Googleカレンダーが使いにくいと感じる5つの場面とその理由
Googleカレンダーが使いにくいと感じるとき、たいていは機能が足りないのではなく、詰まる場所がいつも同じところに寄っている。色分けが共有相手に届かない、会議と会議の間の移動がどこにも残らない、通知が出ているはずなのに画面に出ない。この記事では、使いにくさとして語られる場面を5つに分け、それぞれが仕様どおりの動きなのか、設定で直るのか、道具を変える話なのかを切り分ける。読み終えたときに、次に手を付ける1か所が決まっている状態を目指す。
「使いにくい」の中身は、機能不足ではなく作りの前提にある
Googleカレンダーは、ブラウザで開く共有前提のカレンダーとして作られている。複数の人が同じ予定を見て、権限の範囲だけを見せ合う仕組みが土台にあり、そこから逆算して機能が並んでいる。この前提は、社内の会議室を押さえる場面では強く働く。いっぽうで、自分ひとりの一日を組み立て直す場面では、同じ前提が手数として跳ね返ってくる。
共有の設計は権限の段階として表に出ている。パソコン版のヘルプでは、カレンダーを共有するときに選べる権限が5段階に分かれていて、「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」から「予定の変更および共有の管理」までが並ぶ。誰に何を見せるかがここまで細かいのは、裏返せば「自分の画面だけの設定」と「相手にも届く設定」がはっきり分かれていることを意味する。使いにくいと感じる場面の多くは、この境目を読み違えたところで起きている。
もうひとつの前提はブラウザである。表示の密度や配色の設定はパソコン版だけに用意されていて、ヘルプにも「これらの設定は、パソコンで Google カレンダーを使用する場合にのみ利用できます」と書かれている。スマホで同じ見た目にならないのは不具合ではなく、設定できる場所が分かれているためだ。この2つの前提を頭に置くと、以下の5場面は「直る話」と「直らない話」に自然に分かれる。
場面1: 色分けが自分の画面の中だけで終わる
色分けは、使いにくさの相談がいちばん集まる場所である。予定ごとに色を変えても、カレンダーを共有している相手の画面には同じ色で出ない。同僚に「赤が締め切り」と伝えても、相手の画面では別の色で並んでいる。ここは不具合ではなく、色の設定が見る人ごとに持たれているためだ。
親しい相手とカレンダーを共有し、Google カレンダーの色分けを統一したい場合もあるでしょう。しかし、共有されたスケジュールの色分けは、共有先のアカウントには反映されません。共通の色分けにするためには、設定した色分けを相手に伝え、同じように設定してもらう必要があります。 出典: googleworkspace.tscloud.co.jp
仕事用または学校用のアカウントなら、色のほかにラベルで予定を仕分ける道もある。ただしラベルにも見える範囲がある。ヘルプには、予定に割り当てたラベルは本人と、そのカレンダーに対して「予定の変更および共有の管理」または「予定の変更」のアクセス権を持つ人にだけ表示されると書かれている。作れる数は200個までで、パソコンからの操作に限られる。つまりラベルも、全員に同じ見た目を配る道具ではない。
現実的なコツは3つに絞られる。色を情報として使うなら、ルールを文章で共有して各自に同じ設定をしてもらう。チームで揃えたいなら、色ではなくカレンダーそのものを分けて、カレンダー単位の色で判別する。自分だけの目印なら、相手に見えないことを前提に好きな配色で組む。詳しい仕組みはGoogleカレンダー ヘルプの共有と色の項目に整理されている。
場面2: 予定と予定の間の移動が、どこにも残らない
会議が15時に終わり、次の打ち合わせが15時30分に入っている。移動が20分かかるなら、実際に座って考えられる時間はない。それでもカレンダーの上では予定が2件並んでいるだけで、移動は空白に見える。空白に見えるから、同僚はそこに新しい打ち合わせを置く。使いにくさの正体は、移動という実在の時間が予定として存在しないことにある。
移動している間も会議や打ち合わせに参加することは事実上不可能なため、移動の枠を設けることをオススメします。これはどちらかというと、同僚が移動時間を考慮して、新しい打ち合わせを入れないための防御策といえます。 出典: dsk-cloud.com
手で入れるなら手順は決まっている。移動の所要時間を地図で調べ、出発と到着の時刻を決め、移動用の予定を1件作る。タイトルに行き先を書き、場所の欄に住所を入れておくと、当日は予定から地図を開ける。予定の作成そのものはヘルプの手順どおりで、日時・ゲスト・色・ビデオ会議などをその場で指定できる。難しい操作はない。負担は、1件の会議につき移動の予定を1件、往復なら2件、毎回作り続けることにある。
この負担は、道具を変えると質が変わる。住所から所要時間を計算して移動の枠を自動で置き、前の予定の場所を起点に出発時刻を知らせる作り方をしているMac用のカレンダーアプリもある。移動と出発の扱いをまとめた案内が移動時間にあり、車・徒歩・電車それぞれの所要時間から移動ブロックを作る流れが書かれている。手で入れ続けるか、計算させるかは、週に何回移動が入るかで決めればよい。
場面3: 通知がブラウザとOSの二段構えで消える
「通知を設定したのに出ない」も定番の詰まりどころである。ここは仕様というより、通知が通る道が何段にも分かれていることが原因だ。Googleカレンダー側の通知設定、予定ごとの通知、カレンダーごとの通知、ブラウザのサイト権限、そしてOSの通知設定。どれか1つが閉じていれば、画面には何も出ない。
ヘルプのトラブルシューティングは、確認する順番まで決めている。設定の通知設定で「デスクトップ通知」が選ばれているか、予定を開いて通知が残っているか、マイカレンダーの設定で予定の通知が入っているか、ブラウザのサイトの設定で calendar.google.com が通知を許可されているか、OSの通知でブラウザからの通知が許可されているか。この順に上から潰すのが最短で、いきなり再起動しても当たらない。スヌーズ通知についてはChromeブラウザだけで受け取れると明記されていて、ブラウザを変えると挙動も変わる。
Macでの取りこぼしは、ここに集中モードが重なることで起きる。通知の許可は出ているのに、集中モードが会議中だけ通知を止めている。ブラウザを閉じていれば、そもそもブラウザ経由の通知は届かない。ブラウザを開き続ける前提を外したいなら、常駐するアプリ側で通知を受ける形にするのが順路になる。メニューバーに当日の予定を出し、出発時刻を知らせる作りはできることに一覧があり、通知と段取りの機能がまとまっている。
場面4: 予定を1件入れるまでの手数が多い
予定を入れる操作は、慣れれば速い。それでも1件ごとに、日付を選び、時刻を選び、タイトルを打ち、場所を入れ、通知を選び、会議リンクを付ける。項目が多いぶん、作成の途中で電話が来ると下書きのまま消える。移動中やスマホからだと、この手数がそのまま記録漏れにつながる。
作成画面で指定できるのは、タイトルと詳細、日時と終日の切り替え、ゲスト、色、Google Meetのビデオ会議、そして職場や学校のアカウントならライブストリーミングまでである。必要な情報はすべて置けるが、置ける場所が多いことは、埋める手数が多いことと同じ意味になる。予定を1日に10件動かす人にとって、ここは毎日効いてくる差だ。
手数を減らす道は2つある。1つは書き方を固定することで、タイトルの先頭に案件名、場所は住所をそのまま貼る、といった型を決めてしまうと迷いが消える。もう1つは入力の経路そのものを変えることだ。話し言葉と音声で予定を入れられる作りなら、「明日15時 商談 渋谷」と一文書くだけで日時と場所が解釈される。一文から予定を組み立てる手順は予定の入れ方にまとまっていて、音声やクイック入力も同じ考え方で並んでいる。
場面5: 複数アカウントの予定が1枚に並ばない
仕事用と個人用でGoogleアカウントを分けている人は、ブラウザのタブか、プロフィールの切り替えで行き来している。切り替えている間は、片方の予定が視界から消える。二重予約が起きるのはこの瞬間で、どちらのカレンダーも正しいのに、1枚の画面に並んでいないことが事故を生む。
回避策として広く使われているのは、片方のカレンダーを相手のアカウントに共有して重ねる方法である。ここで先ほどの権限が効いてくる。詳細まで見せたいのか、時間枠だけ見せたいのか、編集まで許すのかを選ぶ必要があり、選び方を間違えると「予定があることは分かるが中身が分からない」状態になる。表示を絞りたい場面では、見るカレンダーのチェックを切り替えるのが手早い。
ごちゃごちゃして見にくいときや、共有カレンダーの予定だけ、または個人カレンダーの予定だけ見たいという場合に使います。 出典: schecon.com
表示の組み合わせを毎回チェックで作り直すのが手間なら、組み合わせを名前を付けて保存し、ひと押しで切り替える作りが向く。複数のGoogleアカウントをまとめて表示し、新しい予定をどのアカウントに作るかを既定として決めておく考え方は使い方のセットアップの章に書かれている。アカウントを分けたまま、画面だけを1枚にするという整理である。
設定で直ることと、道具を変えないと直らないことを分ける
ここまでの5場面を、直し方の種類で並べ替えると次のようになる。
| 詰まる場面 | Googleカレンダーの設定で直るか | 次の一手 |
|---|---|---|
| 色分けが相手に届かない | 直らない(見る人ごとの設定) | ルールを共有する、カレンダー単位で分ける |
| 移動が予定に残らない | 手で入れれば直る | 自動で移動ブロックを置く道具に替える |
| 通知が出ない | 直る | ヘルプの順に5か所を上から確認する |
| 入力の手数が多い | 型を決めれば軽くなる | 一文入力や音声入力に替える |
| 複数アカウントが並ばない | 共有で部分的に直る | 表示の組み合わせを保存して切り替える |
この表の右側を見ると、Googleカレンダー側でやることと、手元のアプリでやることがきれいに分かれる。予定の保管場所としてGoogleカレンダーを使い続けながら、見る場所と入れる場所だけをMac側に移す、という選び方ができる。同期して使うMac用のカレンダーアプリを料金と機能で並べたページが他のカレンダーとの比較にあり、買い切りとサブスクで3年間に払う額まで表になっている。金額で比べると、年200ドルのサブスクと買い切りでは3年で10倍以上の開きが出る。
道具を替える前に確かめておきたいのは、対応環境と、予定データがどこに残るかの2点である。macOSのどのバージョンから動くのか、予定はGoogle側に残るのか手元に持つのか、連携を切ったときに何が消えるのか。この種の前提はよくある質問に並んでいて、対応環境・同期先・データの保存先・連携の解除方法が項目ごとに答えられている。料金の形(月額・年額・買い切り)と、無料のままどこまで使えるかは購入で確かめられる。
最後に優先順位を1つだけ決めるなら、通知から手を付けるのが早い。通知はヘルプの手順どおりに5か所を見るだけで直り、直った効果がその日から出る。色分けと複数アカウントは運用のルールで受け止め、移動と入力は道具を替えるかどうかの判断に回す。使いにくさを一度に全部なくそうとすると手が止まるので、直る順に片付けていくのが現実的である。
よくある質問
Googleカレンダーの色分けは、共有相手にも同じ色で見えますか?
見えません。色の設定は見る人ごとに持たれているため、自分が赤にした予定が相手の画面では別の色で並びます。チームで色を揃えたいときは、各自に同じ設定をしてもらうか、カレンダー自体を分けてカレンダー単位の色で判別する形にするのが確実です。
通知が出ないとき、最初に見るのはどこですか?
設定の通知設定で「デスクトップ通知」が選ばれているかを最初に確認します。次に予定ごとの通知、カレンダーごとの通知、ブラウザのサイトの設定での通知許可、OSの通知設定という順に見ます。Macでは集中モードが通知を止めていることもあるため、あわせて確認すると取りこぼしが減ります。
会議と会議の間の移動時間は、どう入れておくのが良いですか?
移動を1件の予定として作り、場所の欄に住所を入れておくのが基本です。空白のままだと同僚がそこに打ち合わせを入れてしまうため、移動の枠があること自体が予防になります。移動が週に何度もあるなら、所要時間から移動ブロックを自動で置くアプリに替える判断もあります。
予定の表示の密度や配色を、スマホでも同じにできますか?
できません。表示の密度と配色の設定はパソコン版だけに用意されていて、ヘルプにもパソコンで使う場合にのみ利用できると書かれています。スマホで見た目が違うのは不具合ではなく、設定できる場所が分かれているためです。