日程調整ツールのおすすめ|料金の形と無料の上限で選ぶ
日程調整ツールのおすすめを探すと、10選や14選という記事が並び、どれも似た機能表が付いています。ところが実際に選んだあとで困るのは機能の数ではありません。無料で始めたのに人数の上限に当たった、社内で使う人が増えた瞬間に月額が跳ねた、受け取る相手に会員登録を求めてしまった、という3つがほとんどです。ここでは公式の料金ページに出ている値だけを使い、料金の形と無料の上限という2つの軸で整理します。
「日程調整ツール」は性質の違う2種類が同じ名前で呼ばれている
最初に切り分けが必要です。同じ言葉で呼ばれているものが、実は別の道具です。
1つは出欠表型です。候補の日程を並べた表を作り、そのURLを参加者に送って、参加できる、都合が悪い、どちらでもよいを各自が入れていく形です。誰が空いていないかが表の上で見えるため、最終的な判断は幹事や主催者が下します。飲み会、同窓会、社内の複数人での打ち合わせのように、全員の都合を見比べて多数決に近い決め方をする場面に向いています。代表的なものが調整さんで、公式サイトに書かれているとおりログインなしでも利用でき、URLをメンバーに送るだけで出欠確認ができます。2006年に始まったサービスで、パソコンとスマートフォンのどちらからでも使えます。
もう1つが空き時間リンク型です。自分のカレンダーの空き時間を自動で抽出し、相手がその中から1つ選ぶと確定する形です。商談、採用面接、顧客との面談のように、相手が1人か少人数で、こちらの都合が主になる場面に向いています。TimeRex、Spir、eeasy、Calendlyはこの型に入ります。
どちらの型かは、料金ページより先に回答画面を見ると分かります。候補日が縦横の表に並んでいて各自が可否を入れる画面なら出欠表型、空いている時間だけが並んで1つ押すと確定する画面なら空き時間リンク型です。
この2つは代替関係ではありません。出欠表型に「自分の空きを自動で除く」機能を求めても噛み合わず、空き時間リンク型に「20人の都合を一覧で見比べる」ことを求めても噛み合いません。おすすめを探す前に、自分の調整が多数決なのか1対1なのかを決めるほうが先です。
無料で足りるかは、3つの上限のどれに当たるかで決まる
無料プランがあるかどうかではなく、何で止まるかを見ます。空き時間リンク型の無料プランは、止まり方が製品ごとに違います。
- 利用人数で止まる形。Spirのフリープランは利用人数が2人まで、公開できる空き時間リンクは3つまでと公式の料金ページに書かれています。無制限の日程調整、複数カレンダーとの連携、Web会議ツール連携、Slack通知は無料の範囲に入っています。
- 作れる入口の数で止まる形。Calendlyの無料プランは、イベントタイプが1つ、カレンダー連携が1つです。1種類の面談だけを受けるなら足りますが、30分と60分を別の入口として用意したい時点で有料に移ります。
- 止まらない形。TimeRexのフリープランは、日程調整カレンダー数、日程調整回数、候補を選んで日程調整のいずれも無制限と書かれています。複数人のスケジュールを考慮した日程調整、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetとの連携、Chatwork、Slackとの連携も無料の範囲です。
ここで見落としやすいのが、無料の範囲は「相手に求めるもの」にも及ぶという点です。調整さんはログインなしで使えるため、参加者に会員登録を求めません。社外の相手に送る調整でこの差は大きく、相手にアカウントを作らせる設計だと、そこで返信が止まります。
料金の形が3通りあり、人数の増え方で結論が変わる
有料に移ったときの計算は、製品ごとに考え方が違います。同じ「1人あたり月額」でも、数える対象が違います。
| 製品 | 無料の範囲 | 有料の形(公式の料金ページの値) |
|---|---|---|
| 調整さん | ログインなしで出欠表を作成 | 出欠表の作成に料金の記載なし |
| TimeRex | 日程調整の回数とカレンダー数が無制限 | ベーシックが1ライセンス月額750円、プレミアムが1,250円(いずれも年払い、税抜)。月払いは900円と1,500円 |
| Spir | 利用人数2人まで、空き時間リンク3つまで | Teamが1シート月額1,200円(年払い、税抜)。月払いは1,500円 |
| eeasy | 月間の調整回数が6回未満の人は無料、個人利用は無期限で無料 | 月間6回以上調整する人だけ1人月額850円(税別)。6回以上は回数によらず定額 |
| Calendly | イベントタイプ1つ、カレンダー連携1つ | Standardが1シート月額10米ドル、Teamsが16米ドル(いずれも年払い)。月払いは12米ドルと20米ドル |
この表でいちばん形が違うのがeeasyです。基本サービスの課金対象が「調整が多かった人」の人数分だけで、初期費用はなく、月間の調整回数が6回未満の人は無料になります。50人の部署のうち実際に日程調整をするのが数人という組織では、この形が効きます。逆に全員が毎日調整する組織では、人数分の課金と結果が近づきます。
なお、eeasyにはチーム内で共有する「グループ用」の予約受付ページがオプションとして用意されていて、作成できる受付ページが3個までのライトが月額9,800円、10個までのベーシックが22,800円、30個までのビジネスが48,800円(いずれも税別)です。個人用の予約受付ページは基本サービスの範囲に入っています。上の表の1人あたりの金額だけで比べると、ここを見落とします。チームで共有する予約の入口が必要かどうかは、導入の前に決めておく項目です。
Calendlyには年額での大口の枠もあり、Enterpriseは50シートからで年額15,000米ドルからと記載されています。国内のツールと桁を並べて比べるときは、シート数の下限まで含めて読む必要があります。
調整のパターンの幅が、あとから足りなくなる
料金の次に効いてくるのが、対応できる調整の型です。導入時に想定していなかった型が出てきたときに、そこだけ手作業に戻ると導入の意味が薄れます。
同席調整、代理調整、説明会や集団面接の調整など、様々なケースでの日程調整が必要な場合には、幅広い要件に対応できるツールがおすすめです。「一部の日程調整には使用できない」となると、別途メールを送付するなど手動で調整しなければならず、手間が増えてしまいます。 出典: aspicjapan.org
具体的には次のような型が出てきます。上司と2人で出る同席の商談、秘書が本人の代わりに組む代理調整、チームの誰か1人が出ればよい形、チーム全員が出られる時間を探す形。Spirはこの「全員が参加できる時間」と「1人でも参加できれば成立する時間」の両方を自動で抽出する形を公式サイトで説明しています。TimeRexのベーシックには、優先順位に基づく参加者の自動決定、2つのグループから1人ずつ出席する会議の調整、会議室の予約が含まれると料金ページに書かれています。
選ぶ段階で確かめる価値があるのは、いま発生している調整のうち何割がこの複雑な型なのかです。全部が1対1なら、その機能に払う理由はありません。採用と商談が混ざっているなら、型の数が多い側を選んでおくほうが、後から2つ目のツールを増やす事態を避けられます。
カレンダー標準の予約ページで足りる場合もある
有料のツールを入れる前に、いま使っているカレンダーの機能で足りるかを見る順番もあります。Googleカレンダーには予約スケジュールという機能があり、個人のGoogleアカウントでも作成できます。空き時間から予約を受け付ける入口を作る、という点では空き時間リンク型と同じ働きをします。
確認しておくべき制約が3つあります。作成にはパソコンの対応ブラウザが必要で、Android、iPhone、iPadのカレンダーアプリでは作れません。一部の機能はGoogle WorkspaceまたはGoogle Oneの対象のサブスクリプションが必要と公式に書かれています。それから、既定で4時間の最短リードタイムが設定されているため、作った直後に自分の予約ページを開くと当日の空きが出てこないことがあります。
予定の間に緩衝の時間を入れる設定、1日に受ける予約の上限、空き確認のために参照するカレンダーの指定も用意されています。1対1の面談を受けるだけなら、ここで足りる組織は少なくありません。専用のツールに移る理由になるのは、複数人の同席や担当者の自動割り振り、CRMとの連携が必要になったときです。
選ぶ順番を決めておくと、比較表で迷わない
上位に並ぶ比較記事は、たいてい機能の多さで並べています。その順番で読むと、使わない機能まで含めて上位のものを選びがちです。実務での順番は逆から決めるほうが速く終わります。
1つめは調整の型です。多数決なのか1対1なのか。ここが出欠表型と空き時間リンク型の分かれ目で、間違えると機能では埋まりません。
2つめは相手に何を求めるかです。社外の相手が会員登録なしで回答できるか、スマートフォンだけで完結するか。返信率に直接効きます。
3つめが料金の形です。全員分を数えるのか、実際に調整した人だけを数えるのか、入口の数で数えるのか。組織の中で日程調整をする人が偏っているなら、人数課金以外の形を先に見る価値があります。
4つめが連携先です。Web会議ツール、チャット、CRMのどれが必要か。無料の範囲に入っている製品もあるため、有料に上がる理由が連携だけなら、無料の範囲を先に確かめます。
4つめまでで候補は2つか3つに絞れます。そこから先を機能の一覧で比べると決まらないので、実際の業務で最も頻度の高い1種類の調整を、候補それぞれで1回ずつ通してみるのが確実です。相手に送る画面まで自分で開き、回答に何回タップが必要かを数えます。返信率の差はここで生まれます。
最後に無料での試用期間です。Spirは登録後30日間、人数や空き時間リンクの制限なく試せると書かれています。eeasyは1か月無料で、無料期間の終了後に自動的に課金されることはないと明記されています。試用の条件が明記されているかどうかも、判断材料の1つです。
日程が決まったあとに残る作業
日程調整ツールが解決するのは、候補を出して1つに絞るまでの往復です。決まったあとの作業は手元に残ります。確定した予定を自分のカレンダーに入れる、移動が必要なら前後の時間を確保する、当日の会議リンクを開く。この部分は調整ツールの外側です。
とくに移動は抜けやすいところです。相手の都合に合わせて確定した予定が、直前の予定と別の場所だった場合、移動の時間はどこにも確保されていません。住所から車、徒歩、電車の所要時間を計算して移動の枠を作り、出発すべき時刻に通知を出す仕組みがどう動くかは移動時間にまとめてあります。
確定の連絡がメールやチャットで来る形も残ります。文面から日時と場所と出席者を抜き出して予定にする方法や、話し言葉のまま予定を入れる方法は予定の入れ方に書いてあります。複数のGoogleアカウントの予定を1つの画面で扱う方法や、会議リンクの見分けについてはできることに一覧があります。Mac用のカレンダーアプリごとに、複数アカウントの扱いと移動の計算がどう違うかを並べたものは他のカレンダーとの比較にあります。費用の条件だけ先に知りたい場合は購入から確かめられます。
よくある質問
無料の日程調整ツールだけで業務は回りますか?
1対1の面談が中心で、入口の種類が1つで足りるなら回ります。TimeRexのフリープランは日程調整の回数とカレンダー数が無制限で、Web会議ツールとチャットツールの連携も無料の範囲です。止まるのは、利用人数の上限、公開できるリンクの数、担当者の自動割り振りのような複雑な型が必要になったときです。
参加者に会員登録を求めないツールはありますか?
調整さんは公式サイトにログインなしでも利用できると書かれており、URLを送るだけで出欠を集められます。社外の相手や不特定多数に送る調整では、相手側の登録が不要かどうかが回答率に直接影響します。送る前に、自分がログアウトした状態で回答画面を開いて確かめるのが確実です。
料金は1人あたりで見ればよいのですか?
それだけでは足りません。eeasyのように月間の調整回数が6回未満の人は無料という形もあり、実際に調整する人が偏っている組織では総額が変わります。オプション料金が別建ての製品もあるため、1人あたりの金額とオプションの月額を合わせて、自社の人数で総額を出してから比べてください。
出欠表型と空き時間リンク型は、どちらを選べばよいですか?
参加者が多くて都合を見比べる必要があるなら出欠表型、相手が1人か少人数でこちらの空きから選んでもらうなら空き時間リンク型です。両方の場面があるなら、頻度の高い側を主にして、もう一方は無料で使える製品を併用する形が現実的です。機能の数ではなく、調整の型で分けるほうが失敗しません。