Googleカレンダーの予約スケジュールを複数人で受けるときの設定と注意点

Googleカレンダーの予約スケジュールを複数人で受ける形にしたい、という相談は2通りに分かれます。1件の予約に担当者が2人以上で入る形と、チームの誰か1人が空いていれば予約を受け付ける形です。前者は共同主催者の機能でそのまま組めますが、後者はGoogleカレンダー単体では思ったとおりに動きません。

分かれ目になるのは、共同主催者の空き時間を確認する設定と、使っているプランです。ここでは共同主催者の追加手順、既定のままだと重複予約が起きる仕組み、複数人運用で効いてくる有料機能の線引きを、公式ヘルプの表記に沿って順に見ていきます。

複数人で受けるという言葉が指している2つの形

まず自分がどちらを求めているのかを決めます。この切り分けを飛ばすと、設定画面をいくら触っても合いません。

1つ目は同席型です。商談に営業と技術が2人で入る、面談に担当者と責任者が並ぶ、といった形で、1件の予約に複数の人が出席します。Googleカレンダーの共同主催者はこの形のための機能で、予約が入るとメイン担当だけでなく共同主催者にも予定と通知が届きます。

2つ目は振り分け型です。同じ内容の相談を3人の担当者で手分けし、相手が枠を選んだら空いている担当者に自動で割り当てたい、という形です。日程調整の専用サービスでは順番に割り当てる仕組みとして提供されていますが、Googleカレンダーの予約スケジュールに担当者を自動で振り分ける設定はありません。振り分け型を実現したい場合は、担当者ごとに予約ページを作って窓口を分けるか、専用のサービスを組み合わせる形になります。

以下では、Googleカレンダーの機能でそのまま組める同席型を中心に、振り分け型に近づける運用も合わせて扱います。

共同主催者を追加する手順と、追加できない相手

共同主催者は、予約スケジュールを作る画面でも、作ったあとの編集画面でも設定できます。パソコンでGoogleカレンダーを開き、左上の「作成」から「予約スケジュール」を選ぶと、左側にパネルが出ます。設定項目を下に進むと共同主催者の欄があり、名前かメールアドレスを入れて追加します。Googleグループをそのまま入れることもできるため、窓口の担当が入れ替わる運用ではグループで管理したほうが手間が減ります。

作成済みのスケジュールに足す場合は、左側の「予約ページ」で対象のスケジュールにカーソルを合わせ、その他アイコンから「編集」に入ります。共同主催者を追加したあと、「次へ」と「保存」を押すところまで進めないと設定は反映されません。

追加できない相手もあります。ヘルプには、共同主催者はドメイン外のグループまたはユーザーを追加できないと書かれています。業務委託の相手や取引先を共同主催者にしたい場合、その人が同じWorkspaceドメインに入っていないと指定できません。この場合は、予約が入ってから予定にゲストとして招待する形に切り替えます。

もう1つ、使っているプランの確認が要ります。ヘルプのプレミアム機能の比較には、Workspace Frontline、Essentials、提供を終了した以前のGoogle Workspaceサブスクリプションでは予約スケジュールを作成できないと明記されています。会社のアカウントで項目が見当たらないときは、自分の操作を疑う前にプランを確かめます。

既定のままでは共同主催者の予定が見られていない

複数人運用でいちばん事故が起きるのがここです。共同主催者を追加しただけでは、その人の予定は空き時間の判定に入りません。

共同主催者のカレンダーを空き情報の確認に含めると、重複予約を防ぐことができます。デフォルトでは、予約スケジュールで共同主催者の空き時間は確認されません。 出典: support.google.com

つまり、共同主催者が別の会議で埋まっている時間も、予約ページには空きとして並びます。相手がそこを選べば、共同主催者は同じ時刻に2件の予定を抱えることになります。同席型で組むなら、重複を確認するカレンダーに共同主催者のカレンダーを入れる設定が前提になります。

設定は編集画面の「カレンダー」から行います。重複の有無を確認するカレンダーを選ぶと、選んだ内容がカレンダーのプレビューに反映され、予約可能な枠がどう減るかをその場で確認できます。逆に重複を見ない運用にしたいときは「カレンダーで空き情報を確認する」をオフにします。オフにすると全部の枠が空きとして表示されますが、その状態でも同じ枠が予約されるのは1回だけです。

注意が1つあります。ヘルプには、共有カレンダーでスケジュールを作成した場合、他のカレンダーを選択して重複を確認できないことがあると書かれています。チームの共有カレンダー上にスケジュールを置く設計にすると、この制限に当たる可能性があります。

複数人運用に必要なプランと料金

複数人で受ける形にすると、無料のGoogleアカウントでは足りない機能が出てきます。ヘルプは、個人のGoogleアカウントまたはWorkspace Business Starterプランの場合、予約ページを1つ作成できると書いています。そのうえで、以下の機能は対象となるGoogle WorkspaceサブスクリプションまたはGoogle Oneメンバーシップ向けとして挙げられています。

機能 複数人運用での使いどころ
複数の予約スケジュールの作成 担当者別や用件別に窓口を分ける
複数カレンダーでの空き状況確認 共同主催者の予定を空き判定に入れる
予備のカレンダーへの予約スケジュールの追加 チームの共有カレンダーで受ける
予約に対する最大20人の共同主催者の追加 同席者を多く並べる
リマインダーメールの自動送信 前日の連絡を自動化する
予約に対する支払いの受け付け 有料の相談枠にする
スパム予約防止のためのメールアドレス確認 いたずら予約を減らす

対象として並んでいるのは、Google Oneプレミアム、Google AI Pro、Google AI Ultra、Workspace Individual、Business StandardとBusiness Plus、Enterprise StandardとEnterprise Plus、教育、Nonprofitsです。

料金の目安を押さえておくと判断しやすくなります。Google Workspaceの料金ページでは、年間プランの場合のユーザー1人あたり月額が、Business Starterで800円、Business Standardで1,600円、Business Plusで2,500円と案内されています(いずれも税別)。予約ページを複数持ちたい、共同主催者の空きも見たいという要件なら、Business Starterでは届かずStandard以上が必要になります。5人のチームでStandardを使う場合、カレンダーのためだけの追加費用ではなくメールやストレージも含めた契約として考える話になります。

個人事業で複数の予約ページを持ちたいだけなら、Google One側のプランでも条件を満たします。仕事用のドメインメールが不要なら、そちらのほうが安く収まる場合があります。

カレンダーだけで組むか、予約の道具を足すか

複数人で受ける話になると、Googleカレンダーの機能で足りるかどうかの判断が必要になります。判断の材料は3つに絞れます。

1つ目は窓口の数です。担当者別や用件別に予約ページを分けたいなら、複数の予約スケジュールの作成が要るのでBusiness Standard以上かGoogle One側の対象プランになります。窓口が1つで足りるなら、無料のアカウントのままでも成り立ちます。

2つ目は振り分けの要否です。空いている担当者に自動で割り当てる仕組みは予約スケジュールにないので、ここが要件に入るなら日程調整の専用サービスや予約管理システムを組み合わせる話になります。店舗の予約のように、コース設定、事前決済、顧客台帳、当日の受付までを1つの画面で回したい場合も同じです。

3つ目は相手の手間です。予約ページはリンクを開いて枠を選ぶだけで済み、相手にアカウントは要りません。ここはGoogleカレンダー単体でも専用サービスでも大きく変わらないため、判断の軸としては弱い材料になります。窓口の数と振り分けの2点で決めて、迷ったら予約ページ1枚から始めて足りないところを見るほうが早く決まります。

予備カレンダーで受ける形と、通知の落とし穴

チームで受ける設計では、個人のメインカレンダーではなく予備カレンダー(マイカレンダーに作った別のカレンダー)にスケジュールを置く形がよく使われます。担当者が抜けても予約ページが生き残り、カレンダーの編集権限を持つ人が一緒に予約を確認できるためです。ヘルプによれば、カレンダーの編集権限を持つ人はスケジュールの編集と新しい予約の確認ができます。

ただし通知の届き方が変わります。メインカレンダーのスケジュールでは、主催者、共同主催者、予約した人にメール通知が届きます。予備カレンダーのスケジュールでは、共同主催者と予約した人に届きます。自分が共同主催者に入っていない予備カレンダーの場合、キャンセルのメール通知を受け取るにはカレンダー側の通知設定を変える必要があるとヘルプに書かれています。予約ページを作った本人が通知に入っていない状態は起こり得るので、公開前に自分と各担当者を共同主催者に入れておくかどうかを決めます。

予約ページの見え方にも差があります。予備カレンダーの場合、予約ページに予約スケジュールの写真は表示されません。会社の窓口として使うなら、写真が出ない前提で説明文を整えることになります。

複数人で回すときに先に決めておく設定

複数人運用で後から効いてくるのは、空き枠そのものより枠の前後です。予約済みの予定の設定にある準備時間をオンにすると、予約と予約の間に時間が入ります。同席型で相手先に出向く商談が続く日は、この設定がないと移動のない前提の並びになります。1日あたりの予約件数の上限も同じ画面で設定でき、担当者が疲弊しない件数に抑えられます。どちらも既定では働かないため、公開前に入れておきます。

予約受付期間も先に決めます。何日前から予約でき、いつまで受け付けるかを限定する設定で、ここを絞っておかないと明日の朝いちばんに予約が入ります。複数人で同席する予定は調整の余地が小さいので、受付開始を3日前より後に寄せると社内の予定と衝突しにくくなります。

臨時の空き時間では、特定の日付だけ空きを変えられます。チーム全体の定例や合宿がある日は、ここで終日予約不可にしておくほうが確実です。

予約ページが増えたあとに残る作業

窓口を複数に分け、共同主催者の空きも見る設定にすると、予約の入口側は整います。そのあとに残るのは、入った予約の周りを整える作業です。

準備時間は予約ページ経由の予定にしか効きません。社内の打ち合わせや自分で入れた作業予定が挟まった日は、前後の余白を自分で置き直すことになります。移動を予定として扱う考え方は移動時間にまとめてあり、予約で埋まった日の組み立て直しの流れは使い方にあります。

もう1つは、複数のカレンダーを1つの画面で見る手間です。担当者ごとの予約ページを作ると、確認する対象も増えます。Mac用のカレンダーアプリが引き受ける範囲はできることに、他の道具との違いは他のカレンダーとの比較に整理しています。予約以外の時間に作業の予定を置くとき、フォームを埋める手数を削る方法は予定の入れ方にあります。

よくある質問

共同主催者は何人まで追加できますか?

ヘルプのプレミアム機能の比較には、予約に対する最大20人の共同主催者の追加が、対象となるGoogle WorkspaceサブスクリプションまたはGoogle Oneメンバーシップ向けの機能として挙げられています。個人のGoogleアカウントやWorkspace Business Starterの場合は、この項目が対象外になります。

社外の人を共同主催者にできますか?

できません。ヘルプには、共同主催者はドメイン外のグループまたはユーザーを追加できないと書かれています。社外の相手を同席させたい場合は、予約が入ったあとにその予定を編集し、ゲストとして招待する形になります。

担当者が空いている人に自動で割り振ることはできますか?

Googleカレンダーの予約スケジュールには、担当者を自動で振り分ける設定はありません。担当者ごとに予約ページを分けて窓口を用意するか、振り分けに対応した日程調整サービスと組み合わせる形になります。予約ページを複数作るには対象のプランが必要です。

共同主催者を追加したのに重複予約が入るのはなぜですか?

既定では、予約スケジュールで共同主催者の空き時間が確認されないためです。編集画面の「カレンダー」で重複の有無を確認するカレンダーに共同主催者のカレンダーを選び、「カレンダーで空き情報を確認する」を有効にしてから保存します。この機能には対象のプランが必要です。

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