仕事のスケジュールの立て方は先に動かせない予定を置くところから始める

仕事のスケジュールの立て方を調べると、やることを書き出して優先順位を付けよう、という話にたどり着く。ところが実際に予定が埋まっている人が困っているのは、優先順位の付け方ではなく、動かせない予定と動かせる作業が同じ画面に混ざっていて、どこを削ればよいのか見えないところだ。この記事では、動かせない予定を先に置いてから作業を流し込む順番で、スケジュールの立て方を手順に分けて整理する。

立て方を間違えると、予定表はうまくいっているのに仕事が終わらない

スケジュールが崩れる典型の流れは決まっている。やることを一覧にして、着手したい順に並べ、朝から順に片付けるつもりで1日を始める。そこへ会議の招待が入り、移動が挟まり、割り込みの相談が来る。夕方に残っているのは、着手したかった作業そのものだ。並べ方が悪かったのではなく、動かせるものと動かせないものを同じ列に並べたことが原因になる。

順番を入れ替えるだけで景色が変わる。先に置くのは、自分の意思では動かせない予定だ。他人が参加する会議、客先への訪問、締め切りが外から決まっている提出物、決まった時刻に始まる作業。これらを予定表に固定してから、残った空白に自分の作業を入れる。空白が足りないなら、その週は作業が入らないと分かる。分かった時点で相談も前倒しの調整もできる。

作り方そのものの考え方は、順序の話に集約される。

何をしなければならないのかを決める「タスク分解」を行い、そこに期限を反映させて「スケジュール」にしていきます。 出典: sunbridge.com

タスクの一覧とスケジュールは別物だ。一覧は何をするかの記録で、スケジュールはいつやるかの約束になる。一覧の段階で止まっていると、やることは把握しているのに手が回らないという状態が続く。

ステップ1から4まで、立てる作業を分ける

立て方を4つのステップに分けると、途中で何をしているのか迷わなくなる。

  1. 動かせない予定を置く: 会議、訪問、外から決まった締め切り。人が絡むものと時刻が決まっているものだけを先に入れる
  2. 作業を分解する: 「提案書を作る」では大きすぎる。「構成を決める」「数字を集める」「図を作る」のように、1回で終わる単位まで割る
  3. 空白に作業を差し込む: 分解した単位を、残っている空白の長さに合わせて配置する。入り切らない分はその週から外す
  4. 見直す枠を1つ置く: 週の終わりか始めに、崩れた分を組み直す時間を予定として確保する

2つ目の分解が効くのは、着手までの心理的な重さが減るからだ。1回で終わる単位まで割ってあると、40分の空白にも入れられる。逆に大きな塊のまま置くと、まとまった時間が空くまで手を付けられず、いつまでも先送りになる。

3つ目で入り切らない作業が出たときに、そこで無理に詰め込まないことが要点になる。詰め込んだ予定表は、初日に崩れて以降は誰も見なくなる。その週に入らないと分かったなら、期限の交渉か、他の作業の後回しか、担当の相談のどれかに進む。

4つ目の見直しの枠は、省かれやすいのに効果が大きい。予定表は作った瞬間から古くなるため、週の途中で一度も手を入れないと金曜には実態と合わなくなる。月曜の朝に30分を取って、先週の残りと今週の会議を突き合わせるだけで、木曜以降の破綻がかなり減る。この枠を会議と同じ扱いで予定表に固定しておくと、他の用事で潰されにくくなる。

このステップの並びには順番を入れ替えてよい箇所がない。作業を先に並べてから会議を差し込むと、置いた作業が次々に動き、どれが今週やるものだったのか分からなくなる。動かせないものが先、というのは覚えやすさのためではなく、後から動かす回数を減らすための順番になる。

良いスケジュールの条件を、成功の基準として決めておく

うまく立てられたかどうかを判断する基準がないと、立て直すたびに好みで形が変わる。基準は次の1文に集約できる。

「やることの目的・目標・期日が明確」で「実現できるスケジュール」であれば、それは「良いスケジュール」です。 出典: sunbridge.com

実現できるかどうかを見分ける方法は単純で、予定表の空白の合計時間と、置こうとしている作業の見積もり時間を足して比べる。見積もりが空白を超えていれば、その計画は実現できない。超えていないのに終わらないなら、見積もりが甘いか、割り込みの余地を取っていないかのどちらかだ。

割り込みの余地は、経験的に1日の2割程度を空けておくと現実に合いやすい。会議が続く日ほどこの余地が要る。前の会議が延びる、資料の直しを頼まれる、といった小さな遅れが積み重なるのは、余地がゼロの日に限られる。

立てたスケジュールとの向き合い方についても、実務的な指摘がある。

脳をフル回転させて、スケジュールを立てる。スケジュールを立てたら、あとはその「忠実なる部下」になる。実行するときは疑わない。過去の自分に命令されているイメージでやることで、勉強も仕事もうまくいくはずです。 出典: note.com

立てるときと実行するときで頭の使い方を分ける、という考え方だ。実行中に順番を考え直すと、その判断そのものに時間が溶ける。迷いが出たら、立て直すのは見直しの枠に持ち込む。

移動時間とデッドタイムを予定として置く

スケジュールが崩れる原因で見落とされやすいのが移動時間だ。会議と会議の間が予定表では空いて見えるのに、実際には移動で埋まっている。この空白に作業を入れると、その日は初めから破綻している。

移動を予定として置く作業は、道具の側に助けがある。Macのカレンダーアプリでは、予定に場所を入れると出発すべき時刻の通知が設定され、予定の長さに移動時間を足すこともできる。

予定が始まる前にいると思われる場所、予定の場所、現在の交通状況や交通機関の状況に基づいて、出発すべき時刻の前、移動を開始すべき時刻、および予定に遅れているときに通知が届きます。 出典: support.apple.com

同じ案内には、場所を変えても移動時間は自動では更新されないこと、目的地まで3時間以上かかる予定には出発時刻の通知が送られないことも書かれている。仕組みに任せきりにせず、遠方の出張は自分で移動の枠を置くほうが確実になる。

移動を枠として置くと、予定表の見た目は埋まって窮屈になる。それでも置く価値があるのは、窮屈に見えている状態が実態に近いからだ。空いて見える予定表は気分こそ軽いが、その空白を前提に約束を重ねると、当日に全部が遅れる。予定表は計画を書く場所ではなく、使える時間がどれだけ残っているかを測る道具として扱うほうが実務に合う。

移動のほかにも、予定表に現れないのに時間を使っている作業がある。会議の前の資料の読み込み、終わったあとの議事のまとめ、日報、経費の精算。こうした付随作業を会議の本体とまとめて1つの枠にしておくと、後から探して差し込む手間が消える。会議が1時間なら、前後15分を足した枠で置く、という決め方が扱いやすい。

崩れたときに戻す方法を、立てる段階で決めておく

計画は崩れる。崩れないスケジュールを作ろうとするより、崩れた日に戻す方法を決めておくほうが実用的だ。

  • その日の残りを組み直さない: 崩れた直後に全部を並べ替えると、判断に時間を取られてさらに遅れる。動かせない予定だけ守り、残りは翌日に回す
  • 落とす作業を先に決める: 週の頭に、この週に入らなかったら外すものを1つか2つ決めておく。崩れた瞬間に何を落とすか迷わなくなる
  • 期限の連絡を早く出す: 間に合わないと分かった時点で伝えるほど選択肢が多い。前日に伝えるのと当日に伝えるのでは相手の打ち手が変わる
  • 見直しの枠で原因を1つだけ書く: 会議が延びた、見積もりが甘かった、割り込みが多かった。1つ書いて次の週の枠に反映する

この4つに共通しているのは、崩れた瞬間に判断を増やさないという発想だ。予定が崩れている時点で余裕はなく、そこで最善手を探し始めると遅れが二重になる。あらかじめ決めた落とし方をそのまま実行するほうが、結果としてその週の成果は大きくなる。

崩れた原因を毎回書くと、3週か4週で自分の癖が見える。見積もりが常に甘い人は、置く前に時間を1.5倍にするだけで合うようになる。割り込みが多い人は、割り込み専用の枠を午後に置くほうが効く。ここまで来ると、立て方のコツは他人の方法を真似することではなく、自分の実測に合わせることだと分かってくる。

ツールは紙とアプリのどちらでもよく、置き場所の統一だけが効く

立て方の話の最後に来るのがツールの選択だが、優劣の話ではない。紙の手帳は一覧性と書く速さに強く、アプリは共有と検索と通知に強い。おすすめの形は働き方で変わる。人と共有する予定が多いならアプリ、自分だけの作業計画なら紙でも回る。

ポイントは種類ではなく、置き場所を1つにすることだ。会議はGoogleカレンダー、作業は紙、締め切りは表計算ソフト、という状態だと、1日の全体像を見るために毎回3つの画面を開くことになる。その手間が続くと、そもそも見なくなる。見られない予定表は、立てていないのと同じになる。

パソコンで受け皿を用意するなら、他人からの招待が飛んでくる場所を母艦に決めて、そこへ他を接続する。Macで使うなら最初から入っているカレンダーアプリに母艦のアカウントを足す形で始められる。GoogleカレンダーはMac用のデスクトップアプリが配布されていないため、ブラウザで開くか、Macのカレンダーアプリに接続するかの2通りになる。

置き場所をまとめると、副次的な利点がいくつも付いてくる。過去の予定を検索できるようになるため、去年の同じ時期に何に時間を使っていたかを見て見積もりの根拠にできる。共有の設定を分けておけば、社内には中身を、社外には空いているかどうかだけを見せられる。通知が1か所から届くようになるため、会議の直前に別のアプリを開いて確認する手間も消える。紙の手帳を併用する場合は、紙を今日1日の作業リストに限り、予定そのものはアプリ側に置く形にすると二重管理になりにくい。

立て方を仕組みに寄せると、毎週の組み直しが短くなる

立て方の手順が固まると、次に効いてくるのは1回あたりの手間だ。動かせない予定を置く、作業を分解する、空白に差し込む、という流れは週に1回は必ず回る。ここで予定を1件入れるのに数十秒かかると、組み直しそのものが面倒になり、頭の中だけで済ませる方向に戻ってしまう。

Mac用のカレンダーアプリでどこまで扱えるのかはできることにまとまっており、1週間を組み立てる操作の流れは使い方で順に追える。予定を入れる手数を減らす考え方は予定の入れ方にあり、話し言葉のまま書いて日時を解釈させる方式は、回数の多い入力にそのまま効く。

移動時間を予定に持たせる扱いは移動時間に整理してある。会議と会議の間に移動が挟まる日が多い働き方なら、ここを先に整えるほうが効果が早い。複数の候補を機能と料金で見比べる段階に入ったら他のカレンダーとの比較が出発点になり、費用の形は購入で確認できる。導入前に出やすい細かい疑問はよくある質問にまとめてある。

動かせない予定を先に置く、作業は1回で終わる単位まで割る、移動と付随作業も枠にする、崩れたときの落とし方を決めておく。この4つを守れば、立て方の良し悪しは道具ではなく手順で決まるようになる。

よくある質問

仕事のスケジュールを立てるとき、最初に置くのは何ですか?

自分の意思では動かせない予定です。他人が参加する会議、客先への訪問、外から決まっている締め切り、決まった時刻に始まる作業を先に固定します。そのうえで残った空白に自分の作業を差し込むと、入り切らない分がその場で見えるため、期限の交渉や後回しの判断を早く出せます。

タスクをどこまで細かく分解すればよいですか?

1回の着手で終わる単位まで割るのが目安です。「提案書を作る」は大きすぎるため、構成を決める、数字を集める、図を作る、のように分けます。この大きさまで割ると40分程度の空白にも入れられるようになり、まとまった時間が空くまで手を付けられない状態を避けられます。

割り込みが多くて計画どおりに進みません?

1日の2割程度を空けておくと現実に合いやすくなります。会議が続く日ほどこの余地が必要です。崩れた日は、その日の残り全部を組み直さず、動かせない予定だけを守って残りは翌日へ回します。落とす作業を週の頭に1つか2つ決めておくと、判断で時間を取られません。

紙の手帳とカレンダーアプリはどちらを使うべきですか?

どちらが優れているかではなく、置き場所を1つにできるかで選びます。紙は一覧性と書く速さに強く、アプリは共有と検索と通知に強いです。他人と共有する予定が多いならアプリ、自分だけの作業計画なら紙でも回ります。会議と作業と締め切りが別々の場所にあると、見るために複数の画面を開くことになり続きません。

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