calendar application free for macの実像|無料は4種類ある

Mac用の無料のカレンダーアプリを探すと、候補そのものはすぐ並ぶ。困るのはそこではない。同じ「無料」でも成り立ちが4種類あって、1か月使ったあとの振る舞いがまったく違うからである。OSに最初から入っているもの、広告で成り立っているもの、有志と財団が維持しているもの、有料製品の入口として絞られているもの。この違いを知らずに選ぶと、半年のあいだに2回引っ越すことになる。

無料の4種類と、費用を誰が負担しているか

種類 Macでの例 費用を負担しているもの 後から効いてくる点
OSに同梱 Macの「カレンダー」 本体の価格 機能が増える速度は作り手の都合で決まる
広告つき Outlook for Mac 広告収入。購読で非表示にできる 仕事の画面の隣に広告が出続ける
オープンソース Thunderbird、Itsycal 寄付と貢献者 何を優先するかは開発側の方針で決まる
有料製品の無料枠 Fantasticalの無料プラン 有料の利用者 困っている機能ほど有料側にある

どれも不誠実な仕組みではない。破綻する場所が違うだけである。広告つきは、客先の資料の横にカレンダーを開きっぱなしにする働き方で効いてくる。無料枠つきは、探していた当の機能が有料側だったと分かった瞬間に効いてくる。オープンソースは、必要な連携が開発の予定に入っていないときに効いてくる。

まず、すでに入っているものを基準にする

Macの「カレンダー」は最初から入っている。評判よりできることは多く、複数アカウントを1枚の画面に並べる、予定に移動時間を付ける、時刻付きのリマインダーを枠内に出す、共有と購読、集中モードでの絞り込み、キーボードショートカットまで公式に用意されている。

標準アプリを基準に置くのは妥協ではない。乗り換え先が何を超えなければならないかを知る唯一の方法である。表示する時間帯を勤務時間に絞り、iCloud以外のアカウントの更新頻度を短くし、通知の既定値を決める。この3つを試していない状態では、標準アプリはまだ試されていない。ここを飛ばして別のアプリを入れると、同じ不満をもう一度発見することになる。

広告つきの無料: Outlook for Mac

App Storeの表示では、無料でアプリ内購入あり、開発元はMicrosoft Corporation、サイズは1.3 GBである。個人のメールアカウントが無料になったこと、Microsoft 365やOutlook.com、Gmail、iCloud、IMAP、POPに対応することが説明に書かれている。あわせて、広告を非表示にするにはプレミアムの購読を追加すると明記されている。つまり無料の状態では広告が出る。

メールと予定表を1つのウインドウで扱いたい人、会社のアカウントがMicrosoft 365である人には、有力な無料の選択肢である。一方で、サブディスプレイに1日中開いておく「計画のための画面」としては、広告の出る窓は家具として不向きである。容量の少ない機械では1.3 GBという数字も無視できない。

オープンソースの無料: Thunderbirdとitsycal

Thunderbirdは、メールとカレンダーと連絡先を1つにしたアプリで、Windows、Linux、macOSに対応する。ソフトを売って稼ぐのではなく、寄付で運営されている点がほかと違う。

Windows、Linux、macOS用の強力なメール、カレンダー、連絡先アプリをご紹介します。 出典: thunderbird.net

カレンダーは後付けの拡張ではなく本体に入っており、標準の規格で話すため、特定の会社のサービスに縛られない。品質ではなく優先順位が違うと考えるのが正確で、寄付で動く開発は、目新しい調整機能より、規格への忠実さと独立性を先に置く傾向がある。複数のOSを行き来する人、どこか1社に依存したくない人にとっては、いちばん長持ちする無料の選択肢になる。

Itsycalはメニューバーに常駐する小さなカレンダーで、MITライセンスで公開されている。Mac標準の「カレンダー」の内容を読み取って表示し、予定の作成やオンライン会議への参加、ISO週番号の表示、システム時計の置き換えに対応する。動作にはmacOS 11以降が必要である。

ここで大事なのは、これがカレンダーアプリの代わりではないという点である。既に設定されているカレンダーを読んでいるだけなので、標準アプリに足す道具としては優秀だが、「どのカレンダーアプリを使うか」への答えにはならない。

ブラウザという無料の選択肢

タブで済ませる手も、もっと評価されてよい。主要なカレンダーはブラウザだけで完結し、導入作業も容量も要らず、更新も自動である。会社に管理された機械、共用の機械、月に数回しか見ない客先のカレンダーなら、1.3 GBのアプリを入れるより合理的である。

弱点は具体的である。ブラウザを開いていなければ通知が来ない。ショートカット1つで最前面に出すことができない。メニューバーにも出ない。そして、必要な瞬間には他の11枚のタブの裏に隠れている。

現実的な折衷案は、毎日を動かすカレンダーだけをアプリにして、たまに見るだけのものはタブに置く形である。サービス単位ではなく、見る頻度で分けたほうが後悔が少ない。

もう1つの無料: 別の事業が支えている場合

4種類のどれにも収まりきらない形もある。Notion Calendarは無料で提供され、macOS版が配布されている。値段が無料である理由は、広告でも寄付でも試用期間でもなく、大きな有料の事業がその会社の収益を作っているからである。

この形の無料は、使う側から見ると条件が読みにくい。購読の金額が上がるかどうかではなく、その会社が「この製品を続ける価値がある」と判断し続けるかどうかに将来がかかっている。仕事の中心に据えるなら、書き出しの手段があるか、他のカレンダーの規格で持ち出せるかを先に確かめておきたい。逆に言えば、その確認さえ済ませてあれば、無料であること自体は不利にならない。

会社の予定を無料アプリに渡す前に確かめる3点

無料のアプリはアカウントへの接続を求める。カレンダーへの接続は小さな権限ではない。誰と、いつ、どこで会ったかの記録であり、多くの仕事では受信箱と同じくらい機微な情報である。

  • サインインの画面で何を要求しているか。読み取りだけなのか、変更と削除まで含むのかを見る
  • 予定のデータをどこで処理しているか。相手のサーバーを通るのか、機械の中だけで完結するのかで、控えを持つ相手が変わる
  • 持ち出す手段があるか。使うのをやめる日に、予定を書き出して別の場所へ移せるかを確認しておく

組織の事情も絡む。勤務先から配られたアカウントは勤務先の規則の下にあり、管理者は外部のアプリからの接続を止めることができる。無料のアプリを入れてから会社の予定が見えないと気づく前に、規則のほうを先に確認しておけば、半日と気まずい問い合わせが1件減る。

有料との境目にある3つの機能

種類を問わず、無料の線の外に出やすい機能は決まっている。

  • 社外の相手に空き時間を公開して選ばせる仕組み。参加依頼を送るところまではどれも無料だが、Macが寝ているあいだも動き続けるサーバー側の仕組みが要るため、ほぼ有料側にある
  • 入力の速さ。打ち込めることと、話す速さについてこられることは別である。電話をしながら1件入れられるかどうかが分かれ目になる
  • 1日の無理を指摘すること。離れた場所の予定が20分差で並んでいても、たいていのカレンダーは黙って描く。描くだけでなく警告するものは少ない

もう1つ、性質は違うが忘れやすいのがサポートである。有料の製品には答える担当がいる。同梱のアプリはプラットフォーム全体の窓口が受ける。オープンソースはフォーラムと課題管理で、答える人の都合の時間に返る。この差は、締切当日の朝に同期が止まるまで問題にならない。止まった朝には、この差だけが問題になる。

有料側の相場を、同じ表で見ておく

無料を選ぶ判断にも、有料の値段は要る。BusyCalは14日の無料試用のあと49.99ドルの買い切りで、動作にはmacOS 12.0以降が必要と公式サイトに書かれている。定額サービスのSetapp経由でも使える。Fantasticalは無料プランを用意したうえで、月払いと年払いの有料プランを持ち、有料機能には14日の試用が付く。

買い切りと月額のどちらが得かは、期間で変わる。2年使うのか、半年で乗り換えるのか。2年の総額で並べてから比べると、見出しの数字での比較よりも判断を誤りにくい。無料のまま行くという選択も、この表の上に並べてはじめて意味を持つ。

乗り換えるとき、実際に動かすものは少ない

無料から無料へ、あるいは無料から有料へ移るとき、予定そのものを引っ越す作業はほとんど発生しない。予定はアプリではなくアカウント側に置かれているので、新しいアプリで同じアカウントにサインインすれば、そのまま同じ内容が出る。この点を誤解して、書き出しと読み込みで丸ごと移そうとすると、同じ予定が二重に並ぶ事故が起きる。

実際に移すことになるのは、アプリの中だけに存在していたものである。表示する時間帯や色の割り当てのような設定、そのアプリでしか作れない形式の繰り返し予定、そしてローカルにだけ保存していたカレンダーの3つがそれにあたる。最後の1つだけは書き出しておかないと消える。

移す前にやると効くのは、むしろ整理のほうである。何年も見ていない共有カレンダーと購読を外し、使っていない色分けを畳んでから移る。散らかったまま持っていくと、新しいアプリでも同じ散らかり方をする。

引っ越しを2回しないための決め方

間違えたときに失うのはお金ではない。アカウントを入れ直し、ショートカットを覚え直し、結局同じ不満が付いてきたと気づくまでの半日である。

まず標準アプリの設定を実際に触って1週間使う。そのうえで、残った不満を1文で書く。1日中見ているのが不快なら、広告つきは外れる。特定の会社に依存したくないなら、オープンソース以外に答えはない。予定がカレンダー以外の場所に先に書かれてしまうなら、無料の選択肢はどれもそこを直さない。摩擦を受け入れるか、外すために払うかの二択になる。

入れる前に確認しておくことも決まっている。提供が続いているか、新規の受け付けが止まっていないか、料金の表示が紹介記事と一致しているか、運営会社が変わっていないか。カレンダーは長く付き合う道具で、2年更新されていない案内ページはそれ自体が情報である。各アプリが何を重く見ているかは他のカレンダーとの比較に、標準アプリとの機能の差はできることに整理してある。

不満が入力の速さに集約されるなら、見るべきは機能の数ではなく入れ方である。話し言葉と音声で予定を入れられる形になっているかどうかで、1日に取りこぼす件数が変わる。入れ方の違いは予定の入れ方にまとめてあり、有料に移る場合の条件は購入で確認できる。

よくある質問

Macで本当に無料で使えるカレンダーアプリはありますか?

あります。Macの「カレンダー」はOSに同梱されており、Outlook for Macは広告つきで無料、Thunderbirdはオープンソースでカレンダー機能を内蔵、ItsycalはMITライセンスのメニューバー常駐アプリです。何が費用を負担しているかで、長く使ったときの振る舞いが変わります。

Outlook for MacはMicrosoft 365の契約が無くても使えますか?

App Storeの説明には個人のメールアカウントが無料になったと書かれており、無料でアプリ内購入ありという表示になっています。無料のままだと広告が表示され、非表示にするにはプレミアムの購読を追加します。会社アカウントは勤務先の契約に従います。

無料のアプリでも、社外の人に空き時間を選んでもらえますか?

ほとんどの場合できません。参加依頼を送る機能は広く無料ですが、実際の空き時間を公開して相手に選ばせる仕組みはサーバー側の常時稼働が必要で、有料の線の向こうに置かれています。無料の範囲では候補日をメールで送る形が現実的です。

有料に移るとしたら、いくらぐらいかかりますか?

形式で異なります。BusyCalは14日の試用後に49.99ドルの買い切りで、Fantasticalは無料プランに加えて月払いと年払いのプランを持ちます。買い切りと定額は損得の分かれ目が使用期間で変わるため、2年程度の総額で並べて比べるのが確実です。

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