Macのメニューバーのカレンダー|次の予定をすぐ見る
Macのメニューバーにカレンダーを出したい、という要望のほとんどは「日付を知りたい」ではない。次の会議が何時からなのか、いま手を止めるべきなのかを、アプリを切り替えずに確かめたいという話である。ブラウザとエディタを行き来しているときに、カレンダーアプリをわざわざ前面に出す動作が、1日に何度も挟まっているとつらい。
結論を先に書く。メニューバーの表示を足すだけなら無料のアプリで足りる。有料に踏み込む理由になるのは、予定を「見る」ではなく「入れる」「組み直す」側であって、メニューバーに出す機能そのものではない。この記事では、標準のmacOSでできる範囲を確かめたうえで、無料と有料の境目がどこに引かれているかを、各社が公開している条件から並べる。
メニューバーに常駐させたい需要はどこから来たのか
Windowsではタスクバーの時計をクリックすると月のカレンダーが開く。macOSのメニューバーの時計は、クリックしてもカレンダーは開かない。日付と時刻の表示形式はコントロールセンターの設定で切り替えられるが、そこから予定の一覧が出てくるわけではない。この差が、メニューバー型のアプリが長く使われている理由になっている。
macOS側でも見る手段は増えている。通知センターにカレンダーのウィジェットを追加すれば、今日の予定を一覧で確認できる。デスクトップにウィジェットを貼ることもできる。ただしどちらも、表示させるための操作が1つ挟まる。デスクトップのウィジェットはウインドウの裏に隠れるので、作業中はほぼ見えない。メニューバーは常に最前面にある唯一の帯なので、そこに出したいという要望に代わりが用意されていない状態が続いている。
価格帯を先に押さえておくと判断が早い。メニューバーの表示に絞ったアプリは無料か買い切りで、定額のものはカレンダーアプリ本体の機能に含まれる形になっている。無料で0円、買い切りが数千円、定額は月あたり834円前後という3層に分かれる。この層の違いは機能の多さではなく、どこまでを1つのアプリで済ませるかの違いである。
標準のカレンダーアプリでできることと、その限界
メニューバーの話に入る前に、標準のカレンダーアプリがどこまで面倒を見てくれるのかを確かめておきたい。ここを知らないままアプリを足すと、すでにある機能に重ねてしまう。
予定の追加は、自然言語で書ける。ツールバーのプラスをクリックして「2月6日にパーティ」「土曜日の午前11時から午後1時までサッカーの試合」のように書くと、日付と時刻が解釈される。「朝食」や「朝」と書けば午前9時開始、「ランチ」や「昼」で正午、「夕食」や「夜」で午後7時開始になる、という語の解釈まで用意されている。
「カレンダー」で自然言語を使って名前やその他の予定詳細を入力して予定をすばやく作成します。 出典: support.apple.com
場所を入れると地図と天気が付き、目的地に間に合う出発時刻に通知が出る。ただし条件がある。到着までに3時間以上かかる予定では、出発時刻の通知は送られない。現在地の判定に位置情報サービスを使うので、それを切っていると出発時刻の通知も出ない。
限界は2つある。1つは、いま書いた機能が全部、カレンダーアプリを前面に出さないと使えないこと。もう1つは、移動時間の追加がポップアップメニューからの選択で、自分で調べた分数を当てはめる作業になることである。メニューバー型のアプリが解くのは前者だけで、後者は別の問題として残る。
無料で使えるメニューバーのカレンダー
無料の選択肢は2つに絞ってよい。どちらも標準のカレンダーアプリが読んでいるアカウントをそのまま参照するので、Googleカレンダーを標準アプリに繋いでいれば設定は追加で要らない。
Itsycalは小さなメニューバーのカレンダーで、macOS 11以降で動く。メニューバーの時計の代わりとして表示させる設定があり、文字の大きさを変えられる。2か月のカレンダーを同時に並べる表示もある。予定の作成と表示に加えて、オンライン会議への参加もここから行える。
Menu Bar CalendarはApp Storeで配布されていて、広告が入らない。日付をクリックするとカレンダーアプリかGoogleカレンダーでその日を開く。キーボードやトラックパッドの操作で月と年を送れる。特定の日に予定を作ることもできる。注意したいのは対応するmacOSの条件で、最新の1.7.1はmacOS 26以降が必要になる。macOS 15なら1.6.2、macOS 14なら1.4.1、macOS 13なら1.2.0という形で、古いOSには古いバージョンが用意されている。
このアプリを使うと、下の画像のようにMacのメニューバーから簡単にカレンダーを確認することができます! 出典: note.com
導入の手順はどちらも短い。App Storeか配布元からインストールすると、メニューバーにアイコンが出る。アイコンをクリックするとカレンダーが開く。ここで終わる用途なら、無料のまま何年も使い続けられる。
買い切りと月額のものは何が違うのか
有料側は、メニューバーの表示が目的ではなく、カレンダーアプリを丸ごと置き換える製品になっている。料金は各社の公開ページで次のようになっている。
Datoは同じ作者のアプリで、App Storeでの買い切りで、以後の更新が含まれる。メニューバーに時計と複数の地域の時刻を表示し、クリックするとカレンダーと今後7日間の予定が並ぶ。会議の開始を全画面の通知で知らせる機能と、次のビデオ会議にキーボードショートカットで入る機能がある。対応するビデオ会議のサービスは50を超える。標準のカレンダーアプリが扱えるアカウント、つまりiCloud、Google、Outlookをそのまま読む。
Fantasticalは無料の階層があり、有料は個人向けが年払いで月あたり834円、家族向けが月あたり1,167円で最大5人、チーム向けが1人あたり月額834円である。いずれも14日間の無料体験が付く。BusyCalは買い切りで49.99ドル、14日間の無料体験があり、macOS 12.0以降で動く。Setappの契約に含まれる形でも使える。
| 種類 | 料金 | メニューバーの役割 | 向く使い方 |
|---|---|---|---|
| 無料のメニューバー型 | 0円 | これが本体 | 標準アプリを使い続けたい |
| 買い切りのメニューバー型 | 数千円 | 本体と会議の通知 | 時差のある相手が多い |
| 月額のカレンダー本体 | 月額834円前後 | 付属機能の1つ | カレンダーを置き換えたい |
並べると分かるのは、月額のものにメニューバー表示が付いているからといって、そこを目当てに契約する理由は薄いという点である。表示だけなら無料で同じことができる。
表示されないときに最初に見る場所
メニューバー型のアプリを入れたのに予定が並ばない、という詰まり方は起こりやすい。原因はほぼ3つに分かれるので、上から確かめれば数分で切り分けられる。
1つ目はカレンダーへのアクセス許可である。メニューバー型のアプリは自前で予定を持たず、標準のカレンダーアプリのデータを読む。初回起動時のアクセス許可を取り消していると、カレンダーは開くのに予定の行が空のままになる。システム設定のプライバシーとセキュリティにあるカレンダーの項目で、そのアプリが許可されているかを見る。
2つ目は標準のカレンダーアプリ側の表示設定である。カレンダーリストでチェックを外したカレンダーは、メニューバー型のアプリからも消える。Googleアカウントを追加したのに仕事の予定だけ出てこない場合は、Google側で作った個別のカレンダーがチェックされていないことが多い。Googleカレンダーの画面で非表示にしているカレンダーは、標準アプリに同期されない場合もあるため、Googleカレンダーの設定画面から同期の対象を確かめる。
3つ目は同期の間隔である。標準のカレンダーアプリは、アカウントごとに決められた間隔でサーバーに問い合わせる。設定で「手動」になっていると、自分で更新するまで新しい予定は届かない。ウェブのGoogleカレンダーには出ているのにMacに出てこないときは、この設定が原因である場合が多い。
この3つを確かめてもまだ空なら、アプリを疑う前に標準のカレンダーアプリを前面に出して、そこに予定が並んでいるかを見る。標準アプリに並んでいなければ、メニューバー型のアプリを入れ替えても直らない。
選ぶときに見るのは4点だけ
比較記事に並ぶ機能一覧は長いが、メニューバーに常駐させる用途で効く条件は次の4つに絞られる。
- 対応するmacOSのバージョン。手元のOSで動く最新版がどれかを先に見る
- メニューバーに何を表示するか。日付だけか、次の予定の名前と時刻まで表示するか
- 時計を置き換えるか、時計の横に増やすか。メニューバーの幅は有限で、アイコンが多い人は置き換える側が要る
- 予定をここから作れるか。見るだけで足りるのか、入れる場所も兼ねたいのか
3つ目は見落とされやすい。MacBookのノッチがある機種では、メニューバーに並べられるアイコンの数が減っている。常駐アプリが多い環境では、時計を置き換える設定があるかどうかで使えるかが決まる。
4つ目の答えが「入れる場所も兼ねたい」なら、メニューバー型のアプリだけでは足りない。無料のアプリにも予定を作る機能はあるが、作れるのはタイトルと日付の範囲で、場所や移動時間まで含めて組み立てる用途は想定されていない。
予定を見る手間が消えても、当日が崩れる理由
メニューバーに次の予定が出るようになると、確認の手間は確かに消える。それでも当日の予定が崩れるなら、原因は見る側ではなく入れる側にある。
崩れ方はほぼ決まっている。会議と会議の間に移動が挟まっているのに、移動が予定として存在しない。存在しないので、次の会議の開始時刻までが空いているように見えて、そこに別の用事が入る。当日になって移動できないことに気づく。標準のカレンダーアプリには移動時間を足す欄があるが、ポップアップから分数を選ぶ形なので、急いでいるときに省略される。
省略される理由は入力の手数である。1件の予定を入れるのにタイトル、開始と終了、場所を順に埋めていると、移動の1件を足す気力が残らない。Mac用のカレンダーアプリで話し言葉と音声で予定を入れられる形にしておくと、3件を入れる手間が1件を入れるのと変わらない水準に近づく。手数が下がった結果として、省略されていた移動が予定として残るようになる。
具体的な入力の流れは予定の入れ方で扱っている。会議と会議の間の移動を予定に組み込む方法は移動時間にまとめてある。メニューバーに表示できる内容や表示の切り替えを含めた機能の範囲はできること、標準のカレンダーや他のアプリとの違いは他のカレンダーとの比較で確かめられる。料金の条件は購入、動作の前提はよくある質問にある。
判断の順番としては、まず無料のメニューバー型を1つ入れて、確認の手間が消えるかを見る。それで足りればここで止まる。止まらなかったとき、つまり予定を入れる側が詰まっていると分かったときに、有料の選択肢を見る。この順番なら、表示のために月額を払う事故は起きない。
よくある質問
無料のメニューバーのカレンダーで十分ですか?
次の予定と日付を確認したいだけなら十分です。ItsycalとMenu Bar Calendarはどちらも無料で、標準のカレンダーアプリが読んでいるアカウントをそのまま表示します。有料に移る理由になるのは、予定を入れる手間や移動時間の扱いで詰まっている場合で、メニューバーに表示する機能そのものではありません。
メニューバーの時計をクリックしてもカレンダーが出ないのはなぜですか?
macOSのメニューバーの時計に、カレンダーを開く動作が用意されていないためです。日付や時刻の表示形式はコントロールセンターの設定で変えられますが、そこから予定の一覧は開きません。月のカレンダーを表示したい場合は、メニューバーに常駐するアプリを足すか、通知センターのウィジェットを使うことになります。
古いmacOSでも使えますか?
使えますが、入れるバージョンを選ぶ必要があります。ItsycalはmacOS 11以降で動きます。Menu Bar Calendarは最新の1.7.1がmacOS 26以降で、macOS 15には1.6.2、macOS 14には1.4.1、macOS 13には1.2.0が用意されています。BusyCalはmacOS 12.0以降が条件です。
Googleカレンダーの予定もメニューバーに表示できますか?
表示できます。標準のカレンダーアプリにGoogleのアカウントを追加しておけば、メニューバー型のアプリはその予定を読みます。個別にGoogleへ繋ぎ直す設定は要りません。複数のGoogleアカウントを使っている場合は、どのアカウントのカレンダーを表示するかを、標準アプリ側の表示設定で切り替えます。