googleカレンダーのアカウント同期|実際に渡ってくるのはどれか

Googleのアカウントをパソコンのカレンダーに追加する作業は30秒ほどで終わり、終わった時点では完了したように見えます。予定が並び、サイドバーが埋まり、設定は済んだ気になります。おかしいと気づくのは1週間ほど経ってからです。ブラウザにはあるのにMacには出てこない共有カレンダーがある。前は届いていた予定のメール通知が来なくなっている。何か月も前に登録した同僚のカレンダーが、そもそも渡ってきていない。

これらは不具合ではありません。追加の画面が一度も説明しない事実から、すべて説明がつきます。ログインで繋がるのはアカウントですが、同期の単位はアカウントではありません。単位はカレンダーで、その選択は別の場所にある一覧が握っています。

アカウントは入れ物であって、同期の単位ではない

1つのGoogleアカウントは、性質の違うカレンダーをいくつも抱えています。そのアカウントで作ったカレンダーはブラウザで「マイカレンダー」に並びます。誕生日のカレンダーが自動で1つあります。他人から共有されたものは「他のカレンダー」に入ります。公開されているカレンダーや祝日のカレンダーを登録していればそれも入り、勤務先のアカウントなら会議室などのリソースも並びます。

パソコンのカレンダーがログインしたとき、この全部を取りに行くわけではありません。Googleは自動で同期される範囲を明示しています。

自動的に同期されるカレンダー:パソコン上の Google カレンダーの [マイカレンダー] セクションに表示されているすべてのカレンダー、誕生日 出典: support.google.com

それ以外は、明示的に選ばないと渡ってきません。同じアカウントなのにブラウザとMacで見え方が違うのはこのためです。ブラウザはアカウントを直接読んで全部を出し、パソコンのカレンダーは既定で一部だけを渡す一覧を通して読みます。この差は遅延ではないので、カレンダーを何度更新しても埋まりません。

設計の理由は嫌がらせではなく通信量です。勤務先のアカウントでは、部署や会議室のカレンダーを何十件も登録していることがあります。誰も見ていないカレンダーまで全端末で毎回取りに行けば無駄になります。その代わり既定の動作が静かなので、渡ってきていないカレンダーは同期の故障とまったく同じ見た目になります。

何を渡すかを決めている一覧はブラウザ側にある

選択の実体はGoogleのページにあり、パソコンのアプリの中にはありません。アプリの設定をいくら探しても見つからないのはそのためです。

ブラウザでGoogleカレンダーを開き、Appleカレンダーとの同期についてのヘルプから案内されているカレンダーの同期のページを開きます。アカウントの中のカレンダーがチェックボックス付きで並ぶので、必要なものを選んで保存し、そのあとMac側のカレンダーを更新します。

このページについて、使う前に知っておくとよいことが3つあります。

  • 端末ごとではなくアカウントごとの設定です。ここでチェックを入れると、そのアカウントに繋がっている全部のクライアントに配られます。MacとiPhoneの両方で見たいときは便利ですが、片方だけで見たいときは不便です。端末ごとの制御は、渡ってきたあとにアプリ側で非表示にする形で行います
  • アカウントがすでに見えているカレンダーしか並びません。共有されていない同僚のカレンダーはここに出てきません。その場合の問題は相手側の権限であって、こちらの設定ではありません
  • 保存しても即座には反映されません。クライアントが次に取りに行くまで待つ必要があります。1回分の間隔を待ってから判断すれば、無駄な切り分けを1周省けます

アプリ側に渡らない3つの機能

同期の失敗ではなく、ブラウザの外に対応するものが存在しないため使えない機能があります。Googleはこれも並べて書いています。

  • 予定のメール通知
  • 新しいGoogleカレンダーの作成
  • 会議室スケジューラー

メール通知は影響がいちばん分かりにくいものです。設定はブラウザでカレンダーごとに持っていて、それを要求する手段を持たないクライアントでは単に扱われません。Google側が生成する通知なので、前日にメールで知らせる設定にした予定はそのままメールが届きます。一方でMacの側で編集した通知の設定は、Macが出すアラートにだけ効きます。2つの独立した通知の仕組みが並ぶ形になるので、二重に鳴るか、両方を絞りすぎて鳴らなくなるかのどちらかに寄ります。どちら側が通知を担当するかを決めて、もう片方を下げるのが整理の仕方です。

新しいカレンダーの作成は、クライアントの制限ではなく元からの制約です。Googleは新しいカレンダーはブラウザからのみ作成できると案内しており、作成後にアプリにも表示されると書いています。パソコンのカレンダーは既存のカレンダーに予定をいくらでも作れますが、入れ物そのものは作れません。

会議室の予約も同じ分類です。勤務先のアカウントの会議室はカレンダーではなくリソースなので、押さえるにはブラウザか社内の予約の仕組みに戻ることになります。

更新の間隔と、遅れて届く予定

電話で作った予定が20分経ってもMacに出てこない、という状況の大半は同期の故障ではありません。単なる時間割です。

Macの標準のカレンダーは、アカウントごとに決めた間隔で取りに行きます。設定のアカウントのタブにある「カレンダーを更新」がそれで、1分ごとから1日ごとまでと、手動という選択肢があります。1時間ごとのままにしてあるアカウントは説明どおりに動きます。正しく、そして1時間遅れます。

書き込みは読み込みより速く伝わるのが普通で、これが片方向にしか同期しないように見える原因です。Macで作った予定は保存の時点で送られるので電話にすぐ出ます。電話で作った予定はMacが次に取りに行くまで待ちます。どちらの向きも壊れていません。間隔を短くすれば体感は変わります。

全部のアカウントを1分ごとにするのは得策ではありません。1回の取得はカレンダーごとの通信になるので、アカウントが複数あってカレンダーが多い端末では合計が無視できず、バッテリーに出ます。他人が予定を入れてくるアカウントだけ短くし、自分しか書かない個人のカレンダーは長いままにする、という配分が現実的です。

2つ目のアカウントを足した瞬間に変わること

アカウントの同期の問題として語られる困りごとの多くは、2つ目のアカウントを追加したところから始まります。どちらのアカウントも正しく同期しています。問題は、新しい予定をどちらに入れるかをカレンダーが毎回決めなければならなくなり、その既定が最初に決めたきり見直されないことです。

デフォルトのカレンダーはアカウントの性質ではなくアプリ側の設定です。Macの標準のカレンダーでは設定の一般のタブにあり、接続している全アカウントの全カレンダーから1つを選ぶ形になっています。ここで選んだカレンダーが、カレンダーを明示せずに作られた予定を全部受け取ります。音声アシスタントから作った予定も、アカウント外から届いた招待を承諾したときも、他のアプリから日付をドラッグしたときも同じです。

この取り違えは静かに起きます。仕事の日中に作った私的な予定が、同僚に件名まで見える仕事用のカレンダーに乗る。逆に仕事の約束が個人のカレンダーに乗って、空き状況の確認に出てこないまま二重に予定を入れられる。どちらもエラーは出ませんし、升目の上ではどちらも正しく見えます。

対策は2つで、ほとんどはこれで消えます。1つはデフォルトのカレンダーを意識して選び直すことで、間違えたときの損害が小さいほう、多くの場合は共有していない個人のカレンダーを選びます。もう1つは保存の前にカレンダーの欄を見る習慣で、確実なのはこれだけです。

色は解決策ではなく警報として役に立ちます。片方のアカウントのカレンダーを1系統の色に、もう片方を別系統の色に揃えておくと、置き場所を間違えた予定が週表示で目に留まります。色は端末に保存される表示の設定なので、同期の設定を変えても残り、端末ごとに設定し直す必要があります。

ログインは通るのに何も出てこないとき

同期がまったく動かないように見えて、実は昔の設定が邪魔をしているだけ、という形の故障が1つあります。

Macの標準のカレンダーには「委任」というタブがあり、他人のカレンダーを見るために昔から使われてきました。Googleはこの経路が現在の同期と両立しないことを明示しており、以前に委任ツールで同期していた場合は、それをオフにしないと同期が動かない、委任の一覧のカレンダーを全部オフにする、と案内しています。

症状は分かりにくい形で出ます。アカウントの認証は通り、サイドバーにも並び、それなのに予定が出てこないか、古い一部だけが出ている。カレンダーの設定からアカウント、委任と開いて中身を見るのは10秒で終わる確認で、これを先にやっておくと、アカウントを削除して追加し直す作業を何度繰り返しても直らない、という時間の使い方を避けられます。委任の項目はアカウントを消しても残るので、入れ直しでは消えません。

引っかかりやすいのは、macOSのバージョンを何度も引き継いできた機械と、管理者が最初に設定した勤務先のアカウントです。最近のシステムをまっさらな状態から入れた機械なら委任の一覧は空で、この確認は飛ばして構いません。

勤務先や学校のアカウントには、その上にもう1層あります。外部のアプリがアカウントに接続してよいかどうかを管理者が制限でき、制限されている場合はログインが失敗するか、成功しても中身が空で返ります。見分け方は、同じ機械のブラウザでは問題なく使えるかどうかです。ブラウザは方針上いつも許可される唯一のクライアントなので、ブラウザだけが動くならこちら側で直せるものはありません。管理している人に依頼する以外の経路はありません。

電話とパソコンで見え方が食い違う理由

同じアカウントなのに電話とパソコンでカレンダーの数が違うことがあります。理由は、2つの別々の仕組みが働いているからです。

電話のGoogle製のアプリはアカウントを直接読み、どのカレンダーを表示するかという端末ごとの一覧を自分で持っています。標準的なカレンダーの通信方式で繋ぐパソコンのクライアントは、前述の同期の選択のページを通して読みます。この2つの一覧は無関係です。片方でチェックを入れても、もう片方には何も起きません。だから、電話には出ていてMacには出ていない、しかも両方とも設定は正しい、という状態が成立します。

切り分けの手順にも影響します。電話とMacを見比べても、そのアカウントが同期しているかどうかは分かりません。参照している一覧が違うからです。比べる価値があるのはブラウザとそのクライアントで、ブラウザはアカウントの中身をそのまま映します。ブラウザにあってクライアントに無いなら選択の問題、ブラウザにも無いなら共有か権限の問題で、後者はクライアント側をどう触っても出てきません。

手数の問題として残る部分

ここまでの内容のうち、まず確認すべきはブラウザの同期の設定のページです。必要なカレンダーにチェックが入っているかどうかで、渡ってこないカレンダーの大半は説明がつきます。次に、他人が予定を入れてくるアカウントの更新の間隔を短くし、残りは長いままにします。ここまでで、同期にまつわる困りごとはおおむね片付きます。

そのあとに残るのは、たいてい見える範囲の話ではなく、予定を入れるまでの手数です。複数のアカウントを持っている人ほど、どのカレンダーに入れるかを毎回選ぶことになり、その一手間が理由で入力が後回しになります。話し言葉と音声で予定を入れられる形なら、移動中でも1件で終わります。入力の手順は予定の入れ方に、複数のアカウントを1つの画面にまとめる方法は使い方に整理してあります。

アプリごとに何ができるかはできることに、他のカレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較に、対応環境や料金でよく届く質問はよくある質問にまとめてあります。

よくある質問

ブラウザには出ている共有カレンダーがMacに出てこないのはなぜですか?

自動で同期されるのは、マイカレンダーに並んでいるカレンダーと誕生日だけだからです。他人から共有されたカレンダーは「他のカレンダー」に入るため、ブラウザでカレンダーの同期のページを開いてチェックを入れる必要があります。保存したあと、クライアントが次に取りに行くまで待つと表示されます。

同期のページでチェックを外すと、カレンダーは消えてしまいますか?

消えません。カレンダーも予定もGoogleのアカウントに残り、ブラウザでは今までどおり見えます。チェックを外すのは接続しているアプリへ配るのをやめるという意味だけなので、もう一度チェックを入れれば次の更新で戻ります。

電話で作った予定がMacに届くまで時間がかかるのはなぜですか?

Macが決められた間隔で取りに行く仕組みで、送られてくるのを待っているわけではないからです。間隔はアカウントごとに設定のアカウントのタブにある「カレンダーを更新」で決まっており、1時間ごとのままだと最大で1時間遅れます。短くすれば遅れは消えますが、その分だけ通信とバッテリーを使います。

パソコンのカレンダーアプリから新しいGoogleカレンダーを作れますか?

作れません。Googleは新しいカレンダーはブラウザからのみ作成できると案内しており、作成後にアプリにも表示されると書いています。パソコンのカレンダーからできるのは、すでにあるカレンダーの中に予定を作ったり編集したりすることまでです。

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