Googleカレンダーを2つのアカウントで使うときの決め方

google カレンダー 2 つのアカウントで調べている時点で、たいていはもうダブルブッキングを1回やっています。仕事のアカウントで会議を受けた時間に、個人のアカウントで入れていた通院の予定が重なっていた。どちらの画面も見ていたはずなのに、同時に見てはいなかった、という形です。

この状態は「2つの画面を1つにまとめる」だけでは直りません。Googleカレンダーの予定は1つのアカウントに属していて、そのアカウントが通知の宛先も、招待メールの届く場所も、相手が空き時間を確認するときに参照する先も決めているからです。この記事では、2つのアカウントをどこまで繋ぐかを決めるための材料と、繋いでも残る問題を先に並べます。

「見えない」より先に「どちらが持っているか」を決める

予定には持ち主のアカウントがあります。仕事用で作った予定は仕事用のものであり、個人用の画面にそれが映って見えていても、持ち主は変わりません。ここを踏まえないまま共有設定をいじると、見えるようにはなったのに肝心の招待を受けられない、という中途半端な状態になります。

先に決めるのは次の2つです。1つめは、毎朝いちばん最初に開くのはどちらのアカウントかということ。ここが軸になります。2つめは、もう一方について必要なのが「時間の埋まり具合が分かればよい」のか「予定の中身まで見えたうえで編集もしたい」のかということ。この2つが決まれば、後に出てくる設定はほぼ自動的に決まります。

逆に、この2つを決めずに全部を共有すると、通院や家族の予定の名前が職場から見える状態になります。個人の予定はダブルブッキングを止めるために時間だけを見せればよく、名前まで渡す必要はありません。

組み合わせは3通りあり、正解が違う

外から見ると同じ「アカウントが2つある」ですが、中身は3通りに分かれます。

  • 個人用と仕事用。持ち主は同じ人で、目的はどちらかがもう一方の上に予定を入れないこと。中身が行き来する必要はほとんどない
  • 仕事用が2つ。取引先や副業でもう1つの組織に所属している状態。招待を受けて承諾する必要があるので、見えるだけでは足りない
  • 自分のアカウントと、他人が持っている共有カレンダー。家族用やチーム用がこれにあたる。これは2アカウントの問題ではなく、持ち主側の共有設定1か所で片づく

いちばん多い失敗は、1つめで足りる人が2つめのための仕組みを作ってしまうことです。設定の手間が増えるうえに、見せなくてよい情報まで見える状態になります。逆に、2つめなのに1つめの設定で済ませてしまうと、招待メールが届いた日に「見えているのに承諾できない」という形で止まります。

判断の目安は、そのアカウント宛に会議の招待が届くかどうかです。届くなら編集できる権限が要り、届かないなら時間枠だけで足ります。3つめについては、共有カレンダーの持ち主に連絡して権限を上げてもらう以外に手はありません。自分の側の設定をいくら触っても、他人が持っているカレンダーの権限は変わらないからです。

Googleカレンダー側でできないこと

まず、2つのアカウントを1つに統合する機能はありません。どちらかの設定を変えて片方に吸収させることもできません。

次に、ブラウザでしかできない操作があります。新しいカレンダーを作ることと、他人のカレンダーに登録することの2つです。特に後者はスマートフォンのアプリでは行えず、パソコンのブラウザから登録した後にアプリ側へ反映される順序になります。設定作業をスマートフォンで済ませようとして詰まるのはここです。

そしてパソコン用のアプリがありません。ヘルプに次のように書かれています。

ヒント: パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできませんが、オフラインで使用することは可能です。 出典: support.google.com

つまり「2つのアカウントを同時に開いておく」を実現する手段は、ブラウザを2つ開くか、両方のアカウントを保持できる別のカレンダーアプリを使うかのどちらかになります。公式の常駐アプリという選択肢は最初から存在しません。

なお、登録するカレンダーが400件を超えると、カレンダーを切り替える操作が重くなる可能性があるとヘルプに明記されています。大きな組織でチームのカレンダーを片端から登録している場合は、この上限が現実に効いてきます。

共有権限は5段階ある

もう一方のアカウントへ共有するのがいちばん素直な方法で、決めどころは権限の段階です。5段階あり、2段目と3段目の間に大きな差があります。

権限 相手ができること
予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示) 予定が入っている時間帯だけが分かる。名前も中身も見えない
予定の詳細の表示 名前、日時、場所、説明まで全部見える
変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示) 非公開でない予定を編集できる。非公開の予定は予定ありの枠としてだけ映る
予定の詳細を変更、表示可能 予定を編集でき、他に誰へ共有しているかも見える
予定の変更および共有の管理 開始と終了のある予定やタスクを完全に扱え、さらに他人へ共有もできる

個人用と仕事用の組み合わせなら、いちばん上の段でだいたい足ります。二重予約は止まり、中身は漏れません。仕事用が2つある場合は上から4番目が現実的で、承諾も編集もできます。いちばん下の段は相手に「さらに他人へ共有する権限」まで渡すため、自分の2つを見比べたいだけの用途で選ぶ理由はありません。

もう1つ見落としやすいのが向きです。共有は片方向で、個人用を仕事用に共有しても、仕事用が個人用に共有されるわけではありません。片方だけ設定して「半分しか直っていない」と感じるのは、たいていこれが原因です。

読み取り専用で足りる場面

共有とは別に、カレンダーの設定画面にある「カレンダーの統合」から、iCal形式の限定公開URLを取り出す方法があります。これを別のカレンダーアプリに貼ると、閲覧だけの複製が作れます。

向いているのは、そのカレンダーをもう一方のアカウント側から編集する予定がまったくない場合です。チームの共通スケジュールや、決まった時間割のようなものがこれにあたります。編集の権限を渡さずに済むので、渡す権限は少ないほどよいという原則に合います。

向いていないのは、日常的に動かす個人の予定です。承諾も編集もドラッグでの時間変更もできないため、実務では結局もう一方の画面を開くことになります。

このURLは実質的にパスワードと同じ扱いになります。持っている人はログインなしで中身を読めるので、共有ドキュメントに貼ったりメールで送ったりはしないでください。外に出てしまった場合は、同じ画面のリセットで古いURLを無効にできます。

ブラウザを2つ開く方法は、どこまで持つか

設定を何も変えずに済ませたい場合、多くの人がまず試すのが両方のアカウントにログインして切り替える方法です。費用はかからず、その日のうちに使い始められます。落とし穴は2つあります。

1つめは、アカウントの並び順です。ログインしているアカウントには順番の番号が振られ、2つめのアカウントのカレンダーはその番号を含んだURLで開きます。この番号はログインした順で決まるため、一度ログアウトして入り直したり、3つめのアカウントを足したりすると入れ替わります。古い番号でブックマークを作っていると、見た目が同じまま違うアカウントの画面が開き、そこで予定を作ってしまいます。

対処はブラウザのプロファイルを分けることです。プロファイルごとに1つのアカウントだけをログインさせておくと、ウインドウもCookieもブックマークも独立し、同じブックマークが常に同じカレンダーを開きます。ただし2つのカレンダーが同じ格子に並ぶことはないので、二重予約を見つける役目は人の側に残ります。

2つめが、オフラインでの扱いです。ヘルプには、オフラインアクセスとユーザー補助ツールがFirefox、Safari、Microsoft Edgeでは非対応と書かれています。プロファイルを分けたときに片方を別のブラウザにすると、移動中の挙動が2つのアカウントで揃いません。

ブラウザで足りるのは、期限のある案件のように使う期間が決まっている場合や、片方を週に数回しか見ない場合です。両方に毎日招待が届く状況では、切り替えの手間が毎回発生します。

Macのカレンダーアプリに両方を入れる

残る方法が、両方のアカウントにログインできるカレンダーアプリを使って、1つの画面に並べることです。Googleは「Googleでログイン」を使う経路を公式に案内していて、この場合は閲覧だけでなく編集もできます。限定公開URLの閲覧専用とは、ここが決定的に違います。

macOS標準のカレンダーであれば、メニューのカレンダーからアカウントを追加を選び、案内に従うだけです。Appleのガイドには、追加したアカウントはそれぞれサイドバーに個別に表示されると書かれています。持ち主のアカウントが分かれたまま1つの画面に並ぶ、という状態です。

追加した直後に見ておく設定が2つあります。1つは、そのアカウントの下にあるカレンダーのうち、どれを表示する設定になっているか。アカウントには複数のカレンダーがぶら下がっていて、全部が出るとは限りません。もう1つは、新規予定の既定のカレンダーです。ここを見ないままにしていると、仕事の会議が何か月も個人用に入り続けます。Mac上で複数アカウントをどこまで一度に扱えるかはできることに、追加の順序は使い方にまとまっています。

どう設定しても残る問題

設定で消えない部分を先に知っておくと、直らない設定を探して時間を使わずに済みます。

  • 招待は送られた宛先に届く。取引先が個人用のアドレス宛に送れば、共有をどれだけ厚くしても予定は個人用に入る。直し方は技術ではなく、相手にどちらのアドレスを使うか伝えること
  • 相手が見る空き時間は、相手が宛先にしたアカウントのもの。もう一方の埋まり具合を反映させたいなら、時間枠だけの共有をその向きに設定しておく
  • 通知はアカウントごとに出る。共有した予定は同じ端末で2回鳴ることがある。止めるのは借りている側であって、元の予定側ではない
  • タイムゾーンはアカウントごとの設定。勤務先が別の国で設定した仕事用アカウントと個人用アカウントが食い違っていると、同じ予定が違う位置に描かれる。予定そのものは壊れていないので、直すのは設定1か所

そしてもう1つ、共有では埋まらないのが移動です。2つのアカウントの予定が1つの画面に並ぶと、午後の会議と夕方の打ち合わせが場所として両立しないことが初めて見えます。時間としては空いていても、移動が入る余地がなければ実際には入れられません。予定に移動の時間を持たせる考え方は移動時間で扱っています。

最初に決めるのは向きだけでよい

やることは順番に3つです。毎朝開くほうのアカウントを決める。もう一方をそこへ共有する。権限は目的に足りる範囲でいちばん低いものを選ぶ。これで1週間過ごすと、残っている手間が「見ること」なのか「入れること」なのかがはっきりします。

残ったのが見ることなら、両方のアカウントを1画面に並べるアプリの比較に進みます。残ったのが入れることなら、比べる相手は共有設定ではなくカレンダーの入力側です。移動中や打ち合わせの直後に決まった予定を、話し言葉と音声で予定を入れられるかどうかで、取りこぼしの量が変わります。実際の手順は予定の入れ方にあり、Mac向けの選択肢が入力と複数アカウントの扱いでどう違うかは他のカレンダーとの比較に整理されています。

よくある質問

Googleカレンダーの2つのアカウントを1つに統合できますか?

統合する機能はありません。アカウントはそれぞれ別のままで、予定の持ち主も分かれたままです。現実的な代替は、片方のカレンダーをもう片方へ共有するか、両方にログインできるカレンダーアプリを使って1つの画面に並べる方法です。見た目は1つになりますが、内部では別々のアカウントのままです。

共有すると個人の予定名まで職場に見えてしまいますか?

選んだ権限しだいです。いちばん上の「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」なら、埋まっている時間だけが伝わり、名前も場所も説明も見えません。「予定の詳細の表示」より下の段を選ぶと中身まで見えるので、二重予約を止めたいだけなら時間枠のみで足ります。

スマートフォンのアプリで他人のカレンダーを追加できないのはなぜですか?

新しいカレンダーへの登録はパソコンのウェブブラウザからのみ行える仕様で、スマートフォンやタブレットのアプリでは登録できません。ブラウザで登録し、持ち主の承認が済んだ後は、アプリ側にも自動的に表示されます。ブラウザを使うのは最初の1回だけです。

iCal形式の限定公開URLは他のアプリに貼っても安全ですか?

その用途のために用意されたURLですが、実質的にパスワードと同じです。持っている人はログインなしで中身を読めるため、共有ドキュメントやメールに貼るのは避けてください。外部に出てしまった場合は、カレンダーの設定画面でリセットすると古いURLがその場で無効になります。

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