Outlookの予定表とGoogleカレンダーを同期するフリーソフト|選ぶ基準

Outlookの予定表とGoogleカレンダーを同期するフリーソフトを探し始めるきっかけは、たいてい予定の重複である。仕事はOutlook、私用はGoogleカレンダーという分かれ方をしていて、片方だけ見て入れた予定がもう片方の予定にぶつかる。この記事では、無料で使える4つの経路を、公式に公開されている条件から順に整理し、どれが書き込めてどれが表示だけなのかをはっきりさせる。

先に結論を置く。「同期」という一語には4つの別の動作が混ざっていて、無料の道具はそのうち1つしかやらない。求めている動作を先に決めないと、1週間は動いているように見えて、その後静かに古くなる設定ができあがる。

「同期」が指している4つの動作を分ける

同じ言葉で呼ばれているが、次の4つは別物である。どれが必要かを決めるだけで、候補は半分以下に減る。

  • 表示だけの購読。片方の予定表を読んで画面に出す。予定の実体は元の側に残り、編集はできない
  • 一度きりの取り込み。ファイルで1回だけ写す。写したあとは両者に関係が残らない
  • 片方向の書き込み。背景で動く仕組みが定期的に読んで、もう片方に予定を作る
  • 双方向の書き込み。どちらで作った予定も相手側に現れる

Googleの公式ヘルプは、一度きりの取り込みについてはっきり書いている。「読み込んだ予定は、2 つのアカウント間で同期されるわけではありません」。Microsoftも自社側から同じことを書いており、.icsファイルを取り込んだ場合は「予定表の所有者が更新した場合でも、自分の予定表でインポートされたイベントが更新されることはありません」とされている。

無料のソフトに期待して裏切られる原因は、ほぼこの取り違えである。表示だけの購読は正確で、読み取り専用で、そして遅れる。統合された1枚の予定表ではない。

Googleが用意している2つの経路

Googleの公式ヘルプでは、Googleカレンダーを別のカレンダーアプリで見る方法が2つだけ挙げられている。この違いが、後の全部を決める。

1つ目はアカウントごとつなぐ方法である。「一部のカレンダー アプリケーションでは、Google アカウントを使用してカレンダーを同期することができます。つまり、Google カレンダーまたは他のアプリケーションのいずれかから予定を追加、編集できます」とされている。読みも書きもできる唯一のGoogle純正の経路で、相手のアプリ側が「Google でログイン」に対応していることが条件になる。

2つ目はURLを使う方法である。Googleカレンダーの設定で対象のカレンダーを開き、「カレンダーの統合」の中にある「iCal 形式の非公開 URL」をコピーして、相手のアプリに貼る。設計として読み取り専用で、Googleは強い注意も添えている。

自分のカレンダーの非公開 URL は誰とも共有しないでください。自分のカレンダーの非公開 URL を誤って共有してしまった場合は、[ リセット ] をクリックして新しい非公開 URL を作成してください。 出典: support.google.com

会社や学校のアカウントを使っている人には、3つ目の場合がある。非公開URLが見つからないことがあり、Googleは「管理者がカレンダーの共有設定を変更している可能性があります」と説明している。管理者が止めている設定は、どのフリーソフトを入れても戻らない。

逆向き、つまりOutlookからGoogleへ入れる公式の経路は書き出しと読み込みである。GoogleはICSとCSVに対応し、既定ではメインのカレンダーに入る。ただし写らないものがある。「予定を読み込んでも、予定のゲストと会議のデータは読み込まれません」。会議は時間の塊としては残るが、出席者の一覧も会議のリンクも消える。記録として残すには足りるが、その予定を見て動くつもりなら足りない。

Outlook側が受け付ける形と、更新の遅れ

Outlook.comやWeb版のOutlookは、予定表の追加から「Web からサブスクライブ」を選んでURLを貼れば、ICSの配信を購読できる。Googleの非公開URLはここに収まる。問題は更新の間隔で、Microsoftの注記にはこう書かれている。「ある予定表を購読すると、他の予定表が更新されると、その予定表が自動的に更新されます。 この更新には、24 時間以上かかる場合があります」。

丸1日遅れることがある予定表は、重複を防ぐ仕掛けとしては使えない。画面には何の目印も出ないため、古い情報の上に予定を入れていることに気づけない。購読で足りるのは「相手の予定をあとから見る」用途までで、「相手の予定を避けて入れる」用途には足りない。

ファイルからアップロードする経路はさらに弱い。更新がまったく来ないため、その日の姿で固定される。

無料で使える4つの経路を並べる

実際に行き着く形は、この4つに収まる。良し悪しではなく、答えている問いが違う。

経路 向き 最新かどうか 動く場所 費用
Googleの非公開URLをOutlookで購読 Googleから Outlookへ、読み取り専用 遅れる。24時間を超える場合がある 購読できるOutlook 無料
Outlookで書き出してGoogleに読み込み Outlookから Googleへ、一度きり 更新されない パソコンとブラウザ 無料
Googleアカウントをカレンダーアプリに追加 双方向、読みも書きも 最新に保たれる Googleログインに対応したアプリ 無料
Outlook Google Calendar Sync 片方向のどちらか、または双方向 動作中は最新に保たれる Windows 無料。オープンソース

書き込めるのは下の2つだけである。上の2つは表示と控えである。

オープンソースの選択肢と、その制約

掲示板の書き込みでほぼ必ず名前が挙がるのが Outlook Google Calendar Sync で、略してOGCSと呼ばれる。公式サイトは「Feature Packed, Open Source .... and Free!」と掲げており、対応範囲も具体的に書かれている。

Outlook Google Calendar Sync(略して OGCS)は、ユーザーが自分のデバイスにインストールして使用するオープンソースの Windows アプリケーションで、主にOutlook と Google カレンダーを同期するために使われます。 出典: onecal.io

運ぶ項目は無料の道具としては異例に多い。公式に挙げられているのは、件名、説明、場所、出席者(必須か任意かの区別を含む)、リマインダー、空き時間の状態、公開と非公開の区別、分類と色である。向きはOutlookからGoogle、GoogleからOutlook、双方向の3つから選べる。インストール型と持ち運び型の両方があり、USBメモリから動かせるとも書かれている。古いバージョンから現行のクライアントまで幅広く対応し、新しいOutlook for Windowsを使っている場合は、v3の「Outlook Online」の機能でMicrosoft 365のクラウドアカウントに直接つなぐ形になる。

制約は2つある。1つはWindows向けのアプリであることで、Macを主機にしている人の選択肢からは外れる。もう1つは動作の前提で、パソコン上で動くプログラムなので、そのパソコンが起きていてプログラムが動いているあいだだけ同期される。金曜の夕方に閉じたノートパソコンは、週末のあいだ何も運ばない。

Outlookのアドインとして動く別の系統もある。CardDAVとCalDAVを使ってOutlookと外部のサービスをつなぐ種類で、予定だけでなく連絡先まで含めて扱うものがある。こちらもWindows版のOutlookを前提にしている点は同じである。

それぞれの経路が壊れる場所

壊れ方は事前に確かめられる程度に決まっている。

  • 書き込みを2つ動かして二重になる。OutlookからGoogleへ片方向で写したあと、念のため逆向きの購読も足すと、予定が2つずつ並ぶ。書き込みは予定を作る動作なので、2つ動かせば2組できる。書き手は片側に1つだけに決め、もう片方は読み取り専用にしておく
  • 遅れが見えないまま信用する。購読と定期的な書き込みは、どちらも遅れを持ち込む。予定の内容は正しく、情報の新しさだけが違う。片側で何かを変えて、もう片側に現れるまでの時間を1回測っておく。その数字が実際の誤差になる
  • 出席者と会議のリンクが落ちる。取り込みの経路では、ゲストと会議のデータが写らない。会議のリンクが無い予定は、結局もとの予定表を開くことになる
  • 件名が見せたくない相手に見える。説明まで含めて同期すると、件名も相手側の予定表に入る。受け側を家族や同僚と共有している場合、内容が一緒に渡る。重複を防ぐだけが目的なら、件名の無い空き状態だけを運ぶほうが露出が少ない
  • 非公開URLが非公開でなくなる。ICSのURLは、持っている人に対してそのカレンダーの中身を読む権限をずっと与える。設定の相談でチャットに貼れば、そこに残り続ける。設定作業のあとで設定画面のリセットを1回押しておくと、古いURLは無効になる
  • 繰り返しの予定がばらばらの予定になる。GoogleはCSVから繰り返しの予定を読み込むと、定期的な予定として表示されず1回限りの予定の連続になる場合があると書いている。毎週の打ち合わせを動かすのに、1件ずつ直す作業が発生する
  • CSVが読み込めない。ヘッダーは英語で書く必要があり、必須なのは Subject と Start Date の2つだけである。日本語のヘッダーで書き出したファイルは、どの列が原因かの表示なしに失敗する

選ぶときに見る4つの基準

機能の一覧を横に並べるより、次の4点を確かめたほうが早く決まる。

書き込めるかどうか。ここを最初に見る。表示だけの経路を選んだ時点で、予定を入れる場所は1つに絞られる。どちらの予定表からでも入れたいなら、アカウントごとつなぐ経路かOGCSの双方向しか残らない。

動く場所がどこか。パソコン上のプログラムとして動くものは、そのパソコンが動いていることが前提になる。クラウド側で動く仕組みは端末を閉じても止まらないが、無料の範囲では見つかりにくい。Macを主機にしているなら、Windows前提の道具はこの1点で候補から外れる。

遅れがどれくらいか。購読は仕様として遅れる。定期的な書き込みは実行の間隔ぶん遅れる。アカウントごとつなぐ経路は、そのアカウント側の更新設定に従う。数字で分からないなら、片側で1件動かして実測する。

何が運ばれるか。件名まで運ぶのか、空き状態だけを運ぶのか。出席者と会議のリンクが残るのか。ここを決めておかないと、運びすぎて情報が漏れるか、運ばれなさすぎて元の予定表を開くことになる。

この4点が揃った時点で、候補はほぼ1つに絞られる。逆に言えば、比較記事に並ぶ「おすすめ9選」のような一覧は、この4点が混ざったまま値段だけを並べていることが多く、選定の材料にはなりにくい。

同期が終わっても残る部分

ここまでの整理で見えるのは、同期が作るのは正直な1枚の予定表であって、1日を持ちこたえる予定表ではないという点である。両方の予定が1画面に並んだ瞬間に、次の問題が初めて見える。続けて入っている会議のあいだに移動が無い、昼食が習慣としてしか存在しない、準備の1時間をどこも押さえていない、という状態である。

この空白は同期の問題より入力の問題に近い。件名と開始と終了と場所を順に埋める手間がかかる予定は、そもそも作られない。だから移動と準備が最初に落ちる。Mac用のカレンダーアプリで話し言葉と音声で予定を入れられる形にしておくと、移動を含めた3件を入れる手間が1件ぶんに近づき、省略されていた予定が残るようになる。

入れ方の具体は予定の入れ方にある。会議のあいだの移動を予定へ組み込む考え方は移動時間にまとめてある。カレンダーアプリ側の機能の範囲はできること、他のカレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較で確かめられる。

手順としては、何かを入れる前に書き手と読み手を1つずつ決める。どちらの予定表が予定を作ってよいかを決めて、もう片方は読み取り専用にする。次に、選んだ経路の遅れを1回測る。丸1日遅れる経路では、防ぎたかった重複がそのまま起き続ける。統合した画面をMacで持ちたい場合は、背景で写すソフトではなく、両方のアカウントに直接つなげるカレンダーを起点にするほうが早い。価格と条件は購入で確かめられる。

よくある質問

無料でOutlookとGoogleカレンダーを双方向に同期できますか?

できます。Outlook Google Calendar Syncはオープンソースで無料、OutlookからGoogle、GoogleからOutlook、双方向の3つの向きに対応し、件名や説明、場所、出席者、リマインダー、空き時間の状態、分類まで運びます。Windows向けのアプリなので、Windowsのパソコンが起きていてプログラムが動いていることが条件になります。

最初の日だけ反映されて、その後更新されないのはなぜですか?

購読や書き込みではなく、一度きりの取り込みを使ったためです。Googleは読み込んだ予定が2つのアカウント間で同期されないと明記しており、Microsoftも.icsファイルを取り込んだ場合は所有者が更新しても反映されないと書いています。どちらも設計として1回限りのファイル転送です。

iCal形式の非公開URLは使っても安全ですか?

読み取り専用なので二重登録は起きません。気をつける点はURL自体で、持っている人はログインなしでそのカレンダーの中身を読めます。Googleは他人に教えないよう案内しており、設定画面のリセットで古いURLを無効にして新しいものを発行できます。

写した予定から出席者の一覧が消えるのはなぜですか?

Googleの読み込みでは、ゲストと会議のデータが対象外になっているためです。書き出しと読み込みで運んだ会議は、時間と件名は残りますが招待者の一覧も会議のリンクも残りません。ファイルではなくアカウント経由でつなぐ道具であれば、出席者まで運べます。

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