相手を待たせずに日程を調整する|やりとりを減らす進め方
日程を調整するとき、1回のやりとりで決まる相手と、5往復しても決まらない相手がいます。 差は相手の忙しさではなく、最初の1通で何をどこまで出したかにあります。 この記事では、往復の回数が増える原因を候補日の出し方から整理し、メールで進める場合の書き方と、出欠表型と予約ページ型のツールをどう使い分けるかをまとめます。
往復が増える原因は、相手の都合ではなく候補の出し方にある
日程の調整は、商談でも面接でも、本題に入る前に必ず通る工程です。 その位置づけについては、次のように説明されています。
ビジネスにおいて、商談や面接などの日程を調整する「日程調整メール」は、相手との約束をスムーズに取り付けるために重要な存在です。 出典: maildealer.jp
この工程で往復が増えるとき、原因はほとんど3つに絞られます。
1つ目は、候補が足りないことです。 候補を2つ出して両方が埋まっていれば、相手は候補を出し直す側に回ります。 これで1往復増え、こちらが再検討してもう1往復増えます。
2つ目は、候補の幅が狭いことです。 3つ出しても、すべて同じ週の午後だけに固まっていると、その週が忙しい相手には1つも当たりません。 数の問題に見えて、実は分散の問題です。
3つ目は、決めるための情報が足りないことです。 所要時間が書かれていない、対面かオンラインかが決まっていない、場所が決まっていない。 このどれかが欠けていると、相手は日程を選ぶ前に質問を返すことになります。 返ってくる質問の数が、そのままやりとりの回数になります。
逆に言えば、この3つを最初の1通で埋めれば、相手の返信は「この日で」の1通で済みます。 やりとりを減らす作業は、相手の返信を速くすることではなく、相手が1通で答えられる状態を作ることです。
候補日の数と幅は、相手の人数から決める
候補をいくつ出すかは、感覚ではなく相手の人数で決められます。
相手が1人なら、候補は3つから4つで足ります。 1人の予定が3つの候補すべてに重なる確率はそれほど高くありません。
相手が3人以上なら、候補は5つ以上に増やします。 全員が空いている時間を探す作業になるため、候補が3つでは当たらないことが増えます。 人数が増えるほど必要な候補は増え、5人を超えたあたりからはメールで探すより出欠表を使うほうが早くなります。
幅の取り方には、押さえる点が3つあります。
- 日をまたいで散らす。同じ週の中でも、前半と後半に分ける
- 時間帯を分ける。午前と午後の両方を入れる
- 週をまたぐ候補を1つ入れる。その週が埋まっている相手への逃げ道になる
避けたい書き方が1つあります。 「いつでも大丈夫です」「ご都合のよい日をお知らせください」と返すことです。 丁寧に見えますが、候補を考える作業を相手に渡しているため、返信までの時間が最も長くなります。 相手の立場が上のときほどこの書き方を選びがちですが、相手の手間は増えています。
待たせているのは返信の速さではなく、確定までの時間
日程の調整で相手が待たされていると感じるのは、返信が遅いときだけではありません。 返信は速いのに確定しない状態のほうが、相手の予定を長く押さえてしまいます。
候補を出したあと、その時間を自分のカレンダーで押さえていないと、別の予定が入ります。 相手が候補から選んで返信したときに、こちらの都合が変わっていて、もう一度候補を出し直す。 これが往復の増え方として一番多い形です。
対策は、候補を出した時点で仮の予定としてカレンダーに入れておくことです。 確定したら1つを残して他を消します。 手間は増えますが、出し直しの1往復と、相手の印象への影響を考えると割に合います。
返信の期限を添えるのも効きます。 「3日以内にご返信いただけますと、候補の時間を確保しておけます」のように、期限と理由を並べて書きます。 理由のない期限は催促に見えますが、押さえておける時間の話であれば、相手にとっても情報になります。
確定したあとに都合が変わることもあります。 その場合の対応については、次のように整理されています。
日程を調整したにもかかわらず、その後、都合が悪くなることがビジネスシーンでは起こります。調整済みの日程を変更する場合には、こちらを参考にしてください。 出典: mailwise.cybozu.co.jp
変更を伝えるときは、謝罪だけを書かず、新しい候補を同じ1通に入れます。 謝罪のみのメールを送ると、相手は候補を待つために返信を保留し、そこでもう1往復かかります。
メールで進めるときに1通へ入れる項目
メールで調整する場合、1通に入れる項目は決まっています。 順番も含めて型にしておくと、書く時間が短くなります。
- 件名に用件と「日程」を入れる。他のメールに埋もれず、後から検索でも見つかる
- 最初に用件と所要時間を書く。30分の打ち合わせと2時間の商談では、相手の選び方が変わる
- 形式を書く。オンラインか対面か、対面ならどこか
- 候補を箇条書きで並べる。曜日を添えて、時間は開始と終了の両方を書く
- 返信の期限と、その理由を添える
- オンラインの場合は、確定後に会議のリンクを送ると書き添える
時間の書き方には注意が要ります。 「10時〜」のように終了時刻を省くと、相手は所要時間を推測して空きを判断します。 そこで判断を間違えると、確定後に時間が足りないことが分かり、やり直しになります。
相手が複数いる場合は、宛先の全員に同じ候補を同時に出します。 1人ずつ順に聞くと、聞き終わるまでに最初の人の予定が埋まります。 人数が多いほどこの取りこぼしが起きるため、一定の人数を超えたら次に挙げるツールへ切り替えます。
出欠表型と予約ページ型の使い分け
日程調整のツールは、仕組みで2つに分かれます。 どちらが優れているという話ではなく、用途が違います。
出欠表型は、候補日を並べたページを作り、参加者が○や×を入れていく形です。 調整さんは、ログインなしでイベントを作り、URLをメンバーに送って出欠を集める出欠表ツールとして公開されています。 伝助も同じ形で、出欠を「○」「△」「×」のボタンで入力し、出席できる人数を日程ごとに自動で集計して、一番出席者が多い日程をハイライトで示します。 伝助は、料金がかからず、機能が増える有料プランもないと明記されています。
予約ページ型は、自分の空き時間を出しておき、相手がその中から1つ選んで確定する形です。 TimeRexは、GoogleカレンダーやOutlook予定表と連携して日程候補を自動で並べ、日程調整と同時にWeb会議のURLを発行する機能を持つツールとして案内されています。 無料で登録して使い始められる形をとっています。
社内と社外の両方を1つの仕組みで扱う考え方については、次のように説明されています。
大きな特徴としては、社内外を問わず日程調整機能が用意されている点です。社外の人との日程調整は、日程調整ページをシェアして空き時間に予定を入れてもらい日程を調整します。 出典: blog.toyokumo.app
選び方は、次の表のように整理できます。
| 進め方 | 向いている場面 | 相手に要求すること |
|---|---|---|
| メールで候補を並べる | 相手が1人から2人、社外の初回連絡 | 返信1通 |
| 出欠表型 | 3人以上で全員の都合を探す、社内や有志の集まり | URLを開いて出欠を入力 |
| 予約ページ型 | 相手が1人、こちらの空き時間から選んでもらう | ページを開いて1つ選ぶ |
| カレンダー内蔵の予約ページ | 日程調整と予定の登録を分けたくない場合 | ページを開いて1つ選ぶ |
なお、Googleカレンダーにも予約ページの機能がありますが、Googleの説明では、対象となるGoogle Workspaceのプランの職場または学校のアカウントが条件とされています。 個人のGoogleアカウントでは設定の項目そのものが出てこないため、手順を探しても見つかりません。 その場合は、別のツールを使うか、カレンダーアプリ側の予約ページを使うことになります。
相手に候補を出してもらう側になったとき
日程の調整は、こちらから候補を出す場合だけではありません。 相手から候補が届いたときの返し方でも、往復の回数は変わります。
届いた候補のうち複数が空いているなら、1つに絞らず、空いている候補を全部伝えます。 「第1候補と第3候補が空いております」と書けば、相手は自分の側の都合で確定できます。 1つだけ返すと、その1つが相手の側で埋まっていた場合にもう1往復かかります。
すべての候補が埋まっているときは、断るだけで終えず、こちらから候補を出します。 そのときも、相手が出した候補の傾向に合わせます。 午前を並べてきた相手には午前を、翌週を含めてきた相手には翌週を含めた候補を返すと、当たる確率が上がります。
所要時間や形式が書かれていない候補が届いたときは、質問と自分の候補を同じ1通に入れます。 質問だけを返すと、相手の回答を待ってから改めて候補を出すことになり、2往復が確定します。 「30分程度を想定しております。オンラインであれば下記が空いております」のように、こちらの想定を示して確認する形にすると、違う場合だけ訂正が返ります。
決まったあとに崩れないようにする
日程が確定してから崩れる原因は、調整の作業とは別のところにあります。 押さえる点は3つです。
1つ目は、移動の時間です。 14時に渋谷、15時半に新橋という並びは、カレンダー上では重なっていません。 移動に必要な時間が予定として入っていないため、空いているように見えます。 確定した予定の前後に移動の時間を入れておくと、次の調整のときに同じ失敗を繰り返しません。
2つ目は、二重の予約です。 候補として仮に押さえた予定を消し忘れると、その時間が埋まったまま残ります。 次の調整でその時間を候補から外してしまい、使える時間が減っていきます。
3つ目は、確定の連絡です。 候補を出した相手が複数いる場合、確定した相手にだけ連絡して、他の相手への連絡が抜けることがあります。 候補を出した相手の一覧を残しておき、確定したらまとめて連絡します。
カレンダー側で調整を完結させる場合の考え方
ここまでの作業は、突き詰めると2つに分かれます。 空き時間を出す作業と、決まった予定を登録する作業です。 この2つを別の道具で行うと、その間に手で写す工程が生まれ、写し間違いと二重予約はそこで起きます。
Mac用のカレンダーアプリを窓口にする場合、見る点は3つに絞れます。 1つ目は、空き時間の算出に接続している全部のカレンダーが入るかどうかです。 仕事用と個人用のどちらかが漏れていると、空いていない時間を候補として出します。 2つ目は、確定した予定がそのままカレンダーに入るかどうかです。 3つ目は、会議のリンクを同じ操作で発行できるかどうかです。 確定してからリンクを作って送る形だと、そこで1往復増えます。
窓口のアプリで何ができるかはできることに並べています。 移動の時間を予定として見込む考え方は移動時間で扱っています。 候補を出す前の予定の入れ方は予定の入れ方にまとめました。 料金と機能で他のアプリと並べて見る場合は他のカレンダーとの比較、細かい条件はよくある質問にあります。
やりとりを1往復に近づける鍵は、道具の数ではありません。 候補を出す画面と、予定が入る画面を同じにすることです。 そこが揃っていれば、候補を出した時点で時間は押さえられていて、相手が選んだ瞬間に確定します。
よくある質問
候補日はいくつ出すのが適切ですか?
相手が1人なら3つから4つ、3人以上なら5つ以上が目安です。数だけでなく幅も要ります。同じ週の午後だけに固めると、その週が忙しい相手には1つも当たりません。日をまたいで散らし、午前と午後の両方を入れ、週をまたぐ候補を1つ加えると、1往復で決まりやすくなります。
「ご都合のよい日をお知らせください」と書くのは避けるべきですか?
返信までの時間が長くなりやすい書き方です。候補を考える作業が相手に移るためで、丁寧さとは別の問題になります。相手の立場が上の場合でも、こちらから候補を複数出したうえで「他の日程がよろしければお知らせください」と添える形にすると、相手の手間を増やさずに済みます。
無料で使える日程調整ツールはありますか?
あります。調整さんはログインなしでイベントを作り、URLを送って出欠を集められます。伝助は料金がかからず、機能が増える有料プランもないと明記されています。TimeRexは無料で登録して使い始められ、GoogleカレンダーやOutlook予定表と連携します。用途が出欠集めか予約ページかで選び分けてください。
Googleカレンダーの予約ページは誰でも使えますか?
Googleの説明では、対象となるGoogle Workspaceのプランの職場または学校のアカウントが条件とされています。個人のGoogleアカウントでは設定に項目が出てこないため、手順どおりに探しても見つかりません。その場合は別の日程調整ツールか、カレンダーアプリ側の予約ページを使うことになります。