Googleカレンダーの通知をどう選ぶか|条件の見方
Googleカレンダーの通知の選び方を調べる人は、ほとんどが「何分前がちょうどいいか」から考え始めます。10分前では席を立つには遅く、30分前では早すぎて忘れる。この振り幅を行ったり来たりして、結局どちらでもない数字に落ち着く。その状態が何ヶ月も続いているなら、詰まっているのは数字の選び方ではありません。
Googleカレンダーの通知は、設定を保存する場所が3つに分かれています。どの階層で決めるかを先に選ばないまま数字だけを触ると、翌週に作った予定には反映されず、去年作った繰り返しの予定だけ古い設定のまま鳴り続けます。選び方の条件は、時刻ではなく階層から見ていくと揃います。
通知の設定は3つの階層に分かれて保存されている
同じ「通知」という言葉で呼ばれていても、設定の保存先は次の3つに分かれています。
- アカウント全体の設定(新しい予定、変更された予定、キャンセルされた予定、予定への返答、日々の予定リスト)
- カレンダーごとの既定(予定の通知、終日の予定の通知)
- 個々の予定に付けた上書き
Googleのヘルプは、このうち下の2つの関係をはっきり書いています。
特定の予定の通知をカスタマイズしない限り、カレンダー レベルの設定に応じて新しい予定の通知が決まります 出典: support.google.com
読みどころは「新しい予定」という部分です。カレンダーの既定を変えても、すでに作ってある予定は変わりません。既定を直したのに鳴り方が変わらないという症状は、故障ではなく仕様どおりの動きです。逆に、1件の予定で上書きした設定は、その予定のためだけに永久に残ります。半年前に急ぎの案件のために付けた「1日前」の通知が、繰り返しの定例会議に付いていれば、毎週1日前に鳴り続けます。
選ぶ順番は上から下です。まずアカウント全体で何をメールで受けるかを決め、次にカレンダーごとの既定を決め、最後に例外だけを予定ごとに上書きする。この順で決めておくと、以後に作る予定は何も考えなくても正しい通知が付きます。逆に予定ごとの上書きから始めると、予定を作るたびに同じ判断を繰り返すことになり、判断の数だけ設定がばらつきます。
「予定の通知」と「終日の予定の通知」は別の項目として選ぶ
カレンダーごとの既定の欄には、通常の予定と終日の予定が別々に並んでいます。ここを同じ感覚で埋めると、終日予定だけが不便な形になります。
理由は、終日の予定には開始時刻がないからです。締切、記念日、出張の期間、有給の日、こうした予定に「30分前」という指定をしても、何時を基準にするのかが決まりません。そのため終日予定の通知は、前日の何時という形で指定します。選ぶ基準は、その情報を知って何かをする時間が残っているかどうかです。書類の締切なら前日の朝に知る意味がありますが、前日の夜に知っても着手できません。
もう1つ、終日予定の通知は束になりやすいという性質があります。祝日や記念日の類は終日予定として登録されるので、既定を有効にしたままだと、月に何度か関係のない通知がまとめて届きます。終日予定は件数が読みにくいので、既定は控えめにして、本当に締切のあるものだけ個別に付けるほうが安定します。
何分前にするかは「通知で何を始めるか」で決める
時刻を選ぶときに効く問いは1つだけです。その通知を見た瞬間に始める行動は何か、という問いです。行動が決まれば、必要な時間がそのまま答えになります。
| 通知で始める行動 | 選ぶ時刻の根拠 | 判断がつかないときの目安 |
|---|---|---|
| 移動を始める | 移動にかかる時間そのもの | 実測した所要時間に余裕を足す |
| 資料や画面を開く | 準備にかかる時間 | 5分から10分 |
| 誰かに声をかける | 相手の都合を確認する時間 | 30分から1時間 |
| 何もしない | 通知そのものが不要 | 通知を外して予定だけ残す |
いちばん多い誤りは、最後の行にあたる予定に通知を付けたままにしていることです。見ておくだけの予定、他の人が主催で自分は聞くだけの予定、時間が確定していない仮の枠。こうした予定に通知が付いていると、鳴った回数のうち行動につながる割合が下がっていきます。割合が下がると、本当に動くべき通知も同じ扱いで無視されるようになります。通知の選び方で最初に削るべきなのは、この「行動が決まっていない通知」です。
移動を伴う予定については、通知の時刻を移動時間に合わせるより、移動そのものを予定として持たせるほうが破綻しません。前の会議と次の会議の間に物理的に入らない移動があるとき、通知は「間に合わない」ことを教えてくれますが、そもそも入れないようにはしてくれないからです。移動を時間として扱う考え方は移動時間に整理されています。
アカウント全体の通知は、予定より先に情報が動く場所
予定の開始前に鳴る通知だけを見ていると、見落としやすい欄があります。アカウント全体の「その他の通知」にあたる部分で、対象は次の5つです。
- 新しい予定
- 変更された予定
- キャンセルされた予定
- 予定への返答
- 日々の予定リスト
この5つはメールか、なしかの2択で選びます。ここで選ぶべき条件は、開始前の通知では代わりにならない情報かどうかです。変更とキャンセルは、まさにそれにあたります。会議が中止になった事実は、開始10分前の通知では伝わりません。予定そのものが消えているので、通知も鳴らないまま予定の時刻が過ぎるだけです。中止を知る唯一の経路がこの欄なので、ここをすべて「なし」にすると、静かにはなりますが、動いていない予定の変化に気づけなくなります。
逆に受信箱を圧迫しやすいのは「予定への返答」です。参加者の多い会議を主催すると、承諾の返信が人数分届きます。全部を切るのではなく、承諾だけを仕分けて、辞退と時間変更だけが目に入る形にすると、必要な情報を残したまま量が落ちます。
「日々の予定リスト」は性質が違い、毎朝その日の予定をまとめて1通で受け取るものです。予定ごとの通知を減らしたい人にとっては、朝の1通に情報を寄せる選択肢になります。ただし届くのは朝なので、当日に追加された予定は載りません。当日に予定が増える働き方の人には向きません。
招待の扱いをどう選ぶか
招待が多いアカウントでは、返事をしていない予定にも通知が付きます。Googleカレンダーには、参加すると返答した予定と未定と返答した予定に限って通知を受け取る設定があります。
これを使うかどうかの判断は、職場の習慣に依存します。招待に返事をする習慣がある職場なら、返事をした予定だけが鳴るのは理にかなっています。一方、返事をせずに出席する習慣がある職場では、出席するつもりの会議が丸ごと通知から外れます。設定の良し悪しではなく、自分の周囲でどちらの習慣が実際に使われているかで決まります。判断がつかない場合は、1週間分の予定を見て、返答済みの予定が何割あるかを数えると答えが出ます。
スマートフォン側には同じ判断がもう1組ある
ここまでの話は、ブラウザから開く設定についてのものです。Googleカレンダーのスマートフォン向けアプリは、通知の設定を独自に持っていて、ブラウザ側で決めた内容はそちらには反映されません。同じ予定に対して、2組の規則が別々に働いています。
この事実が効いてくるのは、通知の数を数えたときです。カレンダーの既定を「1件だけ」に整えたつもりでも、1つの会議に対して実際に届く割り込みは2件以上になります。もう1組がそれぞれの既定で鳴っているからです。ブラウザ側の設定画面は指定どおりの内容を表示しているので、この食い違いは同期の不具合のように見えます。不具合ではなく、独立した2組の設定が両方とも正しく動いている状態です。
ここで決めておくとよいのは、どちらの端末に割り込ませるかです。スマートフォンは、Macを閉じている時間にも届く側です。外出が多い働き方なら、そちらを残してMac側を薄くするほうが理にかなっています。逆に机で作業する時間が長いなら、鞄の中で鳴る通知には意味がないので、Mac側を残します。避けたいのは、両方を既定のまま放置して合計だけを見ている状態です。片方をいくら調整しても、届く数が変わらないように見えます。
確認の方法は数えることです。実際の会議を1件選んで、すべての端末と受信箱を含めて何回割り込みが起きたかを数え、意図した数と比べます。差の分だけ、開いていない設定の層があります。
通知を設定できるのは自分が所有するカレンダーだけ
選び方の話で最後まで残るのが、そもそも設定欄が出てこないカレンダーの扱いです。通知の設定は、自分が所有しているカレンダーに対して並びます。購読しているだけのカレンダー、たとえば祝日のカレンダー、他の人から共有された予定表、外部から取り込んだ予定表には、通知の既定を決める欄がありません。
ここから導かれる結論は、選び方の問題ではなく置き場所の問題だということです。共有されたカレンダーに載っている予定を確実に知りたいなら、方法は2つに絞られます。招待として受け取って自分のカレンダーに入れるか、自分の所有するカレンダーに同じ予定を作るか、のどちらかです。通知の設定をいくら見直しても、所有していないカレンダーの予定は鳴りません。
この制約は、予定をどのカレンダーに置くかという判断が、そのまま通知の選択になっていることを意味します。仕事とプライベートでカレンダーを分けている人は、分けた時点で通知の既定も2組に分かれています。片方だけ設定して、もう片方を放置している状態が長く続くと、静かなほうのカレンダーに入れた予定だけを落とすようになります。
条件の見方を1枚にそろえる
ここまでの条件を、決める順に並べ直すと次の形になります。
| 決めること | 決める場所 | 判断の基準 |
|---|---|---|
| 変更と中止を知る経路 | アカウント全体の設定 | 開始前の通知では代わりにならない情報か |
| 通常の予定の既定 | カレンダーごとの設定 | その通知で始める行動があるか |
| 終日予定の既定 | カレンダーごとの設定 | 前日に知って着手できるか |
| 例外の時刻 | 個々の予定 | 移動や準備に必要な実測時間 |
| 予定の置き場所 | どのカレンダーに作るか | 自分が所有しているかどうか |
この順で決めると、あとから触る箇所が減ります。上の2行はアカウントを作ってから一度決めれば当分変わりません。変わるのは下の2行だけです。
道具の側で条件が変わる部分も1つあります。予定を作るときの手間が小さいほど、通知に頼る必要が減るという関係です。通知は、すでに入っている予定についてしか鳴りません。口頭で決まったまま入力されなかった予定には、どれだけ通知を細かく設定しても効きません。入力の手数を落とす方法は予定の入れ方にまとめてあり、話し言葉と音声で予定を入れられる形にしておくと、入力されない予定そのものが減ります。
通知の出し方や同期の対象はアプリごとに違うので、ブラウザを開いたままにしなくても通知を出せるかどうかを含めて他のカレンダーとの比較で確認できます。機能の範囲はできることに、費用の形は購入に、細かい挙動の疑問はよくある質問にそれぞれまとまっています。
最初に手をつける順番を1つだけ決めるなら、アカウント全体の「変更された予定」と「キャンセルされた予定」をメールのままにしてあるかを確認してください。ここが「なし」になっていると、他の階層をどれだけ丁寧に選んでも、動いた予定の情報だけが届きません。
よくある質問
カレンダーの既定の通知を変えたのに、既存の予定の鳴り方が変わりません。なぜですか?
カレンダーごとの既定は、これから作る新しい予定に適用される設定です。すでに作ってある予定には遡って反映されません。過去に作った繰り返しの予定に古い通知が付いている場合は、その予定を開いて個別に直す必要があります。繰り返しの予定は1件直すと以後の回にまとめて反映できます。
終日の予定の通知は何時に設定するのがよいですか?
終日予定には開始時刻がないため、前日の何時という形で指定します。判断の基準は、その時刻に知って着手できるかどうかです。締切のある書類なら前日の朝、翌日の出発に備えるものなら前日の夕方が現実的です。祝日や記念日のように行動を伴わない終日予定には、通知を付けないほうが他の通知が埋もれません。
共有されたカレンダーの予定にも通知を設定できますか?
通知の設定欄が並ぶのは、自分が所有しているカレンダーだけです。共有されただけのカレンダーや購読しているカレンダーには既定を決める欄がありません。確実に知りたい予定は、招待として受け取って自分のカレンダーに入れるか、自分の所有するカレンダーに予定を作る形にします。
予定への返答のメールが多すぎます。全部止めても問題ありませんか?
承諾の返信を止めても実害が出ることは多くありませんが、辞退と時間変更まで一緒に止めると、参加者が減ったことに気づけなくなります。全部を「なし」にするより、受信箱側のフィルタで承諾だけを仕分けて、辞退と変更だけが目に入る形にするほうが情報は落ちません。