Googleカレンダーの共有の費用|無料でできる範囲
Googleカレンダーの共有にいくらかかるのかを調べ始めると、料金表のどこにも「共有」という行が見つからず、そこで止まります。カレンダーを渡す操作そのものには値札が付いていないからです。ただし、これは「全部無料」という意味ではありません。費用が発生する地点は、機能の一覧ではなく、共有する相手が誰かという軸の上にあります。
同じ会社の同僚に渡すのか、取引先に渡すのか、Googleアカウントを持たない相手に渡すのか、それとも誰でも見られる状態にするのか。この4つで、無料のまま済む範囲と、有料のエディションでしか出てこない設定の境目が変わります。予定が重なって回らなくなっているとき、支払いで解けるのはこのうちどこなのかを先に切り分けておくと、余計な契約を避けられます。
共有の操作そのものに値札は付いていない
無料のGoogleアカウントで、カレンダーを特定の相手に渡す操作は一通り使えます。相手のメールアドレスを入れて、アクセス権の段階を選んで、招待を送る。この流れに追加の支払いは要りません。渡せるカレンダーの本数にも、渡す相手の人数にも、無料だからという理由での上限は公開されていません。
アクセス権の段階は5段階あり、どれを選んでも料金は変わりません。空き時間だけを見せる段階、予定の中身まで見せる段階、編集してもらう段階、編集に加えて共有相手を確認できる段階、共有の管理まで任せる段階です。有料のエディションに切り替えると、この5段階が6段階に増えるわけではありません。段階の意味も同じです。
ここを最初に押さえておく価値があります。共有がうまくいかないときの原因は、ほとんどの場合で料金と無関係だからです。相手に見えていないなら、原因は選んだ段階か、相手が招待メールのリンクをまだ押していないかのどちらかです。Googleのヘルプは、共有された相手の側で「メールのリンクをクリックする」操作が要ると明記しています。この一手間を踏んでいないカレンダーは、いくら支払っても相手の画面には出てきません。
カレンダーの共有と予定への招待は別の仕組み
費用の話がこじれる原因のひとつは、性質の違う3つの操作が「共有」という同じ言葉でまとめられている点にあります。切り分けておくと、どこにも料金が発生していないことがはっきりします。
1つ目は、カレンダーそのものを渡す操作です。相手には、そのカレンダーに入っている予定が継続して見え続けます。今日入れた予定も、来月入れる予定も、相手の画面に自動で並びます。
2つ目は、1件の予定にゲストを招く操作です。招いた相手に見えるのは、その1件だけです。カレンダー全体は渡っていません。予定ごとに、ゲストが内容を変更できるか、他の人を招待できるか、参加者の一覧を見られるかを個別に決められます。
3つ目は、URLを渡して購読してもらう操作です。相手は自分のカレンダーアプリの中に読み取り専用の1本として取り込みます。書き込みはできません。
この3つはどれも無料です。そして、うまくいかないときの原因も、それぞれ別の場所にあります。「共有したのに見えない」という相談の中身が、実際にはこの3つのうちどれの話なのかを先に確かめておくと、料金表を見に行く必要がない場面がかなり多いと分かります。
相手が組織の中にいるとき
同じ会社のメンバーどうしで共有するだけなら、無料のアカウントを人数分並べても操作は成立します。それでも会社が有料のエディションを契約するのは、共有の機能が欲しいからではなく、共有の上限を管理者がまとめて決められる層が欲しいからです。
Google Workspaceを契約すると、管理者は組織内の共有について既定値を選べます。共有しない、空き時間だけ共有する、すべての情報を共有する、の3つです。この既定値は、これから入ってくるメンバーのカレンダーにも効きます。無料のアカウントを寄せ集めた運用では、同じことを実現する手段は口頭の説明と後追いの確認だけになります。人が増えるほど、この差は運用の手間として現れます。
会議室や備品をカレンダーとして扱うリソースの機能も、管理者がいる側にしかありません。移動の連続で予定が詰まっている人にとっては、これは共有の話というより日程調整の話ですが、無料のアカウントには存在しない機能である点は同じです。
相手が組織の外にいるとき
外部への共有は、無料のアカウントであれば本人の判断だけで成立します。取引先のアドレスを入れて、編集権まで渡すこともできます。制限をかけたいと思ったときに、はじめて有料の層が要ります。
管理者は、組織の外へ出せる情報の上限を4つから選びます。空き時間だけで予定の名前は隠す、すべての情報を共有するが外部は変更できない、すべての情報を共有して外部も変更できる、すべての情報を共有して管理まで許す、の4つです。そして、この上限は個人の選択より強く働きます。
After you limit external sharing for your organization, users can't exceed these limits when sharing individual events. 出典: support.google.com
つまり「予定の件名は社外に出さない」という方針を、各自の注意ではなく仕組みとして成立させたいなら、その時点で有料のエディションが前提になります。逆に言えば、社外共有を個人の判断に委ねてよい規模なら、ここに費用は発生しません。
Googleアカウントを持たない相手に渡すとき
相手がGoogleアカウントを持っていない場合でも、費用は増えません。使うのは、カレンダーの設定にある限定公開のURLです。設定画面でカレンダー名を開き、カレンダーの統合という欄に進むと、iCal形式の限定公開URLが置かれています。これを渡せば、相手はカレンダーアプリ側で購読できます。
ただしGoogleは、このURLの扱いについてはっきり書いています。自分だけが知っている状態にしておくこと、他の人と共有しないこと、もし漏れたらリセットして作り直すこと。URLを知っている人は誰でも中身を読めるためです。取引先に「とりあえずこれを見てください」と渡す用途には向きません。
誰でも見てよい予定なら、カレンダーを一般公開する選択肢もあります。公開すると、検索結果に出る可能性があるとGoogleは説明しています。ここも料金はかかりませんが、料金がかからない代わりに、公開範囲を後から絞る手段が限られます。
Google Workspaceのエディション別の月額
日本向けに公開されている、1ユーザーあたりの月額は次の通りです。いずれも税別で、年間プランの表示です。
| エディション | 1ユーザーあたり月額 | 1ユーザーあたりの保存容量 |
|---|---|---|
| Business Starter | 800円 | 30GB |
| Business Standard | 1,600円 | 2TB |
| Business Plus | 2,500円 | 5TB |
| Enterprise | 営業への問い合わせ | 5TB |
Businessの3つは、いずれも300人までという上限が付いています。それを超える規模ではEnterpriseになり、金額は個別見積もりです。
新規の契約に対しては、最初の3か月を割引にする案内も出ています。ただし対象は新規の顧客で、12か月のうち最初の20ユーザーまで、という条件が添えられています。長期の費用を見積もるときは、割引後の金額ではなく通常の金額で計算しておくほうが安全です。
5人のチームでBusiness Standardを選ぶと、月額は8,000円、年間で96,000円になります。この金額で買っているのは共有の機能ではなく、共有の上限を一箇所で決められる状態と、メールやドライブを含む一式である、という理解が実態に近いはずです。
支払っても変わらない部分
費用を検討する前に、有料にしても動かない部分を並べておきます。
- 相手が招待のリンクを押していないカレンダーは、契約を変えても相手の画面に出てこない
- 空き時間だけを選んで共有した相手には、上位のエディションでも予定の件名は見えない
- 限定公開のURLで購読しているカレンダーは読み取り専用のままで、相手が書き込めるようにはならない
- カレンダーの数が増えたことによる画面の見づらさは、料金とは無関係に残る
もう1つ、言葉にされにくい点があります。支払いは、相手の行動を変えません。編集権を渡した相手が予定を動かしたなら、それは渡した権限どおりの動作です。直すべきはアクセス権の段階であって、契約のエディションではありません。メーリングリストに対して共有したカレンダーも同じで、後からそのリストに入った人には、誰かが個別に許可を出さなくてもアクセスが付きます。意図してそうしているなら便利な性質ですが、意図していないなら驚く性質です。そしてこの挙動は、無料でも有料でも変わりません。
最後の1つは見落とされがちです。仕事とプライベート、共有されたチームのカレンダー、取引先から購読したカレンダー。この4本が並んだ時点で、問題は権限ではなく表示の設計に移ります。ここに効くのは契約ではなく、どのカレンダーをどの画面に出すかという運用の判断です。
Mac側でかかる費用の見方
共有そのものが無料である以上、支出が出るとすれば、それを見る道具の側です。Mac用のカレンダーアプリには、買い切りのものと月額や年額のものが並んでいて、価格帯はかなり幅があります。ここで比較の軸にすべきなのは、機能の数ではなく、いま詰まっている場所と一致しているかどうかです。
共有された複数のカレンダーを1枚の画面にまとめて、色と表示の切り替えをすばやく行いたいのであれば、見比べるべきは他のカレンダーとの比較で扱っているような表示まわりの作りです。予定を入れる回数そのものが多くて時間を取られているなら、話し言葉と音声で予定を入れられるタイプの入力が効きます。この入力の考え方は予定の入れ方にまとまっています。
会議のあいだに移動が挟まって遅れが出るタイプの詰まりは、共有の権限をどう直しても解けません。移動の所要時間を予定の側に持たせる作りが要ります。この扱いは移動時間で説明されています。道具に支払う金額を決めるのは、この3つのうちどれが自分の詰まりなのかを見極めてからで遅くありません。実際にいくらかかるかは購入に、判断の前に出る疑問はよくある質問にまとまっています。
費用の判断に使える線引き
ここまでを、支払いの判断に使える形にまとめ直します。
共有の相手が数人で、全員が自分の判断で共有範囲を選んでよい間柄なら、Googleカレンダー側に支払う理由はほぼありません。無料のアカウントでできることの範囲内で収まります。
相手が組織で、件名や参加者を外に出さないという線を仕組みで守りたくなった時点で、有料のエディションが選択肢に入ります。判断の材料は機能の数ではなく、その線を人の注意で守り続けられるかどうかです。守れないと判断したときに、1ユーザーあたり800円からという金額が意味を持ちます。
そして、どちらのケースでも、増えたカレンダーを1枚の画面で扱う手間は残ります。ここは契約ではなく道具の問題なので、できることにあるような表示と入力の作りを見て、いまの詰まりに当たっているものを選ぶことになります。
よくある質問
Googleカレンダーを共有するだけなら無料ですか?
無料のGoogleアカウントで、カレンダーを特定の相手に共有する操作は一通り使えます。アクセス権の5段階もすべて無料で選べます。費用が出てくるのは、共有できる範囲の上限を管理者がまとめて決めたい場合や、会議室などのリソースをカレンダーとして扱いたい場合です。
Google Workspaceは1人あたりいくらですか?
日本向けに公開されている月額は、Business Starterが800円、Business Standardが1,600円、Business Plusが2,500円です。いずれも税別で、300人までという上限が付いています。それを超える規模はEnterpriseとなり、金額は個別の見積もりになります。
相手がGoogleアカウントを持っていない場合、追加の費用はかかりますか?
かかりません。カレンダーの設定にあるiCal形式の限定公開URLを渡せば、相手は自分のカレンダーアプリで購読できます。ただしGoogleはこのURLを他の人と共有しないよう案内しています。URLを知っている人は誰でも中身を読めるためです。
有料にすれば共有の不具合は直りますか?
共有した相手に見えていない原因の多くは、招待メールのリンクが押されていないことか、選んだアクセス権の段階です。どちらも契約を変えても解決しません。有料のエディションが効くのは、個人の選択より強い上限を組織として掛けたい場面に限られます。