会議の調整が長引くとき|出席者の空き時間を先に押さえる
会議の調整にかかる往復のメールが、本来の仕事より長くなっている状態は珍しくありません。候補日を3つ出して、1人が都合が悪いと返し、また3つ出す。この往復が2回も続けば、1件の会議を決めるだけで半日が過ぎます。ここでは、調整に消えている時間がどこで生まれているのかを分解し、無料の調整ツールで足りる場面と費用をかけるべき場面を分け、出席者の空き時間を先に押さえる段取りまで順に見ていきます。
会議の調整に消えている時間の相場
日程調整の手間は、参加者の人数と、相手が社内か社外かで大きく変わります。社内の2人なら共有カレンダーを見て空きを取るだけで済みますが、社外の相手が入ると相手の予定は見えません。そこで候補日を提示する方式に切り替わり、返信を待つ時間が発生します。
調整を自動化するサービスを提供する事業者は、1件あたりの作業量を次のように説明しています。
また、「予定が多い人」や「複数社との調整」は調整の難易度が上がり、ダブルブッキングも発生しやすいため、作業時間はさらに増加します。1件で30分以上を費やすこともあります。 出典: eeasy.jp
1件30分という数字は、メールを書く時間だけを指しているわけではありません。返信を待っているあいだに他の予定が入り、いったん提示した候補日が使えなくなる。そこからやり直す分も含めた合計です。営業や採用のように週に何件も調整する職種では、この積み上がりが月単位の負担になります。
同じ事業者は、導入効果として社員1人あたり年100時間から200時間の削減を掲げています。数字の出どころは各社の試算であり、そのまま自分の環境に当てはまるとは限りません。ただし、調整が1件30分で週5件あるなら年間で100時間を超えるという計算自体は、自分の手元でも検算できます。まずは1週間、調整に使った時間を数えてみると、どこに費用をかけるべきかが見えてきます。
調整が長引く原因は3つに分かれる
原因を分けずにツールを導入すると、期待した効果が出ません。長引く理由は大きく3つあります。
- 相手の空きが見えない。社外との調整では相手のカレンダーを参照できないため、候補日の提示と回答の往復が必要になります。
- 自分の空きが正しくない。カレンダーに登録していない予定があると、提示した候補日が後から埋まります。移動時間や休憩、締め切り前の作業時間を予定として登録していないケースが典型です。
- 決める人が決めていない。参加者が5人いて全員の都合を揃えようとすると、候補日は急速に減ります。必須の出席者と、任意の出席者を分けていないことが原因です。
1つ目はツールで解決できます。2つ目はカレンダーの使い方の問題で、ツールを導入しても直りません。3つ目は会議の設計の問題です。導入前にどれが自分の詰まりなのかを見極めないと、ツールを増やしただけで往復の回数は変わらないという結果になります。
無料で使える調整ツールと、費用がかかる調整ツールの違い
日程調整のサービスは、無料で使える範囲がはっきり分かれています。
出欠表型のサービスは、会員登録なしで使える設計が多いです。調整さんは公式サイトで「ログインなしでもご利用いただけます」と案内しており、URLをメンバーに送るだけで出欠表を作れます。2006年から提供されているサービスで、飲み会や同窓会のような幹事の作業を想定した作りになっています。参加者に負担をかけずに、候補日への丸付けだけを集めたい場面に向きます。
カレンダー連携型のサービスは、有料の範囲が広くなります。eeasyは基本サービス料を「月間の調整回数が6回以上のユーザー数 × 850円」と定義しており、調整回数が月5回までのユーザーは課金対象から外れる仕組みです。GoogleカレンダーとOutlook予定表に連携し、移動や予備時間の自動確保、会議室の自動確保まで含みます。
ビジネス向けの予約ページ型では、Jicooが個人向けのIndividualプランを0円、Teamプランを月額1,200円(税抜・ユーザーあたり)としています。無料プランは1対1の日程調整で使える範囲で、利用期限はありません。
無料と有料の境目は、おおむね「1対1で足りるか」と「カレンダーと双方向でつなぐか」の2点にあります。出欠を集めるだけなら無料の範囲で足り、ダブルブッキングを機械に防がせたいなら費用が発生します。
ツールの選び方を5つの軸で決める
比較表を横に並べても、どれを選ぶべきかは決まりません。次の5つの軸で自分の条件を書き出してから、表を見ると判断が速くなります。
- 相手に会員登録を求めてよいか。社外の顧客や採用候補者が相手なら、登録不要のほうが離脱しません。Jicooはゲストの会員登録を不要とし、名前とメールアドレスの入力だけで予約できる設計です。
- つなぐカレンダーはどれか。Googleカレンダーだけで済むのか、OutlookやApple iCloudも混ざるのか。混ざる場合は対応の有無を先に確かめます。
- 調整の回数は月に何件か。回数課金の製品では、この数字がそのまま費用になります。
- 複数人の同席が必要か。1対1と、ホストが複数人の会議は別の機能です。無料プランでは1対1だけというケースが多いです。
- 決済や事前アンケートを挟むか。予約と同時に支払いを受けたい場合はStripe連携の有無を見ます。
5つのうち3つ以上が「不要」なら、無料の出欠表型で足ります。逆に2つ以上が「必要」なら、有料プランの費用は調整時間の削減で回収できる範囲に収まります。
ツールを導入したあとに残る手間
日程調整のサービスを導入しても、手作業がゼロになるわけではありません。残る手間を先に知っておくと、導入の期待値を外しません。
1つはWeb会議のリンクの発行です。JicooはZoom、Google Meet、Microsoft Teamsとの連携を持ち、予約の受付と同時にURLを発行してホストとゲストの双方へ通知します。連携を設定していない場合は、確定したあとに自分でリンクを作って案内する作業が残ります。
もう1つはリスケジュールの扱いです。eeasyは調整回数のカウントについて「eeasy機能を使用してリスケした/された場合は、リスケ回数も調整回数にカウントします」と明記しています。回数で課金される製品では、日程変更が多い相手との調整が費用に跳ねます。変更が前提の相手には、候補日を広く出して1回で決める運用のほうが安く済みます。
3つ目は通知とリマインドです。Jicooはリマインドの追加手段としてSMSのアドオンを1通33円で提供しています。無断欠席を抑える目的の機能で、メールだけでは届かない相手を想定した作りです。オンライン会議の無断欠席が続いているなら、調整の速さより連絡の到達率を先に見直す順番になります。
出席者の空き時間を先に押さえる段取り
ツールを導入する前に効く手が1つあります。候補日を提示する側が、先に自分のカレンダーを正確にしておくことです。
最初に、必須の出席者と任意の出席者を分けます。全員の都合を揃えようとするから候補が消えるので、決定に関わる2人か3人を必須とし、残りは議事録の共有で足りると割り切ります。次に、その必須メンバーの空き時間を押さえる仮予定を先に登録します。Googleカレンダーでは共有設定によって相手の空き時間を参照できるため、候補日を提示する前に重なりを潰せます。
Googleカレンダーには、予定を1行で作る書き方があります。公式のヘルプは「17:00 からテニスの練習」のように打てば、指定した時刻に予定が作られると案内しています。仮予定を10件登録するような作業では、フォームを開いて日時を選ぶより速く終わります。パソコンではShift+Cのショートカットでも作成画面を開けます。
仮予定を登録するときは、会議そのものだけでなく前後の枠も取ります。準備の15分と、終わったあとの記録の10分です。この2つを取らないと、会議は入ったのに資料ができていないという状態になります。
会議のあとに残る移動と作業の時間をどう扱うか
調整が終わっても、予定が回らない原因が残ることがあります。移動時間が予定になっていないケースです。
14時に渋谷で商談、15時半に自社で定例と登録すると、カレンダー上は空きがあるように見えます。しかし移動に40分かかるなら、実際には14時の商談を50分で切り上げるしかありません。この見落としは、調整の段階では気づけません。予定と予定の間に移動のブロックを作っておくと、候補日を提示する時点で無理な組み合わせが消えます。
Googleカレンダー側の設定では、予定ごとに通知の時刻を決められます。設定の全般には「予定の設定」があり、新しい予定を作るときのデフォルトの期間とゲストの権限を変えられます。既定を60分から30分に変えるだけでも、1日に入る会議の詰まり方が変わります。業務時間の設定は職場や学校のアカウントで使える機能で、曜日ごとに複数の時間帯へ分割できます。午前と夕方だけを会議可能にして、午後の2時間を作業に残すという形にすると、調整を受ける側の防波堤になります。
Mac用のカレンダーアプリの側で移動時間を自動で計算する製品もあります。場所が入っている予定に対して、前の予定や拠点からの所要時間を地図のデータから出し、移動のブロックを直前に作る仕組みです。この考え方は移動時間のページで、出発すべき時刻に通知を出す動きとあわせて説明されています。
カレンダー側のデータから見える調整の詰まり
調整の詰まりを解く鍵は、ツールの数ではなく、カレンダーに登録されている情報の粒度にあります。
予定のタイトルだけが入っていて、場所と出席者が空のままだと、機械には判断材料がありません。場所が入っていれば移動時間を計算できます。出席者が入っていれば重なりを警告できます。逆に、この2つを手で埋めるのが面倒だから省略され、結果として調整のやり直しが増えるという循環が起きています。ここを崩す方法として、話し言葉と音声で予定を入れられる入力の形があります。「明日15時 商談 @渋谷 zoom 10分前に通知」と1行書くと、日時と場所と会議リンクと通知に分解される仕組みです。実際の解釈の例は予定の入れ方に並んでいます。
入力が速くなると、仮予定を登録する手間が下がります。仮予定を登録できると、提示した候補日が後から埋まる事故が減ります。調整ツールを導入する前に効くのは、この順番です。
予定の作成画面で重なりをその場で警告し、同じ長さの空き枠を提案する機能を持つ製品もあります。ダブルブッキングは調整のやり直しを生む最大の原因なので、機械が止める設計は効き方が大きい部分です。こうした機能の一覧はできることにまとめられており、接続や予約ページの手順は使い方に段階ごとに書かれています。
費用の比較を先に見ておきたい場合は、Macで使えるフル機能のカレンダーアプリ10本を3年間の総額で並べた他のカレンダーとの比較が目安になります。買い切りとサブスクリプションでは、3年使ったときの総額が数倍変わるためです。価格そのものは購入に、動作環境やデータの保存先はよくある質問に書かれています。
調整に月10時間使っているなら、その10時間の内訳を紙に書き出すところから始めるのが早道です。往復のメールが原因なら予約ページ型が効きます。提示した候補が埋まるのが原因なら、ツールを増やすより自分のカレンダーを埋め直すほうが効きます。原因の見極めを飛ばさないことが、費用を無駄にしない近道です。
よくある質問
日程調整ツールは無料のままで足りますか?
参加者から出欠を集めるだけなら無料で足ります。調整さんはログインなしで使え、URLを送るだけで出欠表を作れます。Jicooの個人向けプランも0円で、1対1の日程調整に利用期限はありません。カレンダーと双方向でつないでダブルブッキングを防ぎたい場合や、複数人が同席する会議を扱う場合は有料プランの範囲になります。
有料の日程調整ツールの費用はどれくらいが相場ですか?
公式サイトで確かめられる範囲では、eeasyが月間の調整回数6回以上のユーザー1人あたり850円、Jicooがユーザーあたり月額1,200円(税抜・Teamプラン)です。Jicooは年払いで20%割引となり、上位のBusinessプランは月額1,600円です。調整の件数が少ない月は課金対象から外れる製品もあるため、月あたりの調整件数を数えてから選ぶと無駄が出にくくなります。
候補日を提示したあとに予定が埋まってしまうのを防ぐ方法はありますか?
候補日を提示する前に、その時間帯へ仮予定を登録しておく方法が確実です。Googleカレンダーでは「17:00 からテニスの練習」のように1行で予定を作れるため、10件の仮予定を登録する作業も短時間で終わります。カレンダーと連携する予約ページ型のツールを使うと、相手が枠を選んだ時点で予定が作られるため、この手間そのものがなくなります。
会議の前後に移動時間を登録しておく必要はありますか?
場所が変わる予定が続く場合は登録しておくほうが安全です。カレンダー上で空いて見える1時間が、実際には移動で埋まっていることがあります。移動のブロックを予定として登録すると、候補日を提示する段階で無理な組み合わせが消えます。予定に場所を入れておけば、所要時間を地図のデータから計算して移動枠を自動で作るカレンダーアプリもあります。