グーグルカレンダーを共有したくないとき|見せない設定の順番
グーグルカレンダーを共有したくないと感じる場面は、たいてい3つのどれかです。共有を解除したいのに設定の場所が分からない、共有はしたいが予定の中身までは見せたくない、そして共有した覚えがないのに相手の画面に自分の予定が並んでいる。この3つは対処する場所が違うので、どれに当たるかを先に見分けると回り道が減ります。
設定ミスをして意図しない相手にGoogleカレンダー内の情報を共有すると、思わぬ危険を招く恐れがあるので注意が必要です。 出典: schecon.com
この記事では、見えてしまう経路の洗い出し、権限ごとに実際に見える範囲、予定1件ごとの非公開で残るもの、そして共有を解除するときの注意の順に整理します。
共有していないのに相手の画面に出ている経路
共有の設定を開いて誰も登録されていないのに、予定が見えていると言われることがあります。共有はカレンダー単位の設定だけで起きるものではなく、いくつかの経路があります。
1つ目は招待です。予定に相手を招待すると、その予定は相手のカレンダーに並びます。Googleカレンダーヘルプは、招待した相手が自分のカレンダーを他の人と共有している場合、その人たちも招待された側のカレンダー上でその予定の詳細を見られると説明しています。自分のカレンダーの共有設定を締めても、招待した先の共有設定は自分では変えられません。
2つ目は会議室などのリソースです。同じヘルプは、予定が初期の公開設定のまま会議室やその他のリソースを予約した場合、そのリソースのカレンダーを見られる人も予定の詳細を見られると書いています。社内の誰でも会議室のカレンダーを開ける環境では、件名がそのまま読まれます。
3つ目は組織の既定です。仕事や学校のアカウントの場合、共有できる範囲は管理者が決めています。ヘルプは、カレンダーが仕事や学校のものなら共有できるかどうかは管理者が決めると明記しています。自分が何も設定していなくても、組織の初期設定として社内に空き時間が見えている状態はあり得ます。
4つ目は一般公開です。過去に一度でも一般公開にしたカレンダーは、外部のサイトに埋め込まれていたり、他のアプリから照会され続けていることがあります。ヘルプは、一般公開したカレンダーについて、ウェブサイト上で見つけられ、そのサイトが検索の対象になっていれば検索結果にも出ること、他のアプリケーションと同期できること、Googleカレンダー内で照会して見られることの3つを挙げています。公開をやめても、すでに埋め込まれたページや照会の設定が残っていれば、相手側の画面にはしばらく残ります。
経路を洗うときは、この4つを順番に確かめます。共有の欄に誰もいないことを確認しただけで終えると、招待とリソースの2つが手つかずのまま残ります。実際に「共有した覚えがない」という相談の多くは、この2つのどちらかです。
権限の5段階で実際に見えるもの
共有を続けながら中身を隠したい場合は、権限を選び直すのが最短です。Googleカレンダーヘルプが挙げている5段階と、そこで相手に見えるものを並べます。
| 権限 | 相手に見えるもの |
|---|---|
| 空き時間のみを表示(詳細を非表示) | 空いているか埋まっているかだけ。予定やタスクの名前と詳細は見えない |
| 予定の表示 | 予定の名前、時刻、場所、説明など、すべての詳細 |
| 予定の変更(非公開の予定は空き時間として表示) | 非公開でない予定は編集できる。非公開の予定は編集できない |
| 予定の変更および管理権限なしの共有 | カレンダー上の予定を編集でき、他に誰と共有しているかも分かる |
| 予定の変更および共有の管理 | 予定を全面的に扱えて、他の人へ共有することもできる |
3段目の挙動が細かく決まっています。ヘルプによると、非公開の予定が「予定あり」になっている場合は、詳細のない埋まった枠として相手のカレンダーに出ます。非公開の予定が「予定なし」になっている場合は、相手のカレンダーには表示されません。編集を任せたい相手がいるが中身は見せたくない、という条件に当てはまるのはこの段です。
読み取り権限の側にも同じ考え方があります。GoogleカレンダーのAPIの資料は、読み取り権限を持つ相手には非公開の予定が表示されるが、予定の詳細は隠されると説明しています。5段階のどれを選んでも、埋まっている時間そのものは相手に伝わります。予定があることまで隠したい場合は、そのカレンダーを共有の対象から外すしかありません。
予定1件ごとに非公開にする手順
カレンダー全体の共有は維持したまま、特定の予定だけを隠す方法があります。
手順は、予定を開いて編集に入り、公開設定の項目から選び直して保存する流れです。選べるのは、既定の公開設定、公開、非公開の3つです。開始と終了の時刻があるタスクも同じで、タスクを開いて詳細設定から同じ3つを選べます。
ここで注意が要るのは、カレンダー全体の設定と予定ごとの設定の優先順です。ヘルプは、カレンダーを一般公開にしている場合、公開設定を変えても、開始と終了の時刻がある予定やタスクのすべての詳細が見られると明記しています。つまり一般公開のカレンダーでは、予定を非公開にしても効きません。順序としては、一般公開を先に解除し、そのうえで予定ごとの設定を使います。
逆の組み合わせは有効です。ヘルプは、カレンダーを全員に対して「予定なし」または「予定あり」だけ表示する設定にしている場合でも、別の公開設定を割り当てた相手には予定の詳細が見えることがあり、個々の予定の範囲を絞るには予定を非公開にするよう案内しています。全体を空き時間だけにしても、個別に詳細を許可した相手には見えるということです。
タスクの既定は予定より締まっています。開始と終了の時刻があるタスクは、カレンダーを共有していても、編集権限を渡していなければ非公開のまま保たれます。「予定あり」に設定すると相手に見えるようになりますが、編集権限がなければ中身は隠されます。
非公開にしても残る3つの情報
予定を非公開にしたあとで、それでも相手に伝わるものがあります。ここを知らないまま非公開だけを頼りにすると、意図と結果がずれます。
Googleカレンダーヘルプは、ゲストを招待した場合や会議室を予約した場合、予定を非公開に設定しても一部の詳細が他の人に見えることがあるとして、3つを挙げています。予定の開始時刻、予定の終了時刻、そして予定の作成者です。件名と説明は隠れますが、いつからいつまで、誰が入れたのかは残ります。
APIの資料も同じ線を引いています。非公開の予定は、その予定の参加者だけが詳細を見られると定義されています。参加者に含めた相手には、非公開にしても中身が見えます。隠したい相手が参加者の中にいるなら、非公開の設定では足りません。
もう1つ、規格の側の前提も知っておくと判断が早くなります。カレンダーのデータをやりとりする RFC 5545 は、公開の区分を表す CLASS という項目について、PUBLIC と PRIVATE と CONFIDENTIAL の3つを定め、初期値は PUBLIC としています。そのうえで、この区分は受け取った側のシステムに対する強制力を持つものではなく、作成者の意図を表すものだと書いています。書き出したファイルを別のアプリが読み込んだとき、非公開の印がどう扱われるかは受け取る側の作り次第です。
繰り返しの予定は1回だけ非公開にできない
毎週の定例のうち1回だけ中身を隠したい、という調整は思ったように効きません。
GoogleカレンダーのAPIの資料は、繰り返しの予定の1回分の公開設定を変えると、その系列のすべての回に影響することがあると説明しています。より厳しい方向へ変えた場合、たとえば公開から非公開へ変えた場合は、すべての回に適用されます。より緩い方向へ変えた場合、たとえば非公開から公開へ変えた場合は、その変更は無視されます。緩める側の変更を効かせたいときは、繰り返しの親の予定を直すことになります。
この挙動は実務上の副作用を生みます。系列の1回だけ内容が機密性の高いものになったので非公開にした、というつもりの操作が、過去と未来のすべての回を非公開に変えることがあります。共有相手から見ると、先週まで件名が見えていた定例が一斉に空白の枠になります。
避け方は単純で、1回だけ扱いを変えたい回は、系列から切り離して単発の予定として作り直すことです。系列そのものは触らずに残し、例外の回を別の予定にします。手間は増えますが、他の回の見え方を巻き込みません。
共有を解除する手順と、反映までの時間
解除の操作は、カレンダーの一覧から入ります。マイカレンダーの一覧で対象のカレンダーの横にあるメニューから、設定と共有に進みます。
相手別の解除は、共有の欄で、外したい人やグループの横にある削除を押します。一般公開の解除は、予定のアクセス権限の欄にある一般公開して誰でも利用できるようにする設定をオフにします。組織内への公開は、同じ欄にある組織名の設定をオフにします。
ここで押さえておきたいのが反映までの時間です。Googleカレンダーヘルプは、この変更が通常は数分で済むものの、反映までに最大4時間かかる場合があると書いています。解除した直後に相手の画面から消えていなくても、設定の失敗とは言い切れません。急いで戻したり設定を何度も切り替えたりすると、どの操作が効いたのか分からなくなります。
操作できる場所にも制限があります。同じヘルプは、Googleカレンダーの共有設定はパソコンからのみ編集でき、モバイルアプリでは編集できないと明記しています。外出先で共有を止めたい場面では、ブラウザでパソコン向けの画面を開く必要があります。
もう1点、新しく作る予定の扱いです。ヘルプは、設定を変えない限り、新しい予定はカレンダーの既定の設定に従うと説明しています。既定が公開になっているカレンダーでは、これから作る予定も誰でも見られる状態で入ります。過去の予定を1件ずつ直す前に、既定を直すほうが効果が持続します。
見せたくないものはカレンダーを分ける
ここまでの設定を全部覚えて運用するより、確実で手数が少ない方法があります。見せたくない予定を、共有していない別のカレンダーへ分けることです。
Googleカレンダーヘルプも、複数のカレンダーを持って相手ごとに共有を分ける形を挙げており、全員に共有する公開のカレンダーと、自分だけが見られるカレンダーを併せ持つ例を示しています。共有していないカレンダーの予定は、一般公開もしていなければ他の人と共有されず、自分にだけ見えます。権限の組み合わせを都度判断するより、入れる場所で決まる仕組みのほうが間違いが起きません。
問題は、分けた瞬間に画面が不便になることです。仕事用と私用でカレンダーを切り替えて見る作り方だと、空いている時間の判断をまたいで行えなくなります。Mac用のカレンダーアプリの中には、複数のアカウントのカレンダーを1つの週として重ねて表示できるものがあります。表示は1枚のまま、共有の設定はカレンダーごとに分けられるので、分離の面倒さが表に出ません。表示の作りはできることにまとめています。
分けたうえで、相手に空き時間だけを渡す手段も用意しておくと、共有そのものを頼まれる回数が減ります。予約ページのように、カレンダーから計算した空き枠だけを見せる仕組みなら、カレンダーの権限を触らずに日程だけ決められます。組み立ての順番は使い方、他のアプリとの違いは他のカレンダーとの比較で整理しています。
よくある質問
共有を解除したのに相手の画面から消えません。設定が失敗していますか?
すぐに断定はできません。Googleカレンダーヘルプは、共有の変更が通常は数分で反映されるものの、最大4時間かかる場合があると説明しています。時間をおいて確かめる前に設定を何度も切り替えると、どの操作が効いたのか分からなくなります。
予定を非公開にすれば相手には何も見えなくなりますか?
なりません。ゲストを招待した場合や会議室を予約した場合、予定の開始時刻と終了時刻、作成者は残ると説明されています。件名と説明は隠れますが、埋まっている時間そのものは伝わります。参加者に含めた相手には詳細も見えます。
毎週の定例のうち1回だけ非公開にできますか?
そのままでは難しい操作です。1回分を非公開に変えると、より厳しい方向の変更として系列のすべての回に適用されると説明されています。1回だけ扱いを変えたいときは、その回を系列から切り離し、単発の予定として作り直すのが確実です。
スマートフォンから共有を止められますか?
止められません。Googleカレンダーの共有設定はパソコンからのみ編集でき、モバイルアプリでは編集できないと明記されています。外出先で急いで止めたい場合は、スマートフォンのブラウザでパソコン向けの表示に切り替えて操作することになります。