめておくと、月額が増えずに済みます。
所要時間を使い分けたいだけなら、予約ページのタイトルと説明で「相談は30分、商談は60分」と書き、相手に選んでもらう形にする手があります。1つのページで受け、確定後に自分で長さを調整する運用です。手間は残りますが、件数が少ないうちはこれで足ります。
複数人の空きを見たいだけなら、いったん出欠表型で候補日を絞り、最後の1人との確定だけ予約ページで行う形も取れます。ツールを2つ使うことになりますが、どちらも無料です。
リマインダーが要るだけなら、カレンダー側の通知を使う道があります。予定に通知を設定しておけば、相手が招待を受け取っている場合は相手側のカレンダーにも予定が入り、相手のカレンダーの通知が働きます。相手にメールで念押しを送りたい場合だけ、有料の自動送信が必要になります。
それでも足りないときに、初めて有料を検討します。TimeRexはベーシックプランが年払いで750円、月払いで900円(いずれも1ライセンスあたり・税抜)です。Jicooは個人向けが0円で、Teamプランが1ユーザーあたり月1,200円(税抜)です。人数分だけ増える課金なので、誰に持たせるかを決めてから申し込みます。
料金以外に、無料だからこそ確かめておく点
無料で使えるかどうかだけで決めると、あとから困る場所がいくつかあります。1つ目は、相手に見える画面です。予約ページには提供元のロゴや名前が入る場合があり、TimeRexでは埋め込んだページのロゴを消したり色を変えたりする設定が有料側の機能として案内されています。社外の顧客に送るページの見た目を整えたいなら、無料のままでは変えられない部分があると理解しておきます。
2つ目は、データの残り方です。出欠表型のサービスは、会員登録なしで使える代わりに、作ったページのURLを知っている人なら中身を見られる設計になっているものがあります。伝助はページにパスワードを設定できると案内していて、関係者以外に見せたくないときはこの設定を使います。社内の人事や採用のように、参加者の名前が並ぶこと自体が情報になる場面では、最初に確かめておく項目です。
3つ目は、困ったときの問い合わせ先です。無料プランでも、ヘルプページや問い合わせ窓口が整っているサービスは多くあります。ただし、優先的な対応や打ち合わせでのサポートは有料プランに置かれているのが一般的で、TimeRexも優先サポートをベーシックプラン以上、プレミアムサポートをプレミアムプランの機能として挙げています。業務の中心に据えるなら、止まったときに誰に聞けるのかまで含めて選びます。
無料のツールを2つ組み合わせて回す手順
人数の多い会議も、社外との1対1も、どちらも無料で回したいときの形を具体的に書きます。
- 参加者が3人以上の会議は、出欠表型で候補日を並べる。候補は5個から10個ほど出す
- 集計結果を見て決めたら、確定した日時を自分でカレンダーへ入れる
- 社外との1対1は、予約ページ型のフリープランでURLを1本作り、使い回す
- 予約ページは空き判定に使うカレンダーを必ず指定し、私用のアカウントも接続しておく
- 相手が枠を選んだら、カレンダーに自動で入る。転記はしない
この形で困る場面は限られます。困るのは、3人以上の相手の空きを自動で突き合わせたいときと、予約の種類を分けたいときの2つです。ここが毎週のように発生するなら、そのときが有料プランの検討に入る合図になります。
もう1つ、無料のまま続けるときに効くのが、候補を出す側の癖です。候補日を並べるときに、移動や前後の準備を考えずに詰めてしまうと、調整そのものは早く終わっても、当日に間に合わなくなります。候補を出す段階で前後に余裕を含めておくと、あとから予定を動かす手間が減ります。
無料のツールを足しても、予定の詰まりは減らない
無料で日程調整ツールを入れると、候補日を出す往復は消えます。ただ、そこで浮いた時間がそのまま自分の時間になるかというと、別の話です。決まった予定が背中合わせに並び、移動の時間がどこにも置かれていない状態は、調整の自動化では直りません。
予定と予定の間に何を置くかは、カレンダーの側で決める仕事です。会議の前後に移動や準備の時間を自動で確保する考え方は移動時間に、話し言葉のまま予定を入れて手数を減らす方法は予定の入れ方にまとめてあります。Mac用のカレンダーアプリが日々の予定づくりで引き受ける範囲はできることにあります。
無料の範囲で調整を自動化したあとに残る仕事は、だいたい3つに絞られます。入った予定を見て動かすこと、移動や準備の時間を置くこと、そして翌日以降の並びを眺めて無理がないか確かめることです。どれも数分で終わる作業ですが、1日に何度も発生するため、手数の差がそのまま時間の差になります。カレンダーを開いてから予定を1件入れ終わるまでに何回クリックしているかを数えてみると、道具を変える価値があるかどうかが分かります。
無料のツールを増やすと、置き場所が分かれていきます。出欠表はブラウザ、予約ページは外部サービス、確定した予定はカレンダーという形です。件数が少ないうちは問題になりませんが、週に何件も動くようになると、どこを見れば全体が分かるのかが曖昧になります。予約ページの機能がカレンダーアプリ側に付いていれば、見る場所は1つで済みます。機能と料金の違いは他のカレンダーとの比較に、価格の考え方は購入に整理しています。
よくある質問
ずっと無料で使える日程調整ツールはありますか?
あります。伝助は公式ページで、利用に料金はいっさいかからず、有料プランも存在しないと明記しています。調整さんもログインなしでイベントページを作れます。予約ページ型でも、TimeRexのフリープランは期限なく無料で、日程調整カレンダー数と調整回数に上限がありません。Jicooの個人向けプランにも利用期限はありません。
無料プランだと何ができなくなりますか?
製品によって違いますが、共通して有料側に置かれているのは、3人以上の空きを同時に見る機能、予約ページを複数作る機能、リマインダーメールの自動送信の3つです。Calendlyの無料プランはイベントタイプ1つとカレンダー連携1つ、Googleカレンダーの予約スケジュールは個人アカウントの場合に予約ページ1つという制限があります。
無料トライアルと無料プランはどう違いますか?
無料プランは期限がなく、そのまま使い続けられます。トライアルは期間限定で、TimeRexのプレミアムプランは開始日から数えて14日後の23時59分まで、Jicooは登録から14日間のBusinessプランが対象です。どちらも本契約の手続きをしなければ料金は発生せず、期間終了後は無料プランへ自動で戻ります。
無料プランからの切り替えで気をつけることはありますか?
TimeRexのヘルプは、トライアル終了後に自動でフリープランへ戻る際、フリープランの範囲外の機能を使った設定がすべて削除され、あとからアップグレードしても復元できないと説明しています。有料の機能を前提に予約ページを作り込んだ場合は、期間内に本契約するか、設定を控えておくほうが安全です。