Macの予定表アプリ|標準のものと他のものの違い

Macの予定表アプリを探している人の多くは、アプリが無くて困っているわけではない。標準のカレンダーアプリはすでに入っていて、Googleカレンダーもブラウザで開ける。それでも探すのは、会議と移動と作業時間が噛み合わず、当日になって予定が崩れるからである。「mac 予定 表 アプリ」で候補を並べても、崩れる原因が分かっていなければ、乗り換えても同じ崩れ方をする。

この記事では、標準のカレンダーアプリで無料でできる範囲を先に確かめ、有料のアプリに移ると何が変わり何が変わらないかを、各社が公開している料金と条件から整理する。おすすめを1つ挙げる形は取らない。判断の材料になるのは、いま何で詰まっているかと、月額を払う価値がその機能にあるかの2点だけである。

予定表アプリの選択肢が増えた背景と、いまの価格帯

Macのカレンダーをめぐる状況は、ここ数年で2つ変わった。1つはOS側の表示手段が増えたこと。もう1つは、カレンダーとタスクを同じ画面で扱う製品が増えたことである。

macOS Sonomaからウィジェット機能が充実し、デスクトップに今日の予定やタスクを常時表示できるようになりました。アプリを開かなくても予定を把握できるため、作業中の確認コストが下がります。 出典: saposuke.jp

価格帯は3層に分かれる。無料が標準のカレンダーアプリ、Googleカレンダー、Notion Calendarなど。買い切りが数千円から49.99ドルの帯。定額が月額834円から月額30ドルまでで、上に行くほどタスク管理や自動の時間割り当てが入る。無料と有料の差は表示の美しさではなく、予定を入れる手数と、複数のアカウントをまとめる能力に出る。

注意したいのは、比較記事に並ぶ「おすすめ9選」のような一覧が、解いている問題の違いを混ぜて並べている点である。標準のカレンダーアプリとタスク管理ツールを横に並べて料金で比べても、選定の材料にはならない。

標準のカレンダーアプリで無料でできること

標準のカレンダーアプリは、追加費用なしで最初から入っている。できることを知らないまま乗り換えると、すでにある機能に月額を払うことになる。

予定の追加は自然言語で書ける。ツールバーのプラスをクリックして「2月6日にパーティ」「土曜日の午前11時から午後1時までサッカーの試合」と書くと、日付と時刻が解釈される。「朝食」や「朝」で午前9時開始、「ランチ」や「昼」で正午、「夕食」や「夜」で午後7時開始という語の解釈も入っている。Spotlightからも同じように追加でき、メニューバーの検索アイコンをクリックして「今夜7時から映画」と書けば候補が出る。Siriに話しかけて入れることもできる。

場所を入れると地図と天気が付き、目的地に間に合う出発時刻に通知が届く。予定の継続時間に移動時間を足す欄もある。ただし条件がある。到着までに3時間以上かかる予定では、出発時刻の通知は送られない。現在地の判定に位置情報サービスを使うので、それを切っていると通知も出ない。CalDAVとExchangeのカレンダーでは、1つの予定に複数の会議室を指定できる。

つまり無料の範囲でも、入力と移動の扱いは一通り揃っている。足りないと感じる点は主に3つで、複数のアカウントをまとめて1つの画面で扱う操作、予定の一括の入力、表示の切り替えの速さである。この3つが効かない使い方なら、乗り換える理由は生まれない。

Googleカレンダーを使っている人がMacで詰まるところ

Googleカレンダーには、macOS向けの公式アプリがない。ブラウザで開くか、標準のカレンダーアプリにGoogleアカウントを追加して使うことになる。追加の手順は、カレンダーアプリの設定からアカウントを開き、プラスをクリックしてGoogleを選び、認証を通すだけである。

同期の範囲には線が引かれている。Googleカレンダーの「マイカレンダー」に並んでいるカレンダーとGoogleの誕生日は自動で同期される。それ以外のカレンダー、たとえば他の人から共有されたカレンダーや購読しているカレンダーは、Googleのカレンダー同期のページで対象に加える必要がある。

同期されない項目も公開されている資料に明示されている。予定のメール通知は届かない。標準のカレンダーアプリからGoogleのカレンダーを新規に作ることはできない。会議室の予約機能も使えない。以前にカレンダーアプリの委任の機能を使っていた場合は、それを切らないとこの方法が動かない。

ここで起きやすい誤解が1つある。Macに予定が出てこないとき、アプリの不具合を疑う前に見るべきは同期の間隔である。標準のカレンダーアプリはアカウントごとに決まった間隔でサーバーへ問い合わせ、設定を手動にしていると自分で更新するまで届かない。ウェブでは見えているのにMacでは見えない場合、原因のほとんどはここにある。

有料の予定表アプリを料金で並べる

有料側の料金は、各社の公開ページで次のようになっている。いずれも無料の体験期間が付く。

Fantasticalは無料の階層があり、有料は個人向けが年払いで月あたり834円、家族向けが月あたり1,167円で最大5人、チーム向けが1人あたり月額834円である。14日間の無料体験が付く。対応はMac、iPhone、iPad、Apple Watch、Apple Vision Pro、Windowsである。

BusyCalは買い切りで49.99ドル、14日間の無料体験があり、macOS 12.0以降で動く。Setappの契約に含まれる形でも使える。定額を避けたい場合の選択肢になる。

Morgenは月払いで月額30ドル、年払いにすると月あたり15ドルになる。14日間の無料体験はクレジットカードの登録なしで始められ、30日間の返金保証が付く。Windows、macOS、Linux、スマートフォン、ブラウザで動く。カレンダーとタスクの連携数に上限がなく、時間の割り当てを機械が下書きする形が中心にある。

Notion Calendarは無料で使える。macOSとWindowsのアプリ、iPhoneとAndroidのアプリがある。繋げられるのはGoogleカレンダーとiCloudのカレンダーで、Outlookには現時点で対応していない。

アプリ 料金 対応 特徴
標準のカレンダー 0円 Apple製品 自然言語入力と移動時間
Notion Calendar 0円 Mac / Windows / スマートフォン GoogleとiCloudに対応
Fantastical 月額834円から Apple製品 / Windows 表示の切り替えと日程調整
BusyCal 49.99ドルの買い切り macOS 12.0以降 定額を避けたい場合
Morgen 月額15ドルから Mac / Windows / Linux タスクと時間の割り当て

Macで予定を管理する利点が出る場面

スマートフォンだけで予定を管理している人から見ると、Macで管理する利点は分かりにくい。実際に差が出る場面は限られていて、次の4つに集まっている。

1つ目は一度に見える範囲である。スマートフォンの画面では1日または3日間の表示が中心になるのに対して、Macでは週と月を同時に開いておける。会議を入れる相手に候補日を返すとき、この差がそのまま返信の速さになる。

2つ目は文字の入力である。予定のタイトル、場所、メモ、参加者のメールアドレスを入れる作業は、キーボードのある画面のほうが速い。1件あたりの差は十数秒でも、1日に10件あれば作業の量として体感できる。

3つ目は他のアプリとの行き来である。メールに書かれた日程をカレンダーに移す、地図で所要時間を調べて移動の予定を足す、会議のURLを予定に貼る、といった操作は画面を並べられる環境のほうが短い。macOS側に日付や連絡先を検出する仕組みがあり、メールやSafariで見つかった日付から予定を作れる。

4つ目は常に見えていることである。通知センターやデスクトップのウィジェットに今日の予定を表示しておけば、開く操作なしで確認できる。スマートフォンは手に取る動作が必ず先に入るので、この差は1日の回数だけ積み上がる。

逆に、Macで管理しても変わらない部分もある。外出中の確認はスマートフォンが中心になるので、どのアプリを選んでもiPhoneとの同期が前提になる。ここが弱い製品を選ぶと、Mac側が速くなったぶんだけ外出時に困る。

選ぶときに見るポイントは3つ

機能一覧を全部比べる必要はない。予定が崩れている状態から抜けるために効く条件は、次の3つに絞られる。

  • 扱うアカウントの数と種類。Googleが1つだけならOSの標準機能で足りる。Googleが2つ以上あり、そこにOutlookが混ざるなら、対応表を先に見る
  • 予定を入れるときの手数。1件を入れるのに何回クリックするかを数える。移動を含めて3件を入れる操作が面倒なら、移動の予定は必ず省略される
  • 崩れたときに組み直す速さ。1件が動いたときに、その後ろの予定をまとめてずらせるかどうか

3つ目は一覧表に載りにくい。実際の1日で困るのは、会議が30分後ろにずれたときに、続く予定と移動を手で1つずつ動かす作業である。ここが速いかどうかは、体験期間の14日間で自分の予定を入れてみないと分からない。

2つ目を数えるときは、思い出しながら見積らずに、実際の操作を1件ぶん追ってみるのが早い。日付を選ぶ、開始時刻を選ぶ、終了時刻を選ぶ、タイトルを書く、場所を書く、カレンダーを選ぶ、この6手が標準の形である。ここに移動の予定を足すなら、同じ6手をもう一度繰り返す。会議の前後に移動が入る日は、1件の会議を入れるために18手かかっている計算になる。手数を減らす機能があるかどうかは、この数を基準に見ると判断がぶれない。

逆に、見なくてよい条件もはっきりしている。画面の美しさ、テーマの数、対応しているタスク管理サービスの数は、予定が崩れる原因とほぼ関係がない。無料の体験で判断するときは、機能の一覧ではなく、自分の1週間をそのまま入れてみて手数を数えるのが早い。

乗り換えても変わらない部分と、変わる部分

アプリを替えても変わらないものが2つある。1つはカレンダーの中身で、GoogleでもiCloudでも、予定そのものはサーバー側にある。もう1つは、予定が埋まっているという事実である。表示が変わっても会議の数は減らない。

変わるのは入力の手数と、崩れたときの組み直しである。この2つが軽くなると、これまで省略していた予定が残るようになる。典型は移動で、会議と会議の間に移動が必要なのに予定として存在しないと、その時間は空きに見える。空きに見えるから別の用事が入り、当日に回らなくなる。Mac用のカレンダーアプリで話し言葉と音声で予定を入れられる形にしておくと、移動を含めて3件を入れる手間が1件を入れるのと変わらない水準に近づく。

入力の具体的な流れは予定の入れ方、移動を予定に組み込む考え方は移動時間で扱っている。表示の切り替えや複数アカウントの扱いを含めた機能の範囲はできること、標準のカレンダーや他のアプリとの違いは他のカレンダーとの比較にまとめてある。料金の条件は購入、動作の前提や同期の仕様はよくある質問、全体の使い方は使い方で確かめられる。

順番としては、まず標準のカレンダーアプリで自然言語の入力と移動時間の欄を実際に使ってみる。そこで足りれば費用はかからない。足りなかった項目を1つか2つに絞れてから、その項目を持つアプリだけを体験期間で試す。この順番なら、使わない機能に月額を払う事故は起きない。

よくある質問

標準のカレンダーアプリだけで足りますか?

扱うアカウントが1つで、1日の予定が数件なら足ります。自然言語での入力、場所からの地図と天気、移動時間を足す欄、出発時刻の通知までは無料で使えます。足りなくなるのは、複数のアカウントを1画面でまとめたい場合と、予定がずれたときに後ろをまとめて動かしたい場合です。

GoogleカレンダーをMacの標準アプリに繋ぐと、何が同期されませんか?

予定のメール通知は届きません。標準アプリからGoogleのカレンダーを新規に作ることもできません。会議室の予約機能も使えません。GoogleのマイカレンダーにあるカレンダーとGoogleの誕生日は自動で同期されますが、それ以外はGoogleのカレンダー同期のページで対象に加える必要があります。

買い切りと月額はどちらが得ですか?

使う年数で決まります。BusyCalは49.99ドルの買い切りで、月額834円のものを5年使う場合と比べると総額は下がります。一方で月額のものは、日程調整の予約ページや時間の自動割り当てのように、契約している期間だけ提供される機能を含みます。必要な機能が買い切り側にあるかを先に確かめるのが確実です。

予定表アプリを替えれば予定の崩れは直りますか?

入力の手数が原因なら改善します。移動の予定を省略していたために当日が回らない場合、入力が速くなれば移動が予定として残ります。一方で会議の数そのものが多い場合は、アプリを替えても崩れは残ります。まず何件を省略しているかを1週間数えてから、替えるかどうかを決めるほうが確実です。

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