Fantasticalの手順|最初に決めておくこと
Fantasticalを入れて、GoogleカレンダーとiCloudと会社のカレンダーをつないだものの、画面が予定で埋まって前より見にくくなった、という状態で使い方を調べる人は少なくありません。 原因の多くは機能の知識不足ではなく、最初に決めておくべき「既定」を決めないまま使い始めたことにあります。 この記事では、Fantasticalの使い方を、後から直すと手間が増えるものから順に8つの手順に分けて並べます。 各手順で触る設定の場所は、公式のMac版ヘルプに書かれている名前に合わせています。
手順を始める前に:設定は2か所に分かれて保存される
手順に入る前に、Fantasticalの設定がどこに残るかを押さえておくと、順番の意味が分かります。 予定そのものはGoogleやiCloudなどのカレンダーの側に保存され、カレンダーセットやテンプレート、ミラーリングの規則などはFlexibitsアカウントの側で端末の間に同期されます。 つまり、アカウントの作り方を間違えると後の設定が全部そちらに積み上がり、既定のカレンダーを決めずに予定を入れ始めると、間違った置き場所の予定が日に日に増えていきます。
Mac版にはメニューバーの小窓と、全画面の本体の2つの窓があります。 設定は、本体のメニューからでも、メニューバーのアイコンをクリックして右下の歯車からでも開けます。 以下の手順は、どちらから開いても同じ画面を指しています。 なお、Mac App Storeの記載ではmacOS 12.4以降が必要です。
手順1:サインインの方法を1つに決め、アカウントキーを控える
初回起動で求められるFlexibitsアカウントは、メールアドレスとパスワード、Appleでサインイン、Googleでサインインの3通りで作れます。 ここで決めるのは、どれを選ぶかより「今後すべての端末で同じ方法を使う」ことです。 iPhoneやiPad、WindowsのPCでも使う予定があるなら、どの端末でも使える方法を選んでおくと迷いません。
アカウントを作ると、アカウントキーが表示されます。 これは同期するデータを暗号化する鍵で、iCloudを共有していない端末でサインインするときに求められます。 ライセンスの番号ではないので、人に伝えるものではありません。 Mac版では設定の「Flexibits Account」タブからいつでも表示できるので、パスワード管理のアプリなどに控えておきます。 同じタブでは購読の状態も確かめられるので、試用を始めたあとに有料の機能が使える状態になっているかもここで見ます。
手順2:カレンダーのアカウントを、種類ごとの入口から追加する
カレンダーのアカウントは、設定の「Accounts」タブで、左の一覧の下にある「+」から追加します。 種類を選ぶ画面で何を選ぶかが、この手順のすべてです。
- iCloud:Appleアカウントの管理画面で「App用パスワード」を1つ作り、それを貼り付ける。名前は「Fantastical」のように用途が分かるものにしておくと、後で取り消すときに迷わない
- Google:Googleのアカウントでサインインして許可する。追加したあとに「Manage Delegates...」を開くと、他の人から共有されたカレンダーを表示に加えられる
- 会社のMicrosoft 365:Exchangeではなく「Microsoft 365」を選ぶ。会社のシングルサインオンや多要素認証の画面をそのまま通れる
- その他:Exchange、Fastmail、CalDAVなどは、それぞれの種類を選んで入力する
追加するのは、実際に見る必要があるアカウントだけにします。 昔使っていたGoogleアカウントまで全部つなぐと、手順5で絞る手間が増えます。
手順3:一般設定で「既定」を4つ決める
アカウントがつながったら、予定を1件も入れる前に「General」タブで既定の値を決めます。 ここを後回しにすると、入れた予定が意図しないカレンダーに入り、あとから1件ずつ移すことになります。
- Default calendar:予定を入れる先のカレンダー。仕事の予定が多い人は仕事用、家庭の予定が多い人は個人用にする
- Default event duration:新しい予定の長さ。会議の多くが30分なら30分にしておくと、終了時刻を毎回直す手間が消える
- Day starts at/ends at:1日の表示で強調される時間帯。移動時間の起点を「職場」とみなす時間帯の判定にも使われる
- Run in background:本体を閉じても同期を続け、小窓を使えるようにする
もう1つ、同じ画面で小窓を呼び出すキーボードショートカットを登録しておきます。 「Record Shortcut」を押して、他のアプリと重ならない組み合わせを押すと、どのアプリを使っていても小窓が開くようになります。 予定を入れるたびにマウスでメニューバーまで行く動作が消えるので、入力の回数が多い人ほど効きます。
手順4:通知を出すカレンダーを絞る
複数のカレンダーを重ねると、自分に関係のない共有カレンダーや購読カレンダーの通知が次々に出るようになります。 通知が多すぎると本当に動くべき予定の通知まで読み飛ばすようになるので、表示を整える前に通知を絞ります。
設定の「Calendars & Lists」で対象のカレンダーをダブルクリックし、「Ignore alerts」にチェックを入れると、そのカレンダーの通知と招待の知らせが止まります。 共有カレンダーに誰かが予定を足したときの知らせは、「Alerts」タブの通知センターに出す設定を外すと止められます。 残す基準は、「その予定のために自分が席を立つか、移動するか」で分けると迷いません。
残した通知の扱い方も2つ覚えておくと、通知が溜まりにくくなります。 通知のオプションのボタンから再通知までの時間を選べば、あとで思い出させる形で一度閉じられます。 招待の通知も同じボタンから出欠を返せるので、本体を開かずに処理できます。 溜まった通知は、Fantastical内の通知一覧の右上にある「…」からまとめて消せます。
手順5:カレンダーセットで、見る組み合わせを保存する
カレンダーセットは、表示するカレンダーの組み合わせに名前を付けて保存し、切り替える仕組みです。 最初から「My Calendar Set」という名前のセットが1つ用意されていて、無料版で使えるのはこの1つまでです。
操作で覚えておくと速くなるのは次の3つです。
- Controlキーと1で、全てのカレンダーを表示する状態に戻る。2つ目以降のセットはControlキーと2、3の順に割り当てられる
- Optionキーを押しながらカレンダーのチェックをクリックすると、そのアカウントのカレンダーをまとめて表示・非表示にできる
- OptionキーとShiftキーを押しながらクリックすると、そのカレンダーだけを表示して他を全部隠せる
セットを複数作る場合は、セットごとに既定のカレンダーを変えることもできます。 「仕事」のセットを表示している間は仕事用のカレンダーに予定が入り、「家族」のセットでは家族の共有カレンダーに入る、という使い分けです。 時刻や場所で自動的にセットを切り替える設定は有料の側にあります。
手順6:入力の書き方を5つだけ覚える
Fantasticalの入力欄は、話すような文章から予定を作ります。 全部の書き方を覚える必要はなく、次の5つで日常の予定のほとんどは足ります。
- カレンダーの指定:スラッシュに続けてカレンダー名の頭文字を書く。公式ヘルプの例では、「Home」という名前のカレンダーなら「/h」、「Work」なら「/w」になる
- 相手の指定:「with」に続けて連絡先の名前の最初の数文字を書くと候補が出る
- 場所の指定:「at」に続けて場所の名前を書くと、過去に使った場所や候補が出る
- 通知の指定:「alert 30 minutes」のように通知の時刻を文章の中に書ける
- タスクの指定:「todo」「task」「reminder」で始めるとタスクになり、末尾に「!」を重ねると優先度が上がる
件名にFantasticalが日付と誤解しそうな言葉が入る場合は、その部分をダブルクォーテーションで囲むと、そのまま件名として扱われます。 同じ内容の予定を繰り返し入れるなら、既存の予定を右クリックして「Create Template」を選ぶとテンプレートになります。 テンプレートは有料の機能です。
文章で書くより画面で決めたほうが早い場面もあります。 小窓ではカレンダーの日付をダブルクリックすると、その日の予定として入力が始まります。 本体の週や月の表示では日付や時刻をダブルクリックするか、開始から終了までをドラッグすると、その時間帯で予定を作れます。 文章で入力している途中でも、表示されている予定の見本を別の日時へドラッグすると、入力内容がその日時に合わせて書き換わります。
手順7:移動時間を使う前に、連絡先の自分のカードを整える
有料版の移動時間は、予定の前に移動にかかる時間を確保し、日と週の表示にその時間を塗って見せる機能です。 予定の詳細の左下にある展開のボタンを押し、移動時間のメニューから選ぶと、自宅、職場、直前の予定の場所からの所要時間が表示されます。 所要時間が分かっているなら、手で入力することもできます。
この機能を使う前に整えておくのが、Macの連絡先アプリの自分のカードです。 公式ヘルプには次のように書かれています。
Your home and work addresses are taken from your My Card in the Contacts app. 出典: flexibits.com
自分のカードに自宅と職場の住所を入れていなければ、起点が選べません。 また、予定の場所を入力するときは、文字を打つだけで終えずに候補の一覧から選ぶと、出発時刻の通知も受け取れるようになります。
手順8:ミラーリングは最後に、1組ずつ作る
ミラーリングは、あるカレンダーの予定を、別のカレンダーに「予定あり」の枠として写す機能です。 影響が大きいので、ここまでの手順で表示と入力が落ち着いてから設定します。
設定の「Mirroring」タブで左下の「+」を押し、規則を作ります。 決める項目は次のとおりです。
- 写し元と写し先のカレンダー。どちらも一度決めると、その規則の中では変えられない
- 写す範囲。無料版は2週間先まで、有料版は6か月先まで
- 終日の予定と、「空き」扱いの予定を含めるかどうか
- 写した予定の件名。既定は「Blocked Time」で、元の件名をそのまま使うこともできる
- 場所を写すかどうか
私用の予定を仕事用のカレンダーに写す場合、元の件名を使う設定と場所を含める設定を外しておくと、写した予定には「Blocked Time」という件名と時間だけが載ります。 最初は1組だけ作って1週間様子を見て、問題がなければ次の組を足す進め方にすると、写しすぎて画面が倍に埋まる事態を避けられます。
1週間後に見直す3つの数
8つの手順を終えたら、1週間使ったところで3つの数を数えます。 1つ目は、予定を間違ったカレンダーに入れて移し直した件数で、多ければ手順3の既定か、手順5のセットごとの既定を見直します。 2つ目は、関係のない通知を閉じた回数で、1日に5回を超えるなら手順4に戻ります。 3つ目は、会議と会議の間の移動で次の予定に遅れそうになった回数です。
3つ目の数が減らない場合、表示や通知の設定では解決しません。 移動を予定の一部として置く考え方は、移動時間で手順の形にまとめてあります。 Mac用のカレンダーアプリで話し言葉と音声で予定を入れられる流れは予定の入れ方に、備えている機能の全体は使い方に整理しました。 他のカレンダーアプリとの料金や提供の形の違いは他のカレンダーとの比較で並べています。
よくある質問
Fantasticalを入れたら最初に何を設定すればよいですか?
最初に決めるのはFlexibitsアカウントのサインイン方法で、全ての端末で同じ方法を使います。次にカレンダーのアカウントを種類ごとの入口から追加し、予定を入れる前に一般設定で既定のカレンダーと予定の長さを決めます。この順番にすると、予定が意図しないカレンダーに入る手戻りを避けられます。
iCloudのカレンダーを追加しようとするとパスワードが通りません。どうすればよいですか?
iCloudのカレンダーを追加するときは、Appleアカウントの通常のパスワードではなく、Appleアカウントの管理画面で発行するApp用パスワードを使うと公式ヘルプに書かれています。サインインとセキュリティの項目からApp用パスワードを作り、Fantasticalの入力欄に貼り付けてください。
仕事と家族のカレンダーを切り替えて見るにはどうしますか?
カレンダーセットを使います。無料版では1つまでですが、OptionキーとShiftキーを押しながらカレンダーのチェックをクリックすると、そのカレンダーだけを表示できます。有料版ではセットを複数作ってControlキーと数字で切り替えられ、時刻や場所で自動的に切り替えることもできます。
私用の予定を会社のカレンダーに写すと、中身が同僚に見えてしまいませんか?
ミラーリングの規則では、写した予定の件名と場所を含めるかどうかを選べます。既定の件名は「Blocked Time」で、元の件名を使う設定と場所を含める設定を外しておけば、私用の件名や行き先を写さずに済みます。写す範囲は無料版で2週間先、有料版で6か月先までです。