GoogleカレンダーをMacにインストールする3つの方法と選び方
「googleカレンダー mac インストール」で検索してApp Storeを開くと、目当てのものは出てきません。Googleの公式ページに進んでも、案内されるのはスマートフォン向けのアプリか、ブラウザで開くWeb版です。探し方が悪いわけではありません。GoogleはGoogleカレンダーをAndroidとiOS向けのアプリとして配布していて、パソコン向けにはWeb版を提供しています。macOS用の公式アプリは存在しません。
つまり決めるべきなのは「どこからダウンロードするか」ではなく、「3つある代わりの手段のどれを使うか」です。3つとも同じアカウントの同じ予定を読みますが、落ちるものがそれぞれ違います。この記事では3つの中身と、何が使えて何が使えなくなるのかを並べ、最後に判断の順番まで整理します。
Macに公式アプリが無いのは、いまのソフトの配り方の流れでもある
パソコン向けのサービスをWebに寄せる動きは、Googleに限った話ではありません。同じ画面をブラウザで出せば、Windows・Mac・Chromebookの3つ分を1つの開発で賄えます。Googleカレンダーの予約枠や勤務時間の設定といった新しい機能が、まずWeb版に入って、アプリ側にはあとから届く、あるいは届かないのはこの構造のためです。
一方でmacOSの側には、標準のカレンダーアプリが最初から入っています。これはGoogleのアカウントをCalDAV(カルダブ)という共通の方式で読みにいける作りになっていて、Googleが専用アプリを出さなくても予定は取り込めます。予定のデータはGoogleのサーバーにあり、アプリはそれを映しているだけです。
ここが重要な点です。3つの手段はどれも、予定を別の場所に複製しません。どれを選んでも、やめたくなったらアプリからアカウントを外すだけで元に戻ります。3つとも取り消しが効くので、比較に何時間もかける価値はありません。日常の1つの動作が速くなるかどうかで決めれば足ります。
Google カレンダーは、パソコンではブラウザから、モバイル端末では Google カレンダー アプリから利用できます。 出典: support.google.com
方法1: Web版をアプリのように独立させる
公式版そのものを、ブラウザの枠だけ外して使う方法です。実質的にいちばん公式に近い形になります。
Chromeでカレンダーのページを開き、右上のメニューから「ページをアプリとしてインストール」に相当する項目を選ぶと、アプリケーションフォルダとDockにアイコンができます。アドレスバーもタブも無い専用のウィンドウで開き、Command+Tabの切り替え対象にもなります。Microsoft Edgeにも同じ機能があります。
この方法の利点は、落ちるものが1つも無いことです。Googleタスクは予定の横に出ますし、予約枠、勤務時間、不在の設定、ゲストの出欠、色分けまで、ブラウザで見えるものは全部そのまま見えます。中身がWeb版なので当然です。Google Workspaceでしか使えない機能も、Mac上ではこの方法でしか触れません。
代わりに払うのは、Webであることの費用です。起動はアプリより遅く、メニューバーには常駐しないので、次の予定を一目で見るにはウィンドウを切り替える必要があります。macOSの通知センターのウィジェットにも出ません。通知はブラウザの通知許可に依存するので、macOSの集中モードとの噛み合いが読みにくくなります。オフラインで見るには、あらかじめオフライン機能を有効にしておく必要があります。
予約枠やタスクを毎日使っている人にとっては、この方法がいちばん失うものが少ない選択です。
方法2: macOS標準のカレンダーにアカウントを追加する
Macに最初から入っているカレンダーアプリは、以前からGoogleアカウントに対応しています。追加そのものは1分ほどで終わります。
- システム設定を開き、「インターネットアカウント」を選ぶ
- 「Google」を選び、表示されるGoogleのログイン画面でサインインする
- 「カレンダー」にチェックを入れる。メールと連絡先が不要ならここで外す
- カレンダーアプリを開き、サイドバーにGoogleのカレンダーが並んでいるか確認する
サインインはGoogleの本物のログイン画面で行われるので、2段階認証も、会社のGoogle Workspaceのポリシーも通常どおり働きます。パスワードをアプリ側に直接打ち込む古い手順は使いません。
追加した直後に確認すべき2つの設定
うまくいっていないように見える原因は、故障ではなく設定であることがほとんどです。確認すべきは2つあります。
1つ目は、どのカレンダーが降りてきているかです。Googleのアカウントには、自分のメインのカレンダーのほかに、自分で作った補助のカレンダーや、他の人から共有されたカレンダーがぶら下がっています。これらは自動では全部来ません。サイドバーに項目そのものが無い場合は、Mac側で隠れているのではなく、Google側で同期の対象になっていません。
2つ目は、更新の間隔です。カレンダーアプリの設定にあるアカウントの一覧には、アカウントごとに「カレンダーを更新」の間隔があります。この方式は新着を押し込まれるのではなく、決めた間隔で取りに行く形なので、1時間に設定してあれば、スマートフォンで入れた予定がMacに出るまで最大でその時間がかかります。同期が遅いという不満の大半は、この値を最短にすると消えます。
この方法で得られるのはmacOSらしい動作です。起動が速く、メニューバーと通知センターに出て、通知はmacOSの仕組みで届き、Spotlightの検索にも掛かります。すでに取り込んだ予定はオフラインでも読めます。落ちるのはGoogle固有の層で、Googleタスクは出ませんし、予約枠の設定もここでは編集できません。
方法3: 他社製のMac用カレンダーアプリを使う
3つ目は、同じGoogleアカウントを読める別のカレンダーアプリを入れる方法です。読みに行く方式は標準アプリと同じなので、表示される予定は変わりません。
選ぶ理由は「その予定が見られないから」ではありません。予定はどこで見ても同じです。理由になるのは、毎日繰り返している1つの動作の手間です。フォームを埋めずに文で予定を入れられるか。会議の前に移動の時間を確保できるか。1週間の並びが自分の働き方に合っているか。macOSで選べる選択肢の違いは他のカレンダーとの比較に整理してあり、予定を素早く入れる方法は予定の入れ方にまとめてあります。
代わりに費用がかかります。そして標準アプリと同じ制約も引き継ぎます。共通の方式で読んでいる以上、Googleの画面の中にしか無い機能は、やはりGoogleの画面の中にしかありません。
3つの手段を並べて比べる
| Web版をアプリ化 | macOS標準のカレンダー | 他社製アプリ | |
|---|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 無料 | 有料。製品による |
| Googleタスク | 出る | 出ない | アプリによる |
| 予約枠の設定 | できる | できない | できない |
| メニューバー常駐 | しない | する | たいていする |
| 通知の出どころ | ブラウザ | macOS | macOS |
| オフライン閲覧 | 事前設定が必要 | 取得済みは読める | 取得済みは読める |
| 反映の速さ | その場で反映 | 更新間隔しだい | アプリの設定しだい |
| 起動の速さ | ブラウザ相当 | 速い | 速い |
この表は全部の行を見比べるものではありません。自分が毎日困っている行を1つだけ見つけるための表です。1日に何十回もカレンダーを覗く人は、起動の速さとメニューバーの行だけで決まります。予約枠でクライアントの面談を受けている人は、3行目だけで決まります。
2つを同時に使うのは妥協ではない
3つの手段は排他ではありません。むしろ2つ併用するのが現実的な落としどころになることが多いです。
よくある形は、普段の閲覧と入力はネイティブのアプリで行い、予約枠の作成や勤務時間の変更、共有の権限の設定といった、Web版にしか無い作業のときだけアプリ化したWeb版を開く、というものです。どちらもサーバー側の同じ予定を見ているので、衝突しません。片方で予定を直して、もう片方を更新すれば反映されます。
注意点は通知の重複です。両方に同じ予定の通知を許可していると、リマインダーが2回鳴ります。どちらか一方の通知を切れば済む話ですが、1週間我慢してから気づくより、初日に決めておくほうが早いです。
Googleアカウントが2つ以上あると、選び方が変わる
アカウントが1つなら話は簡単です。ただ実際には、仕事用と個人用で2つ、あるいは3つ持っている人のほうが多く、その場合は上の比較の結論がひっくり返ります。
Web版は複数のアカウントに対応していますが、切り替えて使う形です。仕事用と個人用を同じ画面に並べて見ることはできません。Chromeのプロファイルを分けている場合はさらに面倒で、アプリとして独立させたページは作ったプロファイルに属するので、2つ目のアカウント用には2つ目のプロファイルと2つ目のアイコンが要ります。
ネイティブのカレンダーアプリは逆の作りです。アカウントを別々に追加して、全部を1つの画面に重ねて描き、カレンダーごとのチェックで見せる範囲を決めます。仕事の打ち合わせが2件と歯科の予約が1件ある日は、2つの半端な画面ではなく、1日として見えます。
この差はきちんと言葉にしておく価値があります。Google Workspaceの機能を毎日使う単一アカウントの人にとっては、Web版のアプリ化が最も失うものが少ない選択でした。仕事と個人で2つ3つ持っている人にとっては、Web版が最も失うものが大きい選択になります。しかも失うのは機能ではなく、その日の全体が見えることそのものです。
もう1点、どの方法にも共通する制約があります。会社が管理しているGoogle Workspaceのアカウントには、どのアプリからの接続を許すかというポリシーがかかっている場合があります。Web版ではログインできるのに、インターネットアカウントからの追加だけ失敗するときは、Macの故障ではなくポリシーであることがほとんどです。この場合の答えを持っているのは、そのドメインの管理者です。
詰まらずに設定を終える順番
- Googleタスクと予約枠を毎日使うかどうかを先に決める。使うならWeb版のアプリ化は選択肢ではなく前提になる
- アカウントの追加は、CalDAVのサーバー名を手で打ち込むのではなく、インターネットアカウントの画面から行う
- サイドバーを開き、他人から共有されたものも含めて、想定しているカレンダーが全部並んでいるか確認する
- 同期がおかしいと判断する前に、更新の間隔を最短にする
- 通知を出すアプリを1つに決めて、残りは切る
- スマートフォン側は触らない。Macで何をしても、同じアカウントを読んでいるだけなので表示は変わらない
抜けやすいのは3つ目です。カレンダーが「遅れている」のと「そもそも降りてきていない」のは、最初の1時間はまったく同じに見えます。原因も直し方も別なので、ここを確認せずにアカウントを消して入れ直すと、同じ状態に戻るだけになります。
内部データから見えること: 通信が無いあいだに何が見えるか
3つの手段の差がいちばん大きく出るのは、機能の一覧ではありません。通信が無い時間です。飛行機の中、地下、山あいの移動、回線の細い出張先。この時間にカレンダーが開けるかどうかは、どの手段を選んだかでほぼ決まります。
Web版をアプリ化した場合は、あらかじめオフラインの設定を入れておく必要があります。
オフライン カレンダーを利用すると、オフラインでもカレンダーにアクセスできます。この設定はインターネット接続が不安定な場合に特に役立ちます。 出典: support.google.com
条件は3つあります。開けるのはChromeで、見られるのは過去4週間と今日以降の予定、そして日と週と月の表示です。同じページを別のブラウザで開いてもこの設定は効きません。加えて、オフラインのあいだは予定の作成と編集ができず、ゲストへのメール送信とタスクの表示も止まります。機内で思いついた予定をその場で入れておく、という使い方はこの手段では成立しません。パソコンのキャッシュにある画像とファイルを消すとオフラインの対応が切れるので、掃除のつもりで消した翌週の出張で気づく、という順番になりがちです。
標準のカレンダーと他社製のアプリは、この点で逆の作りです。取り込んだ予定は端末の中に置かれるので、通信が無くても開けますし、その場で新しい予定も作れます。作った予定は次に繋がったときにGoogleへ送られます。移動が多い働き方で効いてくるのは表示ではなくこちらで、着いたときに入力の宿題が残りません。
ここから、選び方に材料が1つ増えます。出張や外出が多いなら、Web版のアプリ化だけで完結させるのは無理があります。かといって予約枠やタスクを毎日使っているならWeb版は外せません。この2つが同時に当てはまる人にとっては、前の節の併用が妥協ではなく最初からの正解になります。
オフラインで予定を作れるとしても、フォームを開いて日付と時刻と件名を打ち込む手数は残ります。話し言葉と音声で予定を入れられるかどうかが効いてくるのはここで、移動中に決まった予定をその場で残せるかが変わります。カレンダーアプリが一日の組み立てにどこまで関われるのかはできることに、移動そのものを予定として扱う考え方は移動時間に整理してあります。動作環境や対応するアカウントについてよく届く質問はよくある質問に、購入の条件は購入にまとめてあります。
よくある質問
GoogleカレンダーのMac用公式アプリはありますか?
ありません。配布されているアプリはAndroidとiOS向けで、パソコンではブラウザで開くWeb版を使う形になっています。検索結果にMac用のダウンロードを名乗るものが出てきた場合、ブラウザのショートカットか他社製のアプリか、そのどちらでもない怪しいものです。
Macにアカウントを追加すると、スマートフォンの予定に影響しますか?
影響しません。Macは共通の方式で同じアカウントを読みに行くだけで、データを移したり複製したりはしません。Macで作った予定は次の同期でスマートフォンにも出ますし、あとからMacからアカウントを外しても、Google側の予定はそのまま残ります。
一部のカレンダーが標準アプリのサイドバーに出てきません。なぜですか?
Mac側で隠れているのではなく、Google側で同期の対象になっていないことがほとんどです。自分で作った補助のカレンダーや、他人から共有されたカレンダーは、既定では降りてこない場合があります。Web版で見えている一覧とサイドバーの一覧を突き合わせると、どれが足りていないかが分かります。
GoogleタスクはMacのカレンダーアプリに同期できますか?
同期できません。タスクはカレンダーとは別のサービスで、カレンダーの共通方式には含まれていないためです。Web版とGoogleの公式アプリでは見えますが、CalDAVで接続したカレンダーアプリには出ません。タスクを日常的に使っているなら、Web版を何らかの形で開いておく必要があります。