Googleカレンダーで複数アカウントをまとめる3つの方法と選び方

Googleのアカウントが2つあり、片方に仕事の打ち合わせ、もう片方にそれ以外が入っている。両方を開かないと一日の形が見えないので、予定を入れるたびに切り替えが発生します。google カレンダーで複数アカウントをまとめる方法は大きく3つありますが、この3つは結果がまったく違い、選び間違えると反映の遅れた読み取り専用のカレンダーができあがります。

この記事では、3つの方法がそれぞれ何を作るのか、何を失うのかを並べたうえで、状況ごとにどれを選べばよいかまで決められる形にします。

アカウントが増えるのは個人の管理不足ではない

仕事用のアカウントが組織から支給され、個人のアカウントは以前から持っている。副業や業務委託が加われば、そこにもう1つ増えます。アカウントが分かれること自体は避けようがなく、しかもそれぞれに管理者の方針があるため、片方の都合でもう片方を閉じることもできません。

問題になるのは、予定の管理がアカウント単位で閉じている点です。ブラウザでGoogleカレンダーを開くと、いま入っているアカウントのカレンダーが基準になります。もう片方の予定は、画面を切り替えるまで存在しないのと同じです。10分の空きに打ち合わせを入れてしまう事故は、大半がこの切り替えの隙間で起きています。

さらに、切り替えが面倒だと人は片方を見るのをやめます。見なくなったほうのカレンダーは更新されなくなり、しばらくすると当てにならなくなる。まとめる作業は、見やすさの改善ではなく、カレンダー自体が信用できる状態を保つための作業だと考えたほうが、方法の選び方を間違えません。

「まとめる」には3つの意味がある

同じ言葉で、まったく違う3つの結果が指されています。ここを分けないと話が噛み合いません。

  • 1つの画面に並べる。カレンダーは2つのまま、色を分けて同じ升目に描く。複製は作られない
  • 1つに統合する。片方の予定をもう片方へ写して、元のほうは使わなくなる。これは移行であって同期ではない
  • 購読する。片方が発行した情報を、もう片方が読み取り専用で追いかける。表示はされるが遅れる

多くの人が求めているのは1つ目です。にもかかわらず3つ目を選んでしまう事故がよく起きます。購読は最初の1日ほどは統合されたように見え、そのあと静かにずれていくためです。

共有で1つの画面にする

最初に試すべきはこれです。予定を持っているアカウントでGoogleカレンダーを開き、設定の中からそのカレンダーを選びます。特定のユーザーやグループと共有する欄に、もう片方のアドレスを追加し、権限を選んで保存します。

追加された側にはメールが届き、そのリンクを開くとカレンダーが追加されます。以降は左側の他のカレンダーの欄に並び、他のカレンダーと同じように表示のオンとオフを切り替えられます。

これで得られるのは1つ目の結果です。カレンダーは2つのまま、色が分かれて同じ升目に並び、複製が無いので反映は即時です。作業時間は1分ほどで、失敗しても共有を外せば元に戻ります。

うまくいかない原因は2つに絞られます。1つは、組織が管理しているアカウントで外部への共有が制限されている場合です。この場合は追加を拒否されるか、詳細が見えない空き時間だけの共有になります。もう1つは招待のメールが届かない場合で、これは受信側の振り分けであることが多く、共有の設定自体は済んでいます。追加する側でカレンダーを登録する欄に相手のアドレスを直接入力すれば、権限はすでに与えられているので追加できます。

権限の5段階が決めること

権限は見た目の問題ではなく、まとめた画面が使えるかどうかを決めます。

権限 予定の内容が見える 予定を編集できる そのカレンダーに予定を作れる
予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示) 見えない できない できない
予定の詳細の表示 見える できない できない
変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示) 非公開の予定を除いて見える 非公開の予定を除いてできる できる
予定の詳細を変更、表示可能 見える できる できる
予定の変更および共有の管理 見える できる できる

同じ人が持つ2つのアカウントであれば、「予定の詳細を変更、表示可能」まで与えるのが実用的です。ここまで与えておくと、アカウントを切り替えずにもう片方のカレンダーへ直接予定を作れます。時間枠だけの共有は他人のカレンダーに対して使う設定で、自分の2つ目のアカウントに使うと、名前の無い枠が並ぶだけの画面になります。

編集できる段階が2つあるところが分かりにくい部分です。真ん中の「変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示)」は、非公開にした予定だけを詳細のない枠として扱います。同じ人の2つのアカウントなら中身を隠す理由がないので、ここを選ぶ意味は薄く、片方が仕事用で私用の予定を伏せたい場合に効いてくる段階です。

非公開のiCal形式のURLで購読する方法

Googleカレンダーには、カレンダーの統合という欄に非公開のiCal形式のURLがあります。これをもう片方のアカウントで、URLで追加する欄に貼ると、たしかに1つの画面に並びます。ただしこの方法は、選んでから後悔しやすい方法でもあります。

iCal形式というのは、カレンダーをやり取りするための共通の書式です。

This document defines the iCalendar data format for representing and exchanging calendaring and scheduling information such as events, to-dos, journal entries, and free/busy information, independent of any particular calendar service or protocol. 出典: rfc-editor.org

書式として交換用に作られている以上、購読する側は取り込んだ内容を書き換えられません。追加したカレンダーは読み取り専用で、そこに予定を作ることも、内容を直すこともできません。

そして最大の弱点は、取りに行く間隔を決めるのが購読する側ではないことです。片方で予定を追加しても、もう片方の画面にすぐには出ません。次に取得されたときに出ます。この間隔は数時間単位になることがあり、日中に予定が動くカレンダーでは、まとめた画面が「間違った答えを返す場所」に変わります。

もう1点、このURLは実質的に鍵です。持っている人はログインせずにカレンダーの中身を読めます。共用のパソコンのブラウザに貼るような扱い方には向きません。管理者の制限で共有ができず、内容がほとんど変わらないカレンダーで、読めれば十分という条件がそろったときだけ、選ぶ価値があります。

書き出しと読み込みは移行であって同期ではない

3つ目としてよく紹介されるのが、片方から書き出したファイルをもう片方に読み込む方法です。これはその時点の予定を写すだけの操作で、それ以上のことは何もしません。

読み込みが終わった時点で、2つのカレンダーは無関係になります。元のほうに追加された予定は出てきませんし、修正も伝わりません。片方で消しても、もう片方には残ります。追いつかせようともう一度読み込むと、同じ予定が二重になります。読み込む側には、すでに写した予定を見分ける手段が無いためです。

したがってこの方法が正しいのは、片方のアカウントを閉じるときだけです。両方を使い続けるなら、内容の違う2つの複製ができるので、分かれたままにしておくより悪化します。

1つのアプリで両方のアカウントを読む

共有はGoogleカレンダーの中で問題を解きます。Mac用のカレンダーアプリを使うと、1つ上の層で解けます。アプリに両方のアカウントを追加し、どちらのカレンダーも同じ画面に描かせる方法です。

この場合、アカウント同士を共有で結ぶ必要がありません。アプリがそれぞれのアカウントに個別にログインしているだけなので、管理者の共有制限とは関係なく並びます。所属の違う2つの組織アカウントを持っていて、どちらも外部共有が禁止されている場合、実際に成立する方法はこれだけになります。

もう1つ、共有では解けない問題も片付きます。新しい予定がどこに入るか、という問題です。ブラウザでは、いま見ているアカウントが既定のカレンダーになります。ここを間違えると、個人の予定が同僚から見える場所に入ります。アプリ側で作る場合は、作成時にどのカレンダーへ入れるかを1つの一覧から選ぶ形になるため、取り違えが起きにくくなります。アカウントの繋ぎ方は使い方に、切り替えずに予定を入れる部分は予定の入れ方に整理してあります。

引っかかりやすい点が1つあります。外部のアプリからGoogleのカレンダーに繋ぐ場合、Googleのアカウント側で外部アプリに見せる設定になっているカレンダーだけが表示されます。ブラウザには出るのにアプリには出ないカレンダーは、たいていアプリの不具合ではなくこの設定です。

どれを選ぶかは3つの質問で決まる

方法は3つありますが、選ぶ手順は単純です。次の順に答えるだけで残る選択肢は1つか2つになります。

どちらかのアカウントが組織のもので、外部への共有が制限されているか。制限されているなら、その向きの共有は成立しません。残るのは購読か、両方のアカウントを読むアプリのどちらかです。購読は読み取り専用で反映も遅れるため、内容がほとんど変わらないカレンダーでない限り、アプリ側になります。

アカウントをまたいで予定を作ったり直したりする必要があるか。個人の予定を仕事のカレンダーへ入れる場面が少しでもあるなら、読み取り専用の方法は落ちます。予定の変更権限まで与えた共有か、両方のアカウントを読むアプリの2つが残り、共有が使える状況ならまず共有で足ります。追加の道具が要らず、1分で試せて、合わなければ外すだけだからです。

困っているのは切り替えだけか、それとも入力まで含めてか。ここが飛ばされがちです。共有はブラウザの中で2つのカレンダーを1つの升目に並べます。カレンダーを主に読む使い方ならそれで十分です。一方、打ち合わせの最中や移動中に予定を作り続ける使い方だと、見えるようになっても手間はあまり減りません。詰まっているのが表示ではなく入力だからです。

判断に迷うなら3日だけ数えてみてください。両方のカレンダーを同時に開いた回数と、予定を違うカレンダーに作ってしまった回数です。前者が多く後者がほぼゼロなら共有で解決します。後者がゼロでないなら、問題は表示ではなく作成の場所にあり、共有をいくら整えても変わりません。

並べたあとに残る3つの面倒と、道具側で解ける範囲

両方が見えるようになると、決まって次の3つが起きます。

  • 同じ打ち合わせが2件表示される。両方のアドレスが招待されている場合で、同期の異常ではなく実際に両方のカレンダーに存在している。片方で出席を辞退するか、外部に伝えるアドレスを1つに決めると収まる
  • 新しい予定が違うカレンダーに入る。ブラウザでは見ているアカウントが既定になるため。すでに参加者がいる予定を後から移すと招待が送り直されるので、作る前に選び直すほうが安い
  • 通知が2回鳴る。通知はカレンダーごとに設定できるので、表示は残したまま片方の通知だけを止められる

このうち道具側で解けるのは2つ目と3つ目です。1つ目は運用で決める話で、どのアドレスを外部に出すかを1つに決めない限り、どんな方法を選んでも残ります。まとめ方を変えても消えない問題と、道具を変えれば消える問題を分けておくと、余計な作業が減ります。

道具を選ぶ段階なら、複数のGoogleアカウントを同時に読めるか、予定を作るときにカレンダーを選ばせる作りか、そして話し言葉と音声で予定を入れられるかの3点で絞ると早く決まります。切り替えが減っても、入力に手間がかかると結局その場で予定が入らないためです。カレンダーアプリごとの違いは他のカレンダーとの比較に、動作環境や料金でよく届く質問はよくある質問にまとめてあります。

よくある質問

2つのGoogleカレンダーを完全に1つへ統合できますか?

できるのは書き出しと読み込みによる一度きりの移動だけで、そのあと同期は続きません。追加や修正は伝わらず、追いつかせようと読み込みを繰り返すと予定が二重になります。両方のアカウントを使い続けるなら、統合ではなく共有で1つの画面に並べるほうが実用的です。

もう片方の予定が数時間経ってから表示されるのはなぜですか?

共有ではなく、非公開のiCal形式のURLで購読している場合に起きる現象です。購読したカレンダーを取りに行く間隔はGoogle側が決めるため、追加した予定がすぐには出ません。共有で追加し直すと同じデータを両方から見る形になり、遅れは無くなります。

会社のアカウントから個人のアドレスへ共有できません。どうすればよいですか?

外部への共有が組織の管理者によって制限されている場合、アカウント側の操作では解除できません。この場合はアカウント同士を結ぶのをやめて、Mac用のカレンダーアプリに両方のアカウントを追加し、1つの画面に描かせる方法が確実です。それぞれに個別にログインする形なので、共有の制限とは無関係に並びます。

ブラウザには出るカレンダーが、Macのアプリに出てこないのはなぜですか?

Googleは、外部のアプリに見せるカレンダーを別の一覧で管理しています。ブラウザに出ているのにアプリに出ないカレンダーは、その一覧で表示が外れていることがほとんどです。そこで表示を有効にしてからアプリ側でアカウントを更新すると出てきます。

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