カレンダー アプリ pc スマホ|役割を分けて選ぶ

カレンダーアプリをPCとスマホの両方で使いたいと考えて調べ始めると、候補の一覧ばかりが出てきて、肝心の「どちらに何をさせるか」が出てきません。同じ予定を両方で見られること自体は、いまはほとんどの製品が満たしています。差が出るのは、対応しているOSの組み合わせ、通知が鳴る条件、そして設定がどこに保存されるかの3点です。この記事では、その3点で候補を絞る方法を書きます。

同じ予定が見えることと、同じ作業ができることは別

PCとスマホで同じ予定が並ぶ仕組みは、アプリの機能ではなくサーバー側の仕組みで実現しています。GoogleカレンダーでもiCloudでもMicrosoftの環境でも、予定の実体はサーバーにあり、手元の端末はそれを読み書きしているだけです。だから端末を増やしても予定は増えず、片方で消した予定はもう片方からも消えます。

問題は、読み書きの範囲が端末とアプリによって違うことです。片方では作れるのに片方では作れない、片方では通知が鳴るのに片方では鳴らない、片方で変えた設定がもう片方に反映されない。この3種類のずれが、「両方で使うと結局うまくいかない」という感覚の正体です。

しかもこのずれは、機能一覧には現れません。機能一覧は「カレンダー表示」「予定作成」「通知」のように項目名で書かれていて、条件付きで使えないことは注記に落ちます。実際に困るのは条件のほうなので、一覧を眺めても判断できません。以下では、条件が公開されているものだけを取り上げます。

スマホのブラウザで開くと通知が無くなる

まず、多くの人が最初に踏む段差です。PCではブラウザでカレンダーを開いているので、スマホでも同じようにブラウザで開けばいい、と考えるのは自然です。ところが通知の扱いが変わります。Googleのヘルプは、モバイルウェブ版について次のように書いています。

重要: カレンダーのモバイルウェブ版では通知はサポートされていません。予定に関する通知を受け取るには、カレンダー アプリをインストールします。 出典: support.google.com

同じヘルプは、モバイルブラウザではオフラインでも同期済みの予定を表示できるが、作成や編集にはインターネット接続が要る、とも書いています。つまりスマホのブラウザ版は、見るための経路であって、外出中に頼る経路ではありません。

外出中に効くのは通知だけではありません。移動の途中で予定が動いたときに、その場で15分ずらす操作ができるかどうかも、ブラウザ版とアプリで差が出ます。スマホ側は「気づく」と「その場で直す」の2つを担当する端末なので、この2つが揃わない経路を選ぶと、結局PCの前に戻るまで何も進みません。スマホ側はアプリを入れる、と先に決めてしまったほうが検討が短くなります。

PC側とスマホ側で、担当させる作業を分ける

両方に同じ働きを期待すると、どちらも中途半端になります。画面の大きさと、手が空いている時間の長さが違うためです。作業ごとに担当を決めておくと、選ぶべき機能もはっきりします。

作業 担当させる端末 理由
一週間の形を組み立てる PC 複数のカレンダーを重ねて、空きを探す作業は面積が要る
予定を1件その場で入れる スマホ 決まった瞬間に入れないと記憶から消える
予定の時刻をずらす どちらでも 移動中に発生するので両方で操作できる必要がある
共有と権限の設定 PC 設定画面が広く、確認事項が多い
通知を受け取る スマホ 席を外している時間帯が対象になる
移動時間を含めて組み直す PC 出発時刻の計算をまとめて行う

表の中で判断が割れやすいのは、時刻をずらす操作です。移動中や会議の直前に発生するので、スマホ側でも触れる必要がありますが、前後の予定との間隔を見ながらずらす作業はPC側のほうが確実です。移動中は「とりあえず後ろへずらす」だけにして、間隔の調整は席に戻ってから行う、と決めておくと二度手間が減ります。

この分け方から逆算すると、PC側に求めるのは表示の情報量と操作の速さ、スマホ側に求めるのは入力の速さと通知の確実さになります。同じ製品で両方を満たす必要はありません。実際、PCは標準のカレンダーやWeb版、スマホは公式アプリ、という組み合わせで安定している人は多くいます。

入力の速さについては、フォームを開いて日付と時刻を選ぶ形式が手数の上限を決めています。書いた文をそのまま予定に変えられるか、話し言葉と音声で予定を入れられるかで、外出中に入れられる件数が変わります。入力経路の考え方は予定の入れ方にまとめてあります。

対応OSの組み合わせで候補は先に絞れる

機能を比べる前に、手元のPCとスマホの組み合わせで動くかどうかを確認すると、候補が一気に減ります。公開されている情報を並べると次のようになります。

製品 デスクトップ モバイル 費用の形
Googleカレンダー ブラウザで利用 Android、iPhoneとiPad 追加費用なし
Notionカレンダー macOS、Windows App Store、Google Play 無料で入手できると案内されている
Fantastical Mac、Windows iPhone、iPad 無料の枠と、月額の有料枠
BusyCal macOS iOS 49.99ドルの買い切り
Thunderbird Windows、Linux、macOS Android 無償で公開されている

見て分かるとおり、AndroidとMacの組み合わせ、あるいはWindowsとiPhoneの組み合わせでは、選べるものが変わります。Appleの環境に強い製品はモバイル側がiPhoneとiPadに限られ、オープンソースの製品はモバイル側がAndroidに限られる、という分かれ方をしています。両方の陣営にまたがって使いたい場合、いまのところ確実なのは、サーバー側をGoogleカレンダーなど共通の場所に置いて、端末ごとに別のアプリを使う形です。

費用の形にも違いがあります。Fantasticalは無料の枠を持ちつつ、個人向けの有料枠が年払いで月あたり834円と案内されています。BusyCalは買い切りで、macOS 12.0以降が条件です。毎月払うのか、一度払うのか、払わないのかは機能の差とは別の軸なので、他のカレンダーとの比較のように費用の形を列として持つ表で確認したほうが判断が早くなります。金額の目安は購入にあります。

設定はどこに保存されるのかを分けて考える

PCとスマホで挙動が違うと感じたとき、原因の多くは設定の保存場所です。設定には2種類あります。サーバー側に保存されて全端末に効くものと、その端末のそのアプリにしか効かないものです。

Googleカレンダーの場合、表示言語と地域、メインのタイムゾーンとセカンダリのタイムゾーン、メインメニューに出す世界時計、新規予定の既定の長さ、週の開始日といった項目は、Web版の設定画面から変更してサーバー側に保存されます。ここを直せばスマホ側の表示も揃います。

この違いは、出張や海外との打ち合わせで表に出ます。スマホはOSの設定で現地時刻に自動で切り替わるのに対し、PC側は設定したメインのタイムゾーンで表示を続けます。同じ予定を2つの端末で見て時刻が違って見えるのは、片方が現地時刻、もう片方が出発前の地域の時刻を出しているためで、予定そのものはずれていません。相手の地域の時刻も並べて確認したい場合は、セカンダリのタイムゾーンか世界時計を有効にしておくと、変換の暗算をせずに済みます。

いっぽう通知は端末ごとです。Web版、スマホのアプリ、PCに入れたアプリが、それぞれ独立して通知の設定を持ちます。全部を有効にしていると、1件の予定に対して鳴る回数が端末の数だけ増えます。鳴りすぎた通知は無視する癖を作るので、鳴らす場所を絞るほうが結果的に見落としが減ります。PCは1か所だけ残し、スマホは席を外しているときの受け口として残す、という配分が扱いやすい形です。

オフラインの扱いも端末で違います。PC側のGoogleカレンダーは、設定でオフラインを有効にするとChromeで動き、過去4週間と今日以降を表示できますが、予定の作成や編集はできません。スマホ側は公式アプリなら端末に予定を持っているので、圏外でも入力できて、電波が戻ったときに送られます。移動中の入力をどちらに任せるかを決めるときは、この差が判断材料になります。

スマホで入れた予定がPCに出ないときに見る順番

両方の端末を設定したあとで最初につまずくのが、片方に入れた予定がもう片方に出てこない状態です。原因はいくつかありますが、確かめる順番を決めておくと数分で切り分けられます。

最初に見るのは、予定を入れたときに選ばれていたカレンダーです。1つのアカウントの中には複数のカレンダーを作れるので、スマホの新規作成画面で既定のカレンダーが「個人用」以外に設定されていると、PC側でそのカレンダーの表示を切っている限り出てきません。PC側の左の一覧にチェックが入っていないカレンダーがないかを確認します。

次に見るのは、そもそも同じアカウントかどうかです。スマホに複数のアカウントを入れていると、入力時に選ばれたアカウントが意図と違うことがあります。予定を開いて、所属しているアカウントの表示を読めば分かります。

3つ目が同期の状態です。圏外で入れた予定は端末の中に留まっていて、接続が戻ったときに送られます。機内モードのまま数時間経っていると、PC側には出ていない状態が続きます。ここまでの3点で解決しない場合に初めて、アカウントの再設定やアプリの入れ直しを検討してください。順番を飛ばして再設定から始めると、原因が分からないまま同じことが再発します。

二重に見える予定と、二重に鳴る通知の見分け方

両方の端末を整えたあとに起きやすいのが、同じ予定が2件並ぶ現象です。原因はだいたい2つに絞れます。1つは、同じアカウントを2つの経路から読み込んでいる場合です。たとえばPCの標準カレンダーにGoogleアカウントを追加し、さらに同じ予定を含む共有カレンダーも購読していると、同じ予定が別のカレンダーとして2件表示されます。左側の一覧でカレンダーの表示を1つずつ切り替えれば、どちらが原因かは数十秒で分かります。

もう1つは、招待された予定が自分のカレンダーにも複製されている場合です。招待の返信状態と、自分で作った同名の予定が並ぶと、見た目には重複に見えます。これは表示の問題ではなく予定そのものが2件あるので、片方を消す必要があります。

通知の二重は、これとは別の問題です。予定が1件でも、鳴る場所が3つあれば3回鳴ります。予定の重複を疑う前に、まず予定の一覧を数えてください。予定が1件なら通知設定の問題で、2件なら購読の問題です。手順を逆にすると、通知設定をいくら見直しても直りません。実際にどこから手を付けるかを決める材料はできることと使い方に整理してあります。

次に決める1つ

同時に全部を整えようとすると、どの変更が効いたのか分からなくなります。まず決めるのは、スマホ側でブラウザをやめてアプリにするかどうかです。通知を受け取れるかどうかがここで決まるので、他の検討より先に片付ける価値があります。その次に、PC側の通知を1か所に絞ります。ここまでで不満が残ったときに初めて、有料のアプリを含めた製品の比較に進んでください。

よくある質問

スマホはブラウザで開くだけでは駄目ですか?

予定を見るだけなら足ります。ただしGoogleのヘルプは、モバイルウェブ版では通知がサポートされていないと明記していて、通知を受け取るにはアプリのインストールが必要だとしています。オフラインでは同期済みの予定を表示できますが、作成と編集には接続が要ります。外出中に気づいてその場で直す使い方をするなら、アプリを入れたほうが確実です。

PCとスマホで違うアプリを使っても問題ありませんか?

問題ありません。予定の実体はサーバー側にあり、どちらのアプリもそれを読み書きしているだけだからです。むしろ、PCは表示の情報量、スマホは入力と通知、と求めるものが違うので、端末ごとに得意なものを選ぶほうが噛み合います。同じアカウントを設定しておけば、片方で入れた予定はもう片方にも出ます。

AndroidとMacの組み合わせだと選択肢が少ないのはなぜですか?

デスクトップ側とモバイル側の両方を出している製品が、どちらかの陣営に寄っていることが多いためです。Appleの環境に強い製品はモバイル側がiPhoneとiPadに限られ、オープンソースの製品はモバイル側がAndroidに限られる例があります。またぐ場合は、サーバー側をGoogleカレンダーなど共通の場所にして、端末ごとに別のアプリを使う形が現実的です。

同じ予定が2件表示されるのはどうすれば直りますか?

まず予定が本当に2件あるのかを確かめてください。左側のカレンダー一覧で表示を1つずつ切り替えると、同じ予定を2つの経路から読み込んでいるのか、招待された予定と自作の予定が並んでいるのかが分かります。前者は購読しているカレンダーを1つ外せば直り、後者は片方の予定を削除する必要があります。

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