会議多すぎを数で捉え直す|作業時間を守る予定の組み方

会議多すぎと感じているとき、実際に苦しいのは会議の合計時間ではなく、会議と会議のあいだに残された細切れの時間です。合計が1日3時間でも、それが30分ずつ6本に割れていれば、残りの5時間はまとまった仕事に使えません。

この記事では、会議の多さを数で捉え直す方法、減らせる会議の見分け方、減らせないときに作業時間を守る組み方の順に整理します。読み終えたときに、自分の一日が壊れているのが会議の本数なのか、並び方なのか、移動なのかを判定できる状態を目指します。

会議が増えるのは意思ではなく構造による

会議が増えたことを個人の判断力の問題として語ると、対策を打つ場所を間違えます。増えたのは、会議を開くコストが下がったからです。

会議室を予約する必要がなくなり、参加者は移動しなくなり、招待は数クリックで追加できます。人を1人増やす手間がほぼゼロになった結果、「念のため入れておく」参加者が増えました。さらに、多くのカレンダーは既定の会議時間を30分60分に設定しています。12分で終わる相談も、既定値のまま30分の枠を取ります。

カレンダー側の仕様も、予定を入れた瞬間にその時間帯を埋まったものとして扱います。予定の形式を定めた標準仕様には、予定が空き時間の検索に対してどう見えるかが明記されています。

Generally, an event will take up time on an individual calendar. Hence, the event will appear as an opaque interval in a search for busy time. 出典: rfc-editor.org

裏を返すと、予定を入れていない時間は、他人からは空きに見えます。作業時間を予定として置いていない人のカレンダーは、外から見れば一日中空いています。会議が集まる人と集まらない人の差は、忙しさではなくカレンダーに何を書いているかで生まれます。

まず数える。合計時間ではなく3つの指標で

「会議が多い」を感覚のまま扱うと、削る交渉ができません。先週分のカレンダーを開いて、次の3つを数えます。

指標 数え方 見る目安
会議の合計時間 1週間の会議の時間を足す 勤務時間の半分を超えるか
断片の数 会議に挟まれた60分未満の空白の本数 1日3本を超えるか
会議のはしご 休憩なしで連続する会議の最長本数 4本以上が続くか

この3つのうち、体感の疲労に最も効くのは2つ目の断片の数です。まとまった思考が必要な仕事は、始めてから集中状態に入るまでに時間がかかります。45分の空白は、その手前で終わる作業にしか使えません。会議の合計時間が去年と同じでも、断片の数が倍になっていれば、実務の進み方は明確に落ちます。

数え終えたら、会議を種類で分けます。判断や合意を作る会議、情報を共有するだけの会議、一緒に手を動かす会議の3つです。この分類は削る候補を決めるための下準備で、感覚で「無駄な会議」を探すより速く終わります。

減らせる会議の見分け方

3つに分けたうち、削る余地が大きいのは情報共有だけの会議です。参加者が発言しないまま終わる会議は、文書と非同期のやり取りで置き換えられることが多く、置き換えても意思決定の速度は落ちません。判断する会議は残す価値があります。合意はその場で作るほうが早く、後の手戻りが減るためです。

削る交渉をするときは、会議そのものの廃止より、条件の変更のほうが通りやすくなります。

  • 出席者を減らす。議事録を読めば足りる人を招待から外し、参加を任意にする
  • 頻度を落とす。毎週を隔週にするだけで、年間26回分の枠が空く
  • 時間を短くする。既定の60分を45分、30分を25分にする。終わりに5分の余白ができ、次の会議に遅れなくなる
  • 非同期に移す。進捗の報告だけなら、文章と数字で置き換えられる

会議のオーナーが自分でない場合、廃止の提案は角が立ちます。出席者としての参加を任意に変えてもらう提案なら、相手の会議は残るため受け入れられやすくなります。

判断や合意を作る会議のほうも、削れないだけで軽くはできます。決めることを1つに絞って招待の本文に書いておくと、議論が広がりにくくなり、時間内に終わる確率が上がります。逆に「情報共有と相談と決定」を1本に詰めた会議は、どこまで進んだかが参加者ごとに違う状態で終わりやすく、次の会議を呼びます。会議が会議を生んでいる状態に心当たりがあるなら、まず1本あたりの目的を1つに絞るところから始めるほうが、断る技術を磨くより効きます。

減らせないときに、守る側を作る

会議の数が自分の裁量の外にあることは珍しくありません。その場合に効くのは、減らす交渉ではなく、作業時間を予定として先に置くことです。

具体的には、週の始まりに作業のブロックを2時間単位で2本から3本、カレンダーに予定として入れます。前述のとおり、予定として入っていない時間は他人から空きに見えます。ブロックを置くだけで、そこに会議が入る確率は下がります。タイトルは「作業」より「原稿の初稿を書く」のように内容を書いたほうが、自分がその時間に何をするか迷わずに済みます。

会議のまとめ取りも効果があります。会議を午後に寄せ、午前をまとめて空けると、断片の数が減ります。午前と午後のどちらに寄せるかは業務の性質で決まりますが、重要なのは「散らさない」ことです。同じ本数でも、散っていれば断片が増え、寄っていれば断片は減ります。

ブロックを置いても会議で潰されるという声はよく出ます。そのときに効くのは、ブロックを動かす先をその週のうちに決めておくことです。潰されたブロックをそのまま消すと、作業時間は週の合計から丸ごと減ります。移す先を同じ週の中に確保してから承諾すれば、失われるのは時間帯だけで、量は保たれます。

会議のあいだの余白も予定として置く価値があります。会議が終わった直後の5分から10分は、決まったことを書き残し、次の会議の資料を開く時間です。ここを予定に持たせないと、次の会議の冒頭がその作業に食われます。

カレンダー設定で効く手当て

運用の工夫と別に、設定を変えるだけで効くものがあります。

  • 既定の会議時間を短くする。Googleカレンダーには会議の終了時刻を早める設定があり、30分の予定を25分、60分を50分として作成できる
  • 稼働時間を設定する。稼働時間の外に招待が来たときに相手に警告を出せる
  • 作業時間や不在の予定を使う。予定の種類として扱われ、外部からの招待を自動で断る運用にできる
  • 予約枠を使う。相談を受ける時間帯を限定し、その中でだけ埋まるようにする

これらは会議の総数を直接減らすものではありませんが、断片の数と、想定外の時間帯に入る会議を確実に減らします。設定の変更にかかる時間は10分程度で、効果は毎週続きます。

会議1本あたりの負荷は、開催時間だけでは測れない

カレンダーに表示されるのは開催時間だけですが、会議が奪う時間はその前後にも伸びています。資料を用意する時間、直前に前提を思い出す時間、終わった後に決定事項を書き残して関係者に共有する時間。準備と後始末を足すと、30分の会議が実質50分を使うことは普通に起こります。

この前後の時間は、たいてい予定として置かれていません。だからカレンダー上では空いているように見えるのに、実際にはその空白が会議の続きで埋まります。会議の合計時間を数えて「まだ余裕がある」と判断すると、この分を丸ごと見落とします。

負荷を下げる手は3つあります。1つ目は、議題と資料を事前に配ることです。会議の冒頭で前提を共有する時間が消え、参加者の準備も分散します。2つ目は、決定事項をその場で書き切ることです。会議中の最後の5分を記録に使えば、後で思い出しながら書く時間が不要になります。3つ目は、同じ相手との会議をまとめることです。相手を切り替えるたびに前提を頭に入れ直す負荷が発生するため、同じ案件の会議は近い時間帯に置くほうが軽く済みます。

会議の本数を変えられない立場でも、この3つは自分の側だけで実行できます。数を減らす交渉より先に手を付けられる部分です。

チームで合意すると効くルール

個人の工夫で吸収できる範囲を超えている場合、効くのは共通のルールです。合意しやすく、効果が持続するものは次の3つです。

  • 議題のない招待は受けない。議題欄が空の会議は、その場で決めることが定まっていないため、時間が伸びやすい
  • 会議の既定を25分と50分にそろえる。チーム全体で適用すると、はしごの合間に記録の時間が生まれる
  • 資料は開始24時間前までに配る。読んで来る前提にすると、読み合わせの時間がそのまま消える

いずれも会議の数そのものには手を付けていません。それでも、断片の数と1本あたりの負荷が下がるため、体感は明確に変わります。ルールを増やすときは3つ程度にとどめて、守られているかを月に一度だけ確認する形が続きやすくなります。

移動が入ると、会議の並びは一気に破綻する

オンラインの会議だけで一日が構成されているなら、会議のあいだの移動はゼロです。ところが出社と外出が混ざった週には、移動が会議と同じだけ時間を使います。

多くのカレンダーは、予定ごとに移動時間の欄を持っています。この欄はその予定の前に時間を確保しますが、直前の予定がどこで終わったかを見ていません。オフィスで15時に終わる会議の次に、別の場所での15時20分の予定が入っていても、どちらの移動時間も正しく設定できてしまいます。一日として成立していないのに警告は出ません。移動を予定ごとの属性ではなく一日の連なりとして扱う考え方は移動時間にまとまっています。

会議が多い週ほど、この破綻は見つけにくくなります。予定が詰まっている画面では、どこに無理があるかを目で追えないためです。

会議を断るより先に、予定を入れる速さが効く

会議の多さに対する打ち手として語られるのは、断り方や会議の作法が中心です。ただ、一日が壊れる原因をたどると、会議そのものより手前の2か所に行き着きます。

1つは、作業時間や移動が予定として入っていないこと。入っていない時間は他人から空きに見え、そこに会議が積まれます。守る側の予定を置く作業が習慣にならないのは、意識の問題ではなく入力の手間です。予定を1本入れるのに日付と時刻を選んでタイトルを打つ操作が必要なら、会議のあいだの1分では終わりません。話し言葉と音声で予定を入れられる入力の形なら、「明日の午前に資料作成を2時間」と言い切るだけで枠が置けます。文で予定を書く方式の動きは予定の入れ方に手順があります。カレンダーが何を引き受けるのかの一覧はできることにまとまっています。

もう1つは、移動が時間として数えられていないこと。会議と会議のあいだに移動が挟まる週は、カレンダー上の空きが実際には存在しません。

この2か所に対して各製品が何を持っているかを、機能の有無という事実で並べたものが他のカレンダーとの比較です。費用の条件は購入にまとまっており、導入前の細かい前提はよくある質問で確かめられます。

手順としては、まず先週のカレンダーで断片の数を数えてください。1日3本を超えているなら、削る交渉より先に、作業ブロックを置いて会議を寄せるほうが効きます。断片が少ないのに疲れているなら、原因は会議の並びではなく、移動か、会議1本あたりの負荷のほうにあります。

よくある質問

会議が多すぎるかどうかは何で判断すればよいですか?

合計時間より、会議に挟まれた60分未満の空白がいくつあるかで判断してください。1日3本を超えると、まとまった作業がほとんど進まなくなります。合計時間が同じでも、会議が散らばっているか寄っているかで一日の使い勝手は大きく変わります。

自分が主催していない会議はどう減らせばよいですか?

会議そのものの廃止を提案すると角が立つため、出席者としての参加を任意に変えてもらう提案が通りやすいです。議事録の共有で足りるかを確認し、必要な回だけ出る形にします。頻度を毎週から隔週へ変える提案も、廃止より受け入れられやすい選択肢です。

作業時間をカレンダーに入れると本当に会議は減りますか?

予定が入っていない時間帯は、他の人のカレンダー上では空きとして表示されます。作業のブロックを予定として置くだけで、その時間に招待が入る確率は下がります。稼働時間の設定や予約枠と組み合わせると、想定外の時間帯の会議も減らせます。

会議と会議のあいだは何分空けておくべきですか?

移動がないオンライン中心の日なら5分から10分で足り、記録を残して次の資料を開く時間になります。移動が挟まる日は、経路の実測時間に余裕を足した分が必要です。予定ごとの移動時間の設定は直前の予定の場所を見ないため、連続する予定の場所は自分で確認してください。

記事一覧へ戻る