Googleカレンダーの予約スケジュール機能で受付枠を作る手順と無料の範囲
Googleカレンダーの予約スケジュール機能は、自分の空き時間を1枚のページとして公開し、相手に枠を選んでもらう仕組みである。日程調整のメールが何往復もする状態は止められるが、無料のGoogleアカウントで作れる予約ページは1つまでで、事前決済や自動リマインダーメールは有料エディションの機能として区切られている。この記事では、無料で届く範囲、作成の手順、枠の設定で先に決めておく項目、そして予約が入ったあとに時間が溶ける場所までを、Googleが公開している資料に沿って整理する。
先に結論を置くと、判断の分かれ目は2つである。予約ページを何枚持つ必要があるか、そして事前にお金を受け取る必要があるか。この2つが不要な使い方であれば、追加の費用はかからない。
日程調整の往復は、道具の話ではなく手順の話になっている
社外の相手と1件の打ち合わせを決めるまでに、候補日を出す、断られる、別の候補を出す、という往復が2回から3回発生する。1往復あたりのメール作成と確認に数分かかるとして、月に20件の打ち合わせを組む担当者なら、調整だけで数時間が消える計算になる。この時間は成果物を生まないため、削っても仕事の質は落ちない。
この往復を止める発想は、候補日を出す側の作業をなくすことである。空いている時間をあらかじめ公開しておき、相手が自分で選ぶ。選ばれた瞬間にカレンダーへ入るので、転記も要らない。日程調整の専用サービスが有料で提供してきたのはこの形であり、Googleカレンダーは同じ仕組みを標準機能として持っている。
Googleカレンダーに「予約スケジュール」という機能があります。一言でいうと「自分の空き時間をまとめて、自分専用の予約受付ページを簡単に作成・共有できるツール」です。 出典: note.com
以前は「予約枠」という名前の機能があり、こちらは1つの予定の中に枠を並べる作りだった。現在の予約スケジュールは専用の予約ページが自動で生成される形になっており、相手はGoogleアカウントを持っていなくても予約できる。社外の相手に送る用途では、この違いが効く。
無料のGoogleアカウントで届く範囲と、そこで止まる場所
Googleは、Workspaceの契約がないアカウントでも予約ページを1つ作って試せると案内している。個人のGmailアカウントだけで、予約ページを公開して枠を受け付けるところまでは動く。
Google Workspace サブスクリプションへのお申し込みがまだの場合でも、予約ページを 1 つ作成してお試しいただけます。Google Workspace Business Standard、Business Plus、Enterprise プランにお申し込みいただくと、予約時の決済、無制限の予約ページ作成、リマインダー メールの自動送信、本人確認済みの予約などのプレミアム機能をご利用いただけるようになります。 出典: workspace.google.com
無料で止まる場所は4つある。
- 予約ページは1枚まで。初回相談と体験レッスンのように、枠の長さや聞く項目が違うものを並べて公開できない
- 予約時の事前決済が使えない。Stripeアカウントとの接続は有料エディションの機能として区切られている
- リマインダーメールの自動送信が使えない。前日に思い出してもらう仕組みを作れない
- メールによる本人確認が使えない。実在しないアドレスでの予約を機械で弾けない
デメリットとして重いのは1枚目の制限である。予約ページを1つしか持てないと、用件ごとに枠の長さを変える運用ができない。逆に、社内の1on1や取引先との定例のように、用件が1種類に決まっているなら無料の範囲で足りる。個人の利用でプレミアム機能まで欲しい場合は、Google Oneプレミアムの契約でも届くとGoogleは案内している。
予約スケジュールを作る手順は3つのステップに分かれる
作成はパソコンのブラウザから行う。スマートフォンのアプリでは作成できないため、最初の設定はパソコンで済ませておく。
ステップ1は、予約ページの名前と枠の設定である。Googleカレンダーの左上にある「作成」をクリックし、「予約スケジュール」を選ぶ。タイトルには「初回相談」「体験レッスン」のように、相手が見て用件が分かる言葉を入れる。次に、1枠あたりの時間と、予約を受け付ける曜日と時間帯を決める。初期の状態では平日の9時から17時までが1時間単位で空き枠として並ぶ設定になっており、ここを実際の稼働時間に合わせて詰めていく。枠の長さは15分単位で変更できる。
ステップ2は、会議の実施方法と予約フォームの設定である。オンラインか対面かを選び、相手に入力してもらう項目を決める。氏名とメールアドレスのほかに、電話番号や相談内容を聞く項目を追加できる。ここで聞いておく内容が薄いと、予約が入ったあとに事前確認のメールを送ることになり、往復を減らした意味が薄れる。
ステップ3は、公開と共有である。設定を終えて「保存」を押すと、カレンダーのグリッド上に予約スケジュールが並ぶ。それをクリックして「リンクをコピー」を選ぶと、予約ページのURLが手に入る。このリンクはメールの署名や問い合わせフォームの完了画面に貼れるほか、自社サイトへ埋め込むこともできる。予約ページを複数持っている場合は、すべての予約ページを一覧にしたリンクも取得できる。
予約ページの置き場所で、届く相手が変わる
リンクを手に入れたあと、どこに置くかで予約の入り方が変わる。作っただけで共有先を決めていないと、結局メールで日程を聞かれる状態に戻る。
置き場所として現実的なのは4か所である。
- メールの署名。社外とやり取りするたびに目に入るため、追加の作業なしで効き続ける
- 自社サイトの問い合わせページ。フォームで問い合わせを受けたあとに日程を聞く往復が発生している場合、そこを予約ページに置き換えられる
- 問い合わせフォームの完了画面。送信直後は相手の関心がもっとも高い時点なので、ここに予約ページを出すと枠が埋まりやすい
- SNSのプロフィール欄。InstagramやLINEのプロフィールにリンクを置く使い方は、店舗や個人事業での運用例として紹介されている
自社サイトに置く場合は、リンクを貼るだけでなくページ内に埋め込むこともできる。埋め込むと、相手はサイトを離れずに枠を選べる。ただし埋め込みの表示はブラウザの幅で崩れることがあるため、公開前にパソコンとスマートフォンの両方で開いて確かめておく。予約ページを複数運用している場合は、個別のページを貼るのか、すべての予約ページを一覧にしたリンクを貼るのかを先に決める。用件がはっきりしている入口には個別のページ、どの用件か分からない入口には一覧のリンクを置くと、相手が迷う時間を減らせる。
枠の設定で、先に決めておくと後戻りしない項目
予約ページを作る作業自体は数分で終わる。あとから効いてくるのは、枠の条件をどう決めるかである。注意して決めておく項目は4つある。
1つ目は、予約の締め切りである。予定の開始時刻の何分前まで受け付けるかを設定できる。ここを緩くすると、開始10分前に予約が入る。移動が必要な打ち合わせを受けているなら、締め切りは移動時間より長く取る。
2つ目は、予約と予約の間に挟む余裕時間である。枠を隙間なく並べると、前の打ち合わせが延びた分がそのまま次に食い込む。前後に余裕を入れておけば、記録を書く時間と移動の時間を確保できる。
3つ目は、公開する時間帯を絞ることである。稼働時間をそのまま公開すると、集中して作業したい時間帯に予約が入る。午前は作業、午後だけ受付、という形に絞ったほうが、1日の組み立ては崩れにくい。
4つ目は、どのカレンダーの予定を空き判定に使うかである。すでに予定が入っている時間は自動で枠から外れるため、仕事用のカレンダーだけを見ていると、個人の予定と重なる余地が残る。複数のカレンダーを空き判定に使う機能は有料エディション側に区切られているので、無料の範囲で運用するなら、予定の入れ先を1つのカレンダーに寄せておくほうが安全側に倒れる。
有料エディションで外れる制限と、料金の見方
Googleが公開している料金ページでは、「スケジュールの予約ページ」はBusiness Standard以上の機能として並んでいる。年間プランの公開料金は、Business Starterが1ユーザーあたり月額800円、Business Standardが月額1,600円、Business Plusが月額2,500円である。ストレージはそれぞれ1ユーザーあたり30GB、2TB、5TBとなっている。
予約ページのために契約を上げるかどうかは、外れる制限のうちどれが自分の業務に効くかで決まる。事前決済が要るなら、Stripeアカウントとの接続が使えるエディションしか選べない。無断キャンセルが多いなら、リマインダーメールの自動送信と本人確認済みの予約が効く。用件ごとにページを分けたいなら、予約ページの枚数制限が外れることが直接の理由になる。逆に、どれも当てはまらないなら、料金を上げても得られるものがない。
比較の対象になるのは、日程調整に特化した外部ツールである。予約システムの専業サービスには、複数スタッフの割り当て、回数券、キャンセルポリシーの自動適用といった機能が揃っている。おすすめの決め方は機能表の広さではなく、いま断られている予約の理由を数えることである。決済ができないから逃しているのか、枠が1種類しかないから逃しているのか。数えれば、必要な機能は2つか3つに絞られる。
予約が埋まったあとに、時間が溶ける場所
予約スケジュール機能は、日程を決めるまでの往復を消す道具である。決まったあとの時間の使い方には手を出さない。実際に予定が埋まりはじめると、詰まる場所は調整から別の場所へ移る。
移りやすいのは移動である。予約ページは空いている時間を見せるだけなので、前の打ち合わせの場所と次の場所が離れていても枠は並ぶ。予定と予定の間に移動が入るかどうかを、地図を開かずに判断できる形にしておくと、余裕時間の設定も現実に合う。Mac用のカレンダーアプリ側で移動を扱う考え方は移動時間に整理されている。
もう1つは、予約以外の予定を入れる手間である。予約ページから入る予定は自動で書き込まれるが、自分で決めた作業時間や、電話で決まった打ち合わせは手で入れることになる。入力の経路が重いと、そこだけがカレンダーに載らず、空き判定が実態とずれる。話し言葉のまま1行書けば予定が入る形であれば、この抜けを減らせる。入力の経路は予定の入れ方にまとまっている。
3つ目は、複数のアカウントに予定が散ることである。仕事用と個人用を分けている場合、片方しか見ていない画面で空き時間を判断すると、予約を受けた時間に別の予定が入る。読み込めるアカウントの範囲はできることで確かめられる。カレンダーアプリごとの違いは他のカレンダーとの比較に並んでおり、操作の流れは使い方、導入前の疑問はよくある質問に集まっている。
予約スケジュール機能で削れるのは調整の往復で、削れないのは移動と入力である。どちらが自分の1日を食っているかを1週間分数えてみると、次に手を入れる場所が決まる。
よくある質問
無料のGoogleアカウントでも予約スケジュール機能は使えますか?
使えます。Googleは、Workspaceの契約がないアカウントでも予約ページを1つ作って試せると案内しています。ただし予約時の事前決済、予約ページを複数作ること、リマインダーメールの自動送信、メールによる本人確認は有料エディションの機能として区切られています。
予約する相手もGoogleアカウントが必要ですか?
必要ありません。予約ページは専用のWebページとして生成されるため、リンクを開いて空き枠を選び、氏名とメールアドレスなどのフォーム項目を入力すれば予約が完了します。社外の相手や一般のお客様に送る用途を想定した作りになっています。
有料エディションにするとしたら、料金はいくらですか?
Googleが公開している料金ページでは、年間プランの場合、Business Starterが1ユーザーあたり月額800円、Business Standardが月額1,600円、Business Plusが月額2,500円です。予約ページはBusiness Standard以上の機能として並んでいるため、予約が目的ならStarterでは届きません。
予約と予約が続いて移動が間に合わない場合はどう防げますか?
枠の設定で2つ変えられます。予約の締め切りを移動にかかる時間より長く取ること、そして予約と予約の間に余裕時間を挟むことです。あわせて公開する時間帯を絞ると、移動が発生する枠が並びにくくなります。