what is the meaning of fantastical|2つの語義と語源
「what is the meaning of fantastical」を調べると、辞書に2つの語義が並んでいて戸惑うことになる。片方は褒め言葉、もう片方は「そんな話は信じられない」という否定に近い。しかもどちらも現役の用法で、語そのものにはどちらなのかを示す印がない。ここでは辞書に載る2つの語義、15世紀末までさかのぼる語源、日本語のカタカナ語とのずれ、そしてこの語を名前にしたソフトを何で判断すればよいのかまでを順に整理する。
辞書に載っている2つの語義
まず辞書の記述から始める。片方が誤用でもう片方が正用、という関係ではなく、両方が語義として記録されている点が重要になる。
strange and wonderful, like something out of a story 出典: dictionary.cambridge.org
「物語から出てきたような、不思議で素晴らしい」という側の語義だ。同じ項目にはもう1つ、あまりに奇妙または極端で、真実とも理にかなったものとも思えない、という語義が並んでいる。挙げられている例文も両方向に振れていて、タロットカードの絵柄を形容する使い方と、警察に対してなされた申し立てを形容する使い方が同じ見出しの下に並ぶ。
この2つが1語に同居していることが、意味を取りにくくしている原因になる。1つ目は称賛、2つ目は懐疑。判断の材料は語の側にはなく、修飾される名詞の側にある。
- 称賛の側に寄る名詞: 生き物、建築、挿絵、衣装、風景
- 懐疑の側に寄る名詞: 主張、約束、数字、言い訳、説明
実務的な見分け方としては、その名詞が「そもそも実在しない前提で語られている」なら称賛、「現実の説明のつもりで語られている」なら懐疑、と考えるとほぼ外れない。
語源をたどると、順番が逆だと分かる
2つの語義がなぜ1語に収まっているのかは、成り立ちを見ると納得できる。
この形容詞が記録されるのは15世紀の終わりで、fantastic に形容詞を作る接尾辞が付いた形だ。元になった fantastic はさらに古く14世紀の終わりで、最初に記録された語義は「想像の中にのみ存在する」だった。系統は古フランス語の fantastique、中世ラテン語の fantasticus、後期ラテン語の phantasticus(想像上の)、そしてギリシャ語の phantastikos(思い描くことができる)へとさかのぼる。もとをたどれば「見えるようにする」という意味の動詞に行き着く。
ここから分かるのは、順番が直感と逆だという点だ。元の意味は「素晴らしい」ではなく「想像上の」だった。「素晴らしい、驚くべき」という軽い語義が記録されるのは1938年で、この語の歴史から見ればかなり新しい。
つまり懐疑側の語義は現代の乱れではなく、むしろ原義に近い。称賛側のほうが後から来た住人になる。古い文章でこの語に出会って、思ったより冷たい響きだと感じたことがあるなら、それは本来の語義が普通に働いていただけということになる。
カタカナの「ファンタスティック」とのずれ
日本語話者がこの語で誤読しやすいのには、はっきりした理由がある。日本語に入ったカタカナ語の「ファンタスティック」は、英語の fantastic が1938年以降に獲得した「素晴らしい」という語義だけを取り込んでいて、「想像上の」という原義も、fantastical が保っている懐疑の語義も持ち込まれていない。
そのため英文で fantastical を見たとき、カタカナ語の記憶に引っ張られて全部を褒め言葉として読んでしまう。相手が「その数字は fantastical だ」と書いていたら、それは称賛ではなく、根拠が示されていないという指摘に近い。
対応関係を整理すると次のようになる。
| 語 | 中心の意味 | よく付く名詞 | 響き |
|---|---|---|---|
| fantastical | 想像上の、または信じがたいほど極端 | 生き物、主張 | 名詞によって称賛にも懐疑にもなる |
| fantastic | 日常語としては「素晴らしい」 | 知らせ、仕事、結果 | ほぼ肯定 |
| fanciful | 事実ではなく空想に基づく | 思いつき、仮説 | 軽く退ける響き |
| whimsical | 遊び心があって少し風変わり | 意匠、ユーモア | 軽くて温かい |
| imaginary | 実在しない | 友達、線、数 | 中立で事実的 |
いちばん離れてしまったのは fantastic のほうだ。日常語としては「素晴らしい」で固定され、想像という含みは残っていない。だから語源を共有していても、いまは交換して使える語ではなくなっている。計画に対して fantastic と言えば賛成であり、fantastical と言えば「その計画は実行できない」という意味に読まれる。
書く側として迷ったら、褒めるなら imaginative、疑うなら implausible のように、語義が1つに定まる語へ置き換えたほうが誤解が起きない。
例文で、どちらの語義かを判定してみる
規則を1つ覚えるより、判定を3回やってみたほうが早い。いずれも名詞の側を見るだけで決まる。
- The museum is full of fantastical creatures. 名詞は creatures で、実在しない前提のものになる。よって称賛側で、幻想的な、という読みになる
- Her fantastical claims did not survive the first question. 名詞は claims で、現実の説明のつもりで語られている。よって懐疑側で、真に受けがたい、という読みになる
- The schedule she proposed was fantastical. 名詞は schedule で、実行される前提のものになる。よって懐疑側で、実現できない、という読みになる
3つ目のように動詞の後ろに置く形は、ほぼ自動的に懐疑側へ倒れる。褒めるつもりで文末に置くと、相手には疑っていると伝わりやすい。称賛の意図があるなら名詞の前に置き、しかもその名詞が想像上のものであることが文脈から分かる状態にしておく。
もう1つ、副詞の fantastically は親の形容詞と別の方向へ動いていて、fantastically expensive は「途方もなく高い」であって、想像という含みは残っていない。副詞と形容詞で意味が連動しないので、片方の感覚でもう片方を読まないほうがよい。
形容詞を名前にしたソフトを、何で判断するか
製品名は大きく3種類に分かれる。何であるかをそのまま述べる説明的な名前、それ自体には意味がなく製品が中身を与える造語、そしてすでに意味を持つ語を借りてくる名前だ。形容詞の名前は3つ目にあたる。
借りてくる利点ははっきりしている。造語が何年もかけて獲得する情緒を、最初から持った状態で始められる。欠点も同じくらいはっきりしていて、形容詞は「どんな体験になるか」を語るだけで、「何ができるか」「どの機器で動くか」は何も語らない。
Mac用のカレンダーアプリがこの語を名前にしている場合、借りているのは称賛側の語義になる。ただし懐疑側の語義も語の中に残っていて、それはカレンダーが解決するはずの問題そのものを指している。実行できない予定表は、まさに2つ目の語義でいう fantastical だからだ。
形容詞を名前にすると、あとから困ることがもう1つある。その語はすでに言語の側の持ち物なので、検索したときに語義を説明する記事と製品を説明する記事が同じ場所で競合する。語の意味を知りたい人と、そのソフトが何をするのかを知りたい人が、同じ言葉で違うものを探すことになる。実際この語で検索する人は最初からその2つに割れていて、片方に答えた記事はもう片方にとって役に立たない。調べる側としては、語義を知りたいのか道具を知りたいのかを先に自分で決めて、後者なら検索語に「Mac」や「カレンダー」を足したほうが早い。
判断に使えないのは名前のほうなので、代わりに読む項目を決めておく。
- 対応するmacOSの最低版。ここで対象外なら、機能の比較そのものが不要になる
- 課金の形。無料、買い切り、継続課金は価格の違いではなく、引き受ける約束の違いになる
- つなげる先。Google、iCloud、Exchangeのどれに対応し、それが読み取り専用かどうか
- 最終更新の時期。カレンダーは基盤に近い道具なので、次のmacOSに追随する主体がいるかを見る
この4つはどれも名前からは分からない。Mac用のカレンダーが機能として何を持つのかを、印象ではなく動作で並べたものはできることにまとめてある。名前の語義を調べる作業と、道具を選ぶ作業は、途中から別の作業になる。
2つ目の語義を、自分の1週間に当ててみる
懐疑側の語義には、自分の予定表を読み直すときに使える実用がある。画面の上では整って見えるのに、実行できない予定表。これがまさに2つ目の語義に当てはまる状態で、しかも数えれば判定できる。
1週間分を見て、次の3つを数える。
- 終了時刻と開始時刻が接している会議の組の数(場所や通話先が違うのに間隔が0分)
- 作業のために確保した繰り返しの枠のうち、実際には使わずに動かした、あるいは消した回数
- 始まったときより残件が増えて終わった日の数
数えるときは記憶ではなく画面を見る。先週の週表示を開いて、上から順に数えるだけで5分ほどで終わる。記憶で振り返ると、印象の強い1日だけが残って全体の形が見えなくなる。3つの数字が出たら、それが多いか少ないかを他人と比べる必要はない。翌週に同じ数え方をして、動いたかどうかだけを見る。
1つ目は物理的に成立しない。別の場所にある予定が間隔なしで並んでいるのは、詰め方の好みではなく、格子が黙って受け入れてしまった不可能な状態になる。移動そのものを枠として置いてしまえば、その時間帯に予定は入らなくなる。考え方と手順は移動時間で扱っている。
2つ目は見えにくく、そのぶん頻度が高い。真っ先に犠牲になる枠は、最初から約束ではなかったということになる。守るか、予定表から外すか、どちらかにする。守られない枠で埋まった1週間は、2つ目の語義が目に見える形になったものと言える。
3つ目は、そもそも直す必要があるかどうかを決める。残件が増える日がたまにあるのは普通で、繰り返すなら構造の問題になる。予定表には意図だけが書かれていて、実際の仕事は別の場所から届いている状態だからだ。これはカレンダーの道具では直らない。届く仕事を会議と同じ面に置いて、時間の取り合いが起きていることを断れるうちに見えるようにするしかない。
語義の話から、道具の選び方へ戻す
意味を確定させる手順はここまでで足りる。2つの語義のどちらなのかは、修飾されている名詞を見て決める。語源から見れば懐疑側が古く、称賛側が新しい。カタカナ語の記憶に引っ張られると、後から来たほうの語義だけで読んでしまう。
そのうえで、語ではなく道具の話に移るなら、名前は判断材料から外す。見るのは対応macOSの版、課金の形、つなげる先、更新の時期の4つで、どれも一覧の上で確認できる。macOS向けの選択肢がこの4項目でどう違うのかは他のカレンダーとの比較に並べてある。語義を1つに絞れなかったのは語の性質であって、道具の選択は逆に、確認する項目を決めれば1つに絞れる。
よくある質問
fantasticalはどう訳すのが自然ですか?
修飾する名詞で変わります。生き物や挿絵、風景であれば「幻想的な、空想的な」、主張や数字であれば「現実離れした、真に受けがたい」が近くなります。1語に固定して覚えるより、名詞が実在しない前提のものか、現実の説明のつもりのものかで切り替えるのが確実です。
fantasticとfantasticalは同じ意味ですか?
いまは別の語として使われます。fantasticは日常語で「素晴らしい」に固定され、想像という含みは残っていません。fantasticalは「想像上の」「信じがたい」という古い側の語義を保っています。計画に対して使うと、前者は賛成、後者は実行できないという指摘に読まれます。
カタカナの「ファンタスティック」と同じ感覚で読んでよいですか?
避けたほうがよいです。日本語のカタカナ語は「素晴らしい」の側だけを取り込んでいて、原義の「想像上の」も、fantasticalが持つ懐疑の語義も入っていません。英文でこの語を見たときにすべて褒め言葉として読むと、相手の指摘を見落とすことがあります。
アプリの名前から中身は推測できますか?
できません。形容詞の名前が伝えるのは情緒だけで、確認できる情報を含みません。対応するmacOSの最低版、課金の形、対応しているカレンダーアカウント、最終更新の時期の4つを見れば判断できます。いずれも配布ページ側に書かれています。