Fantasticalの不具合で確かめる順番|予定が出ない・同期しない・通知

Fantasticalで予定が表示されない、iPhoneと中身が合わない、通知が鳴らないといった不具合に当たると、アプリを入れ直したくなります。 ただ、入れ直しで直るのは一部だけで、多くは設定の置き場所がずれていることが原因です。 この記事では、症状を5つに分け、開発元のFlexibitsが公開しているヘルプとよくある質問に沿って、手間の少ない確認から順に並べます。 会議や移動の予定を毎日動かしている人が、どこで時間を落としているかを見極め、次に何を直すか決められるようにするのが狙いです。

不具合に見えるものの多くは、設定が3か所に分かれていることから起きる

Fantasticalは、予定そのものを抱えているアプリではありません。 iCloud、Google、Microsoft 365、Exchangeといったアカウントのサーバーにある予定を読み書きする窓口です。 そのうえで、カレンダーセットやテンプレート、通知の一部はFlexibitsアカウントに保存され、端末をまたいで同期されます。 さらに、カレンダーやリマインダー、連絡先へのアクセス許可はmacOSのシステム設定が握っています。

つまり、設定は次の3か所に分かれています。

  • カレンダーのアカウント:予定の本体。ここにない予定はどのアプリでも表示されない
  • Flexibitsアカウント:購読の状態、カレンダーセット、テンプレートなど。サインインの方法を端末ごとに変えると別のアカウントになる
  • macOSの設定:アクセス許可と通知。ここで止まっていると、アプリ側の設定をいくら直しても変わらない

「不具合」として現れる症状の多くは、この3か所のどれかが端末ごとに食い違っているだけです。 どこが食い違っているかを先に決めれば、確認する画面は1つか2つに絞れます。

もう1つ、最初に確かめておきたいのがアプリの版です。 公式のリリースノートを見ると、Mac版は2026年7月21日に4.1.17、8月14日に4.1.18、9月1日に4.1.19と、6週間ほどの間に3回更新されています。 その中には、共有しているiCloudカレンダーの同期の安定性の改善、Microsoft 365が混み合ったときにカレンダーが消える問題の修正、Outlookですでに削除された予定を削除や辞退したときの同期エラーの修正が含まれています。 古い版のまま症状を追いかけると、すでに直っている問題に時間を使うことになるので、確認の前に最新版にしておくのが近道です。

最初の切り分け:Fantasticalの問題か、アカウントの問題か

症状に取りかかる前に、問題がFantasticalの側にあるのか、カレンダーのアカウントの側にあるのかを分けます。 Flexibitsの同期トラブルの手順書が勧めているのは、各サービスのWeb版を使った確認です。

  • iCloudならiCloud.comのカレンダーを開く
  • GoogleならWeb版のGoogleカレンダーを開く
  • ExchangeならOutlookのWeb版かMicrosoft 365を開く

Web版で新しい予定を1件作り、Mac、iPhone、iPadのFantasticalに現れるかを見ます。 すべての端末に現れれば、アカウントの接続は正しく、新しい予定がどのカレンダーに入るかという既定の設定がずれている可能性が高いと手順書は説明しています。 一部の端末にだけ現れないなら、その端末のアカウントの設定を見直します。 Web版にも予定がないなら、Fantasticalではなく、予定を入れた元のアプリかアカウントの側を疑います。

同期には数分かかることがある、とも手順書に書かれています。 作った直後に出ていなくても、少し時間を置いてから判断すると、直す必要のないものを直さずに済みます。

Flexibitsのサービス自体に障害が出ていないかは、公式の稼働状況のページで確認できます。 本記事の執筆時点では、問題は検出されていないと表示されていました。

症状1:Macの標準カレンダーには出るのに、Fantasticalに出ない

公式のよくある質問が最初に取り上げている症状の1つです。 よくある質問は、まずアカウントを直接追加しているかを確かめるよう案内しています。

If you use a service such as iCloud, Google, Microsoft 365, or Exchange, you need to add that account directly to Fantastical. 出典: flexibits.com

Macの標準カレンダーにアカウントを登録してあっても、Fantasticalには自動では入りません。 Fantasticalの設定を開き、アカウントのタブにiCloudやGoogleが並んでいるかを見ます。

確認は次の順で進めます。

  • 設定のアカウントに、予定を持っているアカウントが並んでいるか
  • 設定の「Calendars & Lists」(カレンダーとリストの一覧)で、見たいカレンダーがオンになっているか
  • 表示メニューのカレンダーセットで、意図したセットが選ばれているか
  • 「このMac内」のカレンダーを使っているなら、macOSのプライバシーとセキュリティでカレンダーとリマインダーへのアクセスが許可され、設定のAccountsにある「Apps」でローカルのカレンダーの同期がオンになっているか

最後の項目は見落とされがちです。 公式の説明では、カレンダーとリマインダーのどちらかへのアクセスを拒否すると、Fantasticalは動かないとされています。 誕生日と招待を扱うには、連絡先へのアクセスも必要です。

カレンダーセットも盲点になります。 仕事用のセットを選んだまま家族の予定を探すと、予定が消えたように見えます。 料金ページの比較表では、無料版で使えるカレンダーセットは1つ、有料版は無制限です。 セットを複数作っていた人が無料版に戻ると、選べるセットの数が変わる点も覚えておきます。

なお、2026年8月の4.1.18では、macOSのインターネットアカウントに登録したカレンダーを表示する選択肢が加わりました。 標準カレンダー側の登録をそのまま使いたい場合は、最新版にしたうえでこの設定を探すと早く済みます。

症状2:iPhoneやiPad、Windowsと中身が合わない

端末をまたいだ同期のずれは、3つの設定が端末ごとにそろっているかで決まります。 Flexibitsの手順書は、次の順番で確かめるよう書いています。

  • すべての端末で、同じカレンダーのアカウントを追加しているか
  • すべての端末で、同じカレンダーが表示され、同じカレンダーセットが選ばれているか
  • すべての端末で、既定のカレンダーと既定のタスクリストが同じアカウントのものになっているか

3つ目がずれていると、Macで入れた予定はGoogleに、iPhoneで入れた予定はiCloudに入り、それぞれ片方の端末でしか見えない状態になります。 予定は消えていないのに、同期していないように見えるのはこのためです。 カレンダーセットごとにも既定のカレンダーを持てるので、一般設定だけでなく、セットごとの設定も見ておきます。

もう1つの原因が、Flexibitsアカウントの分裂です。 ヘルプには、別の端末でサインインするときは、最初に作ったときと同じ方法を使うよう書かれています。 方法は、メールアドレスとパスワード、Appleでサインイン、Googleでサインインの3つです。 方法を変えるとアカウントが2つでき、同期と購読の両方で問題が起きると明記されています。 「Macでは有料版なのに、iPhoneでは無料版の表示になる」という症状は、この分裂を最初に疑います。

同じiCloudのアカウントを使っていない端末でサインインするときは、アカウントキーも求められます。 最初の登録で表示されたキーを控えていない場合は、サインイン済みの端末の設定から確認できます。

症状3:アカウントを追加できない、パスワードが通らない

アカウントの追加で止まる場合は、ほとんどがサービス側の決まりによるものです。

iCloudでは、Appleアカウントの通常のパスワードは使えません。 account.apple.comのサインインとセキュリティから「App用パスワード」を発行し、それを入力します。 公式のよくある質問によると、2ファクタ認証が有効でないアカウントは接続できません。 メールアドレスは、Appleアカウントの主要なアドレスを使う必要があります。

会社のGoogle Workspaceでは、管理者が外部アプリの接続を制限している場合があります。 その場合は利用者の側では解決できず、管理者にFantasticalを信頼できるアプリとして登録してもらう必要があります。

Microsoft 365を使う組織では、Exchangeとしてではなく、Microsoft 365として追加するほうが、組織のシングルサインオンや多要素認証に対応できるとヘルプは説明しています。 組織が外部アプリを制限しているときのために、管理者へ送る承認用のURLもヘルプに載っています。

ここで1つ、不具合と間違えやすい仕様があります。 現在のMicrosoft 365の接続方式(Microsoft Graph)では、代理人として共有されたカレンダーは表示されません。 Web版のOutlookで自分のアカウントに追加した共有カレンダーは表示される、とされています。 上司や同僚の予定を代理で管理している人は、設定をいじる前に、この条件に当てはまっていないかを確かめてください。

症状4:通知が来ない、同じ通知が2回鳴る

通知の不具合は、Macの標準カレンダーとFantasticalの両方が通知を出そうとしていることから起きます。 公式のよくある質問に書かれた手順は3つです。

  • Fantasticalの設定の「Alerts」(通知の項目)で、欲しい通知がオンになっているかを確かめる
  • macOSのシステム設定の通知で、カレンダーとリマインダーの通知をすべてオフにし、通知のスタイルを「なし」にする
  • 同じ画面で、FantasticalとFantastical Helperの通知がすべて許可されているかを確かめる

2つ目を忘れると二重に鳴り、3つ目が止まっていると1回も鳴りません。 Fantastical Helperは自分で起動した覚えのない名前ですが、公式の手順では許可する対象に含まれています。 よくある質問によると、Mac版はアプリを開いていないときも裏で通知と同期を続けられる作りになっています。

特定のカレンダーの通知だけを止めたい場合は、設定の「Calendars & Lists」でカレンダーをダブルクリックし、「Ignore alerts」にチェックを入れます。 購読しているスポーツの日程や、他人の共有カレンダーの通知が多すぎるときに役立ちます。 共有カレンダーの変更のお知らせは、Alertsの設定にある「Show shared calendar messages in Notification Center」のチェックを外すと止まります。

移動時間を入れているのに出発の通知が来ない場合は、別の条件があります。 通知が出るのは、Macの現在地が次の予定の場所から3時間の範囲にあるときで、場所は候補の一覧から選んでおく必要があります。

症状5:起動しない、使っている途中で勝手に終了する

Fantasticalが警告なしに終了する場合、公式の記事はまず空き容量を確かめるよう案内しています。 macOSは空き容量が少なくなると、アプリが置いているファイルを自動で削除することがあり、そのときにデータの破損を防ぐためFantasticalを終了させる、という説明です。 記事では、空きが20GB程度まで減った状態を例に挙げています。 いわゆる「クリーナー」系のアプリを使っていると、同じ理由で終了することがある、とも書かれています。

起動直後に落ちる、アカウントが消えたといった状態が続く場合のために、設定を初期状態に戻す手順も公開されています。

  • Finderでcommand、shift、Gを同時に押し、~/Library/Containers にある Fantastical のフォルダをゴミ箱に入れる
  • 同じく ~/Library/Group Containers にある 85C27NK92C.com.flexibits.fantastical2.mac をゴミ箱に入れる
  • Macを再起動してから、Fantasticalを開き、アカウントを追加し直す

公式の説明では、フォルダを消したあとに再起動しないと設定が保存されないと強調されています。 この手順ではアカウントの登録をやり直すことになるため、App用パスワードや会社のアカウントの承認をもう一度通す必要があります。 症状1から4の確認を終えてから、最後の手段として使うのが無難です。

それでも直らないときに、問い合わせの前にそろえるもの

ここまでで直らなければ、Flexibitsのサポートに問い合わせます。 その前に、各端末から診断の報告をコピーしておくと、やり取りの回数が減ります。

  • Mac:メニューバーのHelpから「Diagnostics & Troubleshooting」を選び、「Copy Report」を押す
  • iPhoneとiPad:設定の下にあるヘルプから同じ項目を選ぶ
  • Windows:メニューのヘルプから同じ項目を選ぶ

問題が起きている端末だけでなく、正常に見える端末の報告も添えると、どちらの設定がずれているかを比べやすくなります。

古いmacOSで使っている場合は、対応の範囲も確かめておきます。 よくある質問によると、macOS Big Surで使える最後の版は3.8.23です。 Fantastical 2のサポートは2020年に終わっていて、古い版を新しいmacOSで使うと問題が起きる可能性があるとされています。

有料版を試している最中に不具合が続き、使い続けるか迷っている場合は、試用の条件も押さえておきます。 Flexibits Premiumの試用は14日間で、更新したくない場合は終了の24時間前までに解約するよう案内されています。 一度請求された料金は返金されない、とも書かれています。 Flexibitsから直接購入した場合はFlexibitsアカウントの請求画面、App Storeで購入した場合はApp Storeのサブスクリプション画面から解約します。

2026年9月時点で、Fantasticalの提供終了や新規受付の停止の告知はなく、App Storeの販売元も引き続きFlexibits Inc.です。 料金は2023年1月3日に改定されています。 「不具合が増えたのはサービスが縮小しているからでは」と心配する必要はなく、目の前の設定の食い違いを1つずつ直していくのが確実です。

独自データから見えること:同期が直ったあとに残る詰まり

ここまでの確認で、予定が正しく表示され、端末の間でそろい、通知も1回ずつ鳴るようになったとします。 それでも一日が回らないと感じる場合があります。 同期の不具合は「予定が見えない」問題で、見えるようになったあとには「予定の間に隙間がない」問題が残るからです。

たとえば、10時に終わる会議の次に、10時30分から別の場所で打ち合わせが入っている週を考えます。 画面では30分空いていても、移動に40分かかるなら、実際には10分の遅刻が確定しています。 同期がどれだけ正確でも、この空白はカレンダーに書かれていないので、共有しているほかの人にも空いているように見えます。

移動時間では、予定の場所から次の予定までの移動を、予定と同じようにカレンダーの上に置いて考える方法をまとめています。 移動を予定として置けば、見た目の空きと実際の空きが一致し、ほかの人に空き時間へ会議を入れられることも減ります。

もう1つは、入力の手間です。 移動や準備の時間を毎回フォームで入れるのは続きにくく、結局は書かなくなりがちです。 予定の入れ方では、時刻や場所を含む一文から予定を作る流れを紹介しています。

アプリを替える選択肢を考える場合は、他のカレンダーとの比較で、Macで使えるカレンダーアプリを、同じ期間使い続けたときの支払い総額と、できることの違いで並べています。 不具合の切り分けが済んだ段階で、同期の問題なのか、予定の組み方の問題なのかを分けて考えると、次に変えるものが1つに絞れます。

よくある質問

Fantasticalを削除して入れ直せば、不具合は直りますか?

入れ直しだけでは、設定を保存しているフォルダが残るため、変わらないことが多いです。予定の本体はiCloudやGoogleのサーバーにあるので、まずWeb版で予定があるかを確かめ、アカウントの追加、表示するカレンダー、既定のカレンダーの順に見直してください。設定を初期化する手順は、ほかを試してから最後に使うのが無難です。

iPhoneのFantasticalでは有料版なのに、Macでは無料版の表示になるのはなぜですか?

Flexibitsアカウントが2つできている可能性があります。最初にメールアドレスで登録したのに、別の端末でAppleやGoogleでサインインすると、別のアカウントとして扱われます。すべての端末で最初と同じサインインの方法を使うと、購読の状態と同期がそろいます。

iCloudのカレンダーを追加しようとするとパスワードが通りません。どうすればよいですか?

Appleアカウントの通常のパスワードではなく、account.apple.comで発行するApp用パスワードを入力してください。2ファクタ認証が有効でないと接続できず、メールアドレスもAppleアカウントの主要なアドレスを使う必要があります。

会社のMicrosoft 365で見えていた上司のカレンダーが、Fantasticalに出てきません。不具合ですか?

不具合ではなく、現在の接続方式の仕様です。Microsoft 365をMicrosoft Graphで同期する場合、代理人として共有されたカレンダーは表示されません。Web版のOutlookで自分のアカウントに共有カレンダーとして追加しておけば、表示されるとヘルプで案内されています。

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