Itsycalの使い方|入れる前に決めておく4つの設定と順番

Itsycalの使い方を調べる人の多くは、すでにGoogleカレンダーに予定を入れていて、会議の合間に次の予定を確かめるたびにブラウザのタブを探しています。Itsycalはその確認をメニューバーのクリック1回に縮める道具ですが、入れただけでは予定が1件も出ない、祝日と共有カレンダーで一覧が埋まる、ノッチの陰に隠れて見当たらない、といった状態で止まりがちです。

この記事では、設定を触る順番を4つの手順に分けて並べます。順番に意味があるのは、Itsycalが自分ではアカウントを持たず、Macのカレンダーの設定をほぼそのまま受け継ぐ作りだからです。先にMac側を整えておけば、Itsycal側で迷う項目はほとんど残りません。

Itsycalが引き受ける範囲と、引き受けない範囲

公式サイトは、Itsycalを小さなメニューバーのカレンダーだと説明しています。作り手の案内ページには、自分のアプリは無料で、役に立ったなら寄付で支えてほしいと書かれています。ソースコードはMITライセンスで公開されており、2026年9月時点で公式の版履歴に載っている最新版は0.15.12、動作条件はmacOS 11以降です。それより古いmacOS向けには、0.14.1(macOS 10.14以降)などの旧版が同じページに残されています。料金の改定、提供の終了、配布の停止、運営者の変更にあたる告知は、公式サイトと版履歴のどちらにも見当たりません。

配布は公式サイトからのダウンロードで、Mac App Storeには出ていません。起動後の更新はアプリ内の更新機能が受け持ちます。画面の表記は英語で、ソースコードに含まれている翻訳はドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、韓国語、簡体字中国語の6つです。日本語の表記は用意されていないため、以下の設定項目も英語の名前で書きます。

引き受ける仕事ははっきりしています。

  • 時計の隣に月の格子を出し、その下に直近の予定を並べる
  • 予定の作成、場所の表示、ビデオ会議への参加ボタンを出す
  • メニューバーの日付と時刻の表示を、自分で決めた書式に置き換える

引き受けないのは、アカウントの接続、予定の同期、複数の予定を組み合わせて1日を組み立てる作業です。同期はmacOSのカレンダーが行い、Itsycalはその結果を読むだけです。予定がずれて見えるときに直す場所は、ほとんどの場合Itsycalではなく、Macのカレンダーの側にあります。

手順1:先にMacのカレンダー側を整える

Itsycalに表示されるのは、Macのカレンダーに登録されているカレンダーだけです。公式のヘルプにもそう書かれています。

Itsycal can display events from calendars you have set up in the Mac Calendar app. 出典: mowglii.com

Googleカレンダーを見たいなら、まずMacのカレンダーのメニューから「アカウントを追加」を選び、Googleのアカウントを接続します。ここで見落としやすいのが、他人から共有されたカレンダーや、代理で管理しているカレンダーです。Itsycalのヘルプは、代理のカレンダーは直接は表示できないと明記したうえで、Googleのカレンダーであれば、Googleカレンダーの同期設定のページで表示したいカレンダーを選んで保存すれば、Macのカレンダーに普通のカレンダーとして降りてきて、Itsycalにも出ると案内しています。共有カレンダーがMac側に出ていないなら、Itsycalの設定をいくら触っても出てきません。

もう1つ、Mac側で決めておくべきなのが新しい予定の入り先です。Itsycalから予定を作ると、Macのカレンダーの設定の「一般」で指定したデフォルトのカレンダーに入ります。0.15.11以降は、予定の長さもMacのカレンダーの既定値に合わせるようになり、それより前の版では常に1時間でした。通知の既定値も同じくMac側の設定を参照します。仕事の打ち合わせを入れるつもりが個人のカレンダーに落ちる、という事故は、Itsycalではなくこの既定値で決まります。社外と予定を合わせるアカウントを既定にしておくのが安全です。

Macのカレンダーの更新間隔もここで確認しておきます。Itsycalは読み取った内容を表示するので、Mac側の更新が遅ければ、メニューバーの一覧も同じだけ遅れます。すぐに確かめたいときは、Itsycalを開いて Option と Command と R を押すと予定を読み直せます。

手順2:表示するカレンダーを選ぶ

初回起動時にmacOSが尋ねるカレンダーへのアクセスを許可したら、カレンダーの下にある歯車のアイコンから Settings を開き、General のタブを選びます。Macのカレンダーに登録されているカレンダーが一覧で並んでいるので、Itsycalで追いかけたいものにだけチェックを入れます。

チェックを入れる基準は、そのカレンダーの予定を見て自分が動くかどうかです。

  • 入れる:自分の仕事の予定、自分が出る会議が入る共有カレンダー
  • 外す:誕生日、購読している祝日、他部署の予定表、家族の習い事の当番表

外したカレンダーはMacのカレンダーからは消えず、Itsycalの一覧に出なくなるだけです。祝日は月の格子で色が付いていると便利に感じますが、一覧の上を毎日1行ずつ占めるので、次の会議を探す手間が増えます。

同じタブでは、週の始まりの曜日も変えられます。既定では地域の慣習に従い、米国なら日曜始まり、多くの国では月曜始まりになります。月曜始まりに揃えたい場合は First day of week を切り替えます。

Appearance のタブには、予定のない日も一覧に薄く表示する設定があります。予定が詰まっている週は切っておき、空いた日を探したい週だけ入れる、という使い分けができます。場所の表示は、Itsycalを開いた状態でピリオドのキーを押すと出し入れでき、設定画面を開く必要はありません。

手順3:メニューバーの表示を決める

メニューバーの表示は、アイコンと文字の2つの部品でできています。既定では日付の数字が入った小さな四角のアイコンだけが出ます。Appearance のタブで、月と曜日を足す、枠線だけのアイコンに変える、一般的なカレンダーの絵に変える、といった選択ができます。

文字のほうは、日付と時刻の書式を書き込むと、アイコンの右に表示されます。書式は記号の組み合わせで、たとえば「E h:mm」と書けば曜日と時刻が出ます。書式を入れた場合に限りアイコンを隠す設定が選べるので、アイコンを消して文字だけにすれば、macOS標準の時計の代わりとして使えます。文字は標準の時計と同じ書体で描かれるため、並べても浮きません。

置き場所は、Command キーを押しながらドラッグすれば動かせます。公式のヘルプは右寄りに置くことを勧めていて、理由は、メニューバーの項目が増えたときにmacOSが入りきらない新しい項目を何の表示もなく隠すためです。文字を長くするほど幅を取るので、ノッチのあるMacでは曜日と時刻程度に留めておくほうが、他の常駐アプリと場所を取り合いません。

文字サイズは Appearance のタブにあるスライダーで3段階から選べます。表示できる月の数は最大2か月で、格子の週の行数は、カレンダーの下のつまみをドラッグするか、Control と J、Control と K で増減できます。

手順4:キーボードで開けるようにする

メニューバーの小さな的を毎回ポインタで狙っていると、ブラウザのタブを探すのと手間が変わりません。General のタブの Keyboard shortcut の欄に、Itsycalを開くキーの組み合わせを登録しておくと、作業中の画面から手を離さずに次の予定を確かめられます。

開いたあとの移動もキーボードで完結します。ヘルプに載っている主な操作は次のとおりです。

操作 キー
前後の日へ移動 H と L(Shift と左右の矢印でも可)
前後の週へ移動 K と J
前後の月へ移動 Shift と H、Shift と L
今日に戻る スペース
日付を指定して移動 Shift と Command と T
開いたままにする P
新しい予定を作る Command と N
参加できる会議に入る Command と J

移動のキーの前に数字を打つと、その回数だけ進みます。「2」「1」「L」と押せば21日先に移動します。2週間後の水曜が何日かを確かめる、といった用途ではマウスより速くなります。

会議への参加ボタンは、既定では開始の15分前に有効になり、会議の終了とともに無効になります。Command と J はこの有効なボタンのうち一覧の最初のものを押すのと同じ動きなので、開くキーと組み合わせれば、会議の直前にキーを2回押すだけで参加できます。Zoom、FaceTime、Jitsi などの会議URLを予定の中から見分けます。

P で開いたままにしておくと、他のアプリに切り替えても一覧が閉じません。1日の予定を横に置いたまま資料を作る日に向いた使い方ですが、閉じ忘れると画面の一部を占め続けるので、終わったらもう一度 P で戻します。

1日のどこで開くかを決めておく

設定を終えたあと、使われなくなるかどうかは、開く場面が決まっているかで分かれます。Itsycalには、決まった場面のために用意された機能がいくつかあり、どれも見落とされがちです。

朝の確認では、予定のない日も表示する設定を入れて、今週の空いている日を一覧で見ます。予定のない日が薄い色で並ぶので、週の途中で差し込める日がスクロールせずに分かります。

期限の計算には # のキーが使えます。格子で日付を選んで # を押すと、今日から何日離れているかと、その日が年の何日目かが左上に出ます。ヘルプ自身が「まったく役に立たないが、ときどき驚くほど役に立つ」と書いている機能で、請求書の支払期限や契約の更新日まで何日あるかを確かめる場面では、暗算より確実です。移動のキーに数字を付けて「3」「0」「L」と押せば30日後の日付に飛べるので、逆向きの計算もできます。

別のアプリからItsycalを特定の日付で開くこともできます。「itsycal://date/2026-10-01」の形のURLを開くと、その日が選ばれた状態でItsycalが開き、日付の代わりに now と書けば今日を開きます。メモやタスク管理のアプリに締め切りの日付と一緒にこのURLを貼っておくと、その週の予定の詰まり具合を1クリックで確かめられます。

時間の感覚を取り戻したい日には、General のタブにある Beep beep on the hour を入れると、毎時ちょうどに小さな音が鳴ります。集中して作業していると次の会議までの残りを見失う人向けの機能で、音は、ライブラリ内の Application Support にある Itsycal 用のフォルダへ beep.mp3 という名前のファイルを置けば差し替えられます。

設定画面に出ていない項目もあります。版履歴には、ターミナルで設定値を書き込むと有効になる機能が載っています。一覧の予定にポインタを載せるだけで詳細を出す設定と、会議の参加ボタンを開始前後に限らず常に有効にしておく設定です。後者は、毎週同じ会議室のURLに入る人に向いています。どちらも書き込んだ値を戻せば元の動きに戻りますが、画面から確認できない設定なので、何を変えたかを控えておくほうが後で迷いません。

手順を終えても残る詰まり

4つの手順が済むと、次の予定がどこにあるかを探す時間はほぼなくなります。それでも会議と移動と作業時間のやりくりが回らないなら、詰まりは見ることではなく、別の2か所にあります。

1つは入れる手前です。打ち合わせの途中や移動中に決まった予定を、その場で入れられずに後回しにし、そのまま落とす形です。Itsycalの新規作成は、題名、日時、通知、メモ、URLなどの欄を埋める入力画面なので、急いでいる場面の手数はそれほど減りません。一文で伝えるように予定を入れられるか、話し言葉と音声で予定を入れられるかが分かれ目で、流れは予定の入れ方にまとめてあります。

もう1つは予定と予定のあいだです。別々の場所の打ち合わせが背中合わせに並んでいても、メニューバーの一覧は整った1日として表示します。移動に必要な時間は表示からは出てこないため、予定そのものに移動を持たせる考え方が要ります。移動時間ではその組み立て方を扱っています。

どちらが自分の詰まりかは、1週間分の予定を振り返ると判断できます。入っていなかった予定が多ければ入力、入っていたのに間に合わなかった予定が多ければ並びの問題です。Mac用のカレンダーアプリがこの2つをどう分担しているかは他のカレンダーとの比較に、個別の仕様はできることよくある質問に整理されています。

よくある質問

Itsycalは無料ですか?

公式サイトの案内では、作り手のアプリは無料で、役に立ったと感じた人が寄付をする形になっています。ソースコードはMITライセンスで公開されています。2026年9月時点で、有料版の追加や料金の改定、提供終了の告知は公式サイトに出ていません。

Googleカレンダーの予定がItsycalに出ないのはなぜですか?

Itsycalは自分でGoogleに接続せず、Macのカレンダーに登録されたカレンダーを読みます。まずMacのカレンダーにGoogleのアカウントを追加し、Itsycalの設定の General で表示したいカレンダーにチェックを入れてください。共有や代理のカレンダーは、Googleカレンダーの同期設定で選んでおく必要があります。

Itsycalから作った予定はどのカレンダーに入りますか?

Macのカレンダーの設定の「一般」で指定したデフォルトのカレンダーに入ります。Itsycal側に入り先を決める設定はありません。0.15.11以降は予定の長さの既定値もMacのカレンダーに合わせるため、入り先と長さはMac側で一度決めておくのが確実です。

決まった日付でItsycalを開く方法はありますか?

あります。「itsycal://date/」のあとに年月日を「2026-10-01」の形で付けたURLを開くと、その日付を選んだ状態でItsycalが開きます。日付の代わりに now と書けば今日です。開いたあとは Shift と Command と T で別の日付にも移動できます。

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