mac 標準カレンダーアプリ変更|設定の場所と変わらない範囲
別のカレンダーアプリを入れて起動しているのに、メールに添付された.icsファイルを開くと標準のカレンダーが立ち上がる。mac 標準カレンダーアプリ変更で検索する人の多くは、この場面で手が止まっています。システム設定には「デフォルトのWebブラウザ」はあるのに、カレンダーの項目が見当たらないためです。
設定そのものは存在します。置かれている場所が、いま置き換えようとしている当のアプリの中だという点が、見つけにくさの理由です。この記事では設定の場所と手順、名前が似た2つの設定の違い、切り替えても変わらない動作、候補のアプリが一覧に出てこないときの対処を順に整理します。
設定はシステム設定ではなくカレンダーの中にある
macOSでは、既定のブラウザはシステム設定の「デスクトップとDock」、既定のメールアプリはメールの設定の中にあり、置き場所がそろっていません。カレンダーも同じで、システム設定を探しても見つかりません。
手順は3ステップです。Macのカレンダーを開き、メニューバーから「カレンダー」を選び、「設定」をクリックします。開いた画面で「一般」タブを選ぶと、そこに「デフォルトのカレンダーApp」というポップアップメニューがあります。macOSに対してカレンダーのデータを扱えると申告済みのアプリが、この一覧に並びます。使いたいアプリを選んで画面を閉じれば切り替わります。確認のダイアログも再起動も入りません。
この設定が何を担当しているのかは、Appleの説明文がそのまま答えになっています。
Choose which calendar app to use when you open calendar (.ics) files or when you click weblinks to subscribe to calendars. 出典: support.apple.com
対象は「.icsファイルを開いたとき」と「カレンダー購読のリンクを押したとき」の2つです。想像より狭い範囲を指しています。ここを読み違えたまま切り替えると、後述するとおり「変えたのに何も変わらない」という感想になりやすくなります。
なお、この設定に到達できる唯一の入口が標準のカレンダーの中にあるため、標準のカレンダーは残しておく形になります。通常のmacOSでは削除もできません。macOSのバージョンによっては、この画面が「設定」ではなく「環境設定」という名前になっていますが、タブの位置とメニューの名前は同じです。
名前が似た2つの設定を取り違えない
同じ「一般」タブの中に、「デフォルトのカレンダー」というよく似た名前のポップアップメニューがもう1つあります。名前が近いだけで、役割はまったく別です。
| 設定名 | 決めていること | 効く範囲 |
|---|---|---|
| デフォルトのカレンダーApp | .icsファイルと購読リンクをどのアプリで開くか | Mac全体(そのファイル形式とリンクについて) |
| デフォルトのカレンダー | 新しく作った予定がどのカレンダーに入るか | 標準のカレンダーの中だけ |
「切り替えたのに挙動が変わらない」という相談のうち、かなりの割合がこの取り違えです。招待メールを別のアプリで開きたかった人が、新規予定の保存先だけを変えて、何も起きないので設定が壊れていると判断してしまう流れです。ファイルとリンクの行き先を決めるのは、名前に「App」が付いているほうだと覚えておくと迷いません。
とはいえ、下の「デフォルトのカレンダー」も切り替え後に効いてきます。macOSのカレンダーデータベースを読む方式のアプリで新規予定を作ると、このデータベース側で既定とされているカレンダーに書き込まれるためです。すでに使っていない共有カレンダーが指定されたままだと、作ったはずの予定が想定と違う場所に入り、あとから同期の不具合に見えます。切り替えのついでに、いま生きているカレンダーを指しているかを見ておくと後が楽になります。
切り替えても変わらない動作がある
既定のアプリを変える作業は1分ほどで終わりますが、変わる範囲は限定的です。どこが移り、どこが残るのかを分けて把握しておくと、切り替え後の混乱が減ります。
| 操作 | 切り替え後の挙動 |
|---|---|
| .icsファイルをダブルクリック | 新しいアプリで開く |
| カレンダー購読(webcal)のリンクを押す | 新しいアプリで購読を聞かれる |
| メールの招待を受け入れる | アカウントの種類と、アプリがシステムのカレンダーを読む方式かどうかで変わる |
| Siriに「3時に打ち合わせを入れて」と頼む | システムのカレンダーに入る。選んだアプリが処理するわけではない |
| Dockのカレンダーアイコン | 標準のカレンダーのまま。自分で入れ替えるまで変わらない |
| メニューバーの日付と時刻をクリック | 通知センターが開く。設定とは無関係 |
| すでに置いてあるウィジェット | 提供元のアプリの表示のまま |
| 予定の通知音とアラート | 予定を持っていて通知を許可されているアプリから出る |
メールの招待だけ挙動が読みにくいのは、予定データの持ち方がアプリによって2通りあるためです。システム設定の「インターネットアカウント」に登録したアカウントの予定は、macOSが共有で持つカレンダーデータベースに入ります。この方式のアプリなら、設定を足さなくても同じ予定が見えます。一方、Googleのサーバーと直接やり取りして自前でデータを持つ方式のアプリは、別の置き場所を持っていることになります。どちらが優れているという話ではなく、詰まり方が違うだけです。片方のアプリにだけ予定が出ないという現象は、ほとんどがこの違いで説明できます。
一覧に目当てのアプリが出てこないとき
ポップアップメニューに並ぶのは、macOSに対して「カレンダーのデータを開ける」と登録済みのアプリだけです。入れたばかりのアプリが出てこないときは、次の順に確認すると原因が絞れます。
アプリケーションフォルダから1度起動する
この登録は初回起動のタイミングで行われます。ディスクイメージから出しただけ、ダウンロード直後の検疫がまだ解けていない、といった状態では登録が済んでいないことがあります。1度起動し、カレンダーへのアクセス許可を聞かれたら許可し、終了してから設定画面を開き直します。
同じアプリが2か所に無いか確かめる
「ダウンロード」フォルダに残った実体と、アプリケーションフォルダに移した実体が同時に存在すると、一覧に重複が出たり、古いほうを指したりします。余分なコピーを削除してゴミ箱を空にしてから見直します。
対応表のキャッシュを作り直す
macOSはこの対応関係をLaunch Servicesという仕組みにキャッシュしています。OSのアップグレードや再インストールを繰り返すと内容が実態とずれ、一覧が更新されなくなります。LaunchServicesのサポートディレクトリにある lsregister を -kill -r -domain local -domain system -domain user の引数付きで実行すると作り直せます。実行後は1度ログアウトして入り直します。手順としては最後の手段で、先に上の2つを試すほうが確実です。
Finderからファイル形式ごと割り当てる
カレンダーの設定とは別に、Finder側で割り当てる方法もあります。任意の.icsファイルを選び、「ファイル」から「情報を見る」を開き、「このアプリケーションで開く」を目当てのアプリに変えて「すべてを変更」を押します。これでMac上の.icsファイルはすべてそのアプリで開きます。ただしブラウザで押した購読リンクはカレンダー側の設定に従うため、両方が必要なら両方を設定します。
購読リンクはファイルとは別の経路で動く
先に引用したAppleの説明は2つの対象を挙げていますが、この2つは詰まり方が違います。ファイルは添付やダウンロードとして届いて1度開くだけのものです。購読リンクは別の場所に置かれたカレンダーを指していて、受け取ったアプリがその住所を定期的に見に行き続けます。学校の行事、スポーツの日程、祝日、チームの共有カレンダーは、たいていこの形で配られます。
購読リンクには2つの形式があります。webcalで始まるものはブラウザが登録済みのアプリにそのまま渡します。もう1つは通常のhttpsのURLで.icsファイルを配信するもので、こちらはブラウザがいったんダウンロードし、そこからファイルの割り当てに従って開かれます。カレンダー側の設定は両方をカバーしますが、ブラウザ側で「.icsは常にこのアプリで開く」と答えてしまっている場合は、その指定が優先されます。これはmacOSではなくブラウザのダウンロード設定にあるため、切り替え後にリンクの挙動だけ変わらないときは、そちらを確認します。
購読には更新の間隔もあり、この間隔は配信元ではなく受け取った側のアプリが持ちます。標準のカレンダーでは、購読したカレンダーごとに数分ごと・1時間ごと・1日ごと・1週間ごと・手動、から選べます。他社製のアプリにも同等の設定がありますが、設定自体を持たないものもあります。祝日のカレンダーを1週間に1回の確認にしておくのは妥当ですが、チームの共有カレンダーを同じ間隔にすると変更を取りこぼします。
もう1つ、切り替えで見落としやすい点があります。購読は受け取ったアプリの中にあるため、既定アプリを変えても自動では移りません。新しいアプリは購読ゼロの状態から始まります。切り替える前に、いま購読しているカレンダーの住所を控えておくと復旧が早く済みます。元のリンクが載っていたメールは、たいていもう見つかりません。
切り替えた直後に試す5つの動作
設定を変えた直後は、動いたつもりで放置しないほうが安全です。壊れやすい経路をひととおり通す確認は5分ほどで終わります。
- 別のアカウントから自分宛てに招待を送り、Macで開いてどのアプリが立ち上がるかを見る
- 既存の予定をカレンダーの画面からデスクトップへドラッグして.icsファイルを作り、それをダブルクリックする
- 公開されているカレンダーの購読リンクを押し、正しいアプリが出たところで購読をキャンセルする
- 新しいアプリで予定を1件作り、標準のカレンダーに出るかを見る。逆方向も同じように試す
- 5分後の通知を設定して、実際に鳴るまで待つ
最後の項目を入れているのは、通知の許可がアプリごとに与えられるためです。入れたばかりのアプリは通知を許可されていない状態から始まるので、予定は正しく入っているのに知らせが来ないという事故が起きます。4つめの往復確認で片方向だけ失敗する場合は、2つのアプリが別々のデータの置き場所を見ています。これは既定アプリの設定では直らず、アカウントの繋ぎ方の問題です。
既定アプリより先に見直す価値がある場所
.icsファイルの行き先を変える作業は、費用がかからず時間も短いので、やっておいて損はありません。ただし、そもそも2つめのカレンダーを入れた理由が解消されるわけではない点は分けて考える必要があります。
Mac用のカレンダーを乗り換える動機は、おおむね3つに分かれます。1つめは、作業を中断せずに予定を入れ切れないこと。2つめは、次の予定を見るためにウィンドウを探していること。3つめは、2つの予定が本当に収まるのかを、移動を数に入れて判断できないことです。既定アプリの設定は、このどれにも触れません。アプリごとの差はこの3点で大きく開くので、切り替えて様子を見るより、他のカレンダーとの比較で何がどこまでできるのかを先に見比べるほうが早く決まります。
入れる手数が問題なら、短い文や話し言葉と音声で予定を入れられるかどうかが分かれ目になります。実際の入力の流れは予定の入れ方で確認できます。連続した会議が毎回ぶつかるなら、原因は表示ではなく移動です。移動を予定として確保し、開始ではなく出発で通知を出す考え方は移動時間にまとまっており、これを入れると同じ1日でも入る本数が変わります。扱える範囲の全体はできることで見渡せます。
判断の順序としては、既定アプリの切り替えは今日1分で済ませ、そのうえで上の5つの動作を確認します。それでもカレンダーの使い心地が変わらないなら、原因は最初から既定アプリではなかったということです。料金の条件が最後に気になるようなら購入で支払い方を確かめ、細かい疑問はよくある質問に目を通しておくと、試用期間を設定作業だけで使い切らずに済みます。
よくある質問
システム設定に標準カレンダーの項目が見当たりません?
macOSはこの設定をシステム設定ではなく、標準のカレンダーの中に置いています。カレンダーを開き、メニューバーの「カレンダー」から「設定」を選び、「一般」タブの「デフォルトのカレンダーApp」で切り替えます。この入口を残すため、標準のカレンダー自体は削除せずに置いておく形になります。
標準カレンダーアプリを変えると、いまある予定は消えますか?
消えません。この設定が決めているのは.icsファイルと購読リンクを開くアプリだけで、予定そのものはGoogleやiCloudのアカウント側にあります。切り替えでデータがコピーされたり移動したりすることもないため、新しいアプリでアカウントを繋げば同じ予定が見えます。
入れたばかりのアプリが一覧に出てきません?
アプリケーションフォルダから1度起動すると登録され、一覧に出ることがほとんどです。それでも出ない場合は、ダウンロードフォルダに同じアプリが残っていないかを確認し、Launch Servicesのキャッシュを作り直してログインし直します。急ぐときは、Finderで.icsファイルの「情報を見る」から「すべてを変更」で割り当てる方法でも代用できます。
Siriやメニューバーの日付表示も新しいアプリになりますか?
なりません。Siriが作る予定はアプリではなくシステムのカレンダーに入り、メニューバーの日付と時刻をクリックすると通知センターが開きます。システムのカレンダーを読む方式のアプリなら、Siriで作った予定はそのまま表示されます。Dockのアイコンも標準のカレンダーのままなので、必要なら自分で入れ替えます。