カレンダーはGoogleとApple、どっちを軸にするか
カレンダーをGoogleとAppleのどっちにするかは、機能の多さではなく「予定をやりとりする相手がどの端末を使っているか」で決まります。相手にAndroidやWindowsの利用者が1人でもいる、または仕事の招待がGoogleから届くなら、予定の保存先はGoogleカレンダーにするのが無難です。家族も仕事も含めてiPhoneとMacだけで完結し、移動時間の見積もりや通信が切れたときの閲覧を重視するなら、Appleのカレンダー(iCloud)が向いています。
そして多くの人にとっての答えは「片方を捨てる」ではなく、「予定はGoogleに保存し、Macでは標準のカレンダーアプリで表示する」という併用です。この記事では、両者の違いを公式ヘルプの記載にもとづいて並べ、端末構成ごとの選び方と、併用の設定手順を順に説明します。なお、このサイトはMac用のカレンダーアプリの開発元が運営しています。
先に結論:端末の組み合わせで選ぶ早見表
比較表を読み込む前に、手元の状況を次の表に当てはめると候補が絞れます。判断の軸は「誰と予定を共有するか」と「どの端末で予定を入れるか」の2つです。
| 状況 | 予定の保存先 | Macでの見方 |
|---|---|---|
| 本人も家族もiPhone・iPad・Macだけ | iCloud | 標準のカレンダー |
| 家族や取引先にAndroidやWindowsがいる | Googleアカウント | 標準のカレンダーにGoogleを追加、またはブラウザ |
| 会社がGoogle Workspaceを使っている | 仕事は会社のGoogle、私用は好みで | 両方を1つのアプリに並べる |
| 会社がMicrosoft 365を使っている | 仕事はOutlook、私用は好みで | Outlookと標準のカレンダーを使い分ける |
| Windowsのパソコンが主で、スマホはiPhone | Googleアカウント | ブラウザ |
この表で分かるとおり、「どっちが優れているか」より先に「どっちでないと困るか」が決まる人が大半です。迷ったときは、直近1か月に届いた会議の招待を見返します。招待メールの本文に出欠を返すボタンが並んでいればGoogleカレンダーから送られたもので、添付の予定ファイルだけが届いていればApple側か別のサービスから送られたものです。多いほうに寄せると、日々の受け渡しで詰まる回数が減ります。
Yahoo!知恵袋の同じ問いには、次のような回答が付いています。
どのカレンダー使うかよりもどのアカウントでカレンダーを使うかの方が重要かと。 Apple IDでカレンダーを使うとAndroidでは見れなくなるので Googleアカウントでの運用が最適解かなと。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
「アプリ」と「アカウント」を分けて考える、という指摘は、この比較の出発点としてそのまま使えます。アプリは後から何度でも替えられますが、アカウントは共有相手や招待の受け渡しに直結するため、乗り換えるたびに手間が発生します。
背景:GoogleとAppleで「カレンダー」の作りが違う
両者を比べるときに最初に押さえる違いは、提供のされ方です。Googleカレンダーはブラウザで開くサービスで、パソコン向けのアプリは配られていません。Googleのヘルプには「パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできませんが、オフラインで使用することは可能です」と書かれています(Google カレンダー スタートガイド、2026年10月18日に確認)。iPhoneとAndroidには専用アプリがあります。
一方のAppleのカレンダーは、Mac・iPhone・iPadに最初から入っているアプリで、予定はiCloudに保存されて各端末へ同期されます。Windowsで使うには、Microsoft Storeから「Windows用iCloud」を入れる必要があり、最新版を使うにはWindows 11以降とOutlook 2021以降が必要だとAppleは案内しています(Windows用iCloudをダウンロードする、同日に確認)。Androidで公式に使う手段は用意されていません。
保存容量の無料枠も異なります。Googleアカウントには、Gmail・Googleドライブ・Googleフォトで共有する最大15GBの保存容量が付きます(Google のストレージの動作について)。iCloudの無料枠は5GBで、日本の月額料金はiCloud+の50GBが180円、200GBが540円、2TBが1,800円です(iCloud+のプランと料金、同日に確認)。カレンダーの予定そのものが容量を圧迫することはまれですが、iCloudの容量が写真で埋まると同期が止まって見える相談はよくあるため、無料枠の差は意識しておく価値があります。
Googleカレンダーのメリットとデメリット
Googleカレンダーの強みは、端末を選ばないことと、共有の細かさです。ブラウザがあればWindowsでもChromebookでも開け、AndroidとiPhoneの両方に公式アプリがあります。共有の権限は、Googleのヘルプによると次の段階から選べます(カレンダーを共有する)。
- 予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)
- 予定の詳細の表示
- 変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示)
- 予定の詳細を変更、表示可能
- 予定の変更および共有の管理
「時間枠のみ」を選ぶと、相手には予定がある時間だけが見え、件名や場所は見えません。上司や取引先に空き状況だけを伝えたいときに便利な設定で、Appleのカレンダーには同じ粒度の権限はありません。Gmailに届いた予約確認から予定を作る機能や、Google Meetの会議リンクを予定に付ける機能も、仕事で使う人には大きな利点です。
デメリットは、通信が切れたときの扱いです。オフラインで使えるのはChromeだけで、表示できるのは過去4週間と今日以降の予定です。オフライン中は予定の作成と編集、ゲストへのメール送信、タスクへのアクセスができず、ブラウザのキャッシュを削除するとオフライン対応が無効になります(Google カレンダーをオフラインで使用する)。新幹線や機内で予定を組み直す習慣がある人には、この制限が効いてきます。
もう1つは、パソコンではブラウザのタブとして開くため、ほかのタブに埋もれやすいことです。Chromeにはウェブサイトをアプリのように独立したウインドウで開く機能がありますが、中身はブラウザのままです。
Appleのカレンダーのメリットとデメリット
Appleのカレンダーの強みは、OSに組み込まれていることです。Macではアプリとして動き、予定の写しを手元に持つため、通信が無い場所でも予定を読めます。Siriや集中モード、ウィジェットとの連携も最初から使えます。
Googleカレンダーの画面に無い機能として、予定に場所と移動時間を付ける機能があります。Appleのユーザガイドによると、場所をリストから選ぶと地図と天気が予定に付き、出発すべき時刻に通知が届きます(Macの「カレンダー」で予定に場所と移動時間を追加する)。ただし、同じページには次の条件も書かれています。
- 目的地に着くまでに3時間以上かかる予定では、出発時刻の通知は送られない
- 場所を変更しても、移動時間は自動では更新されない
- 出発地は、その予定の3時間前までにある予定の場所から探され、見つからなければ連絡先の自宅か勤務先の住所が使われる
デメリットは共有の範囲です。iCloudのカレンダーを編集できる形で共有できるのは、iCloudアカウントを持っている相手です。共有相手ごとに「閲覧のみ」にするか編集も許すかを選べ、「公開カレンダー」にすればリンクを知っている人が閲覧できますが、公開カレンダーは閲覧専用です(MacでiCloudカレンダーを共有する)。Androidの家族と一緒に予定を書き込む使い方は、iCloudではできないと考えておくのが安全です。
費用の比較:カレンダー自体はどちらも無料
カレンダーの機能そのものは、GoogleもAppleも無料で使えます。費用が発生するのは、保存容量を追加する場合と、仕事向けの機能を使う場合です。
| 項目 | Apple | |
|---|---|---|
| カレンダーの利用 | 無料 | 無料 |
| 無料の保存容量 | 15GB(Gmail・ドライブ・フォトと共有) | 5GB |
| 容量の追加 | Google Oneの有料プラン | iCloud+(50GBで月額180円から) |
| 仕事向けの上位版 | Google Workspace | 該当なし |
| 予約ページ | 無料版あり、上位機能は有料 | 標準機能には無い |
Googleカレンダーの予約スケジュールは無料のアカウントでも作れますが、支払いの受け付けや複数の担当者での予約ページなどは有料のプランの機能になっています(予約スケジュールのプレミアム機能を比較する)。日程調整の相手が外部に多い仕事では、この差が判断材料になります。
逆に、家族の予定を共有するだけなら、どちらも追加の費用はかかりません。家族全員がiPhoneならiCloudのカレンダーを家族のiCloudアカウントと共有すれば足り、Googleではファミリーグループを作ると「ファミリー」というカレンダーが自動で作られます(Google でファミリー カレンダーを使用する)。費用の差で決めるより、家族全員が同じ仕組みに乗れるかどうかで決めるほうが失敗がありません。
併用する方法:Googleの予定をMacの標準カレンダーに表示する
「予定はGoogle、画面はApple」という併用は、Googleのヘルプにも手順が載っています(Google カレンダーの予定を Apple カレンダーに追加する)。macOS Ventura以降では「環境設定」の表記が「設定」に変わっているので、読み替えて進めます。
- Macでカレンダーアプリを開く
- メニューバーの「カレンダー」から「設定」を開く
- 「アカウント」タブを開き、左下の追加ボタンを押す
- 「Google」を選んで「続行」を押し、ブラウザでGoogleアカウントにログインする
- 「アカウント」タブの「カレンダーを更新」で、同期の頻度を選ぶ
これで、Googleカレンダーの「マイカレンダー」にあるカレンダーと誕生日がMacのカレンダーに表示されます。他の人から共有されたカレンダーが出てこないときは、Googleの「カレンダーの同期」のページで表示したいカレンダーにチェックを入れて保存し、Mac側でカレンダーを更新します。
併用には注意点もあります。Googleによると、Appleのカレンダーからは「予定のメール通知」「新しいGoogleカレンダーの作成」「会議室の予約機能」が使えません。通知はMac側の通知に任せ、新しいカレンダーを作るときだけブラウザでGoogleカレンダーを開く、という分担にすると混乱しません。
同期の頻度にも気を付けます。「カレンダーを更新」を「15分ごと」などにしていると、スマホで入れた予定がMacに出るまで時間差が生じます。急ぎの予定を確認するときは、メニューの「表示」から「カレンダーを更新」を選べば、その場で取り直せます。
タイプ別のおすすめ
ここまでの事実を、よくある3つのタイプに当てはめます。
1つ目は、Apple製品だけで暮らしている人です。家族の予定、通院、学校行事が中心で、Macでも予定を確認するなら、iCloudのカレンダーで不足はありません。移動時間と出発時刻の通知が標準で使え、通信が切れても予定を読めます。Googleアカウントを作る必要もありません。
2つ目は、仕事の予定がGoogleから届く人です。取引先がGoogle Workspaceを使っている、または自分の会社がGoogle Workspaceを使っているなら、仕事の予定はGoogle側に保存するしかありません。この場合の判断は、私用の予定をどちらに保存するかだけです。退職や契約終了で会社のアカウントが削除されたときに困らないよう、私用の予定は個人のGoogleアカウントかiCloudに分けておきます。
3つ目は、家族にAndroidの利用者がいる人です。家族の共有カレンダーはGoogleで作り、自分の端末はiPhoneとMacのままにする、という形が最も摩擦が少なくなります。iPhoneでもMacでも、設定からGoogleアカウントを追加すれば、標準のカレンダーアプリで同じ予定を見られます。
どのタイプでも、アプリは後から替えられます。アカウントを先に決め、画面の好みは試しながら選ぶ、という順番にすると、乗り換えの手間が最小で済みます。
編集部の考察:保存先を決めたら、次は入力の速さを見直す
保存先をGoogleに決めた人がMacで次に困るのは、予定を入れる操作の手数です。ブラウザのGoogleカレンダーでは、タブを探して開き、日付を選び、件名と時刻と場所を別々の欄に入れます。標準のカレンダーに追加した場合も、新規予定の作成画面で項目を順に埋める点は大きく変わりません。
この手数を減らす方法の1つが、Googleカレンダーを読み書きできるMac用のカレンダーアプリを使うことです。このサイトの運営元が開発しているアプリは、Googleカレンダーと同期し、複数のGoogleアカウントの予定を1つの画面に並べられます。「明日15時 商談 @渋谷 zoom」のように話し言葉と音声で予定を入れられるほか、住所から車・徒歩・電車の所要時間を計算して移動の時間帯を予定の前に入れる機能もあり、Appleのカレンダーの移動時間をGoogleの予定で使いたい人の選択肢になります。機能の一覧はできることに、入力の手順は予定の入れ方に、移動時間の設定は移動時間にまとまっています。
予定の作成と変更、移動時間の計算は無料版で使え、書類からの取り込みや予約ページなど3つの機能だけが有料です(購入、2026年10月18日に確認)。ほかのMac用カレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較で、対応するmacOSのバージョンはよくある質問で確かめられます。
GoogleかAppleかの答えは、共有相手と端末の組み合わせでおおむね決まります。決まったあとに残るのは、毎日の予定入力にかかる手数をどこまで減らすかという、画面の側の問題です。
よくある質問
GoogleカレンダーとAppleのカレンダーは同時に使えますか?
使えます。Macのカレンダーアプリの「設定」にある「アカウント」タブでGoogleアカウントを追加すると、Googleの予定とiCloudの予定が1つの画面に色分けで並びます。iPhoneでも「設定」の「カレンダー」からGoogleアカウントを追加できます。どちらで入れた予定も、それぞれの保存先に同期されます。
iPhoneからAndroidに機種変更する予定がある場合はどちらがよいですか?
Googleカレンダーが向いています。iCloudのカレンダーはAndroidで公式に使う手段が用意されていないため、機種変更のたびに予定を書き出して読み込み直す手間が出ます。Googleアカウントに予定を保存しておけば、AndroidでもiPhoneでも同じ予定がそのまま表示されます。
Windowsのパソコンで見る可能性があるならどちらを選ぶべきですか?
Googleカレンダーならブラウザで開くだけで済みます。iCloudのカレンダーもWindows用iCloudを入れればOutlookで扱えますが、Appleは最新版の条件としてWindows 11以降とOutlook 2021以降を挙げています。会社のパソコンに自由にソフトを入れられない場合は、Google側に保存するほうが確実です。
GoogleカレンダーからAppleのカレンダーに予定を移すにはどうすればよいですか?
Googleカレンダーの設定にある「エクスポート」で予定をICS形式のファイルとして書き出し、Macのカレンダーアプリの「ファイル」から「読み込む」を選んで取り込みます。ただし移した予定は複製になり、以後Google側の変更は反映されません。移すより、Googleアカウントを追加して併用するほうが手間はかかりません。