BusyCalの使い方|最初に決めておくことと設定の順番

BusyCal tsukaikata(使い方)を調べている人は、インストールした直後か、試用を始めて数日で「予定が思ったカレンダーに入らない」「表示の切り替えが元に戻る」といった違和感を覚えている段階にいることが多いはずです。 BusyCalは設定の自由度が高いぶん、最初の順番を誤ると、あとから直す手間が増えます。 この記事では、開発元のヘルプに書かれた仕様をもとに、あとから変えにくいものから順に決めていく手順を整理します。

設定で手が止まりやすくなった背景

1人が持つカレンダーの数は増え続けています。 個人のGoogleアカウント、家族と共有するiCloud、会社のMicrosoft 365、取引先から共有されたカレンダー。 それぞれのサービスは安全のために接続の手順を厳しくしており、iCloudは外部のアプリにアプリ用パスワードを求め、Googleはログインのときに細かな権限の許可を求めます。 Microsoft 365も、従来のExchange Web ServicesからMicrosoft Graphという新しい方式への移行が進み、BusyCalも新しい方式に対応しています。

こうした流れの中で、BusyCalはmacOSに登録済みのアカウントを使わず、アプリの中で1つずつ接続する設計を取っています。

For security reasons, BusyCal cannot automatically access account details already stored in macOS System Settings. 出典: busymac.com

つまり、標準のカレンダーでは一度で済んでいた接続を、BusyCalではアカウントの数だけ繰り返すことになります。 カレンダーが6本、アカウントが3つある人なら、使い始めの作業の多くは接続です。 その前提で以下の順に進めると、途中でやり直す場面が減ります。

手順1:入手する経路を先に決める

設定を始める前に決めておきたいのが、どこから入手するかです。 BusyCalは3つの経路で配られています。

  • 開発元の直販:49.99米ドルの買い切りで、購入日から18か月分の更新込み
  • Mac App Store:無料で入手でき、有料機能は月額4.99米ドルか年額39.99米ドルの定期購入
  • Setapp:月額14.99米ドルからの詰め合わせ

開発元は、これらを互いに振り替えられないと明記しています。 この決定を後回しにすると、App Store版で数週間かけて設定を作り込み、あとから直販の買い切りに移りたくなったときに、定期購入の解約と直販での購入が必要になります。

判断の目安は次のとおりです。 自分のMacで数年は使うつもりなら直販、1年ごとに続けるかを見直したいならApp Store、BusyCal以外にもSetappのアプリを使う予定があるならSetapp、という分け方になります。 直販とApp Storeにはどちらも14日間、Setappには7日間の試用があります。 試用は、実際に買うつもりの経路で始めるのが安全です。

手順2:初回の許可と、Macの時計を整える

BusyCalを初めて開くと、設定アシスタントが表示され、3つのアクセス許可を求められます。

  • 連絡先:誕生日の表示、会議の招待、メールの通知、住所の補完に使う
  • 位置情報サービス:現在地の天気の表示に使う
  • リマインダー:タスクの同期と表示に使う

この画面を読み飛ばしてしまった場合は、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」から、連絡先、位置情報サービス、リマインダーのそれぞれでBusyCalを許可します。 設定アシスタントは初回にしか表示されないため、あとから探すときはシステム設定側を開きます。

見落としやすいのが、Macの日付と時刻です。 開発元は、日付と時刻の自動設定がオフになっているとGoogleの認証が失敗し、iCloudのアプリ用パスワードも理由が分からないまま通らなくなると注意しています。 システム設定の「一般」から「日付と時刻」を開き、自動設定を有効にしてからアカウントの追加に進みます。

手順3:アカウントをBusyCalの中で追加する

アカウントは、BusyCalの設定の「アカウント」で、左下の「+」から1つずつ追加します。 サービスごとの注意点は次のとおりです。

iCloudは、Appleアカウントの管理ページでアプリ用パスワードを発行し、それを入力します。 ログインに使うのは主のメールアドレスで、エイリアスでは接続できません。 @mac.comのアドレスを使っている人は@icloud.comに置き換えて入力します。 発行したパスワードは2台目のMacでも使い回せるため、安全な場所に控えておくと手間が省けます。 アプリ用パスワードの扱いはAppleサポートでも確認できます。

Googleは、表示される権限の一覧で「すべて選択」を押してから進みます。 1つでも外すと同期が動かなくなります。 複数のGoogleアカウントは、それぞれ別に追加すれば並べて表示できます。 追加したあとは、アカウントを選んで同期頻度をプッシュに切り替えると、Google側の変更が早く反映されます(バージョン2022.3.1以降)。

会社のMicrosoft 365は、新しい接続方式であるMicrosoft Graphに対応しています。 会社の方針で外部のアプリにアカウントを追加できない場合は、macOSのカレンダーを読み取り専用で取り込む接続を選べますが、予定の編集や招待への返答はできません。

手順4:「このMac内」のカレンダーを片づける

標準のカレンダーで「このMac内」に予定を作ってきた人は、ここで扱いを決めます。 BusyCalは標準のカレンダーの「このMac内」のカレンダーを同期も自動取り込みもしないため、標準のカレンダーから書き出し、BusyCalで読み込む必要があります。

もう1つの判断材料が、iPhoneとの関係です。 BusyCalがiPhoneと予定を同期するのは、iCloud、Google、Exchange、CalDAVといったサーバーを通じてだけで、「このMac内」のカレンダーはiPhoneに届きません。 外出先で見る必要がある予定なら、読み込むときにiCloudやGoogleのカレンダーへ移しておくと、あとで二重管理になりません。

一方で、Macの中だけで完結させたい記録や、外部のサーバーに置きたくない予定は、あえて「このMac内」に残す選択もあります。 どちらに置くかをカレンダーごとに決めてから読み込むと、あとで予定を1件ずつ移し替える作業が発生しません。

手順5:新しい予定の既定値を決める

アカウントがそろったら、予定を1件も入れる前に、設定の「一般」で既定値を決めます。 ここを後回しにすると、クイック入力で作った予定が意図しないカレンダーに入る、という詰まりが起きます。 開発元のヘルプにも、クイック入力の予定は、別のカレンダーを指定しない限り既定のカレンダーに入ると書かれています。

決めておきたい項目は次のとおりです。

  • 新しい予定を入れる既定のカレンダー(Default calendar for Events)
  • 既定の開始時刻と、既定の長さ(分)
  • 週表示に出す日数。既定は今日から7日で、2日から31日のほか、42日、90日も選べる
  • 月表示に出す週数。既定は今日から6週で、1週から12週、または通常の1か月表示を選べる
  • 1日の始まりと終わりの時刻、勤務日

週表示を「今日から」の範囲にすると、左端がいつも今日になり、この先の予定に意識が向きます。 「1週間」を選ぶと、左端は週の始まりの曜日に固定されます。 暦の週で計画を立てる人は後者、今日からの流れを追いたい人は前者、というように、既定のままにせず選んでおくと見え方のずれが起きません。

手順6:カレンダーセットを作り、保存の決まりを知る

表示するカレンダーの組み合わせを保存するのが、スマートフィルタで作るカレンダーセットです。 サイドバーで表示したいカレンダーにチェックを入れ、フィルタメニューから新しいスマートフィルタを作り(⌘-Control-N)、「Remember calendar set (visible calendars)」を有効にして名前を付けます。

作ったセットはフィルタバーに並び、⌘-Control-1が絞り込みなしの状態、最初に保存したセットが⌘-Control-2になります。 開発元が例に挙げている組み合わせは、仕事、個人、主のカレンダーだけの集中用、すべて、プロジェクトと締め切りの計画用の5つです。

使い始めて戸惑いやすいのが保存の決まりです。 セットを選んだあとでサイドバーのチェックを変えると、ツールバーのフィルタ名に「*」が付きます。 この変更は手で保存しない限り捨てられます。 一時的に別のカレンダーを覗いても、作り込んだセットが崩れないようにするための設計です。 「切り替えが元に戻る」と感じたら、まずこの印を確認します。

なお、複数のスマートフィルタとカレンダーセットは、App Store版では有料機能の一覧に入っています。 試用期間中にセットを5つ作る前に、どの経路で使うかと合わせて確認しておくと安心です。

手順7:入力、移動時間、時間のブロックの設定

日々の操作を速くするのがクイック入力です。 アプリの中では⌘-Option-N、メニューバーからは⌘-Control-Bで入力欄が開きます。 ヘルプの英語の例では、「Dentist at 2:00 Monday alarm 15m」で15分前の通知付き、「[45m]」を付けると45分の予定、「allday」で終日の予定になります。 日本語のクイック入力にも、最近の更新で対応しました。

移動時間を使う場合は、まず設定の「Info Panel」で移動時間の欄を表示させます。 場所を入れた予定に自動で移動時間を付けたいときは、詳細設定の「Locations」で有効にします。 出発地は、その予定の3時間前までにある別の予定の場所、なければ時間帯に応じて連絡先カードの自宅か勤務先から決まります。 連絡先カードに住所が入っていないと計算の起点が定まらないため、ここで住所を確認しておきます。

私用の予定を会社のカレンダーに「予定あり」として写したい人は、元になるカレンダーを右クリックして情報画面を開き、「Automation」タブで規則を作ります。 1つのカレンダーに3つまで設定でき、写し方は、詳細を消して「[Busy]」とだけ表示する方式と、タイトルやメモを含める方式から選べます。 共有カレンダーに写すなら、詳細を消す方式が向いています。 規則による自動ブロックは、バージョン2026.2.3以降で使えます。

手順8:バックアップと2台目のMac

最後に守りの設定を確認します。 BusyCalは標準で24時間ごとにカレンダーを自動でバックアップし、直近10件を残します。 頻度、残す数、保存場所は設定の「Backup」で変えられます。 復元するときは、今のカレンダーを丸ごと上書きする方法と、「このMac内」のカレンダーとして復元して必要な予定だけを移す方法があり、後者なら直近の変更を失いません。

2台目のMacでは、同じiCloudにサインインしてBusyCalを入れると、アカウントの一覧が自動で表示されます。 パスワードやトークンは安全のためMacの間で同期されないので、アカウントごとに「Use Account」を押して入力し直します。 スマートフィルタ、タグ、設定の多くもiCloudを通じて引き継がれます。 直販の個人ライセンスは、同じ登録コードで個人のMac5台まで使えます。

設定を終えたあとに見る場所

設定を一通り終えたら、1週間のうちどこで時間を落としているかを確かめます。 カレンダーの切り替えが減ったのに会議に遅れるなら移動の見込み方、予定は見やすくなったのに入力が億劫なら入力の方式が、次に見直す場所です。

入力を見直すときは、文章でどこまで予定を組めるかに加えて、話し言葉と音声で予定を入れられるかも比べる軸になります。 予定の組み立ての流れは使い方、入力の手順は予定の入れ方、会議の間の移動の扱いは移動時間で確認できます。 機能の全体はできること、ほかのアプリとの違いは他のカレンダーとの比較、設定で残った疑問はよくある質問で確かめられます。

よくある質問

BusyCalで入れた予定が別のカレンダーに入ってしまうのはなぜですか?

クイック入力で作った予定は、入力の文章で別のカレンダーを指定しない限り、設定の「一般」で指定した既定のカレンダーに入ります。アカウントを追加したあとは、既定のカレンダーが意図したものになっているかを確認し直します。入力のたびに入れる先が変わる人は、文章の中でカレンダーを指定する使い方が合います。

BusyCalでiCloudのパスワードが通らないのはなぜですか?

BusyCalからiCloudに接続するには、通常のパスワードではなく、Appleアカウントの管理ページで発行するアプリ用パスワードが必要です。あわせて、ログインには主のメールアドレスを使い、Macの日付と時刻が自動設定になっているかを確認します。@mac.comのアドレスは@icloud.comに置き換えて入力します。

カレンダーセットの表示が元に戻ってしまうのはなぜですか?

カレンダーセットを選んだあとにサイドバーのチェックを変えると、フィルタ名に「*」が付き、その変更は手で保存しない限り捨てられる仕様です。一時的に別のカレンダーを見ても、作ったセットが崩れないようにするための設計です。変更を残したい場合は、フィルタを保存し直して上書きします。

新しいMacに移るとき、BusyCalの設定はやり直しですか?

多くはやり直す必要がありません。同じiCloudにサインインしてBusyCalを入れると、アカウントの一覧、スマートフィルタ、タグ、設定の多くが引き継がれます。パスワードは同期されないため、アカウントごとに入力し直します。「このMac内」のカレンダーは引き継がれないので、バックアップからの復元か手作業での移行が必要です。

記事一覧へ戻る