OutlookからGoogleカレンダーへインポートする|予定を移す順番
転職や部署の異動でOutlookからGoogleカレンダーへ移るとき、これまでの予定をどう持っていくかで詰まります。ファイルで書き出して読み込む方法は公式に用意されていますが、そのまま実行すると出席者が消え、毎週の定例がバラバラの単発の予定に変わります。ここでは、OutlookからGoogleカレンダーへインポートする正しい順番と、移らないデータの範囲、一度だけ移す場合と継続して同期する場合の使い分けまで順に見ていきます。
インポートの前に決めること
作業を始める前に、1つだけ決めておくことがあります。一度だけ移すのか、これから先も両方を使い続けるのかです。
一度だけ移す場合は、書き出しと読み込みで完結します。これから先も両方を使う場合は、読み込みでは足りません。読み込んだ予定はその時点のコピーなので、片方で変えても他方には反映されません。
OutlookのイベントをGoogleカレンダーに手動でコピーする方法(エクスポートやインポートなど)は、一度限りの転送には適していますが、継続的な管理には効率性や柔軟性に欠けます。 出典: onecal.io
Outlookを解約して完全にGoogleへ移るのか、会社のOutlookと私用のGoogleを併用するのか。ここが決まらないまま読み込むと、後から重複した予定を1件ずつ消す作業が発生します。
手順1 Outlook側で予定を書き出す
最初の作業はOutlook側です。公式のヘルプは、書き出しについて次のように案内しています。
Outlook カレンダーや Apple カレンダーなどのほとんどのカレンダー アプリケーションから予定を書き出すことができます。 出典: support.google.com
作業の流れは次の通りです。
- 予定が保存されているカレンダーのアプリを開きます。この作業はモバイルより、パソコンから行うほうが簡単です。
- 書き出すオプションを探します。
- ファイル形式を選びます。別のファイル形式を選べる場合はCSVを選びます。Appleのデバイスを使っている場合はvCardを選びます。
- ファイルは、パソコン上で通常ダウンロードが保存される場所、または書き出すときに選んだ場所に保存されます。
書き出しの画面の場所はOutlookの版によって違います。見つからない場合は、使っているアプリのヘルプセンターで「カレンダーを書き出す」と検索する形になります。
会社のアカウントを使っている場合は、書き出しそのものが制限されていることがあります。組織の管理者が設定を絞っているケースなので、書き出しのメニューが押せないときは管理者へ確認する順番になります。
手順2 Googleカレンダーへ読み込む
書き出したファイルができたら、Googleカレンダー側の作業に移ります。
- Googleカレンダーを開きます。
- 右上の設定アイコンから「設定」をクリックします。
- 左側のメニューで「インポート / エクスポート」をクリックします。
- 「パソコンからファイルを選択」をクリックし、書き出したファイルを選びます。ファイル名の末尾は「.ics」または「.csv」です。
- 読み込んだ予定を追加するカレンダーを選びます。指定しない場合は、予定はメインのカレンダーに入ります。
- 「インポート」をクリックします。
読み込み先のカレンダーは、先に新しいものを作っておくと安全です。メインのカレンダーへ直接入れると、もし内容が想定と違ったときに、どれが読み込んだ予定なのかを見分けられなくなります。左側の「他のカレンダーを追加」から「新しいカレンダーを作成」で1本作り、そこへ入れておけば、失敗しても丸ごと削除できます。新しいカレンダーはブラウザからのみ作成できる点に注意が必要です。
書き出したファイルが.zipの場合は、パソコンで.zipを開いて中身を取り出します。カレンダーごとに1つの.icsが入っているため、ZIPから1つずつ取り出して読み込みます。
移らないデータと、崩れるデータ
この作業でいちばん重要な注意点は、読み込んで移らないデータがあることです。
公式のヘルプは「予定を読み込んでも、予定のゲストと会議のデータは読み込まれません」と明記しています。つまり出席者の一覧と、Web会議のリンクは移りません。過去の予定を記録として残したいだけなら影響はありませんが、これから先の会議を移す場合は、出席者を手で追加し直す作業が残ります。
もう1つ崩れるのが繰り返しです。公式のヘルプは、.csvファイルから定期的な予定を読み込むと、カレンダーに定期的な予定として表示されず、1回限りの予定の連続として表示されることがあると案内しています。毎週の定例を50件の単発の予定として読み込むと、後から「時間を30分ずらす」という変更をかけるときに50件を1件ずつ直すことになります。繰り返しを維持したい予定は、ICS形式で書き出せるならそちらを選びます。
CSVを自分で作る場合、または読み込みでエラーが出た場合は、ヘッダーの形式を直せることがあります。必須のヘッダーはSubject(予定の名前)とStart Date(開始日)の2つだけで、残りは省略できます。任意のヘッダーはStart Time、End Date、End Time、All Day Event、Description、Location、Privateです。ヘッダーは英語で書く必要があり、説明のように本文にカンマを含める欄は、そのテキストを引用符で囲みます。
ICS形式を自分で編集する場合は、ファイルの先頭にBEGIN:VCALENDAR、最終行にEND:VCALENDARを置く形式です。その間に各予定をBEGIN:VEVENTとEND:VEVENTで囲んで並べます。VERSION:2.0やPRODIDといったヘッダー情報も先頭に必要です。
一度だけ移す場合と、これからも両方を使う場合
両方を使い続ける場合は、読み込みではなく購読という別の方法があります。
Googleカレンダー側には、一般公開されているカレンダーをURLから追加する機能があります。左側の「他のカレンダーを追加」から「URL で追加」を選び、公開済みのカレンダーのURLを入力する形です。ただし公式のヘルプは「Google 以外のカレンダーを登録することはできません」と、メールアドレスから登録する経路について注意を書いています。URLからの追加は相手のカレンダーが一般公開されている場合に限られるため、会社のOutlookの予定を公開してよいかという判断が先に必要です。
Outlook側にも同じ考え方の機能があります。Outlook.comまたはOutlook on the webでは、.icsファイルから既存の予定表にイベントをインポートするほかに、iCalの予定表をオンラインで購読して自動更新を受け取れます。ただし公式のヘルプは、この更新に24時間以上かかる場合があると注意しています。直前の変更を相手に見せる用途には向きません。
継続して両方を使う場合、実務でよく取られるのは、片方を本番にしてもう片方には空き情報だけを流す形です。予定の詳細は本番のカレンダーだけに入れ、もう片方には「予定あり」のブロックだけを置き換える方法です。どちらを本番にするかを決めないまま両方で予定を作ると、二重登録が積み上がります。
Googleアカウント同士で移す場合との違い
同じ「インポート」という言葉で、Googleアカウント同士の移行を探している人もいます。手順は似ていますが、書き出し側の制約が違うので押さえておきます。
Googleカレンダーからの書き出しには要件があります。公式のヘルプは、Googleカレンダーのアプリから書き出すことはできず、パソコンのGoogleカレンダーでのみ書き出せると案内しています。さらに、書き出すカレンダーに対して「予定の変更および共有の管理」の権限が必要です。職場や学校などの組織で使っている場合は、管理者によってエクスポートの設定が制限されていることがあります。
すべてのカレンダーをまとめて書き出す場合は、設定の「インポート / エクスポート」から「エクスポート」をクリックすると.zipがダウンロードされます。1本だけ書き出す場合は、左側の「マイカレンダー」で対象のカレンダーにカーソルを合わせ、「その他」から「設定と共有」を開き、「カレンダーをエクスポート」をクリックすると.icsが1つダウンロードされます。
注意点は、読み込んだ予定は2つのアカウント間で同期されないことです。同期させたい場合は、書き出して読み込むのではなく、自分のカレンダーをもう一方のアカウントと共有する方法を取ります。この違いは、Outlookからの移行でも同じ考え方が当てはまります。
移した後に確かめる4点
読み込みが終わったら、次の4つを確かめます。
- 件数が合っているか。書き出したファイルの行数と、読み込まれた予定の数を比べます。
- 日時がずれていないか。タイムゾーンの設定が違うと、全体が数時間ずれます。設定の全般でタイムゾーンを確かめます。
- 終日の予定が正しく入っているか。CSVのAll Day Eventの値がFalseになっていると、0時から始まる1分間の予定として入ることがあります。
- 繰り返しが維持されているか。定例が単発の連続に変わっていないかを1件開いて確かめます。
ずれが見つかった場合、読み込んだ先が専用のカレンダーなら丸ごと削除してやり直せます。メインのカレンダーへ入れてしまった場合は、1件ずつの削除になります。読み込み先を分ける手間は、この保険のためにかけるものです。
移した後に残るカレンダー側の課題
インポートが終わっても、予定が回るようになるとは限りません。移ったのは日時とタイトル、場所、説明だけで、移らなかったものがあるからです。
出席者と会議のリンクが移らないため、これから先の会議は自分で作り直すことになります。ここで手間が重いと、場所や通知を省略した予定が並びます。場所が空だと移動時間を計算できず、通知が既定のままだと出発に間に合いません。移行のタイミングは、この2つの欄を埋める習慣を作り直す機会でもあります。
登録の手間を下げる方法として、1行で予定を作る書き方があります。Googleカレンダーは「17:00 からテニスの練習」のような入力に対応していますが、場所や通知までは1行に含められません。Mac用のカレンダーアプリの側では、話し言葉と音声で予定を入れられる形に対応した製品もあります。「明日15時 商談 @渋谷 zoom 10分前に通知」と1行書くと、日時と場所と会議リンクと通知に分解される仕組みです。解釈の実例は予定の入れ方に並んでいます。
移行の直後は、予定の重なりも起きやすい時期です。両方のカレンダーを見ながら作業するため、片方にしか入っていない予定に気づかずに別の会議を入れてしまいます。予定の作成画面で重なりをその場で警告し、同じ長さの空き枠を提案する製品もあります。移動時間を場所から計算して移動のブロックを自動で作る動きは移動時間、機能の全体像はできること、接続と設定の手順は使い方に書かれています。
複数のアカウントを並行して使う期間があるなら、まとめて表示できるかどうかも確かめる点です。Macで使えるフル機能のカレンダーアプリ10本を3年間の総額で並べた一覧は他のカレンダーとの比較にあり、価格は購入、対応環境やデータの保存先はよくある質問に書かれています。
インポートは1回で終わる作業ですが、移らなかったデータの穴埋めは数週間続きます。最初に読み込み先のカレンダーを分け、出席者と会議のリンクが移らないことを前提に段取りを組んでおくと、やり直しが起きません。
よくある質問
OutlookからGoogleカレンダーへ予定を移すと出席者も移りますか?
移りません。公式のヘルプは「予定を読み込んでも、予定のゲストと会議のデータは読み込まれません」と明記しています。移るのは日時、タイトル、場所、説明などの範囲です。これから先の会議を移す場合は、読み込んだあとに出席者とWeb会議のリンクを手で追加し直す作業が残ります。過去の予定を記録として残すだけなら影響はありません。
毎週の定例はそのまま繰り返しの予定として移りますか?
CSVから読み込むと崩れることがあります。公式のヘルプは、.csvファイルから定期的な予定を読み込むと、カレンダーに定期的な予定として表示されず、1回限りの予定の連続として表示されることがあると案内しています。50回分が単発の予定50件になると、後から時間をずらす変更が1件ずつの作業になります。繰り返しを維持したいなら、ICS形式で書き出せるかを先に確かめます。
読み込み先はメインのカレンダーでよいですか?
専用のカレンダーを1本作ってから読み込むほうが安全です。メインへ直接入れると、内容が想定と違ったときに読み込んだ予定を見分けられず、1件ずつの削除になります。専用のカレンダーへ入れておけば、丸ごと削除してやり直せます。新しいカレンダーはパソコンのブラウザからのみ作成でき、左側の「他のカレンダーを追加」から「新しいカレンダーを作成」で追加します。
Outlookと両方を使い続ける場合もインポートでよいですか?
インポートは一度だけ移す作業に向いた方法です。読み込んだ予定はその時点のコピーで、片方で変えても他方へは反映されません。両方を使い続ける場合は、一般公開されたカレンダーのURLを追加する購読の形を検討します。ただしOutlook側で公開してよい内容かの判断が先に必要で、購読の更新には24時間以上かかる場合があります。