Macのカレンダーの初期設定|最初に触る8か所

Macに最初から入っているカレンダーは、アカウントを足した時点で一応動きます。予定は並び、通知も鳴ります。壊れていないので、そのまま何年も初期設定のまま使われることになります。

そして使いにくさだけが残ります。週の表示は真夜中から真夜中までが縦に押し込まれて、1件の予定が細い帯になる。通知は全部の予定で同じ時間に鳴る。新しく作った予定が、そのとき選ばれていたカレンダーに入ってしまう。どれも不具合ではなく、誰にとっても無難な初期値がそのまま残っているだけです。

触る場所は8か所ほどで、時間にすると15分程度です。厄介なのは、その8か所が2つのアプリと4つのタブに散っていて、いくつかはアカウントごとに別々に持たれていることです。

設定が2か所に分かれている

最初に押さえるべきなのは、どちらが何を持っているかです。ここを知らないまま探すと、時間の大半が場所探しに消えます。

アカウントを足したり外したりするのはシステム設定の側です。Appleの手順では、システム設定を開き、サイドバーで「インターネットアカウント」を選び、「アカウントを追加」からメールアドレスを入れるか、提供元の一覧から選びます。複数のアプリで使えるアカウントの場合は、どのアプリで使うかを選ぶ画面が出ます。カレンダーだけ使いたいアカウントのメールを止められるのは、この画面だけです。

見え方や振る舞いを決めるのはカレンダーアプリの側です。メニューバーの「カレンダー」から「設定」を開くと、「一般」「アカウント」「通知」「詳細」の4つに分かれています。アカウントの削除はここではできず、週の描かれ方の変更はシステム設定ではできません。

そして最も見落とされるのが次の点です。通知の初期値と更新の間隔は、アプリ全体ではなくアカウントごとに持たれています。仕事と個人の2つのアカウントを繋いでいる人は、同じ設定を2回することになります。

新しい予定がどこに入るかを最初に決める

「一般」のタブにある「デフォルトのカレンダー」は、地味に見えて影響が最も大きい設定です。Appleの説明は短く、次の1行です。

新しい予定がデフォルトで追加されるカレンダー。 出典: support.apple.com

カレンダーを選ばずに作った予定は、すべてここに入ります。ここが会社のカレンダーになっていると、私用の通院や子どもの行事が、空き時間を確認した同僚から見える場所に入ります。家族共有のカレンダーになっていると、仕事のブロックが家族全員の画面を埋めます。

安全な決め方は、誰にも共有していない個人のカレンダーを既定にしておき、共有先に出したいものだけを作るときに選び直すことです。こうしておくと、うっかりは常に「誰にも見えない側」に倒れます。作成時にカレンダーを選ぶ操作は1クリックで、選び直しが要る予定は全体の少数です。

Mac本体に作るカレンダーの使いどころ

カレンダーはアカウントの中ではなく、Mac本体に作ることもできます。この種類はどこにも同期されません。スマートフォンで見たいものには向きませんが、向いている用途が2つあります。

1つは、まだ人に見せたくない仮の予定です。共有カレンダーの上で日程を動かすと、動かすたびに相手に見えます。もう1つは、アカウントが閉じたあとも残したい記録です。会社のアカウントの中に置いた予定は、退職の時点で一緒に消えます。

足すアカウントと、降りてくるカレンダーは別の話

アカウントを追加すると、そのアカウントが持っているカレンダーがまとめてサイドバーに並びます。ここで2つのことが同時に起きるので、混ざりやすい場所です。

1つは、アカウントの単位です。1つのアカウントの中には、自分のメインのカレンダー、あとから自分で作った補助のカレンダー、他人から共有されたカレンダーが入っています。追加したのに一部しか出てこない場合、Mac側で隠れているのではなく、提供元の側で同期の対象に入っていないことがあります。

もう1つは、サイドバーのチェックです。これは同期を止める操作ではなく、表示を切り替える操作です。外しても予定は消えず、通知の設定も生きたままです。

この違いが分かると、サイドバーを固定の状態ではなく作業の道具として使えるようになります。来週の空きを探すときは、他人が関わるカレンダーだけを表示して、自分のメモや祝日を一時的に外す。家族の予定を調整するときは逆にする。埋まって見える画面の半分は、いまの判断に関係のない予定であることが少なくありません。表示を減らすほうが、予定を減らすより早く効きます。

なお、他の人が共有しているカレンダーは、読むだけの権限で共有されていることがあります。その場合、Mac側でそこに予定を足そうとしても保存されません。アプリの不調ではなく、共有の権限がそうなっているだけです。

1日の時間帯で、週の読みやすさが決まる

同じ「一般」のタブに、画面にどれだけ入るかを決める設定が並んでいます。Appleの説明は具体的です。

設定 Appleの説明
1週間の日数 「週」表示で5日または7日を表示します
週の開始曜日 「週」「月」「年」表示で週を開始する曜日
1日の開始時刻 1日を開始する時刻(真夜中から正午)
1日の終了時刻 1日を終了する時刻(正午から真夜中)
一度に表示する時間数 「日」表示および「週」表示で表示する時間の長さ(6〜24時間)

効くのは開始時刻と終了時刻の組です。初期値のまま端から端にしておくと、24時間分が画面の高さに押し込まれます。実際に働く時間帯だけに絞ると、同じ画面で1件あたりの高さがおよそ2倍になり、1時間の会議が1時間らしい大きさで見えます。

「一度に表示する時間数」は、この範囲と組み合わせて働きます。範囲を狭めて大きく見せると、予定と予定の隙間が見えるようになります。予定を組み直すときに見たいのは、埋まっている場所ではなく空いている場所です。空き時間が細い線にしか見えない画面では、結局は記憶を頼りに予定を入れることになります。

「1週間の日数」も惰性で決めない方がよい項目です。5日にすると土日が視界から消えます。仕事の予定しか入れないなら整理されますが、休日の用事も同じカレンダーで見ている人は、入っているはずの予定が見えなくなります。

「週の開始曜日」は同じ判断を逆側から見たものです。月曜始まりにすると休みの2日が右端に並ぶので、働く週が1つの塊として見えます。

通知はアカウントごとに設定し直す

「通知」のタブは、いつ作業を中断させるかを決める場所です。Appleの手順では、カレンダーの設定で「通知」を開き、まずアカウントを選び、そのうえで「予定」「終日の予定」「誕生日」のそれぞれに既定の通知を選びます。既定を作りたくない場合は「なし」を選べます。誕生日の項目は、誕生日カレンダーを表示していないと選べません。

見落とされるのは冒頭のアカウントの選択です。15分前と決めて閉じても、設定できているのは選んでいたアカウントの分だけです。もう一方のアカウントは初期値のまま残ります。通知の出方がアカウントによって違って感じるのは、たいていこれが原因です。

決めておく価値がある既定は3つあります。

時間の決まった予定は、実際に動ける長さで決めます。5分前はリンクを開くには足りますが、別の場所へ移動するには足りません。オンラインの会議が中心か、移動を伴うかで数字が変わります。

終日の予定は、当日ではなく前日に鳴らします。終日の項目は締め切りか出張であることが多く、どちらも準備の時間が要ります。

誕生日は数日前です。当日に知っても、送る手立てがもう残っていません。

既定を決める意味は、予定ごとに設定する手間をなくすことだけではありません。既定が無いと、通知を付け忘れた予定と、意図して付けなかった予定が見分けられなくなります。全部に既定が付いている状態にしておけば、通知が無い予定は「外した予定」だと分かります。

そのうえで、同じ予定はスマートフォンやブラウザからも鳴ります。個々の時間を詰めるより、鳴らす端末を1つに決めるほうが効果が大きくなります。同じ通知が複数の端末から届く状態は、通知を読まずに消す習慣を作るので、通知が無い状態より判断を鈍らせます。

タイムゾーンと、表示だけの設定

「詳細」のタブにある「タイムゾーンサポートを入にする」は、見た目ではなく振る舞いが変わる設定です。入にすると検索欄の左にタイムゾーンのメニューが出て、どの地域の時刻としてカレンダー全体を読むかを選べるようになります。海外との打ち合わせや出張がある場合は、最初に困る前に入れておく設定です。

「一般」のタブには、誕生日カレンダーの表示、祝日カレンダーの表示、旧暦などの併記を切り替える項目もあります。こちらは表示だけの切り替えなので、必要かどうかを試して決めて構いません。

もう1つ、アプリの外に効く設定があります。「デフォルトのカレンダーApp」は、.icsのファイルを開いたときと、カレンダーを照会するWebリンクを押したときに、どのアプリが開くかを決めます。他社のMac用のカレンダーアプリを併用しているなら、ここを意図して選んでおかないと、参加依頼のファイルが毎回別のアプリで開きます。

色と名前は、月表示で唯一残る手がかり

週の表示には題名を書く幅がありますが、月の表示には数文字と色しか残りません。色の決め方は飾りではなく設定の一部です。

カレンダーごとに全部違う色を当てると、6個あたりで意味を覚えられなくなります。長持ちするのは、出どころではなく性質で色を分ける決め方です。他人が関わる約束、自分の作業を守るための枠、私用、まだ確定していないもの。4つなら一目で判別できて、月表示が色の面積として読めるようになります。

名前も直しておく価値があります。サイドバーには繋いだアカウントの数だけカレンダーが並び、多くのアカウントは「カレンダー」という同じ名前の項目を持っています。2つ繋げば同じ名前が2つ並び、作成時にどちらを選んだのかが分からなくなります。どのアカウントのものか分かる名前に変えておけば、この迷いは消えます。

触る順番

効率のよい順番は、アカウント、既定、表示、通知です。

システム設定でアカウントを足し、要らないサービスのチェックを外す。カレンダーの設定で既定のカレンダーを決める。1日の開始と終了、表示する時間数を決める。通知をアカウントの数だけ設定する。時差が絡むならタイムゾーンサポートを入れる。照会しているカレンダーがあれば、自動更新の間隔も見ておきます。

ここまでが設定の話です。設定が終わっても残るのは、予定を入れる操作そのものと、予定の間の隙間をどう守るかです。前者は予定の入れ方、後者は移動時間に整理されています。同じアカウントを繋いだうえでアプリごとに何が違うのかは他のカレンダーとの比較にまとまっています。

最初の1手としては、既定のカレンダーと、1日の開始時刻・終了時刻の2つを先に決めるのが確実です。この2つだけで、あとから面倒になる失敗の大半が消えます。

よくある質問

Macのカレンダーの設定はどこにありますか?

2か所に分かれています。アカウントの追加と削除はシステム設定の「インターネットアカウント」で行います。表示や通知など振る舞いに関するものは、カレンダーアプリのメニューから「設定」を開き、「一般」「アカウント」「通知」「詳細」のタブで設定します。

予定によって通知が鳴ったり鳴らなかったりするのはなぜですか?

既定の通知はアプリ全体ではなくアカウントごとに持たれているためです。設定の「通知」タブの上部にアカウントを選ぶメニューがあり、そのアカウントについて「予定」「終日の予定」「誕生日」を個別に決めます。もう一方のアカウントは初期値のまま残ります。

新しい予定が会社のカレンダーに入ってしまいます。どこを直しますか?

設定の「一般」タブにある「デフォルトのカレンダー」です。ここを、誰にも共有していない個人のカレンダーにしておくと、選び忘れた予定は他人から見えない側に入ります。共有したい予定だけ、作成時にカレンダーを選び直します。

週の表示が細かすぎて読めません。何を変えればよいですか?

「一般」タブの「1日の開始時刻」と「1日の終了時刻」を、実際に働く時間帯に狭めてください。初期値のままだと24時間分が画面の高さに収まるため、1件あたりが細い帯になります。あわせて「一度に表示する時間数」を減らすと、予定の間の空き時間が見えるようになります。

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