Googleカレンダーの同期とは|何ができて、どこで詰まるか

Googleカレンダーの同期がうまくいかないと検索しても、解決策として出てくる手順がばらばらで、自分の状況にどれが当てはまるのか分からないまま時間が過ぎます。原因は、同じ「同期」という言葉が、まったく別の2つの仕組みを指して使われているからです。片方は予定を書き換えられる形で、もう片方は読むだけの形です。どちらを使っているかで、直すべき場所が変わります。

ここでは、その2つの違いを最初に切り分けたうえで、実際に予定が手元に降りてくるまでに何が起きているのか、そして詰まる場所がどこに固まっているのかを順に整理します。予定が埋まって回らなくなっているとき、原因が同期なのか表示なのかを見分けられるようになるのが目的です。

「同期」と呼ばれている2つの別の仕組み

Googleは、Googleカレンダーの予定を手元のアプリで扱う方法を2通り案内しています。ひとつはアカウントを追加して双方向につなぐ方法、もうひとつはカレンダーのアドレスを渡して読むだけにする方法です。

Google カレンダーを別のカレンダー アプリケーションで表示する方法は 2 つあります。カレンダーを追加して他のアプリケーションで表示できるほか、一部のアプリケーションでは予定を編集することもできます。 出典: support.google.com

双方向の形は、手元のアプリでGoogleアカウントにログインして接続します。この形だと、Googleカレンダー側で入れた予定も、手元のアプリで入れた予定も、どちらからも書き換えられます。片方で時間をずらせば、もう片方にも反映されます。

閲覧だけの形は、カレンダーごとに発行されるiCal形式のアドレスを、手元のアプリに貼り付けて使います。Appleのカレンダーではこれを「照会」と呼び、照会したカレンダーの予定は編集できません。提供元が変えた内容がこちらに流れてくるだけの、一方通行の道です。

この違いを知らないまま「予定を直したのに向こうに反映されない」と悩んでいる場合、原因は設定の不備ではありません。読むだけの道を選んだので、書き戻る経路がもともと存在しないというだけです。逆に、他人のカレンダーを参考に見たいだけなのに双方向でつないでいると、必要以上の権限を手元のアプリに渡していることになります。

双方向でつながっているとき、裏で何が起きているか

双方向の接続は、CalDAVという公開された決まりの上で動いています。WebDAVを拡張したもので、離れた場所にあるサーバーのカレンダーを、決まった手順で読み書きするための取り決めです。Googleはこの窓口を用意していて、Appleのカレンダーを含む多くのアプリがここにつないでいます。

接続の条件ははっきりしています。通信はHTTPSでなければならず、認証はOAuth 2.0でなければなりません。古い形式のIDとパスワードを直接渡す方式で接続しようとすると、サーバーは401を返して拒否します。アプリの設定画面に「Googleでログイン」のボタンが出てブラウザが開くのは、この決まりに従っているためです。

やり取りの量を抑える仕組みも入っています。カレンダーには、中身が1件でも変わると値が変わる印が付いていて、手元のアプリはまずその印だけを確認します。前回と同じであれば、予定を取りに行きません。初回だけ全部を受け取り、2回目からは変わった分だけを受け取る形に切り替わります。だからこそ、普段の更新は軽く、初回の接続だけが重くなります。

なお、接続先の住所は過去に一度変わっています。以前のエンドポイントは提供が終了していて、Googleは現在の形式への移行を案内しています。数年前に自分で設定した古いアプリが急に同期しなくなった場合、この移行に追いついていない可能性があります。

最初から流れてくるカレンダーと、選ばないと流れてこないカレンダー

アカウントを追加した直後、手元にすべてのカレンダーが並ぶわけではありません。自動的に同期されるのは、Googleカレンダーの画面で「マイカレンダー」の欄に入っているものと、誕生日のカレンダーです。

その下にある「他のカレンダー」の欄、つまり他人から共有されたカレンダーや、外部から購読しているカレンダーは、初期状態では手元に降りてきません。これらを出すには、Googleカレンダー側にある同期対象を選ぶページで、カレンダーの名前を個別にオンにして保存する必要があります。保存したあと、手元のアプリでカレンダーを更新すると現れます。

ここが、検索で出てくる手順が食い違う最大の理由です。「同期されない」と言っている人の半分は接続そのものに失敗していて、残りの半分は接続には成功しているが対象として選んでいないだけです。前者はアカウントを作り直す話になり、後者は1か所のチェックを入れるだけで終わります。手元のアプリで自分の主カレンダーだけが見えているなら、後者です。

チームの共有カレンダーが見えないという相談は、ほぼこの型です。共有された側は「他のカレンダー」に入るので、選ばない限り出てきません。会社や学校のアカウントを使っている場合は、管理者が共有の範囲そのものを制限していることもあり、その場合は本人の設定では解決しません。

同期しても手元に降りてこない機能

つながったあとも、Googleカレンダーにあって手元のアプリには現れない機能があります。Googleは、Appleのカレンダーで利用できないものとして、予定のメール通知、新しいGoogleカレンダーの作成、会議室の予約機能の3つを挙げています。

この3つが落ちるのには理由があります。CalDAVの決まりには、カレンダーそのものを新しく作る手順が含まれていますが、Googleの窓口はその手順に対応していません。だから手元のアプリから新しいGoogleカレンダーを作れず、作りたければGoogleカレンダーの画面を開くことになります。会議室や備品の予約も、Googleが独自に用意している仕組みなので、共通の決まりの外にあります。

ToDoリストも流れてきません。iCalendarの形式には予定のほかに、やることを表す種類のデータが定義されていますが、Googleの窓口はその種類を扱いません。Googleカレンダーの画面でタスクを併用している場合、手元のアプリにはタスクだけが抜けた一日が並びます。空き時間の照会も同じで、共通の決まりにある問い合わせの手順のうち、空き時間を尋ねる部分はGoogle側で実装されていません。

これらは不具合ではなく、対応範囲の線引きです。線引きが分かっていれば、「同期の設定を直せばタスクも出るはずだ」と探し続ける時間を使わずに済みます。手元のアプリで何を扱えて何を扱えないかは、道具を選ぶ時点の基準になります。扱える範囲の整理はできることにまとまっています。

アカウントが増えると、同期の経路も本数だけ増える

仕事用と個人用でGoogleアカウントを分けている場合、同期は1本ではありません。アカウントごとに別々の接続ができ、それぞれに別の設定が付きます。更新の頻度も、同期の対象として選んだカレンダーの一覧も、アカウント単位で持っています。片方を直しても、もう片方は前のままです。

この構造を知らないと、「設定したはずなのに反映される予定とされない予定がある」という状態になります。実際には設定が半分しか終わっていないだけで、不安定に動いているわけではありません。アカウントを3つつないでいるなら、確認すべき設定の組も3つあります。

会社や学校から配られたアカウントでは、さらに管理者の設定が上に乗ります。組織の外へどこまで共有できるかの上限は管理者が決めていて、本人がどれだけ設定を変えても、その上限を超えた形では外に出ません。手元のアプリで予定の中身が空き時間としてしか見えないとき、原因が自分の設定ではなく組織の上限であることがあります。Googleも、非公開のアドレスが見つからない場合として、管理者が共有設定を変更している可能性を挙げています。

もうひとつ、アカウントを分けている人が見落としやすいのが、予定の招待です。招待は宛先のアカウントに届くので、招待を受け取ったアカウントを手元につないでいなければ、その予定は一日の並びに出てきません。予定を見落とす原因が、同期の不調ではなく、そもそもつないでいないアカウントだった、という場面はよくあります。

詰まる場所は、だいたい4つに固まっている

同期の不調として相談が集まる場所は限られています。順に確認すると、ほとんどがこの範囲で片付きます。

  • 委任の設定が残っている。Appleのカレンダーには、他人のカレンダーを代理で扱う「委任」の仕組みがあります。過去にこれを使って共有カレンダーを見ていた場合、委任がオンのままだとGoogleとの同期が動きません。Googleは、委任をすべてオフにすると同期が動くようになると案内しています
  • 同期対象として選んでいない。前の節のとおり、「他のカレンダー」は選ぶまで出てきません
  • 更新の間隔が長い。Appleのカレンダーでは、アカウントごとに更新の頻度を選ぶ設定があり、間隔が長いほど反映が遅れます。仕組みが対応しているアカウントでは、変更があったときに自動で取りに行く方式も選べます
  • 同じ予定を2つの経路から読んでいる。双方向の接続と、同じカレンダーの購読を両方設定していると、1件の予定が2つの箱として並びます。数が増えるほど、どちらが本物か判別できなくなります

4つ目は、症状が「同期されない」ではなく「予定が二重に見える」として現れるため、同期の問題だと気づかれにくい型です。アカウントを増やすたびに設定を足していくと、いつの間にか同じ予定に複数の経路ができています。

確認の順番も決まっています。まず委任を見て、次に同期の対象を見て、最後に更新の頻度を見る。この順番が効くのは、前の2つが原因のときは間隔をどれだけ短くしても状況が変わらないからです。頻度から触りはじめると、変化が出ないまま設定を往復することになります。それでも直らない場合に初めて、アカウントをいったん外して入れ直す手順に進みます。入れ直すと初回の全取得が走るので、予定の本数が多いカレンダーでは反映まで時間がかかります。

予定は全部入っているのに一日が回らないとき

同期が正しく動いていても、一日が崩れることがあります。このとき原因は同期ではなく、並べ方にあります。

会議と会議の開始時刻はどちらも正しく、通知も鳴ったのに、その間に移動が入らないので押し出される。予定の箱だけが並ぶ表示では、この崩れは当日まで見えません。移動が必要な予定に、移動そのものを形として持たせられるかどうかで、事前に気づけるかが変わります。移動時間の扱い方は移動時間に整理してあります。

もうひとつは、入力の手間です。同期の経路が何本あっても、予定を入れる動作は毎回発生します。会議の直後に決まった次の約束を、あとでフォームを開いて日付と時刻と件名を打ち直す往復が1日に数回あると、入力そのものを後回しにして忘れる型に入ります。話し言葉と音声で予定を入れられる形にすると、この往復が減ります。入力まわりの考え方は予定の入れ方にあります。

同期の仕組みが同じでも、手元のアプリによって一日の見え方と入力の手数は大きく変わります。読み書きの経路は共通の決まりで揃っているので、差が出るのはその先です。候補ごとの違いは他のカレンダーとの比較が出発点になり、費用の形は購入に条件が書かれています。判断に迷う点はよくある質問にまとめてあります。

よくある質問

Googleカレンダーの同期とは、具体的に何をしていますか?

手元のアプリがGoogleのサーバーに接続して、予定を取り出したり書き戻したりしています。アカウントを追加する形なら双方向で、どちらから直しても反映されます。カレンダーのアドレスを貼り付ける形は読むだけで、手元からの変更は向こうに戻りません。

アカウントを追加したのに、共有されたカレンダーが出てきません。

自動で同期されるのは「マイカレンダー」の欄にあるものと誕生日だけです。他人から共有されたカレンダーは「他のカレンダー」の欄に入るため、Googleカレンダー側で同期の対象として個別にオンにして保存し、そのあと手元のアプリでカレンダーを更新する必要があります。

同期してもGoogleのタスクや会議室の予約が見当たりません。

これらは共通の決まりの外にある機能です。Googleは、Appleのカレンダーで使えないものとして予定のメール通知、新しいGoogleカレンダーの作成、会議室の予約機能を挙げています。やることの一覧も接続の窓口が扱わない種類のデータなので、手元のアプリには流れてきません。

同じ予定が2つ並んでしまう原因は何ですか?

同じカレンダーを双方向の接続と購読の両方で読んでいる状態が典型です。経路が2本あるため、1件の予定が2つの箱として表示されます。どちらか片方を外せば解消します。複数のアカウントに同じ予定を入れている場合も、見え方は同じになります。

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