Googleカレンダーで複数アカウントを1画面に表示する方法

google カレンダー複数アカウント表示で調べると、プロフィール画像から別のアカウントを追加する手順が最初に出てきます。その手順は正しいのですが、多くの人が求めている結果にはなりません。あれはアカウントを切り替えられるようにする機能であって、2つのアカウントの予定を同じ升目に並べる機能ではないからです。

この記事では、1つの画面に並べるための手段を4つ挙げて、それぞれが何を実現して何を犠牲にするかを比べます。そのうえで、並べたあとに必ず出てくる色分け・通知・既定カレンダーの問題まで扱います。表示できて終わりではなく、使える状態にするところまでが目的です。

切り替えと表示はまったく別の話

ブラウザのGoogleカレンダーは、常に1つのアカウントを基準に動いています。左の欄に出るカレンダーの一覧、色、新しい予定が入る既定のカレンダー、通知の設定、勤務時間。画面上のすべてが、いま選ばれているアカウントのものです。

別のアカウントを追加すると、これと同じ一式がもう1組できます。混ざるわけでも並ぶわけでもなく、2つの独立した画面が用意されるだけです。アドレスの中に含まれる番号が切り替わる仕組みで、最初にログインしたアカウントが0番、次が1番という順に割り当てられます。

この違いを言葉で分けておくと、探すべきものがはっきりします。切り替えは「もう片方に到達できる」という問題を解きます。表示は「両方を同時に見られる」という問題を解きます。求めているのが後者なら、アカウントの追加をいくら丁寧にやっても解決しません。

見えないカレンダーは、やがて更新されなくなります。切り替えが必要な側は確認の頻度が落ち、そこに入っている予定が現実とずれ始め、最終的に当てにならなくなる。1画面に並べる作業は見やすさの改善ではなく、カレンダー自体が信用できる状態を保つための作業です。

カレンダーの利用が業務の前提になった時期について、iCalendarの規格文書は次のように書いています。

The use of calendaring and scheduling has grown considerably in the last decade. Enterprise and inter-enterprise business has become dependent on rapid scheduling of events and actions using this information technology. 出典: rfc-editor.org

組織をまたいだ仕事が増えるほど、人が持つアカウントの数も増えます。アカウントが分かれること自体は避けようがないので、分かれたまま1つの画面で見る方法を用意するのが現実的な対処になります。

1画面に並べる4つの手段

手段 1つの升目に並ぶ 反映の速さ 相手側で予定を作れる 管理者の制限を受けるか
アカウントの切り替え 並ばない 即時 切り替えれば可 受けることがある
カレンダーの共有 並ぶ 即時 権限しだい 受けやすい
URLでの購読 並ぶ 遅れる 作れない ほぼ受けない
両方を読むアプリ 並ぶ 即時 作れる 受けない

共有は、予定を持っているアカウント側でカレンダーの設定を開き、特定のユーザーと共有する欄にもう片方のアドレスを追加する方法です。追加された側の左の欄に相手のカレンダーが並び、複製が作られないため反映は即時です。費用も追加の道具も要らず、1分ほどで試せて、合わなければ共有を外すだけで戻せます。まず試すべきはこれです。

URLでの購読は、カレンダーの設定にある非公開のURLを、もう片方のアカウントでURLから追加する方法です。共有が制限されている環境でも通ることが多い代わりに、読み取り専用になり、反映のタイミングをGoogleが決めるため遅れます。表示された内容が最新とは限らない点は、使う前に理解しておく必要があります。

両方を読むアプリは、Macのカレンダーアプリに2つのGoogleアカウントを別々に追加して、同じ升目に描かせる方法です。アカウント同士を結びつけないため、組織が外部への共有を止めていても影響を受けません。macOS標準のカレンダーでもこの形が取れます。

なお、書き出したファイルをもう片方に読み込ませる方法もありますが、これは1画面表示の手段には数えていません。読み込んだ時点の内容が複製されるだけで、以降は元のカレンダーを追いかけないためです。もう一度読み込むと同じ予定が二重になります。この方法が向いているのは、片方のアカウントを使うのをやめて予定だけ残したい場合に限られます。

スマートフォンでは並ぶのにMacでは並ばない理由

Googleカレンダーのスマートフォン向けアプリは、複数のアカウントを登録すると、それぞれのカレンダーを同じ升目に描きます。左のメニューにアカウントごとの一覧が並び、チェックを入れたものが色分けされて1つの画面に出ます。ブラウザではできないことが、スマートフォンではできています。

この差は画面の大きさではなく、参照している対象の違いから来ています。スマートフォンのアプリは端末に登録されたアカウントを読みにいくのに対し、ブラウザはログインしている状態を切り替えているだけだからです。前者はデータの供給元として複数を扱えますが、後者は1つの画面を占有する主体として扱っています。

ここに気づくと、Mac側の解き方も見えてきます。スマートフォンでできているのと同じことを、Macでやればよい。つまり端末側のアプリに複数のアカウントを登録する形です。ブラウザの中で工夫を重ねても、構造的に並びません。

ブラウザのままで切り替えを軽くする方法

1画面に並べる手段を取る前に、切り替えの手間だけを減らして済むケースもあります。もう片方のアカウントを1日に数回しか見ないなら、並べる必要はありません。

いちばん効くのはアドレスのブックマークです。Googleカレンダーのアドレスには、いま見ているアカウントを示す番号が含まれています。最初にログインしたアカウントが0番、次にログインしたものが1番という順で、この番号を含むアドレスをそのままブックマークすると、メニューを開かずに目的のアカウントへ直行できます。2つのブックマークを並べておけば、切り替えはクリック1回です。

注意点は、この番号がログインした順で決まることです。アカウント側の設定で固定されているわけではないため、全部からログアウトして入り直すと入れ替わることがあります。以前は正しく開いていたブックマークが違うカレンダーを開くようになったら、番号を確認し直せば直ります。

もう1つの方法が、ブラウザのプロファイルを分けることです。ChromeやFirefoxはプロファイルごとにログイン状態を持つため、片方のプロファイルには仕事のアカウント、もう片方には個人のアカウントだけを入れておけます。ウィンドウを2つ並べれば、切り替えずに両方を見られます。同時ログインが組織の設定で禁止されている環境でも、この方法なら通ることが多いのが利点です。

ただし、これらはあくまで切り替えを速くする工夫であって、1つの升目に並べるものではありません。空き時間を正しく判断したい、つまり両方の予定が重なった状態を見たいのであれば、次の手段が必要になります。

並べたあとに必ず出てくる3つの問題

1画面にした瞬間、次の3つが必ず起きます。事前に知っておくと、同期の異常だと誤解して設定をいじり回す時間が消えます。

同じ会議が2件表示される。両方のアドレスが招待されている場合で、予定は本当に2つのカレンダーに存在しています。表示の重複でも同期の不具合でもないため、片方で出席を辞退するか、外部の人に伝えるアドレスを1つに決めることでしか消えません。

新しい予定が意図しないカレンダーに入る。作成画面で選ばれているカレンダーは、いま見ているアカウントに引きずられます。参加者がいる予定を後から別のカレンダーへ移すと招待が送り直されるため、作る前に選ぶほうが安く済みます。既定のカレンダーを明示的に決められる作りかどうかは、道具を選ぶときの判断材料になります。

通知が2回鳴る。共有された同じ会議に対して、2つのアカウントがそれぞれ通知を出すためです。通知はカレンダーごとに設定できるので、表示は残したまま片方の通知だけを止められます。

加えて、招待への返信をどちらのアカウントで返したかが分からなくなる場面もあります。両方に同じ会議が入っていると、片方で辞退した結果が主催者側にどう見えるかが読みにくくなるためです。外部に出すアドレスを1つに決めておけば、この混乱もまとめて消えます。

このうち道具を替えれば解ける問題は2つ目と3つ目だけです。1つ目は、どのアドレスを外部に出すかを決める運用の話で、どんな方法で並べても残ります。道具で解ける問題と運用で解く問題を分けておくと、無駄な設定変更が減ります。

色と権限で「読める画面」にする

並んだだけでは使えません。2つのアカウントの予定が同じ色で混ざっていると、どちらの都合の予定か判別できず、結局それぞれを開き直すことになります。

色は、アカウント単位ではなくカレンダー単位で決めるのが実用的です。仕事のアカウントの中にも複数のカレンダーがあることが多いので、アカウントで塗り分けるより、性質で塗り分けたほうが一日の形が読めます。会議、移動、自分の作業時間の3つを別の色にするだけでも、空き時間の見え方が変わります。

共有を使う場合は、権限の段階が表示の質を決めます。時間帯のみの共有は、名前の無い枠が並ぶだけの画面になります。すべての予定の詳細を見られる権限にすると内容は読めますが、編集はできません。予定の変更権限まで与えると、アカウントを切り替えずに相手側のカレンダーへ直接予定を作れます。同じ人が持つ2つのアカウントなら、変更権限まで与えるのが現実的です。権限ごとの違いはGoogleカレンダー ヘルプでも確認できます。

外部のカレンダーアプリを使う場合には、もう1つ見落としやすい設定があります。Googleカレンダーには、ブラウザでの表示のオンオフとは別に、外部のアプリへ公開するカレンダーを決める一覧があります。ここでオフになっているものは、ブラウザで見えていてもアプリには出てきません。特定の1本だけが出ない場合は、まずこの一覧を疑います。

表示が直っても入力が残る場合の見分け方

ここまでで表示の問題は片が付きます。ところが、並べても楽にならなかったという結果になることがあります。詰まっていたのが表示ではなく入力だった場合です。

見分け方は簡単です。3日間だけ、2つのカレンダーを同時に開いた回数と、予定を違うカレンダーに作ってしまった回数を数えます。前者が多くて後者がほぼゼロなら、共有か1画面表示で解決します。後者がゼロでないなら、問題は表示ではなく作成の場所にあり、並べても変わりません。

入力側を軽くする方向で道具を選ぶ場合、見るべき点は3つです。複数のGoogleアカウントを同時に読めるか、予定を作るときにどのカレンダーへ入れるかを選ばせる作りか、そして話し言葉と音声で予定を入れられるかです。打ち合わせの直後や移動中に、キーボードへ戻らずに入れられるかどうかで、その予定が記録されるかどうかが決まります。

カレンダーアプリごとの守備範囲の違いは他のカレンダーとの比較に、実際の入力の形は予定の入れ方に、会議の前後の移動をどう扱うかは移動時間にまとめてあります。動作環境や同期の条件でよく届く質問はよくある質問で確認できます。

よくある質問

アカウントを追加すれば両方の予定が1つの画面に出ますか?

出ません。プロフィール画像から追加する機能は、アカウントを切り替えられるようにするものです。画面は2つに分かれたままで、同じ升目に並びません。1つの画面に並べるには、カレンダーを共有するか、URLで購読するか、両方のアカウントを読めるアプリを使うかのどれかが必要です。

仕事のアカウントから個人のアドレスへ共有できません。

組織の管理者が外部への共有を制限している可能性が高く、これはアカウント側の設定なのでこちらでは変えられません。回避策は2つあり、非公開のURLを使った購読にするか、両方のアカウントを別々に登録できるカレンダーアプリで1つの画面に描かせる方法です。後者はアカウント同士を結びつけないため制限を受けません。

購読で追加したカレンダーの反映が遅いのはなぜですか?

URLで追加したカレンダーは、Googleが決めたタイミングでデータを取りにいく仕組みだからです。アプリ側の更新間隔を短くしても早くなりません。当日中に動く予定を扱うなら購読は向いておらず、共有かアプリでの読み込みに切り替えるほうが確実です。

1画面にしたら同じ会議が2件出てきました。設定のミスですか?

ミスではありません。両方のアドレスが招待されている会議は、実際に2つのカレンダーに存在します。片方のアドレスで出席を辞退すれば1件になります。根本的には、外部の人に伝えるアドレスを1つに決めておくことでしか防げないため、道具を替えても残る種類の問題です。

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