BusyCalとは|何ができて、どこで詰まるか

BusyCal towa(とは)と検索する人は、GoogleカレンダーやiCloud、会社のOutlookに散らばった予定を1つの画面にまとめる道具を探している途中にいます。 名前は聞いたことがあっても、標準のカレンダーと何が違い、どこで手が止まるのかは、紹介記事だけではつかみにくいものです。 この記事では、開発元が公開しているヘルプと販売ページをもとに、BusyCalの成り立ち、仕組み、できること、詰まりやすい場所を順に整理し、自分の予定の組み方に合うかどうかを判断できるようにします。

2007年から続くMac用カレンダーの系譜

BusyCalは2007年に、Dave RiggleさんとJohn Chaffeeさんの2人が生み出したMac用のカレンダーアプリです。 2人はAppleがiCalを出すずっと前の1990年代初めに、ネットワーク対応のカレンダー「Now Up-to-Date」を作った開発者でもあります。 BusyCal 1.0は2009年に米Macworld誌の年間賞に選ばれ、Googleカレンダーとの同期、ローカルネットワークでの共有、リスト表示、天気の表示などが評価されました。

運営には変化があります。 開発元の会社紹介によると、2人は2017年に開発を次の担い手に引き継ぎました。 現在は、タスク管理アプリ2Doの作者であるFahad Gilaniさんが率いるBeehive Innovations FZEが、Busy AppsやBusyMacの名前の権利を持っています。 Mac App Storeでの販売元の表示はBusy Apps FZEです。

料金と販売の形も変わってきました。 BusyCal 1から2、2から3へは、それぞれ有料の版上げでした。 現在は版の番号を2025.4.4のような年と通し番号の形にし、買い切りの購入に18か月分の更新を含める方式に移っています。 Mac App Storeでは旧来の買い切り版のBusyCal 3が販売を終え、無料で入手して有料機能を定期購入する版に置き換わりました。 2024年8月には、定期購入しない人向けの無料版も加わっています。

まとめて確かめると、サービスの終了や新規受付の停止を知らせる告知は2026年9月時点の公式サイトには見当たりません。 Setappでは2026.3.1が配布されており、公式サイトの動作条件はmacOS 12以降です。

仕組み:標準のカレンダーを経由せず、各サービスに直接つなぐ

BusyCalを理解するうえで最初に押さえたいのが、つなぎ方です。 Mac用のカレンダーアプリの多くは、macOSに登録済みのアカウントを、Appleが用意したEventKitという仕組みを通して読み書きします。 BusyCalは原則としてこれを使わず、iCloudやGoogleにはCalDAV、会社のメールサーバーにはExchangeやMicrosoft Graph、購読カレンダーにはWebDAVという方式で、アプリから各サービスに直接つなぎます。

開発元はその理由を、EventKitでは会議の出欠管理、独自の通知、複数カレンダーへの時間のブロック、スマートフィルタ、移動時間と出発時刻の通知、タグなど、BusyCalの機能の多くが扱えないためと説明しています。

この設計は、使い始めの手間として表に出ます。 macOSのシステム設定に登録してあるアカウントを、BusyCalは自動で読み込みません。 GoogleもiCloudもOutlookも、BusyCalの設定画面で1つずつ追加し直すことになります。

一方で、会社の方針でアカウントを外部のアプリに直接追加できない人のために、BusyCalはバージョン2024.1.2から、macOSのカレンダーを読み取り専用で取り込む接続も用意しています。

BusyCal now supports direct syncing with Apple Calendar in read-only mode for those instances where adding your account directly to BusyCal is not feasible. 出典: busymac.com

読み取り専用のため、この接続で取り込んだ予定は編集できず、会議の招待への返答もできません。 開発元もこれを回避策と位置づけ、使える場合はアカウントを直接追加するよう勧めています。

できること:表示を曲げる、時間を守る、手早く入れる

BusyCalの機能は幅が広いため、予定の詰まり方と結びつけて見ると整理しやすくなります。

表示を曲げる機能は、見る範囲を自分で決めるためのものです。 週表示は表示メニューから2日から14日まで、設定では今日から31日、6週間、90日まで広げられます。 月表示は1週から12週まで選べます。 表示するカレンダーの組み合わせはカレンダーセットとして保存でき、キーボードの操作1つで切り替わります。 セットには検索条件や表示の設定、タイムゾーンも一緒に記憶させられます。

時間を守る機能には、移動時間と時間のブロックがあります。 移動時間は、予定の場所までの所要時間を計算して前に確保し、出発時刻に通知を出します。 出発地は、その予定の3時間前までにある別の予定の場所、なければ連絡先カードの自宅か勤務先の住所から決まります。 時間のブロックは、私用のカレンダーの予定を会社のカレンダーに「予定あり」として写す機能で、予定ごとに手で写す方法と、1つのカレンダーに規則を3つまで設定して自動で写す方法があります。

手早く入れる機能としては、文章で予定やタスクを作るクイック入力があります。 公式サイトでは英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、オランダ語、中国語簡体字、韓国語への対応がうたわれ、最近の更新で日本語にも対応しました。

このほか、Appleのリマインダーと同期するタスク表示、本体を閉じていても予定を見られるメニューバーのカレンダー、参加者の空き状況を並べる画面、24時間ごとの自動バックアップ(直近10件を保存)、AppleScriptによる自動化があります。 バージョン2026.1.3以降では、同じ自動化の仕組みを使い、AIアシスタントから予定の検索や作成を行う拡張も公開されています。

詰まりやすい場所1:アカウントをつなぐ段階

BusyCalを試してやめる人がつまずく場所は、機能より手前の接続にあることが少なくありません。 開発元のヘルプに書かれている注意点を並べると、次のようになります。

  • iCloudは、Appleアカウントの通常のパスワードでは接続できない。Appleアカウントの管理ページでアプリ用パスワードを発行して入力する
  • iCloudのログインに使うのは主のメールアドレスで、エイリアスでは通らない。@mac.comのアドレスは@icloud.comに置き換える
  • Googleは、ログイン時に表示される権限の一覧をすべて許可する必要がある。1つでも外すと同期が動かない
  • どちらも、Macの日付と時刻が自動設定になっていないと認証に失敗する
  • macOSのカレンダーにある「このMac内」のカレンダーは、BusyCalに自動で取り込まれない。書き出してから読み込む
  • 「このMac内」のカレンダーは、iPhoneと同期されない

どれも一度済ませれば終わる手順です。 ただ、試用期間の初日にここで止まると、機能に触れる前に判断がついてしまいます。 アカウントが4つ5つとある人ほど、この段階に時間を取られます。

詰まりやすい場所2:Googleのタスクと予定の項目

Googleカレンダーを主に使っている人は、Google側の制限による違いを知っておくと混乱を避けられます。 開発元がまとめている制限は、BusyCalに限らずGoogleの仕様によるものとされています。

  • Googleのタスクで同期されるのは、タイトル、期日(日付のみ)、メモの3つだけ。時刻、繰り返し、優先度、通知は同期されない
  • 予定へのファイル添付は同期されない。URLの欄もGoogleが同期しないため、Googleの予定では表示されない
  • 音の出る通知は、Google側でメッセージだけの通知に置き換えられる
  • 開始と終了で別のタイムゾーンを持つ予定は、BusyCalから作れない

BusyCal同士では、拡張同期という仕組みでタスクの時刻や優先度を受け渡せますが、Googleカレンダーのウェブ画面やAndroidには反映されません。 仕事のタスクをGoogleのタスクで共有しているチームでは、自分のMacでは見えている期限の時刻や優先度が、ほかの人には見えていないというずれが起きます。 なお、Googleアカウントの同期頻度は、バージョン2022.3.1以降、アカウントの設定でプッシュに切り替えられます。

詰まりやすい場所3:共有カレンダーと重複する予定

複数の人と予定を共有すると、別の種類の詰まりが出てきます。

参加者の空き状況を並べる画面は、GoogleカレンダーやExchange、Office 365、Fastmailなどでは使えますが、iCloudでは使えません。 家族や小さなチームの予定をiCloudでまとめている場合、会議の候補時間を探す作業はアプリの外で行うことになります。

同じ予定が2つ並ぶこともあります。 会議の招待が仕事用と個人用の両方のアカウントに届いた場合や、共有カレンダーと自分のカレンダーに同じ予定がある場合です。 BusyCalは両方を正しく同期しているだけなので、表示メニューの「Combine Identical Events」(同一の予定をまとめる設定)を有効にすると、1つにまとめて表示されます。

時間のブロックにも決まりがあります。 ブロック用の予定は、元の予定を作ったMacの上で更新されます。 ブロック側を手で直すと、次に元の予定が更新されたときに上書きされます。

カレンダーセットも、選んだあとにサイドバーでカレンダーの表示を変えると名前の横に「*」が付き、手で保存しない限りその変更は保持されません。 ローカルネットワークでカレンダーを共有する機能は、Mac上のBusyCal同士でしか使えず、iPhoneの標準カレンダーやiPhone版BusyCalでは見られません。

向いている使い方、別の道具を考える使い方

ここまでの事実を、よくある状況に当てはめると次のようになります。

状況 BusyCalとの相性を左右する点
Google、iCloud、Outlookのカレンダーが合わせて10本以上ある カレンダーセットで切り替えの手間が減る。接続の初期設定は1つずつ行う
私用の予定を会社側に「予定あり」として見せたい 規則による時間のブロックがそのまま当てはまる
タスクをGoogleのタスクで共有している 時刻や優先度がほかの人に伝わらない
会社がアカウントの外部アプリへの追加を認めていない 読み取り専用の接続になり、編集や出欠の返答ができない
家族の予定をiCloudで共有し、候補時間を探したい 空き状況の画面がiCloudでは使えない
カレンダーが2本で予定が少ない 標準のカレンダーとの差を感じる場面が少ない

上の2行に当てはまる人にとって、BusyCalは設計の狙いに近い道具です。 下の4行に当てはまる人は、接続の方式や共有先のサービスが制約になります。 アプリの良し悪しではなく、自分の予定がどのサービスに置かれ、誰と共有されているかで相性が決まります。

自分の詰まりがどこにあるかを確かめる

BusyCalが何をするアプリかを把握したら、次は自分の1週間のどこで時間を落としているかを確かめる番です。 表示を切り替える時間、予定を入れる操作、会議と会議の間の移動、共有相手とのずれのどれが大きいかによって、見るべき機能が変わります。

確かめ方は、手元のカレンダーを書き出すことから始められます。 カレンダーを1本ずつ、置いているサービス(iCloud、Google、Microsoft 365など)と、共有している相手の欄に分けて書き出すと、上の表のどの行に当たるかが見えてきます。

入力の手間が大きい人は、文章でどこまで予定を組み立てられるかに加えて、話し言葉と音声で予定を入れられるかが比べる軸になります。 予定の組み立て方の全体は使い方に、文章での入力は予定の入れ方に、移動の見込み方は移動時間にまとまっています。

複数のカレンダーアプリの対応サービスや料金の形を並べたい場合は他のカレンダーとの比較で確認でき、機能の一覧はできることで見られます。 接続や同期についての細かな疑問はよくある質問で確かめられます。

よくある質問

BusyCalはWindowsやAndroidでも使えますか?

公式ストアで販売されているのは、macOS版と、iPhone、iPad、Apple Watch向けの版です。Windows版とAndroid版は販売されていません。ただし予定はiCloudやGoogle、Exchangeなどのサーバーに置かれるため、WindowsのOutlookやAndroidの標準カレンダーからも、同じアカウントを通じて同じ予定を見られます。

macOS標準のカレンダーに登録したアカウントはそのまま使えますか?

そのままでは使えません。BusyCalはiCloudやGoogleなどに直接つなぐ設計のため、アカウントはBusyCalの設定画面で改めて追加します。iCloudはアプリ用パスワードの発行が必要です。会社の方針で直接追加できない場合に限り、標準のカレンダーを読み取り専用で取り込む接続も使えますが、予定の編集はできません。

BusyCalの動作に必要なmacOSのバージョンは?

公式サイトの表示ではmacOS 12以降が対象で、Mac App StoreとSetappの掲載ではmacOS 12.4以降と記されています。iPhone版はiOS 15以降が対象です。古いMacで使う場合は、入手する経路の掲載で対応バージョンを確認してから試用を始めると、途中で動かない事態を避けられます。

BusyCalで同じ予定が2つ表示されるのはなぜですか?

多くの場合、同じ予定が本当に2つのカレンダーに存在しています。会議の招待が仕事用と個人用の両方に届いた、共有カレンダーと自分のカレンダーに同じ予定がある、似た祝日カレンダーを2つ購読している、といった状況です。表示メニューの「Combine Identical Events」を有効にすると、1つにまとめて表示されます。

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