Googleカレンダー複数アカウント同期|2つの予定を1画面にまとめる
仕事用のアカウントに会議が入り、個人用のアカウントに通院と飛行機が入っている。片方しか見ていない状態で予定を受けてしまい、あとから謝る。googleカレンダー複数アカウント同期で検索する人のほとんどは、この一点で困っています。
厄介なのは、検索して出てくる手順が記事によってバラバラなことです。理由ははっきりしていて、「同期」や「統合」という言葉が指す操作が実際には3種類あり、選び方を間違えると予定が二重に増えたり、更新の止まったカレンダーを何ヶ月も眺めることになったりするからです。この記事では、その3種類を分けたうえで、どれを選ぶべきかと、選んだあとに詰まる箇所を並べます。
Googleカレンダーに「統合」という機能はない
まず前提として、2つのGoogleアカウントを1つに合体させる機能は存在しません。カレンダーの所有権をアカウント間で移すこともできません。用意されているのは次の3つの仕組みで、それぞれ解決する問題が違います。
- 共有:両方のアカウントを生かしたまま、片方のカレンダーをもう片方の画面に出す
- エクスポートとインポート:片方の予定をもう片方に複製する。移したあとは連動しない
- 空き時間だけの共有:予定の中身を見せずに「埋まっている」ことだけを伝える
判断は10秒で終わります。両方のアカウントを来月も使い続けるなら、答えはほぼ共有です。片方を解約する、あるいは使うのをやめると決まっているなら、そのときだけエクスポートとインポートが正解になります。クライアント向けのアカウントと私生活のアカウントを分けていて、私用の中身は見せたくないなら3つめです。
多くの人が最初にインポートを試してしまうのは、「同期」という言葉から、ファイルを取り込めば以後も自動で追随すると想像するからです。実際には逆で、インポートは同期をしない方法です。ここを取り違えると、あとから重複を一件ずつ消す作業が発生します。
共有でまとめる:手順と権限の5段階
共有は、両方のアカウントを使い続ける前提で作られた仕組みです。個人のGmailアカウント同士でも、会社のアカウント同士でも、多くの場合はその間でも使えます。
手順はカレンダーを持っている側のアカウントで行います。設定を開き、自分が所有するカレンダーの一覧から対象を選び、特定のユーザーとの共有の欄にもう一方のアドレスを追加して、権限を選んで保存します。相手側にはメールが届き、そこに載っているリンクを開いた時点で、受け取る側の左側の一覧にカレンダーが追加されます。「共有したのに出てこない」という相談のいちばん多い原因が、このリンクを開いていないことです。
選んだ権限が、そのあとの見え方をすべて決めます。
| 権限 | 相手に見えるもの | できる操作 |
|---|---|---|
| 予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示) | 埋まっている時間帯だけ。件名も参加者も出ない | なし |
| 予定の詳細の表示 | 件名・時刻・場所・参加者 | なし |
| 変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示) | 非公開以外の詳細。非公開の予定は詳細のない枠 | 非公開以外の作成・編集・削除 |
| 予定の詳細を変更、表示可能 | すべての詳細 | 作成・編集・削除 |
| 予定の変更および共有の管理 | すべての詳細 | 上記に加えて他人への共有設定 |
3つめの段階は見落とされやすいところです。私用のアカウントを仕事のアカウントから編集したいが、通院や家族の予定は中身まで見せたくない、という分け方はここで成立します。伏せたい予定を非公開にしておけば、その予定だけが詳細のない枠として残ります。
見落としやすい点が3つあります。1つめは、共有はアカウント単位ではなくカレンダー単位だということです。片方のアカウントが5つのカレンダーを持っているなら、共有の操作も5回必要です。2つめは、所有者が元のアカウントのままだということです。そのアカウントを削除すれば、共有されていたカレンダーも一緒に消えます。
3つめが通知です。通知は予定を所有しているアカウントに紐づくため、共有されたカレンダーは最初は静かに表示されるだけで、何も鳴りません。受け取った側で通知設定を別途オンにする必要があります。家族のカレンダーを共有したのに予定を忘れた、という話はここが原因です。共有の操作と同じタイミングで通知も設定しておかないと、画面上は正しいのに肝心な瞬間に役に立たない状態ができあがります。
エクスポートとインポートは複製であって同期ではない
エクスポートを実行すると、アカウント内のカレンダーごとに1つずつ .ics ファイルが入ったZIPが作られます。解凍したうえで、取り込み先のアカウントでインポートを実行し、どのカレンダーに入れるかを選びます。ファイルは1つずつしか取り込めません。
取り込まれるのは、その瞬間のコピーです。繰り返しの予定は繰り返しの規則ごと入ります。一方で失われるのが、元の会議とのつながりです。コピーされた予定の主催者は取り込んだ側のアカウントに変わるため、参加者の出欠の返信も、主催者が翌週に時間を動かした変更も、コピーには届きません。動いた会議のコピーは、間違った時刻に永久に残り続けます。
この形式そのものは特定のサービスに依存しない公開仕様で、だからこそ他社製のカレンダーとの間でも同じファイルが通用します。
This document defines the iCalendar data format for representing and exchanging calendaring and scheduling information such as events, to-dos, journal entries, and free/busy information, independent of any particular calendar service or protocol. 出典: rfc-editor.org
インポートが正解なのは、アカウントを閉じる場合と、過去の履歴を残す先を1つにまとめる場合だけです。両方を使い続けるのにインポートを走らせると、その瞬間からすべての予定が2つずつ存在し、しかも互いに無関係なコピーとして残ります。
予定が二重に見えるときの3つの原因
まとめた画面で同じ予定が2つ並ぶとき、原因はだいたい次のどれかです。
- 両方のアカウントが同じ会議に招待されていて、どちらにも正規の予定がある
- すでに共有しているカレンダーに、重ねてインポートを実行した
- 同じカレンダーを、直接の共有と、iCal形式の限定公開URLの購読と、両方で取り込んだ
1つめは不具合ではなく、元から消せません。招待を受け取るアカウントをどちらか一方に決めて、他人と予定を組むときは常にそのアドレスを使うのが唯一の対処です。2つめは取り込んだ側のコピーを削除するしかなく、手間がかかるぶん最初から避ける価値があります。
3つめはすぐ直せますが、放置している間の実害がいちばん大きい原因です。限定公開URLの購読は、Googleが独自の間隔で取りに行く仕組みで、即時には反映されません。直接共有できるGoogleアカウント同士なら、素直に共有を使ってください。URLでの購読は、そもそもGoogleアカウントではないカレンダーを取り込むための手段です。
原因を片付けたら、次は色です。カレンダー単位ではなくアカウント単位で色を分けると、画面を見た瞬間に「これはどちらの生活の予定か」が判別できます。受け取った側で変えた色は手元だけの設定なので、共有元の見え方は変わりません。あわせて、誕生日・祝日・購読したスポーツの日程のような参照用のカレンダーは、平日の作業中は非表示にしておきます。全部を出した画面は、まとめた画面ではなく、ただ読めない画面です。
アカウントではなくアプリ側でまとめる
共有はGoogleの中で解決する方法です。もう1つの方法は、手元のMacに両方のアカウントを追加して、アプリの側で1枚に描かせることです。
macOSのシステム設定のインターネットアカウントに両方のGoogleアカウントを追加し、それぞれでカレンダーを有効にすれば、標準のカレンダーが両方の予定を1つの画面に並べます。Mac用のカレンダーアプリを使うと、アカウント単位の色分け、アカウントごとのまとめて非表示、どのアカウント由来かを問わない1本の予定一覧といった、標準アプリに足りない部分が埋まります。複数アカウントを1画面で扱うときに何ができるのかはできることに整理されています。
アプリ側でまとめる利点は機能だけではありません。共有は「相手のアカウントに見える範囲」を恒久的に変える操作で、誰かが解除するまで残ります。手元のアプリに追加するだけなら、Google側の設定は何も変わりません。契約が3月で終わる相手のアカウントや、会社と個人を構造的に結びつけたくない場合は、こちらのほうが後戻りできます。
つまずきやすい点が1つあります。他人から共有されたカレンダーは、パソコンやスマートフォンのアプリ側に初期状態では同期されないことがあります。ブラウザでは見えるのにMacのアプリにだけ出てこない、という状態です。Googleにはアプリへ同期するカレンダーを選ぶ設定が別にあり、たいていはそこがオフになっています。再インストールを試す前に、まずその設定を確認してください。
会社アカウントは管理者の設定が上限になる
Google Workspaceのアカウントは組織のものなので、外に出せる情報の量は管理者が決めます。管理者は、社外への詳細の共有を許可することも、空き時間の共有だけに制限することも、社外共有そのものを禁止することもできます。
手順どおりに操作したのに個人アドレスへの共有が効かない場合、原因は操作ミスではなくこの制限です。何度やり直しても結果は変わりません。ここで多くの人が次に試すのが、招待メールを個人アドレスへ転送する方法ですが、これは古くなるコピーを作るだけで、会議が動いたときに追随しません。
制限の内容は組織ごとに違うため、どこまでできるかを確かめる方法も決めておくと早く済みます。空き時間だけの共有が通るなら、件名を見せずに衝突だけ防ぐ運用は成立します。それも通らないなら、共有という手段自体を諦めて、次の段落の方法に切り替えるのが最短です。管理者に例外設定を依頼する選択肢もありますが、社外共有の可否はセキュリティの方針として決まっていることが多く、個人の都合で覆るケースは多くありません。
一方で、Macのアプリに会社アカウントを直接サインインさせるのは共有ではなく、アカウント自身が自分のデータを自分の端末で見る操作です。組織の端末管理の方針に従う必要はありますが、社外共有の制限とは別の話です。実務上はこれがいちばん現実的な着地になることが多く、共有の設定を一切変えずに、1枚の画面で両方の予定を見られます。
独自データ考察:まとめる目的は「衝突」ではなく「余白」
複数アカウントをまとめた人の多くが、まとめた直後に別の問題に気づきます。予定が全部見えるようになった結果、隙間がほとんど無いことがはっきりするからです。衝突は消えても、移動と準備の時間が最初から入っていないので、結局その日は回りません。
この観点では、まとめ方より入れ方のほうが効きます。予定を入れる時点で移動と前後の余白を一緒に置いておけば、あとから調整する回数が減ります。話し言葉と音声で予定を入れられる入力方式が支持されるのも、思いついた瞬間に余白ごと置けるからです。入力の作法は予定の入れ方に、移動時間の扱いは移動時間にまとまっています。
道具を選ぶ段階では、複数アカウントの扱いが標準アプリとどう違うのかを先に見ておくと迷いません。対応しているアカウントの種類や、色分けの粒度、料金の形は他のカレンダーとの比較で並べて確認できます。共有で解決するのか、アプリ側で解決するのかを決めてから道具を見に行くほうが、比較表を眺める時間は短くなります。
よくある質問
2つのGoogleアカウントを1つに統合できますか?
できません。Googleカレンダーにアカウントを統合する機能はなく、カレンダーの所有権を別アカウントへ移すこともできません。選べるのは、両方を残したまま片方の予定を表示する共有と、予定をコピーするエクスポートとインポートの2つです。両方のアカウントを使い続けるなら共有を選んでください。
共有したあとに追加した予定も自動で反映されますか?
反映されます。共有は生きたつながりなので、共有元で作成・編集・削除した予定は数秒でもう一方の画面にも反映されます。ここがインポートとの決定的な違いで、インポートはその瞬間の写しを取るだけで、以後は一切更新されません。
ブラウザでは見えるのにMacのカレンダーアプリに出てこないのはなぜですか?
Googleには、パソコンやスマートフォンのアプリへ同期するカレンダーを選ぶ設定が別に用意されていて、他人から共有されたカレンダーは初期状態でオフになっていることがあります。その設定をオンにすれば、アプリの再読み込みか再起動のあとに表示されます。アプリの入れ直しより先に確認してください。
会社が社外共有を禁止している場合はどうすればいいですか?
共有では解決できません。管理者が社外共有を制限している場合、招待は届かないか空き時間だけの表示になり、手元の設定では変えられません。招待メールの転送は古くなるコピーを作るだけなので避けて、Macのカレンダーアプリに会社アカウントを直接サインインさせて1画面で見る方法に切り替えるのが現実的です。