エクセルで週ごとのカレンダーを作る方法と、やめどき

エクセルで週ごとのカレンダーを作ろうとして、いちばん多い失敗は「1週目を手で打って完成させてしまう」ことだ。見た目は正しいので、そのまま翌週になり、また同じ作業が始まる。日付を1か所だけ手入力して残りを計算で出す形にしておけば、作るのは1回で済み、以後はその1か所を書き換えるだけで別の週に切り替わる。ここでは崩れない週表の作り方、A4の1ページに収める印刷設定、そして表計算で追えなくなる境目までを順に並べる。

表計算の週表が向いている仕事、向いていない仕事

作り始める前に、何が得意で何が苦手なのかをはっきりさせておくと、あとで作り直さずに済む。

得意なのは3つある。

  • 印刷。壁に貼る、ファイルに綴じる、という用途では紙がいちばん速い共有手段になる。列幅も行の高さも、何時から何時までを載せるかも自由に決められる
  • 時間以外の列。案件番号、担当者、機械、客先といった列を横に足せる。週の合計時間を下の行で集計するような使い方は、カレンダーではなく表計算の仕事になる
  • アカウントも権限もいらない。社内のカレンダーに入れない相手にも、ファイルを渡せばそのまま開ける

この3つには共通の形がある。確定した1週間を、作って、読んで、保管するという流れだ。逆に、週の途中で予定が動き、その変化を他の人にも見せる必要があるなら、後述するとおり長所がそのまま短所に反転する。

日付は1か所だけ手で入れる

要点はこれだけだ。人が日付を打つセルは1つ、残りはすべて計算で出す。

日付の行

週の月曜日を1つのセル(たとえばB2)に入れる。隣の列には左のセルに1を足す式を入れ、日曜まで右へ引く。列は7つ、手入力は1つ、式が6つになる。

表示は「セルの書式設定」のユーザー定義で整える。ここで文字列にしてしまわないことが大事で、値としては日付のまま、見た目だけを整えるのが正しい。曜日の行も手で「月火水」と打たず、同じセルから求める。日付から曜日を出す関数を使えば、日付を1つ変えるだけで曜日も追随する。手で打った文字は、次に使い回したときに必ずずれる。

時刻の列

左端の列に、始業時刻を1つ入れ、その下のセルで一定の幅を足して下へ引く。30分刻みが多くの職場に合う。1時間刻みは印刷が小さくて済むが、書き込める量は減る。

日付の行と時刻の列は「ウィンドウ枠の固定」で止めておく。週表では、これがあるかどうかで使い続けられるかが決まる。スクロールして見出しが消える表は、2日ほどで使われなくなる。

土日と祝日の色分け

手で塗らずに条件付き書式を使う。範囲全体に対して、上の日付行の曜日を判定する式を書き、土曜と日曜のときに色を付ける。式が日付を見ているので、B2の日付を書き換えれば色の位置も自動で移動する。

同じやり方で、今日の列だけ色を変えることもできる。日付行と今日の日付を比べる式を追加すればよい。祝日だけは自動では入らないので、シートの空いている場所に日付の一覧を作り、その一覧に含まれるかどうかを判定する式を足す。この作り方で唯一、年に1回だけ手入れが要るのがこの一覧になる。

1ページに収めて印刷する

週表が2ページに割れると、表としての用は果たさなくなる。しかも初期設定のままだとほぼ割れる。直すのは4か所だけだ。

  • 印刷範囲を表そのものに設定する。シートの判断に任せない
  • 用紙の向きを横にする。7列は縦向きに向かない
  • 拡大縮小を「横1ページ」に合わせる。高さは自動のままにして、長い日は次のページへ流す。縦横とも1ページに押し込むと文字が読めない大きさになる
  • 印刷タイトルを設定し、日付の行を各ページの先頭で繰り返す

印刷する前に印刷プレビューで確かめる。崩れる原因のほとんどは、1列だけわずかに広いために日曜が別ページへ押し出されるという単純なもので、プレビューなら一目で分かる。

紙に書き込む前提なら、行の高さを画面用より広げておく。画面では詰まって見えるくらいが、印刷すると手書きにちょうどよくなる。逆に画面で読む用途しかないなら、行を詰めて1画面に1週間を収めたほうが早い。同じ表を紙用と画面用の2枚持ち、行の高さだけ変えておくやり方もある。日付は同じセルを参照させれば、片方を直すともう片方も追随する。

紙ではなくファイルで渡すなら、PDFに書き出す。相手の環境にフォントがなくても崩れず、受け取った側がセルを書き換えて「これが予定です」と返してくる事故も防げる。

あとで壊れる2つの作り方

セルの結合が1つ目になる。画面上は整って見えるが、並べ替えも連続入力も、範囲を参照する式もほとんど効かなくなる。見た目を中央に寄せたいだけなら、結合ではなく「選択範囲内で中央」を使えば同じ見え方になり、どのセルも個別に扱えるまま残る。

日付を文字列で持ってしまうのが2つ目になる。表計算が文字列と判断した「4/7」は、足し算もできず、比較もできず、条件付き書式の判定にも使えない。日付として扱いたいものは値として日付であることが前提で、見た目は表示形式で作る。手入力を1か所に絞るのは、この事故を避けるためでもある。

MacのExcel、Numbers、スプレッドシートでの違い

同じ作り方は3つのソフトで通るが、機能の名前と置き場所が違う。

  • Excel。条件付き書式は「ホーム」タブにあり、式で判定する場合は「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ。印刷まわりは「ページレイアウト」に集まっている
  • Numbers。同じ役割の機能は「条件付きハイライト」という名前で、セルの設定側にある。表がシートの上に置かれる部品なので、印刷範囲ではなく表そのものの大きさで1ページに収まるかが決まる
  • Googleスプレッドシート。条件付き書式のカスタム数式が同じ考え方で使える。ファイルが共有前提なので、渡す相手が編集できてしまう点だけ先に決めておく

どれを使っても、日付を1か所だけ手入力するという骨格は変わらない。ソフトを乗り換えるときに作り直しが発生するのは、たいてい手打ちで埋めた表のほうになる。

表計算で止まるところ

作った表は計画を持てるが、予定表そのものにはならない。違いは5か所に出る。

  • 知らせてくれない。セルに書いた会議には通知が付かないので、自分から見に行かないと機能しない
  • 招待できない。出欠を送る仕組みも、承諾と辞退を受け取る仕組みもない。調整はメールで並行して進み、数日でシートと食い違う
  • 重なりを検出しない。同じセルに2件書いても、それは2件書かれたセルでしかない。重複を重複として見せることが、二重予約を防ぐいちばんの機能になる
  • 同期しない。Macの中のファイルはMacの中のファイルで、他の人が見ているのは複製になる。複製は次に更新されるまでしか正しくない
  • 毎週作り直しが要る。日付を1つ変えるだけとはいえ、開いて、変えて、書き出す作業は毎週発生する

これは表計算の欠点というより役割の違いになる。表は文書であって仕組みではない。印刷して保管するものには、文書のほうが正しい道具になる。

予定を出し入れするときの決まり

すでにカレンダーに入っている予定を表に流し込みたい、あるいは表から取り込みたい、という話になる。どちらもできるが、先に決まりを知っておいたほうが時間を無駄にしない。

向きによって難易度がまったく違う点を先に押さえておく。カレンダーから表へ出すのは簡単で、表からカレンダーへ入れるのは面倒だ。だから週表を「見せるための出力」として使い、入力の口はカレンダー側に置くほうが、作業量は少なくなる。逆にすると、表に書いた予定を毎回どうやってカレンダーへ運ぶかという問題が毎週発生する。

書き出す側は、カレンダーからCSVまたはICS形式で出せる。CSVなら表計算でそのまま開けて、1行が1件の予定になる。ここから週表の体裁に整える作業は残るが、入力し直す必要はない。

取り込む側には形式の決まりがある。必須の列は先頭の2つだけで、Subject(件名)とStart Date(開始日)があればよい。ここで日本語環境の人がつまずくのは見出し行で、見出しは英語である必要がある。画面が日本語でも、ファイル側の見出しを日本語にすると読み込めない。ファイルの大きさにも上限がある。

Google カレンダーは 1 MB 以下のファイルに対応しています。 出典: support.google.com

週表を作る人にとって意外なのは繰り返しの扱いだ。CSVから読み込んだ繰り返しの予定は、繰り返しとしては入らない。単発の予定が連続して並ぶ形になるので、あとからまとめて時間を変えることができず、1件ずつ直すことになる。毎週の定例のように本当に繰り返すものは、ファイルで取り込まずカレンダー側で繰り返しとして作る。取り込むのは単発の予定だけにしておくと、後始末が発生しない。

なお、カレンダー自体を表計算ソフトと並べてインストールする、という形にはなっていない。

ヒント: パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできませんが、オフラインで使用することは可能です。 出典: support.google.com

ブラウザでのオフライン利用は範囲が限られていて、予定の作成や編集はできない。手元に控えを持つ形にしたい場合は、Mac用のカレンダーアプリという別の選択肢になる。

3つの面を使い分ける

判断は「エクセルかカレンダーか」ではない。同じ週について、どの面を使うかという話になる。

得意 苦手 毎週の手間
表計算の週表 印刷、独自の列、合計 通知、招待、重なりの検出 作り直しか書き出し
カレンダーの週表示 週の途中の変更、通知、招待 列の追加、印刷の細かい制御 なし
印刷したひな型 端末を持たない相手に渡す それ以外すべて 毎週印刷

多くの職場では2つを併用することになる。動いている予定はカレンダーに置き、紙や書き込みが必要になったときにそこから表を作る。この順番が正しい。表を先に作ってカレンダーを写しにすると、変更は招待の形で届くので、まず間違いなく食い違う。

そもそも表計算に戻った理由が「カレンダーに予定を入れるのが遅いから」であれば、直すべきなのは入力のほうになる。1行の文をそのまま予定にできる入力の仕組みは予定の入れ方で扱っている。列を足したいのか、入力が面倒なのか、印刷したいのかで、選ぶ面は変わる。

作るのは1回、運用は別の面で

週表は1回作れば終わりにする。日付は1つだけ手入力、曜日と土日は計算と条件付き書式、印刷は横1ページ。この形にしておけば、来週も来月も同じファイルで足りる。

そのうえで、動いている予定はカレンダー側に置く。通知と招待と重なりの検出は、表計算では代わりが利かないためだ。Mac用のカレンダーが週の表示や入力で何をするのかはできることに、macOS向けの選択肢がどう違うのかは他のカレンダーとの比較に並べてある。表を作る手間を毎週かけ続けているなら、その手間は表の作りではなく、面の選び方から来ている。

よくある質問

週ごとのカレンダーで日付を自動で入れるにはどうしますか?

週の初日を1つのセルに入力し、右隣のセルに「左のセル+1」という式を入れて7列分コピーします。セルの表示形式は日付のままにしておきます。こうすると最初の1セルを書き換えるだけで週全体が切り替わるので、毎週作り直す必要がなくなります。

印刷すると2ページに分かれてしまいます。どこを直せばよいですか?

印刷範囲が未設定で、用紙が縦向きになっているのがほとんどの原因です。印刷範囲を表の範囲に設定し、向きを横にして、拡大縮小を横1ページに合わせます。高さは自動のままにします。プレビューで確認すると、1列だけ広すぎる箇所がすぐ見つかります。

カレンダーの予定を表計算に取り込めますか?

取り込めます。カレンダー側からCSVまたはICS形式で書き出すと、CSVは表計算でそのまま開け、1行が1件の予定になります。逆方向の読み込みでは見出し行が英語である必要があり、必須の列はSubjectとStart Dateの2つ、ファイルは1MB以下という条件が付きます。

毎週の定例をファイルで取り込んだら1件ずつになりました。なぜですか?

CSVから読み込んだ繰り返しの予定は、繰り返しの設定としては入らず、単発の予定が連続して並ぶ形になるためです。あとから時間を変える場合は1件ずつ直すことになります。定例のように本当に繰り返すものは、ファイルではなくカレンダー側で繰り返しとして作るのが確実です。

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